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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか

作者:海戦型
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特別授業!教えてヘスティア先生! ~BDFFってどんなゲーム?の巻~

 
前書き
この回は、どうやらBDFFのことを知らない読者の方もいそうだという事で前々から企画していた特別授業なのです。かなり不真面目に製作されていますがご了承ください。 

 
 
 突然だが。

「ベル君!君はブレイブリーデフォルトというゲームを知っているかい!?」
「え!?き、聞いたこともないです……」
「そうだろうそうだろう!ついでにこの小説を読んでいる皆さまの中にもやったことのない子がいるんじゃないかい~?」

 チラチラと何所か虚空に視線を送るヘスティアの行動がベルには全く理解できないのだが、どうやらこの小説は本編と世界観や知識を共有していないらしい。なので思いっきりメタメタでも問題ないのだ。

「『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』……略してBDFF!あのファイナルファンタジーやドラゴンクエストで有名な会社『スクウェア・エニックス』が発売した3DS専用ソフトだ!ジャンルは言うまでもなくファンタジー世界を生きるロールプレイングゲーム!!世界観はFFシリーズを基調とした部分が散見されるが、FFシリーズとは繋がりがないんだぜ!」
「はぁ……よく分かりませんが、分かりました」

 ちなみに、完全版として『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』も発売されている。こちらのソフトではBDFFで壊れ性能だったコンボが一部仕様変更を受けたり、次回作の要素と伏線が追加されたりしている。
 開発コンセプトは「王道ファンタジーRPG」。その名の通り王道を行くシナリオだが、ダークな部分や信念のぶつかり合いなど山あり谷ありで最後まで楽しませてくれる。3DSの立体映像機能やARマーカー機能を積極的に活用しているのも特徴だ。ちなみにBGMの担当は「進撃の巨人」のOPで一躍有名になったRevo氏であり、その重厚なサウンドは一聞の価値あり。

 特徴的なシステムはターン制戦闘における「ブレイブ」と「デフォルト」。「ブレイブ」は簡単に言うと次のターンの行動を前借りして複数回行動を行うこと。対して「デフォルト」は、そのターンを防御状態で乗り切る代わりにBP(ブレイブポイント)をチャージする。
 BPは0の状態で開始され、そのターンに行動すると-1、そしてターンエンドで+1され元の0に戻る。
 例として、1ターンに三回ブレイブで行動すると、BPは-3になり、0に戻るまで一切行動できない。逆にデフォルトでBPを増やせば、複数のターンで複数回行動することが可能である。

 他にもゲームを進めれば進めるほどジョブチェンジやスキル、相性などが複雑に絡み合った高度な戦略が求められてくる。なお、エンカウント率や難易度は簡単に変更できる。2013年の日本ゲーム大賞でも優秀賞を取った完成度の高いゲームだ。

 が、ベルは話に着いて行けないせいでリアクションが薄かった。

「はぁ………よく分からないけど凄いですね」
「ふふふ……そんなに無関心でいいのかい、ベル君!?なら見せちゃうぞ、キミが気になってくる情報を見せちゃうぞー!!」

 どこからともなく謎のパネルを取り出したヘスティアは異様なハイテンションでそれを壁に設置し、見たこともない黒くて細長い箱(リモコンとも言うがベルには理解できないアイテムである)をピッと押した。
 すると、パネルにひとりでに映像が映し出されるではないか!
 しかもそのパネルの中には――!!

『気分がいいねぇ!……この風が止んでしまうなんて信じられないが……』

「え!?り、リングアベル先輩じゃないですかこの人!?」
「そう!この映像はBDFFの主役メンバー4人を紹介するものなんだけど、なんとその一人が!現在ヘスティア・ファミリアに所属するあのリングアベルなんだよ!」
「な、なんだってー!?」
「じゃ、原作のリングアベルについてドドンと行ってみよー!」

 リングアベルのあらすじ……

 記憶喪失の男、リングアベル。彼は気が付いたらカルディスラ王国にいた。
 自分は何者なのか。周囲は少しは自分を知っているそぶりを見せるが、結局詳しい事は知らないらしい。そんな中で唯一記憶の手がかりになりそうなもの……それは、気が付いたら持っていた「D」の文字の装飾がある手帳。その手帳には、未来のことらしき記述が書かれていた。
 そして、その中にあって最も気になるもの……「イデア」という少女。
 リングアベルはこの少女を「自分の運命の人」であると確信し、女性を片っ端からナンパしてイデアという少女を見つけようと躍起になるのであった……。


「うーん……これは紛うことなき先輩ですね!」
「だろだろ?さあ、ベル君が俄然興味を持ってきたところで、次行っちゃおう!!早送りで行くよ~!!」


 アニエスのあらすじ……

 風のクリスタルの巫女、アニエス・オブリージュ。彼女には最近懸念があった。
 彼女が仕えている『風のクリスタル』の輝きが日に日に失われているのだ。
 原因は分からない。不吉の予兆だと不安がる修道女もいる。そのためアニエスは毎日、クリスタルの輝きを正常に導き、災いを祓う『祈祷』の儀式を続けていた。
 だが、その日――突如、クリスタルは闇の瘴気に包まれる。
 何故、どうして。その問いに答えられる者はいない。瞬く間にクリスタルを包んだ闇はみるみる強さを増し、とうとうアニエスを庇った修道女たちの命をも呑みこんでしまった。
 ――それから数日後、精霊を連れてカルディスラ王国へ向かう一人の少女の姿があった。その胸に、いっそ痛々しいほどの使命を抱いて……。


 イデアのあらすじ

 エタルニア公国元帥の娘、イデア・リー。
 彼女は父の期待に応え、公国の理想を叶えるために連日連夜剣の修行に明け暮れていた。
 そんな彼女にとうとう転機が訪れる。なんと、栄えあるエタルニア空挺騎士団の一員としてとうとう公国軍の正式な仲間入りを果たすことになったのだ。こんなにも嬉しい事はない。イデアは自分の夢への第一歩に意気揚々と踏み出していった。
 イデアは師匠のカミイズミから刀を授かり、父と多くの兵士たちに見送られながら飛空艇で大空へと飛び立っていく。
 その先に想像もつかない苦難の連続が待ち構えていることを、彼女はまだ知らない……。


 ティズのあらすじ

 ノルエンデで牧畜をしている少年、ティズ・オーリア。
 その日まで、彼は両親や弟と一緒に何一つ不満のない平穏な生活を送っていた。
 だがその日、突然村の大地が何の前触れもなく巨大な光に貫かれた。砕ける大地……家が、羊が、人が、あらゆるものが目の前で光に呑み込まれていく。ティズは必死になって手を伸ばし、どうにか大地の裂け目に落下しようとしている弟の腕を掴んだ。
 決して離してはいけない、助けられる筈の弟の命――だが、次の瞬間大きな揺れがティズを襲い、その衝撃で弟の手が離れた。悲鳴を上げて奈落の底へ落ちていく弟を、ティズは呆然とみつめるしかなかった。
 その後、巨大な大穴が開いたノルエンデの近くの渓谷で、意識を失った一人の少年が発見される。
 家族も、居場所も、全てを失った少年――ティズであった。
 しかし、この悲劇は彼の果てしない戦いの序曲でしかなかったのだ……。


「……神様。アニエスさんとティズさんの過去がハードすぎます」
「うん……いや、ボクは知ってたけどさ。特にティズ君とか絶望しかないよね……あ、ムービーはYOUTUBEとかにも投稿されてるよ!ともかく、BFFFはこの4人を中心にストーリーが回っていくよ!」

 それでは、知らない人の為にBDFFのストーリーの序盤をものすごく簡単に説明させてもらう。



 ノルエンデの悲劇から1週間がたったある日、ティズは王国の宿で目を覚ます。
 そしてティズは、ノルエンデが大穴に呑みこまれてしまったこと――そして生存者が自分以外に発見されなかったことを聞き、愕然とする。
 ティズはいても経ってもいられなくなり、一人渓谷を抜けてノルエンデを目指すが……そこには、巨大な大穴があるだけだった。失意に膝をつくティズ……そんな彼の耳に、一人の少女の独白が聞こえた。

 ――いまだ見たことのないあなた。

 ――どこにいるかもわからないあなた。

 ――私の祈りが届いていますか?

 ――私の見ているものが、見えていますか?

 ――このまま、世界の境目は崩れ去ってしまうのでしょうか……

 ――この恐るべき災厄を止めることが、私にできるのでしょうか……

 少女の名前はアニエス。ティズは最後の望みをかけて「自分の他に生存者を知らないか」と問いかける。だが、帰ってきたのは否定の言葉だった。これからどうしよう……途方に暮れるティズの耳に、聞き慣れない空を切る音が聞こえてくる。それは、エタルニアの戦闘飛空艇が風を切る音だった。

 飛空艇はアニエスを狙っていた。ティズは問答無用で飛空艇の砲撃に巻き込まれてしまい、先に逃げるよう促すアニエスの手を引いて猛攻撃を乗り越えることにした。次々に襲いくる弾丸とエタルニアの兵士……どうにか危機を潜り抜けたティズは、その先で彼女から驚愕の事実を知らされる。

 なんとアニエスは、一緒にいた精霊のエアリーと共に世界各地の4つのクリスタルを解放することで大穴を消し去ろうとしていたのだ。現在海は原因不明の腐敗によって航行不能だが、それでも彼女の決意は固い。あの大穴を塞げると知ったティズはある覚悟を決める。
 ティズはあの悲しみを繰り返さないために、アニエスに着いていくことを決めたのだ。
 ……アニエスには巻き込みたくないからとアッサリ断られたが。

 ~続く~


「……とまぁ、ストーリーの導入部分はこんな感じだよ!この時点ではまだリングアベルとイデアは出会ってないけど、この後出会うことになる。ただ、鐘まちの方では出会ってないからここまでなのさ!」
「あれ?でも神様……これって『鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか』の内容と既に大部違っていませんか……?エアリーのポジションとか、出会い方とか、そもそもリングアベル先輩が王国にいないじゃないですか」
「うーん、そこに関しては作者なりに色々と思惑があるらしいよ」

 作者って誰?とか、なんかベル君が変な物読んでるんですけど?とか考えてはいけない。
 エアリーの立ち位置や会話内容が違う事などは、ダンまちと世界観を合わせる過程で決定していったそうだ。では、他の疑問にいくつか答えて行こう。


 ↓原作との相違点(現時点)↓

Q,1 エタルニアに襲われたってどういうこと?

「……襲ってきた飛空艇の所属ってエタルニア公国なんですよね?何で正教と融和してる筈のエタルニアが巫女を狙って砲撃なんてするんですか?」
「ふむ……その理由に関しては特別に教えておこう。実はね……原作BDFFでは、エタルニアは『アンチ・クリスタリズム』を掲げて正教を徹底的に弾圧してるんだよ!!」
「え………ええええええええ!?僕たちの世界と真逆じゃないですか!?」
「ま、ゲーム本編では何故エタルニアがそんなことをするのかも重要になってくる訳だけど……今は説明は止めておこうか。で、他に何か聞きたいことある?」

Q,2 クリスタルについて

「原作の流れだとオリジン・クリスタルの話が出てきてないみたいですけど……」
「当たり前だよ。だってオリジン・クリスタルはこの『鐘まち』のオリジナル設定なんだからね」
「……クロスオ-バー創作でオリジナル設定入れるって、いいんでしょうか?」
「作者曰く、『4つの神殿を回りつつオラリオでも冒険するのは無理がある』だって。4つのクリスタルはシナリオ上世界を回る口実みたいなものだから……とかよく分からない事言ってたよ!」

Q,3 パワフルイデア!

「えっと……イデアさんこっちの世界じゃムービーの姿以上に強くなってません?」
「作者の趣味、プラス『原作とは色々と事情が違うから』だそうだよ?これ以上は禁則事項だから教えられないぜ!!……まぁ、元々あの剣聖カミイズミが直々に師事してたんだから弱い方がおかしいんだけどね!」

Q,4 Dの手帳○ Dの日記帳×

「ちなみに、先輩の日記が原作だと手帳なんですけどそれについては……?」
「うん、実はね?鐘まちでは日記の半分が白紙になってるけど、原作では全然そんなこと無くて最後まで書かれてるんだ。その違いを暗喩する名前変更のつもりだったらしいよ?」
「え?じゃあ一体誰があの日記を半分白紙に………?」
「そこはそれ、本編の謎だからここでは答えられないよ!」

Q,5 なんかティズの両親が早死にしてるんだけど?

「原作では崩落前までは生きてた筈ですよね?出番ないけど」
「そうだねぇ……きっとものすごくいい人だったんだろうねぇ……出番ないけど」
「………まさか、忘れてたとか?」
「いやいやまさか!そんな凡ミスする訳ないさ。……ないよ、ね?」
「……………」
「ま、まぁいいや!今回の授業はここまでにしよう!」

 そこはかとなくカオスな説明になってしまったが、今回はここまでである。
 シナリオが進むごとにまたこのような機会を設けようかと作者は考えているようだ。


 ブレイブリーデフォルト……それは「勇気をもって、課せられた責任・義務を放棄する」という意味。果たして、これから彼らは何を「否定」するのだろうか。
  
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