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レインボークラウン

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第二百五十二話

               第二百五十二話  セラフィムの姿から
 天使は神父さんにこう言った。
「翼は四つのままでいい、しかしだ」
「翼の数はそのままで」
「足は減らす」
 まずは足のことを言うのだった。
「二本に。そして人の足にする」
「そうされますか」
「そして頭もだ」
 今度は頭のことを話した。
「頭も一つにする」
「では翼以外は」
「下級の天使達と同じ姿になる」
 智天使の下の、というのだ。
「この姿ではどうも茶を飲みにくいからな」
「だからですか」
「そうだ、姿を変える」
 今言った様な姿にというのだ。
「そうして飲もう」
「わかりました、それでは」
「勝手にしろ」
 神父さんだけでなく悪魔も言って来た、既に悪魔は席に着いている。
「l貴様のな」
「だからそうするのだ」
「私はもう飲む」
 紅茶のカップは既に手にしている、そのうえでの言葉だ。
「菓子も楽しむ」
「貴様の方こそ勝手にしろ」 
 天使も天使でこう悪魔に返す。
「私の知ったことではない」
「お互いにそうだな」
「しかしだ」
「この茶を飲んだらだな」
「菓子も食ってからだ」
 ティーセットのそれをというのだ。
「それからはわかるな」
「言うまでもないな」
「しかし食事や茶を口にしつつ戦うのは無粋だ」
「天使は攻める時を選ばないのではないのか」
「それは悪魔の方ではないのか、天使は約束を守る」
「約束を破る悪魔と誰が契約を結ぶ」
 お互いに売り言葉で買い言葉である、だが。
 天使は翼の数以外は普通の天使の姿になった、そのうえで用意されていた席に着いてその前にあったカップを手に取った。
 そしてだ、そのカップを見て言った。
「ゴイセンか」
「はい、そちらのものです」
「如何でしょうか」
「いい趣味をしているな」 
 こう先生達に返した。
「ティーカップはこれが一番だ」
「ですか、ではゴイセンで飲みつつ」
「お話をしましょう」
 先生達は今もにこやかだ、そのうえで天使も含めて皆でお茶とティーセットを楽しみはじめた。


第二百五十二話   完


                       2015・7・2 
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