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歌集「春雪花」

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 思い出も

  抱きし流る

   魚野川

 君に忘るる

    われをも流せ



 古くは暴れ川といわれた魚野川…。川辺を歩けば思い出すら抱いて流れゆく。

 そんな故郷の川よ…彼に忘れられてゆく私を、思い出と共に流してはくれまいか…。

 この…虚しいだけの時間と共に消し去って…。



 日々恋し

  心を歌に

   詠みにける

 重ね重ねも

     君に届かじ



 毎日、彼が恋しくて…その想いを歌に詠み続けている…。

 だが…どれだけ詠んだとしても、全く意味などないのだ…。
 言葉を重ね、心を尽くしたとて…彼に届くものなぞないのだから…。

 人生とは、本当に…侘しいものだと思う…。



 
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