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モン族の服

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第四章

「中国から着てる」
「商売とかで」
「実は私達はあの人達と親戚らしいのよ」 
 そのミャオ族、中国から着た彼等というのだ。
「それであの人達が売ってる工芸品を買ってね」
「あのビーズを一杯使った」
「そうそう、お祖母ちゃんも買ってるよね」
「これもよね」
 チャオルンは二人が話している傍にある敷きものを見た、実際にそれは赤やピンク、緑で奇麗に作られ幾何学模様を作っているビーズのものだった。
「ビーズ細工の」
「ミャオ族のよ」
「この工芸品が服?」
「違うよ、このビーズ細工を使って」
 そしてというのだ。
「作った服があるんだよ」
「へえ、そうなの」
「祖父ちゃんに言えばわかるよ」
「お祖父ちゃんもそうしたのが好きだから」
「祖父ちゃんはあの人達と特に仲がいいからね」
 ミャオ族の人達と、というのだ。クアンリーは。
「だからね」
「そうした服が欲しいって言えば」
「買ってもらえるよ」
「それじゃあその服にするわ」
 チャオルンはシンルンの言葉を受けて答えた。
「それでね」
「じゃあね」
「お祖父ちゃんにお話するわ」
「そうするといいよ」
 シンルンは孫娘ににこりと笑って答えた、そしてだった。
 すぐに畑に出ているクアンリーのところに言ってだ、こう彼に言った。
「私服決めたわ」
「どんな服がいいんだ?」
「ビーズの服」
 一言でだ、祖父にこう言った。孫に話しかけられたので鍬を動かす手を止めて手拭いで額を拭いている彼に。
「それがいいわ」
「ああ、あの服か」
「ミャオ族の服よね」
「いや、わし等の服だぞ」
 クアンリーはこのことは訂正した。
「わし等モン族の服だ、あの服は」
「そうなの、とにかくね」
「あの服がいいんだな」
「色々考えてお話聞いてね」
 そうしてというのだ。 
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