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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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閃光の雷藤!疾風の風丸!

 
前書き
全国大会一回戦決着です! 

 
ピ─────────!

そして始まった試合後半、手を痛めた円堂をカバーするために、フォーメーションを変えた。

FW豪炎寺 染岡
MF半田 少林寺 マックス
DF風丸 雷藤 壁山 土門 栗松
GK円堂

とDFが5人のフォーメーションとなった。

そのDFは円堂をカバーするために、風丸や俺たちはいつにも増してシュートを止めまくる。

「俺たちが絶対にゴールは許さないッ!!」

特に足が速い、俺と風丸は徹底してゴールに相手を近付けない。

「す、すごい迫力だ…こんな風丸先輩は見たことがない…!」

宮坂も興奮気味に応援する。

そんな俺や風丸に続いて土門や風丸たちDF陣も奮起し、決死の守りで戦国伊賀島に決定的なチャンスを与えない。

しかしここで戦国伊賀島は、なんと8人もの選手を使った大技を発動した。

「伊賀島流蹴球戦術・円月の陣!」

ゴォォォォォォォォォ!!!

「な、なんだあれは……!」

俺が呟くとMF陣の悲鳴が響く。

「「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」」

8人が作った陣形は、強力な砂嵐が周りを覆って俺たち雷門イレブンをなぎ倒していく。この壮絶なパワーに俺たちは太刀打ち出来ず、ついにゴール前まで霧隠が上がってきた。

「もらったぁー!!」

逆を突かれた円堂は体勢を崩してしまった。

「しまった…!?壁山!」

そのシュートに壁山が立ちふさがり叫んだ。

「絶対に通さないッスぅぅぅぅっ!!おおおおお!!ザ・ウォール!!」

巨大な壁を発生させて、壁山はシュートを弾き返した。まさに壁山にふさわしい技だ。

「くそっ…まだだ!食らえェッ!つちだるま!」

しかし、こぼれ球を拾ったのはまたも霧隠だった。今度は伊賀島流忍法・つちだるまでゴールを狙いに来た。

「ゴッドハンド改ィィ!!」

円堂もそれをゴッドハンドで迎え撃つ。

ガガガガガガガッ!!

「…つううっ!!」

グヮシャーン!!

「う…ぐわぁぁぁぁ!!」

しかし、右手の負傷でゴッドハンドの本来のパワーを出し切れず、つちだるまの威力に耐えかねたゴッドハンドは粉々に砕けた。2点目を取られたと思ったその時…

「うおおおおおおーっ!!」

シュートがゴールに突き刺さる前に体で風丸が止めた。

「ナイス風丸!」

風丸は俺を見て頷くと前を向く。

(ひとつのボールから俺の気持ちがみんなに伝わる…!俺にもみんなの気持ちが分かる…痛みも、喜びも…だから俺は…サッカーが大好きなんだ!!)

「風丸さんがなぜ試合を見てくれと言ったのか分かる…ここが、風丸さんの走る場所なんだ…!」

宮坂も試合をする風丸に対し、何故風丸がここにいるのかを理解しているようだ。

風丸の心の中では「自分がなぜサッカーをやるのか」という探していた答えがはっきりと分かった。11人の仲間と一心同体になる瞬間…それが風丸にとって何より心地良く、サッカーに惹かれた原因だったのだろう。一切の迷いを振り切った風丸は、戦国伊賀島を寄せ付けないスピードで一気に相手フィールドを切り裂いていく。

「行くぞ!豪炎寺!!」

「おうっ!!」

「「炎のォッ!!風見鶏ィィッ!!」」

炎の風見鶏は相手キーパーを吹き飛ばして、俺たちは念願の同点ゴールを突き刺した。1対1…!試合は振り出しに戻った。


伊賀島流忍法のドリブルで手こずっていた俺たちだったが、ついにここで捉えた。

「伊賀島流忍法・分身フェイント!」

俺は冷静だった。

(分身した瞬間は一瞬動きが止まる…、そこが分身フェイントの…)

「弱点だぁ!!サンダーバインドォォ!!」

俺はもの凄い速さでボールを奪い去り、風丸と共に駈け上がる。

「染岡!行くぞォォ!」

「ああ!見せてやろうぜ!俺と雷藤、風丸の合体シュートを!」

ボールを受け取った染岡はドラゴンクラッシュの構えを起こした。その間に俺と風丸はトップスピードで駆け上がっていく。

「うぉぉぉっっ!!ドラゴンズ───!!」

俺と風丸は染岡が放ったドラゴンクラッシュに最高速で勢いを増した蹴りでツインシュートを撃ち込む。

「「ウィンドォォォォッ!!」」

あまりの速さに相手キーパーは反応が遅れ、ゴールに吹き飛ばされた。

ピ──────!!

《ゴォォォール!!後半終了目前!勝ち越し点を奪ったのは雷門イレブンだぁぁ!!》

「よっしゃあぁぁ!!」

そしてその後すぐに試合終了のホイッスルが鳴り響き、俺たちは勝利を掴んだ。



──────────
「宮坂…俺、サッカーが大好きなんだ」

「はい…ボールを追う姿から伝わりました。風丸さんが走る場所は、今はこのフィールドなんだって」

「陸上のトラックを走るのは楽しい…でもサッカーには、自分一人では見られない世界がある…俺はイレブンの、イレブンは俺の感じるものを感じる…今はそれを追いかけてみたいんだ」

「はい!フィールドを駆ける風丸さんは格好いいです!僕、応援してますから!」



────────
風丸と宮坂が和解している頃、俺と円堂は病院に来ていた。

「よう!」

「理事長はどうだ?お嬢?」

円堂と俺がお嬢に聞くと

「問題ないわ…あっ…、それは…!?」

お嬢は円堂の手に気付き話す。

「あ、これ?今日の試合でちょっとね、だけど勝ったぜ!一回戦突破だ!」

「本当!?やったわね!ならばそれは名誉の負傷というところかしら」

「でも大したことなくて良かったよな、2、3日したら動かせるってさ」

俺も言葉を付け足す。

「良かったわ、我がチームのキーパーはあなた一人なんですからね。『無事これ名馬』ということわざもあることだし…」

これをどういう意味と悟ったのか、円堂が少しムカッとしたように叫ぶ。

「…め、名馬?誰が馬だよ!?」

「いやいや円堂、そういう意味じゃないからな」

「でも馬って言っただろ!?言っただろ!?」

「いや、馬に喩えてるだけだから」

「ほらやっぱり馬だと思ってるじゃん!」

「分からない人ね!!」

「分かってるよ!?馬ってあの走る馬のことだろ!?」

「まったくあなたは下に鹿の字が付く馬だわね!」

「へっ?下に鹿…し、しかうま?それなんて読むんだよ!」

「分からなくて結構よ!馬鹿!」

「円堂…、お前ここまで馬鹿だったのか…」

俺とお嬢はお互いにあきれ笑いを浮かべるのだった。

FF全国大会 一回戦
雷門中 対 戦国伊賀島中
2対1で雷門中の勝利 
 

 
後書き
染岡「ドラゴンズウィンド決まったな!」
風丸「ああ!完璧だった」
雷藤「なかなか難易度は高いがな…」
染岡「へっ!雷藤と風丸ならどんなシュートでも瞬足を生かしてどうにか出来るだろ!!」 
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