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5.神無異の飼い方

作者:クシャル
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2.人外どころか神外を飼いました

結「えーっと、風呂に入らせれば良いのか?お前、風呂分かるか?」

白「!」コクコク

結「お湯張っておいたから自分で洗えるな?俺は食いもん用意しとくから。」

白「!」

白夜は承諾するとパタパタと風呂場へと向かっていった。

結城は甘いものはないかと探していると、冷蔵庫の中から賞味期限間近の大福を発見した。

結城はそれに、牛乳を温めて添えた。

少しするとビショビショの白夜が廊下を走りやってきた。

結「あ、小さいタオルじゃなきゃ拭けないか、ストップ!」

白夜はその場で停止する、その間に結城は濡れた白夜を拭いた。

結「つーか服どうすりゃいいんだ?」

白「服はいらないよ、すぐ大きくなる。」

結「ん••••うおおおおおおお⁉︎喋った⁉︎」

白「僕だって頭は良いよ。」

モッキュモッキュと大福を食べ、温かい牛乳を飲んだ白夜は言葉通り大きくなった、小学生くらいに。

しかも何気に服を着ていた。

白「ふぃ〜、助かったよお兄さん、ありがとうね。」

結「お、おぅ••••。」

白「僕の名前は絶禍 白夜、人間じゃないよ、お兄さんは千羽 結城だね?」

結「そうだけど••••。」

白「何で分かったのかっていう顔してるね、僕は初めて会った人間の名前がわかる能力があるんだ。」

結「ふーん、超能力者みたいなものか?」

普通に会話しているあたり現状を理解するのは諦めたのだろう、あまりにも現実味を帯びていない光景を見ればこうなる。

白「そーでもあるしそーでもない、僕は化物だからさ、少なくとも神には負けない。

能力を使えば存在そのものがなくなることなんて良くあるよ。」

結「そーなんだ。」

白「興味なさそうだね、まあどうでも良い話だしね。

それにしてもお兄さん、疲れてるね。」

結「まあな、いろいろあるんだよこっちも。

お兄さんって呼びにくかったら結城でもいいぞ?」

白「分かった、そうするよユーキ、これからよろしくね!」

白夜は嬉しそうに笑って手を差し出した、結城は困ったように笑い手を握り返した。

白「ユーキの手は大きくてあったかいんだね、僕は好きだよ、お父さんみたいで安心する。」

結「そんなこと言われたのは初めてだ、お前は親はいないのか?」

白「うん、義理の親はいるけど今は会ってないよ。

僕は親っていうのも家族っていうのもいない、いっつも独りぼっちだったよ。

親ができたと思ったらその人は洗脳されたり死んじゃったりしてさ、あとは裏切られたり殺されることは良くあったなぁ。」

淡々と話す白夜に、結城は目を剥いた。

結「うん••••なかなかハードな人生なんだな。」

白「でもユーキみたいな人もたまにいるから大丈夫だよ。」

白夜がにっこりと笑う、しかし結城にはそれが良くできた偽りの笑顔に見えた。

結「よし、決めた、お前家に住め。」

白「ユーキ、俺と一緒にいると死ぬよ?これは本当のことだよ?」

結「人間誰しも死ぬもの、遅いか早いかの話さ、それに俺が死んだって悲しむ人はいない。」

白「僕は悲しいよ?」

結「お前強いんだろ?俺もそこそこ強い、死にたくなかったら足掻くさ。

そうだな••••もしお前が俺の死を悲しむなら、お前が守ってくれればいい。」

白「あ、そっか、そうだよね、そうすれば一緒にいられる!ありがとうユーキ!僕頑張ってユーキを守るよ!」

白夜は結城に飛びつく、結城は犬ってこんな感じなんだろうなぁと別のことを考えていた。

この日から、結城の家には自宅警備員(妹かつ忠犬)が住むようになった。




結「ん?••••ぎゃああああ!弁当忘れたあああああ‼︎」

「どんまい千羽!俺の飯はやらんぞ。」

結「誰が野郎の飯なんざ食うか、食うなら女子のがいい。」

「何だと非リアが!」

結「いや人のこと言えないよな、お前もじゃん。」

「千羽くん、ちょっと。」

先生に呼ばれた結城は教室を出て玄関へと向かった。

結「あ、白夜!」

白「ユーキ弁当忘れたっていう運めーもごもご。」

結「その話はまたあとでな〜、サンキュー、助かったぜ。」

白「うん、それじゃあ帰るね!」

白夜は走って千羽家に帰ってしまった。

「ついにお前もロリコンか••••。」

結「いや、妹です、良くできた、先生と一緒にしないで下さい。」

「いいなぁ、ああいう妹欲しいわ。」

結「なんかもうアンタだけは黙っててください。」

結城は弁当を持って教室に入り食べ始めた。

「何だ、弁当届けてもらったのか?」

結「まあな、意外に美味いなこの飯••••。」

「何、お婆ちゃんにでも届けてもらったか?」

結「お婆ちゃんいねぇし、妹だよ。」

「「「「はぁ⁉︎」」」」

結城はビクリと体を震わせる。

結「何だよ?」

「お前妹いたのかよ⁉︎」

「どんな妹⁉︎可愛いか⁉︎」

結「あぁ、なんかわんこみたいだぞ、可愛いし気配り上手だな。」

「うおおおおお!いいなぁ‼︎」

「超見てみたいわ!お前の妹さん!」

結「言うなら癒しだな、校門に迎えに来たりしてな。」

冗談だけどな、と笑いながら結城は言う、まさかフラグになるということは思いもよらなかっただろう。

そして帰りー

「千羽ー帰ろうぜー!」

結「おう、帰るか。」

荷物をまとめた結城は校門へと出る、そのとき腹に軽い衝撃がきた。

下を見ると白夜が抱きついていた。

白「ユーキお帰り〜、おなかすいた〜、甘いもの食べた〜い。」

結「おー、見事にフラグ回収したわ。」

「誰?お前の妹さん?」

結「そうだ。」

「マジで⁉︎」

結「義妹だけどな。」

白「絶禍 白夜です!」

「マジで良くできてる妹さんだな••••。」

白「••••ん。」

白夜は不意に視線を向ける、その先には結城が最も嫌う集団が。

どうやら結城を探しているようだと白夜は伝える。

結「さー帰るか、あいつらと一緒にいるとろくなことになりゃしねぇ。」

白「••••••。」

白夜は何か言いたそうな顔をしていた。




そして帰り道。

結城とその友人は口元をヒクつかせ、白夜はただ無表情でいた。

白「ユーキ、フラグ回収お疲れ様。」

結「何でや!」

「フラグを建てたお前が半分悪い。」

白「同意。」

結「くそおおおお‼︎」

白「まぁ、やっこさんそうやすやすと帰してはくれないみたいだけどね。」

白夜は自分たちを取り囲むようにして隠れている気配に感づいていた。

「何よアンタ、ついにロリコンの仲間入り?」

「気持ち悪ぅ〜い!」

「今後私たちに近づかないで欲しいな。」

結「俺もお前らとは近づきたくないから良かったわ〜、あんなやつのどこが良いんだろうな?」

白「ユーキ、世の中はルックスなんだよ。」

結「マジでか、じゃああいつらモテモテなのか?」

白「そうでもあるしそうでもない、付き合ってもすぐにフられる運命だよ。」

結「うん、超便利だなそれ。」

コソコソと話す結城と白夜、チラチラと見ては馬鹿にしたように笑う、いや、事実馬鹿なのだが。

「ちょっと!何コソコソ話してるのよ!」

結「いや別に、こいつは俺の妹だ、それに俺は美乳のお姉さんが良い。」

白「ユーキはろりこん?ってやつじゃないのは確かだよ。」

結「つーか何の用?」

「風魔が貴様と一緒に帰りたいと言ったので仕方なく、来てやっているのだ。」

仕方なく、を強調して言った委員長、その言葉を聞いた白夜はため息を吐く。

白「アンタ、つまんない嘘吐くんだね。」

委員長どころかその場にいた白夜以外が目を見開く。

白「言っておくけど僕たちはからおけというものには行かないよ、そんなのに付き合っている暇はないんだ、君たち暇人と違ってね。

そうなると君たちはどうする?」

白夜は不敵に笑う、ハーレムズの一人はやれやれと首を振った。

「そうですか、致し方ありません、力尽くでも来てもらいます。」

それを合図に屈強な男たちが出てきて、結城たちの帰り道を塞いだ。

白「力尽く?いいね、分かりやすくて。

弱いやつを相手にするのは好きじゃないけど、その心意気と喧嘩は買うよ。」

それでも白夜はまったく余裕の笑みを崩さない。

「いや、良くないよ、俺喧嘩できないよ。」

結「白夜、お前は出来るだけ敵の数を減らしてくれ。」

白「全滅させられるけど?」

結「いや、向かってきたのは俺がやる、もし俺が危なかったらそのときはよろしくな。」

白「了解ご主人、仰せの通りに。

幸い銃は数人くらいしか持ってない、そっちを先に片付けさせてもらおうかな。」

「さあ行きなさい‼︎」

それを合図に一斉に攻撃を仕掛けてきた男たち、なかなか先鋭された動きである。

しかし、神を幾多も殺してきた白夜にとっては、人間など取るに足らない相手である。

向かってきた一人の足を掴み、怪我をしない程度に銃を発砲しようとしている人間の元へと投げる。

それに気を取られて隙ができた銃を所持した男を三人蹴り倒す。

残る銃所持者は五人、白夜は両手に銃を持ち、天空に向かって発砲した。

小学生くらいの子供(外見)が、片手で、だ、しかも全くブレていない。

静まり返る戦場、白夜はニヤリと笑う。

白「銃所持者、その拳銃抜いた瞬間腹撃ち抜くよ。」

結「隙あり!」

結城はその間に近くにいた銃所持者を二人倒し、銃を回収した。

そしてやっと動き出した戦場だが、それもすぐに止まることになる。

白夜は残った三人を蹴って肩を切りつけた、素手だが白夜の爪は切れ味抜群である。

人間の皮膚など紙のように切れる。

すべての銃を回収した白夜たちは、固まっている男たちの数をどんどん減らし、最終的には皆いなくなってしまった。

白「ユーキ、助かったよ、おかげで手間が省けた。」

結「いやいや、それはこっちもだ。

お前がいなかったらかなりキツかった、守りながら戦うって存外難しいな。」

白「一瞬の気の緩みが命取りだしね。」

白夜と結城はハイタッチをする、いや、片方は低タッチだが。

「わ••••私のボディーガードがこんなにもあっさりと••••••。」

「アンタ••••いつの間にそんなに強くなったのよ••••••!」

ハーレムズと風魔は目を剥く。

結「別に俺が強かろうと強くなかろうと俺の勝手だろ、俺たちは勝った、帰るからな。」

誰も止める者もいないまま、三人は帰っていった。 
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