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陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです

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艦隊船の擬人化‐艦隊娘?!

 
前書き
どうも皆さまこんばんは夜桜デビルです!今回は提督LOVEで有名なあの艦隊娘が登場します!艦これを知っている方ならこれだけでお察しのはずです!これ以上はネタバレになっってしまいますのでこのあたりで
それでは本編どうぞ!! 

 
「ふぅ…」

「ん~気持ちいいね~」

長門に案内され、風呂(ドック)に到着。昼間から風呂に入るのはあまり気乗りしなかったが入ってみると悪くは無い。特殊な入浴剤を使っているのか湯に浸かっている部分がどんどんと軽くなっているのがわかる。海軍の技術は発展しているな…。ん?優はどうしたのか?風呂は夜以外にはあまりに入りたくないといって兄貴と一緒に指令室にいるぞ

「やっぱり出撃後はお風呂に限りマース」

「お姉様とお風呂!比喩は嬉しいです!」

「ん?誰か来たのかな〜?」

静かな浴場にペタペタという音と共に話し声が響く。声を聞くに女性か?

「whow!先に誰か来てるみたいデスネ~」

「折角お姉様と二人っきりだと思いましたのに…」

チャプンとこちらが誰かを確認せずに躊躇なく入ってきた。入浴室には混浴とは書いていなかった筈、ここで見つかると騒がれかねないな…

「ゴメンネ~お姉さんとの二人っきりを邪魔しちゃって〜」

「別にいいですよ。…ん?何だか声が少し低いようですが喉でも痛めましたか?」

「そんなに低いかな~?男の中じゃ高い方だと思ってたんだけどな~」

俺の心配を他所に自ら話しかける李悠。しかも自分が男だということをバラしている…相手が気づかないことを期待するか

「ん…What!?お、男!?femaleデスカ!?」

「そうだよ〜」

「お、お姉様落ち着いてくださいい!き、昨日提督から新しく配属される方がが来られると伝えられたたじゃないですかか!多分その方でははないでしょうかか!」

「冷静そうに装ってるみたいですが凄い声が震えてますよ?」

一瞬の沈黙、そしてバシャンと水が弾ける音と共に浴場に一人の女性の声が響き渡る。もう一人の女性は動揺し過ぎて聞き取れない程声が震えている。やはりバレたか…

「はぁ…言い訳がましいですが少し私の説明を聞いて頂けますか?」

「何か訳がありそうデスネ。聞きましょう」

「ははは、はい!」


----------------


「成程、テイトクが部屋の確認と必要書類を用意している間入渠(にゅうきょ)して時間を潰していたところ私達が入ってきたという事デスカ」

「はい。つい先程こちらに着いたばかりでして分からないのですが、もしかしてここは女性限定の風呂(ドック)でしたか?」

「そんなことはない筈デース。テイトクもお風呂はここを使ってまスカラ。あ、名前を言ってませんでしたネ。私は帰国子女の金剛と言いマース。そこで変な声を出してるのは妹の比叡デース」

「あうぅ~」

「金剛さんと比叡さんですね。私は今日からこちらの鎮守府に配属されました貸出兵の暗闇といいます。隣にいるのは同じく貸出兵の李悠です」

「よろしくね〜」

「Wow!貴方たちがあの貸出兵デスカ!?」

俺達が貸出兵である事を伝えると金剛の動揺したような興奮したような声が聞こえる。姿は見えないが声音からして目がキラキラしてそうだ。

「どの貸出兵かは分かりませんがその貸出兵であっていると思います」

「それより海兵なのに陸軍のことを知ってるなんて珍しいね〜」

「知ってるも何もテイトクの御兄弟!brotherとテイトクから聞いてマース!」

「あ~納得したよ〜」

「確かに私達はこちらの提督とは兄弟ですがそれ以外にはあまり繋がりはありませんよ?」

確かに兄貴が話していれば俺達が貸出兵である事に興味が湧くのは分からなくはないが兄貴とは貸出兵になってから連絡も取れなくなっていた為兄弟ということ以外では何年も繋がりはない。

「それ以外にも軍隊情報ベースによく名前が出てるのデース。貸出兵は情報ベースを利用している基地では有名人デスヨ」

「(…李悠、情報ベースは確認したことあるか?)」

「(うん、凄く前に数回だけね。あんまり役に立ちそうもないからその後は確認してないね~)」

「(そうか。俺も何度か見たことはあるが任務では使えない情報ばかりだったからな…)」

軍隊情報ベースとは世界中にある軍事基地のネット情報交換サイトの事。一般人に情報が漏れないようにか軍隊に入隊した際渡されるカードをカードリーダーで読み込む事でしかサイトに飛ぶことができない。しかし、軍事情報と言ってもあまり役に立つことは記載されていないことが多い。小声で李悠にも確認してみるが俺と同じで大分前に見たのが最後だったようだ。目立つようなことはしていないし、そんなに有名になるようなこともしていない筈だが…

「有名人とは大袈裟ですよ。私達の基地が資源欲しさに私達貸出兵の事を大きく流しているだけですよ」

「ohそうなんデスカ?でも、三日くらい前に数人で陸軍基地を一つ倒壊させたと情報が来てマシタヨ?」

「あ〜多分あの陸軍基地だね~」

三日前くらいと言えば優がいた基地での依頼の事だろう。確かに数人で倒壊させたが正面から戦った訳ではなく大量のC4を手辺り次第に兵器に取り付け、爆破、突然の事に混乱し飛び出してきた兵士を狙い撃っただけだ。軍人にとって冷静さを失うことは死を意味するからな…

「確かにその情報は確かですが姑息な手を多用しているので誇ることではないですよ」

「謙虚デスネー。あの陸軍基地、結構軍隊の中で強いと有名だった筈デース。それに数人の小隊での行動だったのデース、姑息な手を使ってでも厳しい条件下で勝利を手にする十分誇れる戦果だと思いマース」

「そう言っていただけると助かります。では、そろそろ指令室に向かいます。今後ともよろしくお願いします。金剛さん、比叡さん」

「よろしくね〜」

「こちらこそよろしくデース」

「よよ、よろしくお願いしますす」



-------------------



「…」

「空いてるから入っていいぞ〜」

「失礼します」

「失礼しま〜す」

風呂(ドック)から指令室に向かい扉を叩く。すぐ様許可がおりたので頭を下げ、入室する。

「何だお前らか。んな、律儀に頭を下げなくて入ってこなくていいぞ」

「親しき仲にも礼儀ありですよ司令官さん」

「ごめんね~依頼の時の癖が抜けなくて〜」

「まぁ、しゃあないか。っと、んなことより書類と貸部屋の用意ができたぞ。ほれこれが書類な。あと、貸部屋の場所なんだが二階の空いてるとこ好きに使ってくれ。空き部屋はそこの島風が知ってる筈だから縄解いて案内してもらってくれ」

「だそうだ。李悠」

「了解~」

兄貴から書類を受け取り、李悠に島風を縛っている縄を解くように言う。モゴモゴと口元が動いているので何か話そうとしているようだが?

「プハァ」

「アハハ、大丈夫?」

「大丈夫じゃない!何でいきなり縛るのよ!」

「ん~その言葉そのまま返すよ〜。どうしていきなり奇襲したのかな〜?し・ま・か・ぜちゃん?」

「うっ…」

李悠が島風の猿轡と目隠し、耳栓を外すと島風が大きく息を吐き激怒しながら李悠に講義する。しかし、李悠はスルリと受け流し正論を突きつける。

「李悠その辺りに。改めまして今日から一時的にこの鎮守府に着任しました暗闇と言います。よろしくお願いします島風さん」

「僕は李悠だよ~よろしくね〜島風ちゃん」

「…よろしく」

「…島風悪いんだがコイツらを空き部屋に連れて行ってやってくれ。広めの空いてる部屋ならどこでもいいから」

「…了解しました」

「そう言えば司令官さん優の姿が見えないんだけどどこにいるかわかる?」

「(そう言えば…)」

風呂(ドック)に入る前は確かに指令室にいると言っていた筈だが辺りを見渡しても姿が見えない。

「あぁ、あのヤンキー兵士のことだな。アイツならお前らの武器を見たあと工廠に行きたいと言ったから長門に案内させたぞ」

「私達の武器を?」

「…多分対物用の武器を探しに行ったんじゃないかな~?」

「成程。対人用の武器はここではあまり役に立ちそうもないからな」

ホルスターに納めているベレッタを引き抜く。俺たちの装備している武器は陸軍用つまり対人用の物ばかりだ。例えば今引き抜いたベレッタは近距離対人用、支給物資の上に置いてある愛用のSMG-スコーピオンvz61も対人用だな。人間に対しての殺傷力は絶大だが兵器を破壊する程の威力や貫通性は低い。李油の近中距離用コルトSAA、遠距離狙撃用SR-レミントンM700も対人用。近距離中心な俺に対して李悠はどの距離に対しても対応できる万能タイプだ。

「対人用の武器でも船を轟沈させることは出来ると思うが、確率は極めて低いしな。いっその事対物用に改造したらどうだ?」

「そうだね~ライフルは改造しようかな~」

「私もスコーピオンだけ改造しようと思います」

「やっぱそのベレッタとコルトは改造しないんだな」

「はい。修理や部品交換はしますが大規模な改造はしません」

「うん。この二つの銃は僕達の命と同じくらい大切な物だからね」

俺と同じように李悠はコルトを引き抜くと優しく銃身を撫でる。大事や大切なんて言葉では足りない。自身の命と同等…いや、それ以上にこの銃は価値を持つ。銃の性能も飛び抜けて言い訳ではないし、付属品(アタッチメント)も付けていない分付けている同じ銃より性能も劣る。だが、俺達はこの銃を手放さない…いや、手放せない

「…ふぅ。まぁ、武器の選択に規制はないから別にいいけどな。取り敢えず、荷物整理をした後鎮守府内を回ってこい。長期間の滞在になるんだ基地の設備位は頭に入れておいてくれ」

「了解しました。島風さん案内お願いします」

「わかった。付いて来て」



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「…ここだよ」

指令室から二階に上がり歩くこと数分、沢山ある扉の一つの前で島風が止まった。そして何の躊躇もなく扉を開く。

「わぁ〜広いね〜」

「確かに広いですね」

開けられた扉から部屋を覗くと左右の壁際二段ベット、部屋の真ん中にテーブル、奥の壁際にはタンスに冷蔵庫まで置いてあるが空きスペースは三人でも十分過ぎる程の広さだ。

「それじゃあ…私はこれd「おっと、逃がさないよ〜島風ちゃん?」ひぅ!?」

「ふふ、まだ奇襲のこと聞いてないからね〜ちょーとこの部屋でOHANASHIしようか〜」

「え、ちょ、きゃあ!」

ヒョイと李悠は逃げようとする島風の首根っこを掴むと軽々と貸部屋に投げ入れる。

「程々にしておけよ…俺は先に辺りを回ってるから終わったら無線で連絡してくれ」

「うん。出来るだけ早く終わらせるからね~」

ドアを閉める瞬間見えた李悠の目は獲物を目の前にした肉食動物の様な鋭くそれで言ってこれから楽しいことをするという目付きだった。島風…恨むなら奇襲した自分を恨めよ



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「(…辺りを回ると言ってもどうするか…)」

書類にのっている鎮守府全体図を見る。この貸部屋は鎮守府一階の右端。ここから一番近い所は…

「(…食堂か。鎮守府ここの事も書類に書いてある見たいだしそこでゆっくり目を通すか)」



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「(ふぅん…艦娘か…)」

無事食堂に到着。適当な席に座り書類に視線を落とす。…情報としてはここにいる兵は純粋の人間ではなく、半人間…いや、戦艦を擬人化し、深海棲艦と言う人間に対して敵となるモノを撃退する為に作られた意志を持った人間型兵器と言った方がいいだろうか?他には艦娘とも呼ばれるとか。先程あった金剛や比叡も人間型兵器-艦娘なのだろうか?

「あそこにいる人って誰かしら?」

「ん〜私は見たことないわ」

「…私もだよ」

「電もなのです」

「ん?」

食堂に通じる廊下曲がり角から数人の小さな声が聞こえ、そちらに視線を動かす。視線が動いたのに気がついたのかサッと俺の死角である廊下の角に姿を隠した。
チラっとだが顔が見えたのは四人、いずれも少女というのはわかった。それに着ている服も見えた。あの服は先程見ていたページに載っていた駆逐艦と言う艦隊の制服だ。

「(…まぁ、何もしないみたいだし放って置くか)」

「Wow…貴方は先程の貸出兵さんじゃないデスカー」

開いていたままの書類に目を落とし、再度読みだそうとした時ちょっと前に聞いた声がこちらに近づいてくる。

「…こんにちは金剛さん先程ぶりですね」

「hello先ぶりデース」

声を掛けてきたのは先程|風呂ドックで会った金剛だった。いきなり声をかけられたので本当の口調が出そうになったがワンテンポ置き何とか偽りの口調で返答する。風呂ドックでは姿が見えなかった為今目にしているのが初めてだと言うことになるが印象としては独特の服装と俺より少し年上に見えると言うことだろうか?と言うか何故俺が貸出兵とわかったんだ?顔は俺達と同じで見えてなかった筈だが…

「暗闇で大丈夫ですよ。それで金剛さんはどうして食堂に?」

「何を言ってますか!もうお昼lunchの時間デース」

「…あ、本当ですね」

言われて時計を見ると既に午後十二時を少し過ぎている。

「暗闇も一緒にlunchどうデース?丁度私の妹たちも紹介したいですし」

「…そうですね。私も少し鎮守府ここの人たちの事を知りたいと思っていましたので宜しければ」

「そんなに畏まらなくていいデース。もっとfriendlyに行きましょう」

「すみません。仕事柄この口調に慣れてしまっていて申し訳ないですがこのままでお願いします」

「慣れていないなら仕方ないデース。妹たちも待ってマース早速行きましょう」

金剛は苦笑いにも見える笑みを浮かべると先導するように歩き出した。俺も置いていかれないよう席を立ち金剛の後ろをついて歩き出す



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「あ、お姉様いきなりどこか行かれたので心配しましたよ…っと後ろの方は?」

「Sorryデース。こちらは新しく着任した暗闇デース。比叡はさっき会った筈デスヨ?」

「さっき…ひえぇ!?もしかして風呂(ドック)であった男の人ですか!?」

「はい。すみませんがそちらお二人のお名前をお聞きしても?」

「霧島です。言葉使いはもう少し崩してもらって大丈夫です」

「私は榛名と言います。私も崩した話し方で大丈夫ですよ?」

「すみません。金剛さんにも言いましたが仕事柄この口調が定着してしまいまして申し訳ありませんがこのままでお願いします」

簡単に自己紹介を終える。メガネをかけた如何にも知能派な女性が霧島、柔らかな笑みを浮かべているのが榛名だな。人の名前を覚えるのは苦手だからあんまり紹介して欲しくはなかったんだがな…仕方ないか

「では仕方ありませんね」

「仕事の癖ですもんね。それは仕方ないです」

苦笑いにも似た笑みを浮かべる霧島と榛名。自分たちにも何か癖があるのだろう。もちろん俺の口調これは即座に戻せるけどな

「話はそれくらいにして早くlunchにするデース。お腹ペコペコネ」

「そうですね。話は食べながらもできますし食べましょうか」

腰に巻いている小さめの腰巻バックからプラスチック製の箱を取り出し蓋を開ける。中身は主食がサンドイッチ、他はおかずが数種類入っている簡単なものだ。もちろん自分で作っているので何が入っているのかは分かってしまうのが少し残念だがな

「わぁ、美味しそうですね」

「これ手作りですか!?」

「はい、手作りですよ。っと言っても簡単なものですけどね」

「味見デース」

「あ!お姉様勝手に…」

霧島の静止の声より早くヒョイとサンドイッチが一つ持っていかれる。夜以外は正直パン一切れ位で足りるから全く問題ない

「んぐんぐ…」

「お味の方はどうですか?金剛さん」

「ん~delicious!とっても美味しいデース」

何度か咀嚼する金剛に感想を求めるとゴクンっと呑み込むと幸せそうな笑みを浮かべる。

「昼食はあまり食べる方ではありませんので良かったら皆さんもどうぞ」

「ありがとうございます。はむ…わぁ、とっても美味しいです」

「…確かに美味しいですね」

「…んん~美味しいです~」

金剛を除いた三人がサンドイッチを一口。何度か咀嚼した後それぞれ違った反応を表したが美味しいのは共通している。流石は姉妹好みの味も似ているのだろう。

「お口に合ったようで何よりです。それで今気になったのですが金剛さん達は艦娘なのですか?」

「そうデース。もう一度今度はちゃんと自己紹介しマース。私は金剛型戦艦一番艦の金剛デース」

「金剛型戦艦二番艦の比叡です」

「金剛型戦艦三番艦の榛名です」

「金剛型戦艦四番艦の霧島です」

「御丁寧にありがとうございます。では、私も…大本営(だいほんえい)-陸軍特別貸出部隊(りくぐんとくべつかしだしぶたい)-部隊長の暗闇です。今回はこちらの司令官さんからの長期滞在依頼の為しばらくの間滞在となります。よろしくお願いします」

続々と自己紹介してくれるのはいいが正直覚えきる自信がない。今も既に覚えていないからな。丁寧に自己紹介をしてもらってはこちらもそれ相応に答えるのが礼儀。大本営は嫌いだが所属しているので仕方ない。

「だ、大本営!それは本当デスカ!?」

「はい。本拠地は大本営です」

「えっと、陸軍と仰りましたが…ここは海軍ですよ?」

「そのことは司令官さんの方に説明をしてありますので、心配はいりませんよ」

「暗闇さん…私の予測ですがもしかしてあの貸出兵の方ですか?」

「金剛さんにも聞かれましたね。どの貸出兵かはわかりませんが情報ベースに書いてある貸出兵は私で間違いありませんがよくわかりましたね」

やはり大本営に反応し次々と質問が飛び交うが冷静に当たり障りなく返答する。悪い意味で大人気だな…大本営

「貸出兵の実戦動画を拝見させていただきまして、その動画に映っていた人影に似ていましたので」

「実戦動画?…それは初耳ですがどこで見たかわかりますか?」

「情報ベースの方に載ってマース。暗闇は知らなかったのデスカ?」

成程…金剛が俺の顔を知っていたのはその実戦動画を見たからか。情報ベースにある貸出兵プロフィールにすら顔写真はないからどうやって知ったか正直凄い気になってたんだ。

「全く知りませんでしたが…また宣伝だとは思いますね」

「宣伝ですか?」

「先程言いました通り私の仕事は他の軍事基地に貸し出され、その基地からの依頼をこなすというものです。そうなるとできるだけ多くの軍事基地に貸出兵のことを知って貰う事が大前提となる訳です」

「成程…情報ベースはその宣伝に最高の場所。しかも実戦動画を見れば暗闇さん達の力量も見ることが出来ると」

「確定は出来ませんがその可能性が一番高いと思います。まぁ、宣伝については私は逆に感謝していますから気にはしません」

「What?感謝デスカ?」

「えぇ、感謝です。いくら見せ物のように紹介されても、それは私達の仕事を集める手段です。そうでもしないと貸出兵は仕事が入らず、使えない存在になってしまいます。だから、探してもらえるだけで感謝しています」

貸出兵は他の軍事基地に貸し出され、依頼を成功させてようやく仕事を終える。しかし、貸し出されなければ、依頼を成功させなくてはただの存在する使えない兵士。その為多くの軍事基地に知ってもらうのは当たり前、依頼は必ず成功させなければならなくなる。その為多くの軍人たちは貸し出し兵にはならない、そんな過酷な条件より一般兵の方が出撃の頻度も命令のレベルも安定しているからだ。
なら何故俺達は貸出兵になったのかと言うことになるが、あえて言うならば多額の資金と大量の資材が必要だったこと、大人数での作戦が苦手だったことが大きい。
貸出兵の仕事に関して前に少し話したと思うが貸出兵は貸し出された軍事基地で依頼を受けるのだがこちらが任務を選択することや拒否することが出来ない、その為、基地からの物資、弾薬の配布なしで機密情報奪還の潜入依頼(スニーキングミッション)や李悠と二人だけで連合軍基地襲撃などの如何にもこちらを殺そうという意図が考えられる依頼ものも多々あった。まぁ、何とか切り抜けて今に至る訳だが…やはり優のいた北東第四基地の中尉のようなしっかりとこちらの要求したものを揃えてくれる者は早々いない。
だが、俺達が貸出兵が生きていく為にはこのような命懸けの依頼を成功させ、金を物資を得る必要がある。だから、糞みたいな内容の依頼だろうが探してもらえたから受けられる、明日も生きていけると感謝しなければならないのだ…どんなに嫌いな大本営の人間だろうと感謝しなければならない…俺たち二人が生きて行く為には必要不可欠な人間なのだから。

「…簡単に言ってしまえば私達貸出兵は大本営に生かされていると言っても過言ではないのです。だから「感謝なのですね?」そういう事です」

「でもそれじゃあまるで「木偶の坊ですか?」はい…」

「…ふふ、木偶の坊でも貸出兵は貸出兵の生き方が、仕事(いらい)があります。戦果はしっかり上げていますから陰で何か言われることはあっても文句を言われたことは一度もありませんよ」

木偶の坊…役に立たない居るだけで使い物にならない存在、他人の言うことを聞くだけの機械のような存在。そう言われるのは仕方がないことだ。本当に仕事がなければ待機しているだけ、仕事も他の軍事基地の命令で動き仕事いらいを成功させるだけ…貸出兵にはお似合いの異名だ。だが、命懸けで手にした戦果でそのような言葉を耳にしたことは無い。陰で言っているのは知らないがな。

「木偶の坊ですか…私から言わせれば戦果を上げていない兵の方が木偶の坊だと思うのですが?」

「私もそう思いますが大本営の大半の方は戦果よりも立場で見られるようでして貸出兵は新米兵より軽視されているそうです。私は立場より実力、戦果で判断した方が得策だとは思うのですけどね。どうも貸出兵自体をよくは思ってはいないようです」

「これだけの戦果があるのに頭が可笑しいデース。新米兵なんてその辺りの一般人と殆ど変わらないネ」

「榛名もその考えには納得できません」

「私もそう思います!気合、入れて、怒ります!」

俺の話を聞いて各自思うことがあるのだろう次々と声が上がる。だが俺は軽視されようがあまり気にしない、依頼報酬はしっかりと契約通りもらえるし、こちらが必要だと思うものは全て支援物資として依頼先に送ってもらえるからだ。支援さえしっかりしてもらえれば後は貸出兵の仕事、汚名を着せられないよう確実に絶対な成功を収める…ただそれだけ。…本当に機械のようだな俺達は…

「心配ありがとうございます。それでは私はこの辺りで失礼します。今日はお誘いありがとうございました」

「気にしないでいいデース。また楽しくlunchしましょう」

ニッコリと笑顔を向ける金剛達に小さく笑を返し歩き出す。さて、もう数分は経つのに李悠から無線が入らないのが気がかりだ…貸部屋の方に行くか



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「…」

「アハハハ…」

「…」

貸し部屋につき扉を開けると何故か島風に多い被さるようにして押し倒している李悠の姿が合った。取り敢えず…

「…」

「ま、待って!無言でドアを閉めないで!」

「…時間は二時間くらいで大丈夫ですか?」

「うん!それだけあれば足りると…思う~」

「分かりました。少しその辺りで時間を潰して来ますね…今日はお赤飯にしませんと…」

閉めた扉越しに話を進める。流石にこの状況を見れば察してやらねばならない、李悠お兄ちゃんは嬉しいよ…あれ何だか目の前が霞んで…

「何か色々勘違いしてる!?は、話を聞いて!」

「いえ、お二人のお時間を邪魔する訳には…因みに結婚式は何時頃?」

「う〜ん出来るだけ早めがいいかな~とは考えてるかな?」

「そうですか。では、私は司令官さんに結婚式の費用について確認してきます。それではごゆっくり」

「あ…本当に行っちゃった…」

「さぁて、邪魔者もいなくなった事だし…始めようか島風ちゃん」

「や、やだ何する「やり過ぎです…李悠」え?」

「はは、暗闇が止めなかったから~そのままやっていいって事だと思って〜、ね?」

ポスンと李悠の頭を叩く。島風は呆気に取られているが李悠の方はニコニコといつもの軽口だが先程の一言には軽口が無くなっていた。止めなければヤバかった。

「そんな訳ないじゃないですか。私達は雇われてる身、軽率な行動は慎む事分かりましたか?」

「了解~。まぁ、これも罰ってことで。島風ちゃん今度はいきなり襲い掛かるのは駄目だよ?」

「うん、分かった。それよりけ、結婚式とかの話は…」

「あぁ〜あれはただの冗談だよ~。最後のは少し本気だったけど」

「李悠本音が漏れてますよ。この冗談は私からの罰と受け取ってください」

「はぁ…あんまりそんな冗談はやめてほしい。(少しドキってしたし…)」

「ん?何か言った島風ちゃん」

「な、何でもない何でもない」

「そっか。それじゃあ~僕達は辺りを回ることにしようか〜部屋までの案内ありがとうね〜島風ちゃん」

「うっ…」

「(あの笑顔、女性は結構ドキってするらしいですよ?李悠を落とすのは簡単そうに見えて意外と難しいので頑張ってください。私にできる事があればお手伝いますので)」

「なっ!?何言って「(顔を見ればわかりますよ?林檎みたいに真っ赤ですから)」うぅ…」

「暗闇何やってるの~?早く行こう〜」

「あ、今行きます。それでは島風さんまた。頑張ってくださいね」

「(…た、ただ吃驚しただけだもん…)」


李悠の元に歩き出したときそんな小さな声が聞こえた。流石天然フラグ建設士の李悠は違うな


「待たせて悪い李悠」

「ううん気にしなくていいよ~それで?何の話してたの?歩きながらでいいから教えて欲しいな~」

「んや、部屋まで案内してくれたお礼を言ってただけだ。それでなんであんな事になってたんだ?」

「う~んただ普通に注意してたんだけど途中で島風ちゃんが逃げようとしたんだよ」

「ほぉ、お前が逃げられそうになるなんてな。そんなに島風は速いか?」

李悠は長年の狙撃で反射神経と一瞬の判断力はずば抜けていい。長年一緒に居る俺でも瞬間的な速さでは李悠に勝てない。その李悠が初対面のしかも少女に遅れを取るとなると相当速い。書類でみた中でも島風は速さなら上位の方に上がっているのは確認しているが…

「う~ん僕も島風ちゃんがしっかり聞いてるからって油断してたのもあったんだけど結構速かったかな?それに普通の兵よりは若干反射神経も良いみたいだし~。でも、普通に捕まえられた…んだけど…」

「捕まえたのはいいがバランスを崩してそのまま押し倒すように倒れ、そこにタイミング良く俺が訪れたと」

「そういう事~。いやぁ〜まさか逃げられそうになるとは…僕もまだまだだね~」

とはいう李悠だが既にその反射神経は人間のそれを凌駕しており、拳銃の連射弾なら軽々と避ける。前にどう避けているのか聞いた所「あんなの太鼓ゲームの音符と同じ位の速さだから見える筈だよ?」とのこと。いや、あのゲームもそこそこ速いがあれと同じってことは俺でも見える筈なんだが…さっぱり見えない。その為殆ど予測しないと俺には弾丸を見分け躱すのは無理だ。てか、太鼓ゲームって覚えゲーだと思うんだが?

「そんなことはない。不意を突かれれば誰だって一瞬の遅れは出る。今回は実戦じゃなかったが次はないようにしろよ」

「うん、実戦だったら次はないからね…今度はちゃんと警戒するよ。それで暗闇の方は僕がいない間何やってたの~?」

「俺は食堂の方で渡された書類に目を通していたんだが…金剛に声をかけられて、金剛の妹達と昼飯を食ってた」

「金剛ってあの風呂(ドック)にいた人だよね?それよりズルイよね~。僕がいない間にお昼食べちゃってさ〜」

「悪かったよ。ただ金剛たちから聞いた話に少し妙な貸出兵の情報があったんだ」

「ん?妙な情報〜?」

「あぁ、どうも大尉の野郎通達もなしに俺達の実戦での動画を情報ベースに流していたらしい。金剛たちはいつも情報ベースは確認しているみたいで未だ動画は残っているらしい」

「…依頼元に被害は出てるの?」

「いや、映ってるのは俺とお前だけだ。音声も銃声や爆発音でかき消されてるのが救いだな」

俺が妙な情報と言ったのは貸出兵の宣伝を行う際俺達二人の同意を求めるよう契約している筈なのだが俺たちが知らない宣伝動画が流失しているということだ。まぁ、大尉の独断的な決定だろうが…後で残っている伝達用ドローンで確認の書類を送るか…

「そっか…口調が少し変わっちゃってるから音声が消えてるのは助かるね~」

「そうだな。俺も戦闘中は口調が戻ってるしな…それが流れたら後々面倒くさいから助かった」

「そうだね~。そう言えば今どこに向かってるの?」

「食堂だ。お前まだ昼飯食ってないだろ?」

「うん…まだ食べてないからお腹減った」

「ちょうど俺も珈琲(コーヒー)が飲みたくなったからな。ついでに「金剛ちゃんたちがいたら僕を紹介しようってことだね〜?」そういう事だ。長期間滞在するんだ。先に印象を良くしておくに越したことはないだろ?」

「うん。警戒されてたら居心地悪いしね〜」

にっと笑ってこちらを見る李悠に笑を返し先程歩いた廊下を歩く。もう少しで食堂だ。



----------------------



「わぁ…女の子ばっかだね~」

「書類を見て予想はしていたがここまで男女比率が可笑しいとはな…」

昼時の為か先程よりも席に着いている人が多い。だが、その誰もが女性ばかり、男性は一人もいない。書類にも男性らしき名前は見受けられなかったことからここにいる男性は俺、李悠、優、兄貴の計四人。なんだこれ比率的に9.9:0.1くらいの差はあるだろ

「取り敢えず俺は珈琲を注文してくるが李悠お前はどうする?」

「僕も珈琲でいいよ〜席先に取っておくね~」

「あぁ、頼んだ。さて…ん?」

席を探しに離れていく李悠から目線を動かす。もちろんカウンターらしき場所に並んでいる人数を確認する為だ。並んでいるのは少女四人なのだがあの制服…さっき俺のことを隠れてみていた駆逐艦の四人か?それにあの子は…

「… Добрый день(こんにちは)」

「「ひゃう!?」」

「び、吃驚したのです」

また逃げられそうなので気づかれないように近づき声をかけたが予想以上に驚かせてしまったみたいだ。隠密行動に関しては俺の十八番だ。その為潜入依頼や機密情報奪還の依頼は俺が担当している。

「Добрый день(こんにちは)君はさっきの男の人だね?ロシア人だったのかい?」

「いえいえ齧った程度ですよ。さっきと言うことはやはり先程私を見ていたのは貴方方だったみたいですね」

声をかけてきたのは先程気になっていた薄い銀髪の少女。落ち着いた静かな声、動揺もした様子も驚いた様子もいない。表に出さないように警戒していたのだろうか?

「хорошо(素晴らしい)誘導尋問かい?」

「ふふ、そんな大層なものではありませんよ。っとここではなんです宜しければあちらでお話を聞かせてもらえますか?紹介したい者がもう一人いますので」

「…私も君について話が聞きたい。是非お願いしたい」

「ちょ、ちょっと何勝手に決めてるのよ」

「丁度いいじゃないか。彼が誰なのか教えてくれるようだし、それに私は彼が誰なのか気になる」

「電も気になるのです」

「一人前のレディになる為にも聞く必要がありそうね」

「はぁ…何でこんな時だけ無駄に結束力が高いのかしら…。まぁ、いいわ話を聞こうじゃない」

「決まったようですね。それでは私はもう一人の方に伝えてきます。席はあちらの一番端の席を取っておきますので注文が終わりましたら来てください」

四人からの了承を得て指定した席に向かう。ん?珈琲はどうしたか?あぁ、何かセルフだったから声かける前に先に持ってった。

「(っと言うことだ悪いが珈琲もって席来てくれるか?)」

「(了解〜何だか無線の無駄遣いだよねこの使い方)」

「(一度きりの消耗品じゃないからいんだよ。それにあるものは有効活用しないとそれこそ無駄遣いだろ?)」

「(暗闇の言うことって無駄に正論だから困るよ〜。ま、いいや、取り敢えずそっちに行くね)」

「(頼んだ)」

声が消えると耳障りなノイズが響き渡る。会話からわかるようにあの駆逐艦の少女たちとの会話中俺は無線の電源を入れていた。金剛について歩いていた時食堂周りを見渡していたのだがどうも左端は二人用、真中は四人用、右端は六人用と分けられているようだ。そして端から端までが微妙に距離が長い。俺が李悠に無線した理由がもう分かるだろうそう歩くのが面倒くさかったからだ。だってカウンターからの距離と往復の距離を考えたらな?それにどうせこっちに来ると考えたらもうダメだ…面倒くさくなってしまった。

「はぁ…」

「どうしたの~?溜息なんてついて〜」

「李悠か早いな」

「そうかな?だってここまでたったの五十mくらいだし。はい、珈琲」

「ありがとう。…」

五十m…往復で百m…やはり無線をしたのは正解だったか。ずずっと湯気のたつ珈琲を啜る。旨いな…珈琲

「それで駆逐艦、だっけ?その子たちは「待たせてしまったかな?」」

「来たみたいですね。いえ、大丈夫ですよ。さ、座ってください」

後ろから声がかかり振り返るとお盆に料理を載せてこちらを見る少女たちがいた。そのまま立たせているのは申し訳ないので取り敢えず座ってもらうことにする。もちろん俺たちと向かい合うようにな?紹介するのにバラバラに座っては紹介できないからな

「それじゃあ私たちから自己紹介をさせてもらいます。…私は大本営-陸軍特別貸出部隊-部隊長の暗闇といいます」

「陸軍特別貸出部隊-副部隊長の李悠だよ〜よろしくね~」

「だ、大本営の兵隊さんなのですか!?」

「まさか大本営の兵隊だとは驚いた…」

「はぁ…あの提督また何かやらかしたのかしら…」

「?」

「大本営と言いましてもただ依頼を与えてもらう場所ですからあまり自慢にはなりませんよ。さて、そちらのお名前をお尋ねしても?」

やはり金剛たちと同じく※大本営※に反応する少女たち。確かに大本営という名は有名だが主に陸軍が支流の筈…海軍である彼女たちが知っているのはやはり情報ベースが原因なのだろうか?それより一人絶対何も知らない奴がいただろ。

「じゃあ私から…特三型駆逐艦一番艦-暁(あかつき)よ。一人前のレディとして扱ってよね」

「…特三型駆逐艦二番艦の響(ひびき)だよ。よろしく」

「特三型駆逐艦三番艦の雷(いかずち)よ!よろしくね」

「特三型駆逐艦四番艦の電(いなずま)なのです!よろしくお願いしますなのです」

「こちらこそよろしくお願いします」

「…いきなりだが質問をいいかい?」

「私が答えられるものならお答えしますよ」

全員の自己紹介が終わり暁達が大本営について話し合っている中会話に参加していない響から質問の許可を求められる。拒否する必要はないので了承する。一応答えられる質問と裏付けてな

「…まず、君達が鎮守府(ここ)に何をしに来たのかを聞きたい」

「すみません伝え忘れていましたね。こちらの司令官さんから長期滞在での依頼の為です」

「…左遷されたのかい?…いや、さっき依頼といったし…。それに確か大本営には海軍はなかった筈じゃないかい?」

「そう思われる方は沢山いますが左遷ではありません。私たちは貸出兵なんです。海軍に派遣されたのは上の手違いですね」

「「貸出兵!?」」

「驚いたね…」

「?」

やはりまた貸出兵の名前を聞くと驚いたように声を張り上げる雷電姉妹に静かに驚く響。何貸出兵ってそんなに凄くて有名なものなの?てか、さっきから暁が「え?何で皆驚いてるの?」みたいな顔なんだけど大丈夫か?

「金剛さんたちも同じように驚いてましたがそんなに貸出兵は有名なのですか?」

「有名も有名よ!情報ベースを見てる人なら誰だって知ってるわ」

「多分鎮守府ここに居る人達は皆知ってると思うのです」

「そんなに有名になる事をした覚えはないのですがね…」

「そうかしら?例えば一月前くらいに敵戦車数台相手に二人だけで全壊させたとか情報ベースに上がってたわよね?」

「私も見たので覚えてるのです。その前は数百人の兵隊さんを相手に負傷しながらも機密事項を入手したとかあった筈なのです」

「…私が見たのは三日前に数人の兵隊を引きいて陸軍基地を一つ崩壊させたって情報だね」

確かに全て最近受けた依頼だ。ただ内容が内容な訳でどの依頼でも負傷しながらの成功。鉛玉は何度受けても痛いが治療は受けていない。依頼先は信用ならないので却下。大本営の医療機関にも依頼が度重なり行けていない。その為今も体中には何発かの鉛玉が埋まってる筈だ。

「確かに全て私たちが受けた依頼です。ですが真正面から正々堂々戦ったものは一つもありません。全て陰から姑息な手を使い成功させたものですから誇ることはできませんよ」

「…姑息だろうが成功は成功だろう?それに第一である人命を優先した立派な作戦だと私は思うがどうだろうか?」

「そうなのです!命を第一に考えて依頼も成功させなんて完璧で立派な作戦なのです!」

「私も電と同じ意見ね。提督もよく言ってるは死ぬくらいなら全力で退避しろってね」

「レディは完璧が当然なのよ!」

「そう言ってもらえると助かります。ただ私は少し罪悪感を感じてしまいこのような作戦を誇ることはしないと決めていますので」

「御馳走様でした~。そうだね〜僕も効率と危険度を考えるとああゆう作戦も良いと思うけど誇るのはちょっと無理かな~」

隣で黙々と昼飯を食べていた李悠が食事終了の言葉と共に俺の言葉に話を合わせてくれた。わかっていると思うが俺が罪悪感を感じていると言うのはもちろん嘘だ。一々殺すことに罪悪感を感じていては貸出兵(このしごと)はやっていけない。とはいうものの俺も人間だ少しの申し訳なさはある。しかし、殺らなければこちらが殺られる…はぁ…なんて時代に生まれたんだ俺は…

「…ふむ、やはり客観的に見て感じるのと主観的に見て感じるのは感じ方が違うようだね」

「私もそう思います。やはり人を殺めることになりますので少し心苦しくはなります」

「…ひ、人を殺したのですか…」

「はい」

「…覚えているだけで何人くらいか教えてもらえるかい?」

「すみませんが明確には覚えていません。ですが少なくとも数百人は超えているとは思います。李悠は覚えていますか?」

「う~ん暗闇のはわからないけど僕だけでも数千人近くは殺してると思うよ〜?もしかしたらもう少し多いかも知れないけどね」

昼御飯を食べていた電が俺が人を殺したことを聞いて箸を止めるが、それを気にする様子もなく響が質問をしてくる。同じ鎮守府に派遣された男が人殺しと分かればやはりどれだけのやり手か知っておきたいのだろう。しかし残念ながら俺は今まで殺してきた兵士の数は数人や数十人では済まない。更に李悠の言う人数が正しいなら既に数千人の尊い命を俺達だけで奪ってしまったのだ。

「…数千人…。そう言えば君達はいつから貸出兵になったのか聞いていなかったね。教えてもらってもいいかい?」

「大丈夫ですよ。そうですね…確か大体八年位になりますね」

「御馳走様でした。それにしても八年間も貸出兵の危険な依頼をしているなんて凄いわね」

「…ううん、そんなことないよ〜?貸出兵に依頼する軍事基地が皆が皆危険な仕事ばかりを依頼してくる訳じゃないからね~」

「そうなのですか?でも情報ベースにある多くの情報はどれも危険なものばかりだった筈なのです」

「それは私の推測ですが「危険な依頼を成功させていることを知ってもらいたいんでしょ?」その通りです雷さん。やはり危険度が低く簡単なものより危険度が高くより困難なものを少人数の兵で成功させているものを見せた方が印象はいいですからね」

「…付け加えると君たちの活躍を大きく取り上げたいと言うことだね」

「うん。貸出兵には少し特殊な条約が沢山あってね~。貸出兵を派遣するだけでも固定料金が発生したり、依頼の数や依頼の難易度で料金と資源をプラスしてもらえるんだよ〜。そうなれば大本営のお偉いさんたちは貸出兵を多く派遣させたくなる訳。要は派遣させるための宣伝みたいなものだね〜」

にっこりと李悠は微笑む。しかし見た目が子供だと思っていたがこの駆逐艦たちはなかなか頭が回る。特に雷と響の二人…俺の話から的確な推測を割り出し発言してくる。誤って口を滑らせないようにしないとな

『…暗闇、俺だ。悪いが急遽指令室まで来てくれ』

「了解しました。すぐ向かいます。李悠」

「うん?あぁ司令官さんからの呼び出しだね」

「はい、急遽来て欲しいそうです。駆逐艦の皆さん申し訳ありませんがこれで失礼します。もし何かあれば私達の部屋までお願いします。それではまた」

「またね~」

すっと頭を下げ背を向けその場を去る。ん?途中から暁がしゃべっていなかった?あぁそれは寝てたからだな。たぶん昼飯を食べて眠くなったんだろ。やはりまだ身体的には子供なんだろうな。

「急ぐぞ李悠。兄貴が待ってるからな」

「うん。行こう」

急用となれば急がなくてはならない。李悠に声をかけ速足で指令室へと向かった。

 
 

 
後書き
ということで金剛山と比叡さんとの混浴シーンでした。そして少しずつ貸出兵の活躍ぶりが浮き彫りになってきましたね。そして今回ラストでの提督からの呼び出し…それは次回のお楽しみです。それでは次回もよろしくお願いします 
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