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千剣士と竜使い

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第一話、始まりの町

 
前書き
リュウ「其ではどうぞ!」 

 
「さて……と、旅立ちますか」

竜は自室でナーヴギアを被り、ベッドに寝転がる

そして、仮装世界に身を投じるための言葉を口にする

「リンクスタート」

その言葉を唱え竜は暗闇の世界に飛んだ……

●○●○

直後、目の前に『βテストのデータを使用しますか?』

と、画面が現れた

リュウは迷わず『YES』を選択する

そして、虹色のリングをくぐり、降り立つ

「……ついたか」

巨大浮遊城(アインクラッド)に……

ソードアート・オンラインに……

●○●○

「先ずは武器かな? 約束の時間までまだあるし……」

そう言いながらリュウはゲームの最初のスタート地点の≪はじまりの町≫の武器屋に向かった

向かったのだが……

「……何にしよう……」

武器の種類が多いので迷っていた

因みにリュウはスキルをとっていない武器を含め全ての武器を使うため、かなり迷っている

「……此れにするか」

そう言いながら短槍、片手剣、盾、投剣の四つを購入し、店を出るリュウ……

「そろそろ時間だな……」

そう思い、和人さんことキリトと待ち合わせをしている場所に向かうリュウ……

しばらく歩いてると路地裏から声がした

「どいてください!!」

女の声だった

「いいじゃんかよ。俺達とパーティー組もうよ」

「手取り足取り教えるからさ」

「なんなら、パーティー組むだけでもいいからさ」

どうやら数人の男が一人の女の子に寄ってたかっている様である

現実世界なら押しぬけることができるが、SAOの町の中は≪犯罪防止コード≫があるためできない事利用して囲うことを≪ブロック≫という……

「…………(少し脅そう)」

そう思いリュウは男達に近づき

「よっ」

気軽に声をかけた

その声に男達が一斉にリュウの方を振り返る。リュウの姿を見た男の一人が大声で叫ぶ

「ああ? 何だてめえは!」

「ただの通りすがりだけど?」

「じゃあとっとと消えろ!」

「うーん、そうしたいけど……その子困ってるじゃん? できればその子達を解放してく れるとありがたいなってさ」

「うるせえんだよ!てめえには関係ないだろ!」

「いやいや、さすがに女の子を置いて逃げるって後味悪いでしょ?だからさ、その子連れて逃げて良いかな?」

飄々とした態度のリュウに気が立ってきたのか、男達はリュウとの距離を詰めていく、いつの間にか手には武器が握られていた

「なんかこいつムカつくな……」

「先にこいつやっちまわねえか?」

「そうだな。先にやっとくか」
しかし、リュウはそんな殺気など気にも留めず、ため息をつく

「おいおい……やりたくないんだけど……」

「何ごちゃごちゃ言ってやがんだ!」

「やっちまえ!」

怒声と共に振るわれた片手斧がリュウに振るわれる……

筈だった!

キィンッ!!

リュウの持つ短槍が男の片手斧よりも早く閃き、弾かれる。弾かれた片手斧は暫く空中を回りながら飛び、吸い込まれる様にリュウの左手に収まり、リュウはそのままストレージに入れた……

"武器落とし(ウェポン・ドロップ)"……リュウがβテスト時に編み出したシステム外スキルである

其を見た男達は一瞬ぽかんとするが、次の瞬間リュウを睨み付け、

「この野郎!」

「ぶっ殺せ!」

怒鳴りながらリュウに襲いかかる

其に対してリュウは

「よっ、ほっ、せいっ、あらよっと」

攻撃を軽々と避けながら、武器落とし(ウェポン・ドロップ)を行い、奪った武器を自身のストレージに入れる……

本人曰く、「他のプレイヤーに迷惑をかけるようなプレイヤーに慈悲はない」……とのこと

リュウは数では不利にも関わらず、男たちの攻撃をまるで舞うようにかわし、武器を弾き、奪っていく……

それはまさに『圧倒的』といって良い光景だった

「な、何だよこいつ!」

残った内の一人が怯えた声を出した

しかしこの状況は当然と言える。リュウは……いや、竜は九重家の養子になるまでは施設で人を殺す術を叩き込まれ、養子になってからは龍也をはじめとした"化け物(←失礼)"を相手にしてきた

おまけにリュウはβテスターでこのゲームに慣れている……

つまり、この男達を手玉にする事など簡単なのである。気を付ける事といえば、相手に攻撃を当てない事だろう

暫くすると、その強さに怯えた 、又は武器が無くなったのか残りの男達が逃げ出し始めた。リュウは追おうとせず見逃そうとするが、最後の一人がダガーを取り出してリュウに向けた

「こ、この野郎! 調子に乗るのもここまでだ!」

叫びながらダガーを振り回す

リュウはため息を一つつくと、男のダガーを持つ方の手を≪犯罪防止コード≫に引っかかるギリギリの力で鋭い手刀を繰り出す。手刀が手の甲に直撃し、男の手に鋭い痛みが走る。すると男はたまらずダガーを落とし、左手で右手の甲を押さえる

その隙を逃さず、リュウはダガーを拾い、男の顔面めがけて突きを放つ。 しかし、その突きは男の顔面の少し手前で止められる。怯えた表情を浮かべている男の顔からダガーを下ろすと、リュウは殺気を出しながら言った

「まだやる?」

そう言うと男はひっと声を漏らし、慌てて逃げ出した

●○●○

「ふぅ……」

リュウが一息つくと、背後から「あ、あ の……」という声が聞こえてきた。さっきからまれていた少女だと思い、背後を振り返る

「大丈夫だった?」

「は、はい、ありがとうございます。助けていただいて」

女の子がお礼を言ってきた

女の子は茶髪のストレートヘアーで身長がリュウより頭一個分低いぐらいで、かわらしい顏をしている

まぁ、アバターの顔を自分で作れるから大抵現実とのギャップがあるが……

ネカマの可能性もあるし……

「いいよ。気にしなくて。困ってるときはお互い様だよ」

片手をあげて応答するリュウ……

「さっきのは≪ブロック≫っていってね、≪犯罪防止コード≫を利用したものなんだ。ああやって金やアイテムをたかったり、ナンパする奴もいるから気を付けてね」

「へぇ~、そうなんですか。ありがとうございます」

女の子は笑顔を浮かべながらまたお礼を言ってきた

「(礼儀正しい子だな……)」

中の人がかなり気になる……

リュウはそう思った

「あの~、もしかしてβテスト経験者の人ですか?」

「?そうだけど」

「やっぱり!!詳しかったからそうかなって思ったんです」

「(結構勘が鋭いな)」

女の子の言葉に内心感心するリュウ

「もしよければ、少し戦い方について教えてもらってもいいいですか?私、VRMMORPGはこれが初めてで……」

そう言う女の子

「いいよ。僕でよければ喜んで」

リュウは其を了承した

「ありがとうございます。あ、あたし、シリカっていいます」

「リュウです。よろしくねシリカさん」

そうして、シリカと握手をするリュウ……

此が二人の出逢いだった…… 
 

 
後書き
シリカ「其では感想待ってます!」 
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