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ガンダムビルドファイターズボーイ

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第九話 参上!将頑駄無

ビルドファイターズボーイ第九話

前回!烈斗達に正体をカミングアウトされた翼達。

いきなりの告白だったので混乱しながらも物事の整理をするべくキャピトラに集合するのだった。



第九話 参上!将頑駄無



キャピトラの翼達のいつもの席に集まる翼達は改めて並び立っている烈斗達を見ていた。

「それにしても・・・お前達本物の武者頑駄無だったんだ」

『ああ・・・俺は連合武者軍団・天宮(アーク)武者の烈斗頑駄無・・・新生大将軍・・・いや烈光頑駄無の子孫だ』

翼に名乗る烈斗。

『私は・・・連合武者軍団・赤琉火穏(アルビオン)の武者・・・天津頑駄無・・・烈破頑駄無の子孫』

香澄に改めて名乗る天津。

『連合武者軍団・影舞乱夢(エイブラム)の武者・・・武瑠頑駄無・・・烈空頑駄無の子孫だ』

新之助に改めて名乗る武瑠。

流石にSDガンダムが実在するとは思っていなかったのか頭を捻る翼達。

「けど・・・どうしてこの世界に・・・それもどうしてガンプラに宿ったんだ?」

新之助が訳を聞くと烈斗が口を開いた。

『俺達の世界で闇帝王が復活したんだ・・・』

「闇帝王!?」

『復活した闇帝王は以前とは比べ物にならないパワーを持っていた・・・真・闇帝王って所だな・・・奴は空間を超える秘義を使い別の世界へと跳んだ』

あまりにも現実離れした話に翼は実感がわかない。

『その時・・・俺達の前に現れたのは新生大将軍だった』

「新生大将軍が?」

『どういう訳か突如現れた新生大将軍は新たなる力を体得し真・闇帝王を抑え込んだ・・・だが真・闇帝王の部下の一部は空間を越えお前達の世界に訪れた・・・そこに現れたのは結晶鳳凰だった・・・結晶鳳凰は俺達の意志を切り離し時空を越えさせた・・・新生大将軍が真・闇帝王を抑えている内に・・・次期に現れるであろう新たなる大将軍を探せと告げた』

「新たなる大将軍?この世界に大将軍が居るのか?」

翼が大将軍の事で考え込むと奥から畢がジュースを持って来た。

「頭を使う時は甘いものに限るのだ!」

それを最初に受け取ったのは香澄だった。

「あ!ありがとう畢姉!・・・そういえば・・・最初の頃に私が見ていたあの夢って」

『それは多分・・・私が香澄に呼びかけた時に私の記憶の一部が流れ込んできたんだと思う』

天津の記憶とリンクしてしまった香澄。

『この世界で俺達がいざ目覚めると意志はガンプラに宿っていた・・・この身体じゃとてもじゃないが戦えないし・・・ガンプラだから動くことすらできなかった・・・おまけに意志が完全に身体に宿ってなくて動けなかったし』

「じゃ何でバトルしている最中に意志を持って動けるようになったんだ?」

『俺達が選んだパートナーの感情が高まった時覚醒できたんだ・・・どうも俺達の意志を完全にガンプラに一体化させるにはパートナーの感情が頂点に達しないとダメみたいだ』

自身でも覚醒方法が曖昧らしく、現状ではパートナーの感情が頂点に達すると武者頑駄無たちは覚醒しやすいようだ。

「どうして?」

『パートナーと一体化しやすくなるんじゃないか?ガンプラと一体化するための道がわかりやすくなるのかもしれないけど』

覚醒方法は未だに未知のようである。

すると

「新生闇軍団と戦うカギは・・・結界コントローラーか」

変身アイテムである事が発覚した結界コントローラーを見つめる翼。だが変身できる人間は今のところ自分一人である。

すると

「じゃあ風使いのお姉ちゃんに頼んでそれ作ってもらおうか?」

「畢姉!?これ作れる人知ってるの!?」

身を乗り出す香澄に畢は・・・

「風使いのお姉ちゃんは勉強以外は何でもできるのだ。それの1個や2個簡単に作ってくれるのだ」

「「「恐るべし風使いの人・・・」」」

結界コントローラーの当てが決まったところで

畢が頭を捻るとある結論を・・・

「それに・・・何なら私が手を貸してやろうかなのだ?」

「手を貸すって・・・なにを?」

「実は何を隠そうこの私は・・・変「待った待った待った」???」

困ってしまっている翼に畢がある事をしようとすると香澄に全力で止められてしまった。

「畢姉!それはまだやっちゃダメ!」

「何で?」

「それやると話がコンパチヒーローになるから!!」

「そっか・・・しかたない・・・どっかから光の巨人探してからにするのだ」

とりあえず口の堅い畢は翼達のサポートをする約束をして彼らを見送ったのだった。

「ふぅ~とりあえず、ユアには知らせない方が良いのだ・・・あいつが絡むとややこしい事になりそうなのだ『めんどっちぃ』とか抜かして・・・幸い私が居る事は知らないはずなのだ」

といって夕食メニューの仕込みを始めようとすると・・・

「すみません!キャピトラさんですか?」

何故か宅配業者の人が凄まじく大きな荷物を持ってキャピトラを訪れた。

「??何なのだ?」

「ご注文の釜戸お届けに上がりました・・・何処に設置すればいいですか?」

「??・・・頼んでないのだ。ウチは貧乏だからそんな物買うお金は無いのだ?」

「あれ?代金の支払いは済まされてますけど、後これメッセージです」

そう言って業者の人に封筒を渡されると・・・

「『畢ちゃんへ・・・美味しいピザ焼いてね♪ ユア』・・・あやつ何で私がここにいること知ってるのだ?」

そう言って畢の売り上げではとても買えないような上等で本格的な釜戸が設置されるのであった。


翌日、プラモ狂四郎

「♪~♪~」

何やら狂四郎が楽しげにポスターを貼っていた。

余りにも楽しそうなので集まる翼達。

「えっと?プラモ狂四郎主催・ガンプラバトル大会・・・来たれファイター達?四郎さんとうとうお店でガンプラバトルの大会やるの?」

「ああ、大会関係なくやってみようと思ってさ」

「ふ~ん大丈夫なの?」

「大丈夫だって息抜き程度だし、それに大会の方が忙しくてあんまり来ないよ」

そう言っているとドアが空きサエグサ模型店ツバサと鬼気迫る様子のツバキが現れた。

「さ!ツバキ!着いたよ」

「ぼそぼそぼそ・・・」

何やら呟いているツバキ。その光景が凄まじかったのか狂四郎がツバサに聞いてみた。

「ツバサちゃん・・・ツバキちゃんどうしたの?」

「それが完全にツバキ煮詰まっちゃって」

「何で?」

「この間の試合の時に烈斗が限界突破した力を出したでしょ?あれの謎を解析しようとしてああなっちゃって・・・3日寝てないんだ・・・そこで!狂四郎さんにどうやって作ったか聞こうと思って」

「あらら」

作った本人でさえ何で心を持ったガンプラが出来たか謎なので応えようがない狂四郎。

「心を持ったガンプラ・・・ぼそぼそ・・・心を持ったガンプラ・・・ぼそぼそ・・・かくなるうえは徹底的に分析を・・・ぼそぼそ」

けっこう危ない方向に進み始めてしまったので話を置いておくことにしたのだった。

そんなツバキを他所にユアは新しい特訓方法を考えていた。

「それじゃ今日の特訓は・・・」

特訓を指南しようとすると同時に再びお店に誰か入ってきた。

入ってきたのは3人の少年で顔もマフラーで隠していた。

「いらっしゃい!」

珍しいお客なので狂四郎は丁寧に接客すると少年たちは襲っていたガンダムボーイたちに目を付けた。

「すみません・・・天地大河の息子さんって彼ですか?」

「へ?」

何やら少年たちは翼をご指名のようだった。

すると狂四郎にガンプラバトルの許可を求めてきた。

「じゃあ奥に」

狂四郎にバトルフィールドに連れて来られるとユアは今日の特訓を彼等でやろうという事にし新之助を除くメンバーを選んだ。

「あの~・・・どうしてですか?」

「今回の特訓って宇宙船の特訓だから」

「成程」

納得した新之助。

宇宙慣れしてそうな新之助と武瑠は今回控えとして見学することになったのだが・・・

ガシ!

『?』

何者かに掴み取られてしまった武瑠。武瑠が振り返るとツバキの姿がありコンピューターの機材を色々と持ち出していた。

「さぁ武瑠さん・・・暇そうなので徹底的に分析させていただきますよ」

『え?いやこれから見学が・・・』

「大丈夫です。分析中も見れるようにモニター付けてツバサに中継してもらうので」

『いや!ちょ!待ってくれー!!』

こうして武瑠はあくなき探究心・・・というより危ない目つきになったツバキによって徹底的に分析されに連れて行かれるのだった。

「「ご愁傷様」」

武瑠に手を合わせる新之助とツバサ。

すると相手の少年たちが取り出したのはマスクコマンダーだった。しかも独特のカスタマイズを施したニューバージョンである。

リーダーの少年は指揮官タイプで両肩にミサイルが装着されている。

もう一人は鞭のような物が装備されている。

最後の一人には刃のような剣が装着されていた。

何やら不穏な物を感じ取り、宇宙慣れした新之助の代わりにユアが参加しバトルフィールドに並んだ。

〈Please set your GPbass〉

全員がGPベースをセットすると烈斗と天津は自らセッティングポイントに降り立ちユアは武者スカーレッド・フェアリーをセットし新生ハリマオを別に用意した。

「天地翼!武者烈斗頑駄無!」

『おっしゃああ!試合だ試合!』

両手で顔面引っ叩いて気合を入れる烈斗。

「獅童香澄!武者天津頑駄無!」

『はぁぁ・・・忍!』

忍びの印を結び精神統一する天津。

「ユア・クラエッタ!武者スカーレッド・フェアリー・・・」

『・・・・・・・』

何も物言わない武者スカーレッド・フェアリー。

「私だけ喋らない・・・物足りない!」

武者スカーレッド・フェアリーが何も言わないことに物足りなさを感じるユア。

とにかく・・・

「ガンダムボーイ!出陣!!」

カタパルトで射出されるガンダムボーイ。

今回のフィールドはデブリ地帯の宇宙空間である。

すると出て早々・・・

『わっぷわっぷ!!』

『あら!?え!?いい!?』

フィールドに降りて早々バランスが取れずにフワフワと舞ってしまう烈斗と天津。

無重力は初体験なのか泳いでいる。

すると外野の新之助は・・・

「今まで地上だったのは運が良かったな・・・」

『そうだな・・・』

ツバキに分析されまくっている武瑠も同感だった。元々飛行能力を持っている武瑠は対応できるが烈斗と天津が宇宙空間で戦うにはコツがいるらしい。

『くそ!武者頑駄無にも高機動バーニアくらいついてるんだぜ!』

烈斗が高機動バーニアを起動させるが変な方向に行ってしまう。

そんな光景を見ていたマスクコマンダーの一体が両肩の巨大なミサイルを発射した。

『え!?え!?』

ミサイルは烈斗に向かってくるが宇宙空間であるため回避できない・・・やり方がわからないらしい・・・咄嗟に天津が手裏剣を投げつけミサイルを爆発させるが何やら液体が飛び散り烈斗の鎧に付着したのだ。

すると

『な!?何じゃこりゃ!?』

何と鎧が溶け始めた。ユアが分析すると・・・

『それ・・・接着剤じゃん!!』

強力な接着剤らしくその成分がプラスチックを溶かし始めているのだ。

『ま!不味いぞ!本体に液がいったら・・・』

『!!』

その言葉に青ざめる烈斗。

その時狂四郎が通信を入れた。

『二人とも!大丈夫!ちゃんとリアルガンダムみたいにバーニアはつけてる!』

その言葉にコントロールしてみるとバーニアが起動し宇宙空間でも移動ができるようである。

だが

「やっぱしやり辛い」

宇宙初心者でコントロールが慣れていない香澄すると天津がある場所を見つけた。

それは廃棄された工場コロニーだった。

『あそこなら天井と壁と床がある!工場だから多少狭いはず!!』

「ようっし!!」

後先考えずに廃工場コロニーに向かう香澄。その姿を1体の鞭を持ったマスクコマンダーが追いかけた鞭を浴びせる忍刀で受け止めた瞬間忍刀が焼き切れてしまった。

「嘘!」

『こうなったら!透視の術!!』

仰天する香澄を他所に天津が相手の身体を分析し始めるととてもガンプラには使わないような部品が内蔵されていた。

それは・・・

「何でガンプラにバッテリーが内蔵されているの?ていうか・・・今の電撃・・・本物!?」

とてもガンプラバトルに必要じゃない物を装備されているガンプラに初心者の香澄は唖然とするのだった。

だが次々と来る攻撃に仕込んでいた煙玉や手裏剣を駆使し何とか凌ぐのであった。

一方では・・・

『く!デブリがくっつく!』

身体が接着剤まみれで周囲のゴミがくっついてしまう烈斗。

このままでは本体が解けるか行動不能になるかの2つしかない。

その烈斗に目を付ける接着剤のミサイルを積んだマスクコマンダー。

『く!』

咄嗟に烈斗がバーニアを起動させ自身が有利になりそうな場所へと移動を開始した。

『私の相手は君かな?』

『・・・・・』

ユアが刃を装備したマスクコマンダーと対峙するとマスクコマンダーは刃をスカーレッド・フェアリーに斬りかかった。

盾で防ぐが真っ二つにされてしまいユアが分析してみると相手のマスクコマンダーが持っていたのは本物の刃が装着されていた。

『君・・・それガンプラバトルじゃルール違反だよね・・・』

『それがどうした・・・天地大河への恨みはらす為なら手段は択ばない!!俺達にとってはそれがガンプラバトルよ!!』

私念のような者を感じ取り純粋にガンプラバトルを楽しみたいユアにとっては・・・

『この・・・外道!』

珍しくユアの怒りが頂点に達した。

その時!

『!!』

武者スカーレッド・フェアリーの目に瞳が描かれたのだ。

『・・・ユアさんの感情が高まったことにより覚醒できたか』

機械に固定されながら武瑠が呟くと、その瞬間様々な機能が開放されたのだ。

『これ・・・行けるかもしんない!ようし!インフィニット・ロディマス!!』

次元の裂け目が現れ飛来する次元移動艦インフィニット・ロディマス。

だが

「あれって実際のルールじゃ違反じゃないの?」

『あれは演出の為に来るだけだからガンプラバトルには入りません!ハリマオ!!』

ユアの叫びと共にインフィニット・ロディマスから発進し駆けつけるホワイトタイガー型ユニット・ハリマオ。

そして・・・

『天来変幻!!』

ハリマオが胴体だけを残し分離すると両腕と両足になりスカーレッド・フェアリーに装着された。

SDの頭部が展開しすると中からレッドウォーリアのようなリアル頭身の頭部が現れ・・・

胸にハリマオの頭が装着された。

『武者スカーレッド・フェアリー!リアルモード!!』

両肩のビームブーメラン・光り輝く翼に腰の大太刀。リアル形態の武者スカーレッド・フェアリーがマスクコマンダーに突撃した。

一方では

ビームマシンガンで滅多打ちにされる烈斗。ゴミやら何やらがくっついてしまい動きが鈍くなる烈斗。

『くそ・・・どうする!?』

打つ手がない烈斗は混乱すると翼は父に教えられたある事を思い出した。

「そうだ!」

『終わりだ!ガンダムボーイ!!』

マスクコマンダーの一斉射撃が烈斗に直撃し爆発を起こした。

『ふはは!やったぞ!遂にガンダムボーイを・・・!!』

勝利を確信したマスクコマンダーだが何かの気配を感じ取り構えると目の前に現れたのは鎧を外し軽装タイプの烈斗だった。

鎧を脱着したようであり、その為身体にくっ付いていたゴミも一緒に外れたのだった。

『ふん!そんな貧弱な形態で何ができる!』

「SD魂の起源は軽装タイプにあり」

無手の状態で構える烈斗にマスクコマンダーはビームマシンガンを放って来た。

すると

『ふん!せい!とりゃ!!』

柔軟な動きでビームマシンガンを回避しながら距離をつめていく烈斗。するとジャンプしマスクコマンダーのクロスレンジをとらえ左右のコンビネーションパンチを浴びせ回し蹴りを浴びせマスクコマンダーを地面に叩き落とした。

「な・・・なんだ!?鎧を外したからパワーダウンしているはず・・・それなのに何だこの動きは・・・」

烈斗をマジマジと見る少年・・・すると・・・

「まさか!鎧を外した事で可動範囲が極限まで広がったのか!?」

「そう!鎧を外すことが必ずしもパワーダウンとは限らない!そもそも四郎さんのフルスクラッチにより凄まじく柔軟な動きが可能だった・・・これぞニューバージョン・・・新・超軽闘士(スーパーライトファイター)だ!」

超軽闘士(スーパーライトファイター)!?」

その単語に驚く少年・・・その隙を突き・・・

『剣勢拳!!』

「ぐあ!!」

マスクコマンダーを貫き木っ端微塵にしたのだった。

烈斗は振り返りドロドロになってしまった鎧を見つめると・・・

『参ったな・・・』

頭を抱えた。

一方廃工場コロニー内で戦う天津は電撃使いのマスクコマンダーを相手に劣勢であった。

「くぅぅ!無重力なんて初めてだからやりづらい」

『大丈夫!狭い工場の中なら床と天井と壁があるから!地上みたいな動きが出来るはず!』

そう確信しこの場所を陣取った天津だったが・・・生憎相手の方が慣れているらしく劣勢である。

するとマスクコマンダーが追いついてくると香澄は観念を始めてしまった。

「ああ・・・忍刀も無いし・・・煙玉も品切れしたし・・・手裏剣無いし・・・もうダメじゃん私」

『!?香澄?何言い始めるの』

「もう潔くやられちゃおうよ・・・」

『ええええええええええ!?』

床に舞い降りた香澄は天津の抗議を無視し、やる気なくマスクコマンダーに向かってトボトボと歩き始める。

『もらったー!!』

電流を流したビームサーベルを天津に向かって振り下ろすマスクコマンダー。

その剣は確実に天津を真っ二つにした・・・と思ったその時。

『あれ?』

空を切ったような感覚のマスクコマンダー・・・確実に天津の頭部を通らえたはずなのに手ごたえがない・・・しかも気が付けば振り下ろした手に持っていたはずのビームサーベルがなかった。

そして振り返ると・・・

「せいや!」

『な!』

背後にいた天津がマスクコマンダーのビームサーベルを手にしそのままマスクコマンダーに振り下ろしたのだ。

「馬鹿な!こいつ人間か!?」

爆散しながら叫ぶマスクコマンダー。

「ふ・・・これぞ獅童流忍術・・・流水剣・・・相手の攻撃の流れに乗ってそのまま返すカウンター技よ」

カラクリはこうである。

マスクコマンダーが天津にビームサーベルを振り下ろしたと同時に香澄は相手の攻撃の流れに乗り一瞬で背後に回ったのだ。

その際に相手が手に持っていたビームサーベルを奪い取ることを忘れずに・・・

この時の相手は確実に勝利しバトルが終了すると言う完全な油断をしている。

その隙を突き相手の攻撃を奪い取って相手にそのまま返す技。

相手は既に攻撃をし終わり勝利したという心理が働いているため、まさか自分の繰り出した攻撃を奪い取られて返ってくるとは思わないらしく反応が遅れてしまい避けようがないカウンター技らしい。

だがやるには相当度胸が居る・・・何故なら・・・

『一歩間違えたら私が真っ二つになっていた恐ろしい技じゃん』

更に言ってしまえばやれる条件がいろいろ成立していないと出来ない上に・・・まともな人間は絶対にやらないような技である。改めて香澄の武芸に脱帽する天津だった。

次々とやられていくマスクコマンダーに対し最後のマスクコマンダーはバックパックから隠し腕を繰り出し武者スカーレッド・フェアリーを抑え込んだ。

「瀕死の重傷の二人は後回しだ・・・その前にあんたを!!」

『それはどうかな!スカーレッドドリル!!』

残されていたハリマオの胴体が飛来し右腕に装着するとマスクコマンダーの頭部を突いた。

『ぐ!うわあ!!』

余りの回転力に思わずスカーレッド・フェアリーの拘束を解いてしまったマスクコマンダーは距離を置いた。

『ちきしょう!ドリルなんて醜いものつけやがって!はずせえええ!!』

突撃しながら真剣を振り下ろそうとするマスクコマンダー・・・だが!!ユア自身もフルパワーで突撃しドリルを向けた。

それは・・・

『ドリルクラッシャァァァァァ!!』

『!!』

スカーレッド・フェアリーの突撃をまともに食らいそのまま廃コロニーの壁に叩き付けられた。

『だから・・・ドリルは外せと言ったんだ』

物凄い捨て台詞を残して爆発するマスクコマンダー。

『・・・意外と突進技って使い勝手良いわ』

バトルが終了したと思ったユア。だが・・・

『うおおおおおおおおおおお!!』

爆発と同時に頭部だけとなったマスクコマンダーがスカーレッド・フェアリーに突撃してきた。

『!?ジオングみたいな改造して!!』

気づいたユアが反応しようとしたその時だった。

『はぁぁぁぁぁぁ・・・はあ!!』

スカーレッド・フェアリーがドリルを納め腰の刀を抜刀しマスクコマンダーの頭部を抑え込んだ。

『うそ・・・勝手に動いているんですけど』

コンソール動かしていないユア。

だがスカーレッド・フェアリーは勝手に動き出しマスクコマンダーの頭部を蹴り飛ばした。

『くそ!!』

マスクコマンダーは頭部のバルカンを放ちながら急接近するとスカーレッド・フェアリーは刀を上段に構え円を描き始めると刀身から炎が生み出された。

『宇宙で炎だと!?』

『だから言いましたよね?常識に囚われすぎるとアイディア貧困になると・・・』

誰かの声が響き渡るとスカーレッド・フェアリーはマスクコマンダーに向かって構え・・・それを解き放った。

『奥義!虎咆(こほう)紅蓮突(ぐれんとつ)!!』

虎のような炎と化したスカーレッド・フェアリーの突撃がマスクコマンダーに向かい、その頭部を貫いた。

振り返り刀を引き抜くと刀身に宿っていた炎を振り払うスカーレッド・フェアリー。

「何が・・・どうなってるの?」

完全に置いてきぼりを食らったユア・・・するとスカーレッド・フェアリーはユアに向かって礼をした。

『初めまして・・・ユアさん』

ユアに挨拶するスカーレッド・フェアリー・・・女性のようである。

すると翼達が少し離れた場所でひそひそと・・・

「烈斗・・・あの人って」

『ああ・・・今の将頑駄無様だ・・・そして俺達連合武者軍団のお頭・・・つまり上司だ』

『久しぶりですね・・・烈斗』

『お頭』

スカーレッド・フェアリーに頭が上がらないのか烈斗の宣言と同時にバトルが終了しツバサと新之助が相手チームに詰め寄った。

「あんな危険な改造・・・どういうつもりだ!?」

「事と次第によっちゃボク怒っちゃうよ~」

「そうだな・・・ガンプラを愛する者としてそんな危険な改造許せねえ」

相手チームに詰め寄りさらに狂四郎まで加わり相手チームの少年たちは逃げる用に店を出た瞬間。

「覚えていろよ天地翼!俺達・・・新生暗黒SD連合はお前の父親に味合わされた屈辱はらしてやる!!」

「あ!待て」

少年達暗黒SD連合の少年たちが店を出るとユアがそれを追い掛け店を出た瞬間誰かとぶつかってしまった。

「痛った~誰!?」

「ごめん大丈夫かい?」

「あ・・・どうも」

ぶつかった衝撃で目を回してしまったユアはぶつかった人の顔はよく見えていない。

「ちょうど良かった・・・これ・・・翼に渡してくれないか?」

「ふぇ?何ですかこれ?」

ぶつかった人に紙袋を渡されたユアがやっと視力を回復させると・・・

「あれ?」

ぶつかった人の姿は消えていた。

ユアが店に戻ると何やら全員で考え込んでいた。

「それにしても・・・」

ドロドロに溶かされてしまった烈斗の鎧を見つめる狂四郎。ここまで溶けてしまったら修復は不可能だ。

「新しく作るにしても四回戦まで時間がないし・・・どうするかな」

とにかく烈斗を制作した時の設計図を探そうとする狂四郎にユアが何かを思い出したようにさっき渡された紙袋を差し出した。

「これは?」

「さっき知らない人から受け取ったんだ」

「知らない人から物受け取っちゃダメだって」

そう言って狂四郎が紙袋の中身を取り出すと、そこにはBB戦士の鎧が入っていた。

「これは」

「嘘」

集まってきた翼達も驚く。それは姿は烈斗の鎧とそこまで変わらないが、かなりチューンされ尚且つ天来変幻を妨げないような出来栄えだった。

「誰だ?ここまで見事な鎧だけ作った奴・・・並大抵のビルダーじゃないぞ?」

狂四郎の問いかけに翼は誰が作ったかすぐに分かった。

兜に装着されたシーサー・・・それは・・・

「・・・父ちゃん」

翼の父の作・・・それを翼は烈斗に装着しバトルフィールドにセットした。

「それじゃ・・・テストと行くか!」

狂四郎が電源を入れるとプラフスキー粒子で満たされステージが選択される。

「天地翼!武者烈斗頑駄無!天地大河スペシャル!!」

『おっしゃあああ!!試合だ試合!!』

頭のシーサーの目が光り顔面を引っ叩き気合を入れる烈斗。

「ガンダムボーイ!出陣!!」

翼の叫びと共に新たな姿となった烈斗がバトルフィールドへと跳ぶのだった。

だが

「ちょっと!武者スカーレッド・フェアリーの紹介は!?」

『それは次回という事で♪』

ユアに対してそう言うスカーレッド・フェアリーだった。


 
 

 
後書き

4回戦が上手くいき準決勝にコマを進めた俺達だがそこに新生暗黒SD連合の妨害が・・・

次回!2世対決!

面白い・・・勝負してやんぜ!!



 
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