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七つの大罪と異世界の黒燐持つ龍

作者:怪獣王
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三話

メリ「ついたついた。次の情報の仕入先、バーニャ村だ。」

バーニャ村、ブリタニア屈指と謳われる名水とその川辺に群生するグルートから造るエールが有名な村だ。今回はここが拠点らしい。しかしこの村、様子がおかしい。

ホー「名水がスッカラカンじゃんよ・・・」

そう。名水と言われるバーニャ村の水が流れていないのだ。そのせいで川辺のハーブも枯れかけている。それを見ている時、エリザベスに悪寒が走った。

メリ「どうしたエリザベス?」

エリ「いえ・・・なんだか一瞬悪寒が・・・
・・」

バム「大丈夫か?」

エリ「・・・少し胸がドキドキしているだけです。」

メリ「どれどれ?」

メリオダスがエリザベスの胸に顔をうめる。

ホー「いい加減にしろや!」

バム「せい!」ゴンッ!

メリ「あたっ。」

メリオダスにホークのツッコミとバムの拳骨が入る。

それから少し歩き人がいる場所に来た。何やら村が騒がしい。祭りでもやっているのだろうかと思いメリオダスが村人に話しかける。

メリ「おいーっす!」

村人「ああ・・・あんたはときどき来る移動酒場の店主!」

メリ「今日はなんの祭りだ?」

村人「冗談じゃない!これのどこが祭りに見える!?」

バム「・・・・・なんかを引き抜こうとしてんのか?あれは・・・・剣?」

村人「聖騎士が突き立てたんだ!」

バム「なんでまた・・・・」

バムトが疑問に思ってるところに長老が話しに入ってきた。

長老「先日、聖騎士様の怒りを買ってしもうてな。そのお方の魔力を帯びた剣が村の地下水源全体を封じてしまったんじゃ。」

村人「このままじゃ、水だけじゃなくグルートまで全滅しちまう!」

村人「そうなればバーニャのエールは・・・くそっ!」

エリ「(じゃあさっきの悪寒は)聖騎士って・
・・・・まさか昨日、バムト様が倒した?」

メリ「ん?・・・あぁ、あいつは聖騎士なんかじゃねえぞ。」

エリ「え?」

バム「聖騎士はあんなんじゃやられやしねえよ。一歩手前の聖騎士見習いってとこか。」

エリ「・・・・・・」

エリザベスはもう驚きで声が出なかった。昨日会った騎士はあれだけの力をもってながら聖騎士ではなかったからだ。そして聖騎士の力はあれを凌ぐという。一体どれだけ凄いのか。そして七つの大罪とバムトはその聖騎士すら凌駕している。

長老「聖騎士様の剣を引き抜けるとしたら、同じ聖騎士様の力しかない・・・」

長老がそう言ったときだった。一人の少年が大声で語り始めた。

少年「あーあ!みんなしてなさけねぇ声してんだよ!!オレのダチの〈七つの大罪〉にかかれりゃ、そんなの楽勝だぜ!」

ダチの七つの大罪と少年は言ったが実際は会ったこともない。おそらく村を元気づけようとしたんだろう。しかし村人はそうは思っていない。

村人「一体、誰のせいでこんな目にあってるというんだ!!」

村人「ミードのせいだぞ!」

ミード。それが彼の名前だ。何があったかはわからないが罵声が飛んでくる。しまいには村の子供たちはミードめがけて石を投げ始めた。しかし子供の制球力なんてたかが知れている。石はほとんど後ろにいたメリオダスに直撃する。

少女「ミードのばかー!」

少年「ミードなんて大っ嫌いだ!」

少年「あっち行けー!」

ミード「うっ・・・・うるせえ!バーカバーカ!!」

メリ「なんでオレまで。」

メリオダス達は豚の帽子亭へ逃走する。残されたのはバムト、エリザベス、ホークだ。

ホー「厄介なときに来ちまったな・・・」

長老「あれも、根は優しい子なんですが・・
・・・」













バム「なるほど・・・・聖騎士がそんなこと言ったのか・・・」

エリザベスとホークは豚の帽子亭に戻ったがバムトは長老になんでこのような事態になったのかを聞いていた。ある日、訪れた聖騎士にバーニャのエールをバカにしたらしい。それも村人みんながいる前で。そしてそれに腹を立てたミードが聖騎士が持っていたグラスに虫を入れ、それに怒りを覚えた聖騎士が剣に自分の魔力をまとわせて地面に突き刺し水源を止めたという。

バム(・・・この村では、エールをバカにされるってことは村をバカにされるに等しい。村を思っての行為か・・・)

少し時間がたつと村が騒がしくなりはじめた。この村にいた騎士二人が日没までに剣を引き抜かなければ取り立てを今までの10倍にすると言ったのだ。その命令はかなり無茶苦茶だった。ただでさえ水が涸れ一本分の酒も造れないのに10倍なんて到底不可能だ。

村人「くそ〜!ミードがバカなことさえしなければ!」

村人「あいつ、なんでこんなことを!」

村人はミードに罪をなすりつけはじめた時だ。長老がみんなを黙らせた。

長老「いい加減にせい!!」

村人「長老・・・」

長老「ワシら、酒造りの傷をつけたのは誰じゃ?ミードか?ちがうぞ!あの子の行為はワシらの気持ちの代弁だったのではないか?」

長老の言葉に村は静まり返る。そして

村人「みんなー!なんとしても、この剣を引っこ抜くぞー!!」

村人「男共!!命がけで村を、エールを守るんだ!!」

村人は一致団結し、剣に縄を巻きつけ村の男全員で引く。そしてそこにミードも入ってきた。

村人「ミ、ミード!!?」

村人「危ないから引っ込んでろ!」

ミー「嫌だ!みんなこそ・・・引っ込んでろ!ここは、オレがやるんだ!」

村人「じゃあ・・・みんなでやるか!」

村人「だな!」

ミー「みんな・・・」

その頃、騎士二人は後ろで腰掛けて笑っていた。

騎士「村の全員が束になっても無理だって!」

村人『ぐうおおおおおおお!!!』

ミー「ぬけろ・・・ぬけろー!!」

騎士「ぎゃははは!あの必死な形相見てみろよ!酒の肴にゃ最高だなー!」

騎士「バカ共にカンパー・・・・イ?」

騎士達の持っていたジョッキがいつの間にかなくなった。メリオダスがとったのだ。

メリ「酒の味が分からん奴にこの酒を飲む資格はねえよ。」

村人が引いていた縄が切れてしまった。しかしそれほどまでに引いても剣は抜けない。メリオダスは酒を飲みながら尻もちをついた村人の中を歩いていく。そして飲み干し

メリ「ごちそーさん。悪いけど今持ち合わせねえから・・・これでいいか?」

メリオダスは剣を握りそして、引き抜いた。騎士は目が点になっている。

メリ「よっ!」

騎士「うそ・・・」

騎士「聖騎士様にしか抜けない剣を・・・あんなガキが・・・ん?なんの音だ?」

突如、騎士達が座っていた場所から溜まっていた水が噴き出した。

村人「水だわ!」

村人「水源が復活したぞ!」

メリ「いくらで売れっかなこれ?」

バム「あっ、いらないんならくんない?それ。」

エリ(やっぱすごい・・・これが七つの大罪)











バーニャ村から北西へ約7マイル、ソルガレス砦

騎士「さ、先程、バーニャ村駐留の兵より報告が入りました。正体不明の子供が・・・その・・・ギルサンダー様の剣を引き抜いたと
・・・いかがなされますか?」

ギルサンダー、リオネス王国聖騎士。

ギル「それで・・・私の剣を引き抜いた子供というのは?」

騎士「そ、それが・・・目撃した兵達はすっかり取り乱しており・・・きっと何かの偶然で子供が・・・」

ギル「偶然で聖騎士の剣が引き抜けると?」

騎士「い、いえ!決して・・・ですが!」

ギル「偶然か否かは確かめてみればわかる。バーニャへの距離と方角を教えてくれ・・・正確にな。」

ギルサンダーは砦の表へでた。

騎士「この砦より南東、四時の方向、距離にして7.3マイル・・・村へ出向かれるおつもりですか?」

ギル「まさか。・・・君のその槍、貸してもらえるな?」

騎士「は!どうぞ!」

ギルサンダーは騎士から槍を借り何かを測りはじめた。

ギル「この角度か・・・」

ギルサンダーは槍を振り上げ魔力をまとわせた。そしてギルサンダーはバーニャ村へその槍を投げた。閃光一線とも言える勢いで槍は飛んでいく。


その頃、バーニャ村では、水源復活を祝い豚の帽子亭で祝杯をあげていた。今酒場はおおいに賑わっている。エリザベスもウエイトレスの仕事をしているがそんなことを王女様がしたことがあるわけがなく、ミスの連発。泣いて外へ出て行ってしまった。

ホー「やっぱ、王女様にこんな仕事は無理だったじゃね。」

するとメリオダスが外へ出て行った。

ホー「なぐさめにでも行ったか?」

バム「小便だろ?そういう奴だよ、あいつは。」

ホー「頼りねえ店長だぜ。」

村人「そろそろ帰るとすっかなー?」

バム「やめといた方がいいぜ。」

帰ろうとする村人をバムトが止めた。

村人「?」

ホー「バムト、なんかあったのか?」

バム「ちょっとな・・・」

ドゴオオオオオオオオ!!!

ホー「ななな、何ダァ!?」

いきなり外から建物が崩れる音が聞こえる。
外を見ると、先程ギルサンダーが投げた槍をメリオダスが受け止めていた。そしてその槍を

メリ「ほいっ!」

投げ返した。これもまたものすごいスピードで飛んでいく。


再びソルガレス砦

ギル「!」

ドゴオオオオオオオオ!!!

砦にメリオダスの投げ返した槍が突っ込み、砦に崩壊させる。

騎士「ギルサンダー様ー!ご無事ですか!?」

ギル「子供の正体がわかった。まず間違いはあるまい・・・・・・やはり生きていたか・
・・〈七つの大罪〉!」



 
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