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銀魂 銀と黒の魂を持つ夜叉

作者:怪獣王
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幽霊旅館編
  二十五訓


勝家がこの世界にきて数日がたち、ここの生活に慣れてきた頃。彼ら万事屋メンバーとお妙は雪の積もる山に来ていた。

新八「ずいぶん山奥まで来ましたね。」

銀時「ババアの話じゃ、知る人ぞ知る秘湯って言うからな。」

お妙「この時期はどこも予約でいっぱいなのにこんなところでゆっくりお湯に疲れるなんて夢みたいだわ。」

勝家「ああ。温泉には入ったことがないから楽しみだ。一体どのようなところなのだろうか?」

彼らはこの山奥にある温泉宿を目指しているらしい。

新八「ここの女将さんがお登勢さんの友人らしくて融通きかしてくれたようですよ。いいところありますよね。」

銀時「いや・・・俺はどうも胸騒ぎがする。ババアがこういうことする時は何かしら裏があんだよ。」

勝家「銀時、こういう好意はちゃんと受け取るべきだぞ。」

新八「そうですよ、銀さん。あっ、ついた。ここですよ。」

温泉宿に着いた一行。しかしその宿はかなりボロボロの旅館がだった。

全員『・・・・・・』

お妙「あら?廃屋しかないわ?」

勝家「道を間違えたか?」

神楽「地図も読めないあるか新八?」

新八「あ、あれ?ここであってるはずなんだけど・・・・」

みんなここが自分たちの泊まる旅館だと信じたくないようだ。

新八「たしか名前は《仙望郷》だったはず・
・・・・」

新八は立て札を見たところ、そこにはたしかに赤いペンキで《仙望郷》とかかれていた。しかしペンキが落ちかけていてお化け屋敷の看板みたいになっている。

新八「ここですね。字が垂れてえらくおどろおどろしくなってますけど・・・」

銀時「まじかよ〜。俺たちこんなボロ旅館に泊んの?つーか本当に営業してんの!?人の気配がねえぞ!」

お妙「私たちちょっと中見て女将さん探して来ます。いこ、勝ちゃん、神楽ちゃん。」

お妙は勝家と神楽を引き連れて旅館の中へ行ってしまった。

銀時「薄気味悪いなぁ〜、ここ。なんでこんなにカラスがとんでんだよ?」

新八「僕、べつに霊感とかそういうのないんですけど、ここ・・・あれなんですけど。」

銀時「あれってなんだよ?」

新八「いや・・・べつに・・・」

銀時「ちょっと、そういうのやめてくんないかなぁ〜?んなわけねえだろ。」

その時だった。自分たちのいる場所より少し低いところに人が歩いていた。

銀時「ほらいた。やっぱ営業してんだよ。あのー、すみませーん!僕たちー、江戸の寺田さん(お登勢)の紹介で来たんですけどもー!すみませーん!・・・あれ?反応がねえぞ。
聞こえてねえのかな?」

新八「銀さん・・・あれ・・・」

新八が銀時の肩を掴み下で歩いている人を指差す。いや、正確には歩いている人の後ろだ。

新八「雪の上を歩いているのに・・・・足跡がついてない・・・・」

その歩いている人はいつのまにか消えていってしまった。

銀時「どどどど、どうなってんだ!?あ、あれか?お化けなのか?いやいやないないない、絶対なーい!」

銀時はお化けが大の苦手だ。幼少時代に何かあったらしい。

新八「ちょっと、落ち着いてください!こんだけ寒くて雪も積もってるところなんですから、きっと足跡がつかないくらいに凍ってたんですよ!」

銀時「そ、そうだよな。絶対そーだ!」

新八「でもあの人・・・様子おかしくなかったですか?声が届いてないっていうか・・・かるく半透明だったような・・・」

銀時「お前さぁ!いい加減にしろよ!今はゴミ袋だって半透明の時代だよ?いるよ、半透明の人くらい!なに?お前怖いの?かえろうか?そんなに怖いなら帰ろうか!?」ガクガクブルブル

新八「あんたが一番帰りたがってるじゃないですか。だいたい、ここは一日に一本しかバスがこないんですよ?どうやって帰るんですか?」

銀時「えっ?・・・ねえ、そういうのやめない?せっかく温泉に来たんだからさぁ。もっと楽しもうぜ!」

新八「そうっすよね。」

神楽「銀ちゃん!女将いたアル!」

神楽達が女将を連れて戻ってきた。どうやら営業はしているらしい。

お岩「どうも。私が旅館の女将、お岩です。」

女将が自己紹介をした時だった。彼女の後ろに半透明の何かが見えた。

銀時(えぇ!?どっちぃ!?女将どっち!?)

お岩「ごめんなさいね、出迎え遅れちゃって。この旅館、私一人できりもりしてるもんだから。」

新八(いや、もう一人いる。明らかにもう一人、半透明の従業員がいるんですけどぉ!)

銀時(おいぃぃ!なんか背負ってるぞ!赤ちゃんか?赤ちゃんだろ?赤ちゃんだと言ってくれぇ!)

新八(そう思いたい!けど明らかに半透明です!)

銀時(半透明がなんだよ?今時、政治だって半透明の時代だよ?いるよ、半透明の赤ちゃんくらい!)

新八(でもおかしいですよ!姉上達が全くのノーリアクション・・・・・あれ?勝家さん、汗すごくね?)

目の前にいる勝家はなぜか汗がダラダラだ。よく見ると震えているようにも見える。

銀時(まさか・・・)

銀時は新八以外の四人には聞かれないよう勝家に話かける。

銀時「おいっ、お前・・・あれ、見えてる?」

勝家「あれっていうと、あれか?あの半透明のやつか?」

勝家はどうやら見えていたらしい。

新八「でも他の二人には見えてないようです。あれが見えてるの・・・僕たちだけなんですよ!」

三人とも身体の震えが止まらない。

新八「さっきのあれといい、ここ・・・かなりやばいところなんじゃないですか!?」

こうして温泉旅館での生活が始まった。 
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