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ソードアート・オンライン〜Another story〜

作者:じーくw
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SAO編
  第106話 そうだ、大胆にいってみよう!

~第50層 アルケード エギルの店~


 レイナ達が結婚して約1週間が過ぎ去った後。
 エギルの店でテーブルに向かい合って座っているのは2つの影。神妙な顔つき……と言うより悲しそうなそんな感じがする1人と真剣に話を聞いている?と思える1人。

「え、えっと……、リュウキくん……私に内緒で何か色々としてるみたいなんです……」
「ホウホウ……」

 真剣な表情……をしてたんだが、途端にふにゃりとそれを崩した。

「あっはは~、レーちゃんが話があるって言うかラ、何かと思えバ」
「ぶーー!わ、私は本気で不安なんですっ!! 聞いても、教えてくれないし……!」
「まぁまぁ、落ち着きナっテ。新居に移って1週間目!……倦怠期なのカ?」
「け、倦怠期っっ!? そ、そんな事……無いって思う、思いたいです……」

 表情を更に落としてしまう。

 ……話からわかるとおり、アルゴとレイナの2人である。あの昔話をしていた2日後の事。今度はレイナがアルゴに会いに来ていたのだ。内容は、さっき言ったとおりの事。

「ソレに、レーちゃん。結婚シたんダカラ、ストレージ共通化で、大体何してるカはわかるダロ? 判らないノカ? 結婚システム、オレっちは使ったこと無いからはっきりとは言えないガ」

 情報屋として、その様なリスクは背負うのは今のところ無理だとアルゴは思っている。……と言うより、そんな相手がいないと言うのが正しいだろう。いや、……1名程いたんだけど、もう無理になってしまったから。

 彼は両想いになってしまったから。

 だけど、アルゴは略奪愛をするつもりは無いようだった。目の前の彼女は……本当に良いコだから。
非がない、と言える程に……。苛めたい~と言う気持ちは湧いても、悲しませる様な事は出来ないのだ。

「えっと……、40~50層くらいで、アイテム集めをしてるみたいです。あ、61層にいったみたい……。共通アイテム領域にアイテムが増えていくから、それは判るの……見ちゃうのはちょっと悪いって思うんだけど……」
「ほほぅ、ナラ何か作りたイ物でもあるんじゃないカ?」
「んー……多分、敵のレベル帯とかリュウキくんからしたら、全く問題ないし……、リュウキくんに限ってそんな心配は無いって思うんだけど……」
「なら、イイじゃないか」
「でも!心配なのっ!気になっちゃうの!!」
「なら、本人に聞けばイイじゃないか?」
「ぅぅ……、で、でも……」

 レイナは、最終的にはもじもじとしだしてしまった。
 結婚してこれまでで、隠れて何かした事もされた事も無かったから……どうしていいか、判らない様なのだ。

「ハハっ! ほんっと、可愛いナァ! レーちゃんは」
「むーー!! わ、私、本気なんですってば!」
「ダイジョーブダイジョーブ、リューは、レーちゃんにゾッコンだって! 心配するダケ損ダヨ」
「あぅ……///」

 そう言われたら、やっぱり赤くなってしまうけれど……、それでも。

「ホレ、オレッちも色々とあるから、モウ良イか?」
「あ、アルゴさんっ、何か情報があったら、買いたいんですよぉ……」
「むむ、情報の売買の話なら、オレっちも聞いてやりたイ所ダガ……知っての通リ、リューごとの情報は、位置情報とかは別だが、基本、取り扱わナイんダ。事務所が有名タレントを失ウも同然の可能性は1%デモ絶たないといけないしナ?悪イが判ってくレ」
「ぅ~……」

 レイナは項垂れてしまう。
 アルゴの情報の中で、絶対に取り扱わないのがリュウキ関係の情報、それは周知の事実だ。あの昔に話題となった、《白銀の勇者》の話から一切無くなってるのだ……。位置情報等は、リュウキの承認を得てから教えたりしている様だけど、それ以外は皆無なのである。金銭を釣り上げていけば何とかなりそうな気もするが、ここアインクラッドにおいて、リュウキの価値以上の金銭を出せるプレイヤーはいないから、それも不可能なのだ。リュウキの齎す利益はそれだけの価値があるのだから。

「オレっちが言えるのハ、さっきも言ったガ、リューなら大丈夫って事くらイだ。レーちゃん。じゃ、本当に予定、入ってルから、またナ~」
「うぅ……うん……」

 レイナは、手を振るアルゴにとりあえず答え、そしてアルゴはエギルの店を後にした。エギルにも相談をしようか……とも思ったが、なぜだろうか、今の時間帯は結構客入りも良いらしく、忙しそうなので 声をかける事をためらってしまうのだ。それに、信頼してるけれど……やっぱり聞きづらかったりもする。……異性だと。

「はぁ……どーしよーかな……」

 レイナは暫くたそがれているのだった。


 一方店を出て行ったアルゴはと言うと。

「ムフフ、可愛いから意地悪しちゃいタイ衝動に苛まれちゃってネ。でも……今回はリューにも頼まれてるシ、言えないんダ。悪いナ、レーちゃん」

 アルゴは、今回のリュウキの件、勿論知っている。彼が何をしているのかも勿論だ。アルゴにそれを聞いたのだから。……勿論、口止めもしっかりとして。

「リューから、口止めされたラ言えなイヨ、絶対。オレっちもリューには嫌われたくナイからナ~」

 以前合った事だけど、あれは相当堪えたのだ。
 事あるごとに無視をして、目も合わさない、話さない。……女の子なら誰しもそうだろう。興味の無い相手ならともかく……。

「頑張れ、レーちゃん。もうチョットの辛抱ダって、ニヒヒ」

 アルゴは、そうつぶやくと転移門へと向かっていった。






~第48層 リンダース・リズベット武具店~


「……で、あたしの所に来たんだ?」
「うん……」

 レイナは散々迷った後、リズの所へとやってきていた。

 以前にも、リズにはこの手の話で大分世話になっているのだ。……レイナとしては、また……リズに迷惑をかけるのではないか?と思ってしまっていたから、行きにくかった様だ。それに、姉のアスナ自身も今は何やら忙しいらしくて 会えなかったから。

 だから、もう、リズしかいなかったのだ。

「うー……、ごめんなさい。また、こんな相談なんてしに来て……」

 レイナはまずリズに頭を下げる。以前あって手前……またか?と思われていても不思議じゃないんだから。

「いーの、いーの。迷惑なんてこれっぽっちも思ってないからさ?」

 リズは笑顔でそう答える。
 確かに、レイナは気にしている様子だけど、以前とは比べるものではない。拒絶された……等じゃなくて、隠れて何かをしている程度のものだったから。ただ……それが何処か寂しかったようだ。

「リズさんは、リュウキくんから何か聞いてないかな……?」
「ん~? あたし??」

 リズは、人差し指を口元につけながら上を見上げる。何から数秒間、考えた後。

「一応、聞いてるよ? そのリュウキの内容はね」
「ほ、ほんとっ?? な、何をしてるのっ?リュウキ君っ危ないこととかしてない??」

 レイナは思わずカウンターに乗り出しそうな勢いでリズに詰め寄るが、とりあえずリズはレイナを諌めた後。

「ちょっと待ってって。最後まで聞いて」
「え、う、うん」
「聞いてる事は聞いてるよ? でも……言わない」
「……え。……ええええ!?!?!?」

 まさかの拒否にレイナは思わず大声を出してしまった。でも、リズはたまに意地悪をする事があるから、レイナは少し頬を膨らませる。

「うぅ~……り、リズさん。私をイジめて楽しいんだ……」
「ちっがーうわよ! ま、否定はしないけど」
「ひどいよぉ……」
「はは、うそうそ」

 リズは、正面からレイナの顔を見て答える。

「これはイジワルなんかじゃないよ。……こういうのは、本人から聞いた方が良いでしょ? 絶対。それにリュウキだって、自分で言うまで知られたくないでしょうし……」
「う~……それはそうだと思うけど……、やっぱり、モヤモヤが晴れなくて」
「はぁ……仕方ないなぁ、よーし、レイ? ……リュウキのレイに対してよく言う口癖、まずは復唱してみなさい」

 リズは、人差し指をレイナの顔の前で立てながらそう言う。まるで、出来の悪い生徒に親身になって教える教師の様に。

「……え? 口癖?」
「そ、小っ恥ずかしくなる様なセリフを臆面もなく言うでしょ? あいつは。ん~忘れた~なんて言わないわよね? レイ?」
「……っっ///」
「はーい! ほーら、口を噤んじゃダメ。ここ あたししかいないから、さ、言いなさいって。奮ってどーぞ!」

 リズの言葉を聞いて……レイナは一気に顔を紅潮させた。何度も聞いてるリュウキの言葉。
忘れる筈がない。でも、流石に人前でいうのは……と思ったのだけど、リズの表情は真剣そのものだから……。

「え、えっと……///りゅ、リュウキ君は、わ、私が……一番……っ///」
「そ、 そ・れ! ……アイツはレイの事が一番なの。それ以外は有り得ないの。(ああ、もう!妬けちゃうなぁ!!)……だからね」

 リズは、レイナの頭を軽く撫でると。

「レイがリュウキの事を信じてあげなくてどうするのよ。リュウキがレイの事、裏切る筈無いでしょ? 絶対に」
「っ……!! う、うん」

 レイナは、リズの言葉を聴いて小さく頷いた。そして、立ち上がると。

「ご、ごめんなさいリズさん。愚痴っぽくなっちゃってたね。黙ってリュウキくんからの言葉を待つよ」
「はいはい。しっかりやんなさいよ? 勝負下着だって、いつもつけてるんでしょ?」
「っっ~~!! な、なにをっ!?」
「ふふ~~ん、あんた達姉妹の事はお見通しなんだからね~?」
「も、もうっ///! リズさんっ!!」

 こうして、レイナは22層の家へと戻っていった。リズはその背中を眺めて。

「全く~本当に贅沢な悩みだこと」

 そうボヤくと、再び工房内へと戻っていった。出番がしれっと増えてる事だけは、良いのだけど……ポジションにやや不満があるリズだった。






~第66層 スカルナイト~



 そこは、ホラーイメージが漂う古城迷宮。
 基本的にこの層を根城にしているプレイヤーは少ない。その理由は、この手の風景が苦手と言う理由が多いだろう。だが、2人連れのプレイヤーを見かける事はある。それは第47層のフローリアと似たような光景。女性プレイヤーを男性プレイヤーがまるで守る様に寄り添いながら歩いている姿だった。

「ふぅ……大体、素材集めは終了か。……だけど、こう言う所に遊びに来るのも良いと言う事、なのか?」

 男女ペアのプレイヤーが何人かいたのを見てリュウキはそう思った。
 これまでで、レイナと一緒に来た層は多数あるが、この手の層である65、66層にはまだ足を踏み入れていない。レイナが行きたい所の指定ではここは無かったからだ。……今度、提案してみるのも良いかもしれないと、思ったリュウキだった。

 それは、レイナにとって良いのか悪いのか……微妙な所である。



「さて、それはそれとして、とりあえず戻るか。えっとレイナは……」

 リュウキは、レイナの位置情報を確認する。どうやら、レイナは22層の家へと戻ってきている様だ。

「心配をかける訳にはいかないからな。残りを済ませて戻ろうか。……漸く終わったな」

 リュウキは、軽く腕を回し、そう呟く。目的をもって行動をしたのだが、よもやここまでかかるとは思ってなかったようだ。日数にしたら2日間だが。

「転移・リンダース」

 リュウキは、転移結晶を掲げると、転移場所を指定。そして眩い光に包まれながらこの場から姿を消した。





~第22層・コラル 湖畔のログハウス~


 レイナは、とりあえず家でリュウキを待つ事にしていた。モヤモヤは確かにするけれど……、リズの言うとおりで、そしてリュウキが言ってくれた言葉を口に出していってみて、安心をした様だ。
 ……ちょっとだけだけど。

「う~ん……よしっ!! もう、考えるの止め! 悪い風に考えるのは悪い癖だよっ! 私っ!!」

 ぐっと、力を1つ入れるとアイテムウインドウを開く。そして、装備を普段着に変更、そしてエプロンを装着。

「リュウキくんがいつ帰ってきても良いように、ご飯作って待ってよう!」

 この世界での料理はあっという間に出来上がるから……基本的に下準備は必要なく帰ってきてからでも十分間に合うのだけど……。
 まぁ、レイナは気を紛らわせたかったようだ。

 そして、その数十分後。

「ただいま」

 リュウキが戻ってきた様だ。レイナは、その声に気づいて足早に出迎えに行く。

「お、おかえり、リュウキくんっ!ゆっくりだったね?その……何処言ってたの??」

 探りを入れる様で何だか後ろめたさをなぜか自分が感じてしまっていた様だけど、何とか聞くことが出来た様だ。リュウキはそのレイナの言葉を聞きいて。

「ん……ちょっとな」
「ちょっと……って?(うぅ……やっぱり 何か隠してるの~?)」
「そうだな……もう、良いか」

 リュウキはそう言うと、レイナの傍による。レイナは何だろう?と首をかしげていた。

「レイナ、ちょっと手を出してくれないか……? 後、目も瞑ってくれたら嬉しいな」
「え? ええ? 何?」
「ちょっと、だよ。頼む。何も聞かずにしてくれないか?」
「う、うん……」

 レイナは、目を瞑って右手を差し出した。リュウキはそれを確認すると……、レイナの手を取った。

「ん……? (なんだろう……)」

 レイナは、声に出して聞こうとしたが……とりあえず、リュウキを待った。そして……自身の指に何かをつけてくれている感触が。

「ッ!?」
「もう、良いよ」
「あっ……こ、これって……?」

 レイナは、右手を見てみる。その手の薬指には、銀色に輝く指輪が付けられていた。

「えっと……、悪かったな。……黙ってて」
「ゆび……わ?」
「ああ。装飾品としての指輪は多数あるんだけど、アルゴやリズとちょっと相談して、相応しい物がないかな? って聞いてみたら、プレイヤーメイドが良いと言われて……な。ちょっと素材の量が多かったから時間がかかってしまったが」

 小さな指輪だというのに、素材の数が馬鹿にならなかったのだ。そこは、ゲームの仕様、だろうか。

「オレ達は結婚……したけど、その……システムだけじゃ、味気ない、だろう?だから……レイナが喜ぶと思って……」

 リュウキは、少し恥ずかしそうに頭を掻きながらそう言っていた。レイナは、暫く……呆然としていたけど……だんだん、目に涙が溜まっていく。

「その……気に入らなかった?」
「っ! っっ!」

 レイナは、ぶんぶんと首を左右に振った。髪の毛が乱れてしまうけど、そんな事はお構いなしに。
 そして、目に溜まった涙が流れ出した頃に。

「う、嬉しいよ……、わたし、わたし……っっ」

 声に、出すことが出来た。そして、リュウキに思い切り抱きつく。

「ありがとうっ……今までで、一番嬉しいっ……本当にっ!大好き、大好きだよリュウキくんっ……」
「ふふ……喜んでくれたのなら良かったよ」
「これ……リュウキくんの分もあるの?」
「ん。ああ」
「なら……私に着けさせて?」
「……宜しく頼むよ」
「う、うんっ!」

 レイナはこの後、歓喜の涙を拭い……リュウキの薬指に指輪を着けた。そして……。

「私は、リュウキ君の事をずっと……ずっと愛する事、誓いますっ……」
「オレは、レイナの事を……ずっと愛し続けることを誓います。この命尽きるまで……」

 結婚式と言うものにレイナは憧れていた。ウエディングドレスを着て……そして、愛する人が傍に居てくれて……。とっても憧れていたんだ。この世界から無事出られたら、いつかはリュウキと式をしたい。
それが夢でもあった。幸せな時間をずっと過ごしたいと言う気持ちもあったけれど……現実に還ったら本当の夫婦に……と。

 宣誓をした後、2人はそっと口付けを交わした。



~おまけ~


「ふふ、リューキくん?」
「ん?」
「あのね~、結婚指輪って、左手の薬指、なんだよ?右手は婚約指輪。私達、その……結婚してるから、左手が正解っ?」
「っ……なら、なんで教えてくれなかったんだ? あの時に」
「もぅ、ムードを考えたら出来ないよっ、それに……嬉しくって嬉しくって……そんな事、考えられなかったから……」
「そう、か……」

 その後、リュウキは照れくさそうに、レイナの右手薬指から左手薬指へと着け直していた。勉強不足だった……と、反省をしながら。そんなリュウキをみて、レイナは愛おしそうに微笑むのだった。




















~第22層・ニコル 湖畔のログハウス《アスナ、キリト宅》~



 後日の朝、レイナとリュウキは、キリト達が購入したログハウスへと来ていた。たまには、一緒に食事でもどうだろうか?と言う事だった。

 そして、キリトとリュウキ、アスナとレイナの二手に分かれた。

 キリトとリュウキは、武器についてを色々と談義し、そして アスナとレイナは食事についてを談義していた。……当然ながら、結婚指輪について、アスナは気づいた様で、レイナに聞くと、リュウキからプレゼントして貰ったとの返答を受けた。微笑ましいと思うのと同時に羨ましがるアスナだった。……キリトもそう言う事をしてくれたらなぁ……と期待をせずにいられないアスナだった。

「剣の振り速度って、重量に比例するよな?」
「ん。そうだな。勿論要求されるSTRも武器重量に比例していくがな」
「ああ、勿論。エリュシデータを扱える様にする為に、オレはそっちの方も上げたんだから。でもなぁ、二刀流って盾無いし、なるべく軽い方がやっぱり良いのかな?」
「……リズのとこで、『軽すぎるな』ってクレーム付けてた癖に何を今更」
「う゛……、やっぱり、リュウキはリズに色々吹き込まれてたのか……」

 そんなキリトとリュウキの会話がアスナ達にも聞こえてくる。


「もう、キリトくんってば、リュウキくんと武器の話ばっかり! もうちょっと甲斐性を……」
「あはは、リュウキくんと一緒だからね? たまには良いんじゃないかな?」
「1人の時もそうだよっ!」
「ええ~……、でも、キリトくんとイチャイチャしてるんじゃないの~?」
「うぅ……あれを シた(・・)のも……あの時だけで……」
「う゛……、わ、私も……一回しか……」

 アスナとレイナはこんな感じ。お互い、好きだと言われて、言って結婚したのだけど……求め会えた、愛し合ったのは1回だけだと、アスナの言葉でレイナも思い返した様だ。でも、態々 バカ正直に言っちゃうのはどうかと……、ああ、姉妹だからOKなのかな?

「それでね、レイ。この雑誌、買ってみたんだ。特集の所に色々とあるんだけど、見てみる?」
「う、うん。見せてっ」

 レイナはアスナの出した雑誌に飛びついた。そこには、『ダイタンな女』と大きく見出しがあって……

『特集! 最近夫が構ってくれない……そんなあなたに……』

 と見出しが大きく出ていた。
 構ってくれない訳じゃないし、大好きとまで言ってくれてる2人だけど……やっぱり、夜の方も満足にしたいと思ってしまうのは仕方がないだろう。女の子だって、欲はあるのだから。

「ええっと……」
「こうしたら……」
「リュウキくんも」「キリトくんも」

 アスナとレイナの妄想ワールドが開かれる。いつもと違う、大胆に露出した洋服。そして、彼らを見つめるい視線……。

 それを見た反応は。

『今日のアスナはなんだか、大胆で素敵だっ!』
『っ……なんだ? レイナを見てると……胸が……!』

『き、キリトくんっ!?』
『リュウキ……くんっ!?』

 色々な妄想が2人の頭の中で展開してて……、いざ!ベットイン?となった所で2人同時に、悶えながら、考えを否定していた。 

「さ、さて! 出来たし、2人を呼びに行こうよ」
「う、うん! そうだね。2人で行こっ、……なんだか照れくさくなっちゃって……」

 アスナとレイナは同じような考えをしていたからか……、1人では恥ずかしいから、2人で迎えに行く事にした。そこで……。


『んー、アスナは元々、着込んでないし』
『その点はレイナも同じだな』

 部屋の扉の前に差し掛かった所で、声が聞こえてきた。基本的に扉を透過するものは以前でも上げた3点のみだが、プレイヤーホームに限ってはその制限はなく、声の大きさ次第では聞き取る事が出来るのだ。……まぁ、一緒に暮らそうと家をかったのなら、その位は信頼してるだろ?って事だろう。

「ん?」
「……何を話してるんだろう? 私達の事?」

 ついつい、2人は聞き耳をたててしまう。何故なら自分達の話題が上がったのだから。

『今まで色々とヤってきたけど……んーやっぱり裸が一番か?』
『ん、そうだな。いつもに無い刺激を味わえるから。オレも同感だ』

「「………っっ!!!??」」

 まさかの言葉を聴いて……思わず目を見開いてしまうアスナとレイナだった。ちなみに……さっきの2人の会話を正確に通訳すると。


『アスナは元々《装備を》着込んでないし』
『その点はレイナも同じだな』
『今まで色々と《ゲームを》ヤってきたけど……んーやっぱり裸《つまり 装備無しの状態》が一番か?』
『ん、そうだな。いつもにない刺激を味わえる《ゲーム的な意味での刺激》』


 と言う事。
 所々を端折り過ぎながら話しちゃっていたから、2人は盛大に勘違いをしてしまったのだった。

「キリト……くんは、もっと大胆なのを求めたたんだ……」
「リュウ……キくんも、もっと刺激を……、大胆なことを……」

 へなへなへな~と、倒れてしまったのは、アスナとレイナのアス・レイコンビだった。

 そして、もっと頑張るから、と意識を強くもつ2人だった。






 ……当然だけど、4人でいる時にそんな大胆になるわけには行かなかったから、食事後、レイナは行きたい所があると、リュウキを連れ出して出ていって其々、2人きりになれた。

 そして、その後の昼食時。

 レイナは、自宅であるログハウスで食事を作っていた。

「りゅ、リューキくーん、そ、その……できたよ~?」
「ん、わか……った……っっ!?!?」

 リュウキがダイニングルームへの扉を開いた先にいたレイナを見た瞬間、固まってしまい……そして、思わず顔を赤らめた。

 何故なら、レイナの格好は……。

「きょ、今日のお昼ご飯、頑張ったんだ、よー……! きっと、昨日、よりも美味しい……よ……」

 顔を赤らめながら料理についてそう言うレイナ。料理自体も豪華な仕上がりだったけど、リュウキはそれを見てはいられなかった。何故なら、今レイナが着ているのは、エプロンのみ。……そう、エプロンのみなのだ。
 いや、きっとその下には下着はきっと着けてるに違いない!! でも……リュウキは思わず言葉を失っていた。

(わ、わぁ……!! りゅっ、リュウキくんがすっごい赤くなってる……、あ、あまり無い事、だよね……っ? め、珍しいもの、見れたっ! ……で、でもは、恥ずかしいっっ!!)
「れ、レイナ? な、なんでそんな格好を?? 服、服着てくれ……っ///」

 リュウキは思わず、凝視していたのだけど、我に返った様で顔を反らせた。その仕草を見たレイナは。

「えっ!?」

 思わず慌ててしまう。リュウキが求めていたのはこの筈じゃあ、何か間違えてしまったのだろうか?と。

(え、ええ、で、でも刺激って……、リュウキくんが求めてる刺激って……??)
「ふ、ふぅ……と、とりあえず落ち着いてって。そう、だな。今日の気象設定も悪くないから、外、外でも行こう!」
「(そ、外っっ!!!)!!」

 まさかのリュウキが望んでいたのは、外での行為?

 所謂……青○というヤツだろうか。

 レイナは思い切り顔を紅潮させる。誰かに見られてしまうかも、と拒否したい想いも強かったけれど……、ここは22層で家の傍であれば誰も来ないのは判ってる。

 湖畔に近づきすぎれば、釣り人達とであってしまうけど、そこまで行かなければいい。リュウキの為に。とだけ考えて。

「う、うん……///」

 だから、リュウキとレイナは、手をつなぎ、そして家の外へと出て行った。



 昼の暖かい太陽光が降り注ぐその中。
 間違いなく気象設定をランク付けしたとしたら、文句無しのAクラスだと思える程に日差しが暖かく、吹き抜ける風も心地よい。

「……こう気持ちよかったら、また昼寝したくなるな?あの時みたいにさ」
「う、うん。そうだね……、あの時は木の上だったし……今回はふかふかの芝生だしっ……///」
「……レイナ? どうした?顔が赤いぞ?」
「ううんっ! なんでもないよ、なんでも……」

 レイナは必死に覚悟を決めようとしていたのだけれど……、幾ら傍には誰もいないとは言っても、外で裸になる勇気を持つことは出来なかった……。

(う、うぅ……リュウキくん……外なんて……わ、私には無理だよぉ……、で、でも大胆に、もっと大胆にしたら、もっと好きになって貰える……から……私は……)

 レイナは、裸は無理だったから……1つ考えた。合理的に?大胆に迫る方法を。

「その、リューキくん!日差し、暖かいけど、眩しいよねっ? 日よけになってあげるね?」
「ん? 別にだいじょう……ぶ……!!!??」

 レイナは、リュウキの顔一寸先付近までに、自身の胸を近づけた。もう後ほんの少し……リュウキが顔を上げれば、胸に埋めてしまう程の距離。それに、今日の普段着、少なからず露出もしてるから。

(が、頑張るんだから、もっと、もっと大胆な女の子にっ!リュウキくんにもっと好きになってもらう為にっ!)

 1cm1cm……徐々に近づいて行くレイナ。そして、リュウキの顔を抱きしめようとした時。

「わ、わぁ! ち、近い近いってレイナっ!! どど、どうしたんだよっ!?」
「ええっ!?」

 まさかのここまで接近したのに、拒否されてしまった……。レイナも気恥ずかしさから、思わず飛び退いてしまったのだ。

 その後、家に帰る時も無言だった……。


 そして、その日の夜。

 満足いく成果も上げられないままだった為、レイナは必死に考えた。リュウキは何を求めてるのか、リュウキが求める刺激とは一体何なのかを……。

「うぅ、やっちゃった……お姉ちゃんに……だ、ダメだよ。お姉ちゃんだって頑張ってるんだから……! でも、なにが正解なんだろう……リュウキくん、何を求めて……うぅん! もう、正攻法で行こうっっ!! 遠回りだったのがダメだったんだよっ!! ……多分」

 レイナは何かを決意!
 そして、入浴時、身体の隅々まで綺麗にして……、そして2人が寝ている寝室へと向かった。

 リュウキはレイナより数分遅れて。

「ふぅ……なんだろう、今日はいつもより疲れ……て」
「リュウキ……くん」
「っっっ!?!?!?」

 リュウキを待ってくれていたレイナ。その格好は……下着姿。下着以外なにも羽織っておらず、顔を赤らめながらリュウキを愛おしそうに見ているのだった。

「その、わ、私……どう、かな?」
「い、いや、どうって……、それは こっちのセリフ、だぞ、レイナ。いったいどうしたんだ?きょ、今日は……!? レイナ、変だぞ、何かあったのか??」
「へ、変っ……!?」

 自分に出来る最大限の大胆さを見せる事が出来た。と思っていたレイナだったけど……3回目もダメだったから……落胆を隠せられなかった。

 3 outチェンジと言った所だ、と思っちゃって……。

「うぅ……わ、私って、魅力……無いのかな? リュウキくん……私に全然ドキドキしてくれてないみたい……だし」
「?? そ、そんな事、ないぞ? 逆だよ。ちょっとドキドキし過ぎて、心労してしまったと思った程だよ」
「ええっ!? で、でも、今朝お姉ちゃんの所で、キリトくんと言ってたじゃん」
「キリトと?」

 リュウキはレイナが言っている事の意味がイマイチ判らない様だ。レイナは、はっ、としてリュウキに謝る。

「ご、ごめんなさい……2人が話してるの、聞いちゃって……だから私、大胆にって……」
「キリトと……キリトと……、あ、ああ。キリトと話てたのは、装備の話だよ。裸っていうのは装備無し状態の事、……つまり防御を全く捨てた状態での戦闘の事だ。危険だけど、反射神経と緊張感をもつ戦闘が出来る、程よい緊張感ある戦いを続けたら、通常戦闘でミスが少なくなるからな?」
「……!??!?」

 リュウキの言葉を聴いて思わず身を乗り出してしまうレイナ。つまり、刺激というのは、戦闘時の緊張感の事を言っている様だった。

「え、ええ!! じゃ、じゃあ、私がこれまでしてた事って……~~~っっ///」

 思わず、枕に顔を埋めて足をバタバタとさせた。

「わ、私のバカバカバカ!!! は、はやとちりしちゃって~~///」

 今日1日、レイナの様子がおかしかった理由が、この時リュウキは漸く理解できた。

「あぅ………、りゅ、リューキくん……っ わ、わたしを見ないでー……」

 あまりの羞恥からか、レイナは涙まで流していた。そんなレイナの背中を軽く撫でるとリュウキは。

「ちゃんと、気づいてあげれなくてゴメンなレイナ。でも、今日のレイナ……本当に綺麗で、可愛かったよ。……正直、ドキドキが止められそうになかったんだ。でも、レイナを傷付けたくなかったから……その」
「りゅ、リュウキくんっ……? わ、私はリュウキくんが好きだから、傷つけられたなんて思わないからっ……、わ、私だって リュウキくんともっともっと、そ、その、あの、時……みたいに……愛し……合いたいから……」

 いつもなら口が裂けても言えそうに無いセリフだったけれど、これだけ晒したのだからレイナは想いを全て言った。温かさに飢えているのは自分も同じだと。

「……レイナ」

 リュウキはそっと、レイナに口付けを交わした。そして……、その後、例の解除コードを外し。

「明るいのは、嫌……、だったよな?」
「う、うん……ちょっと……」

 窓際に、備えられている操作メニューに触れ、操作をする。
 すると四隅に設置された照明用のランタンの全てが消え失せ……残りは窓から届く月明かりのみ。そして、視界は暗視モードに切り替わるから薄青い色彩に染まり、更に雰囲気が一段階増した。

「リュウキ……くん」
「レイナ……」

 2人は見つめ合い……ゆっくりと身体を重ね合わせていった。









~おまけ~


 レイナは、アスナに連絡をとってみた。
 当然ながら……リュウキの言葉の意味が装備の話だったから、キリトも同じだった様だ。裸がいいというのは装備の話であったから。

「き、昨日は本当に大変……だったよ」
「うん……」

 2人はため息を吐いていた。でも、最終的に無事2人共、結ばれたので……問題ない様だった。


 その日は1日ずっと、照れくさそうにそうしている2人だった。
 
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