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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第4話 模擬戦

「お〜い、準備できたか?」

「私は大丈夫です」

「僕もOKだよ」

「我も大丈夫だ」

三人がそれぞれ返事をする。

今日は休日二日目日曜日。
仕事が無い時など、体がなまらないように最低でも週に一回は思いっきり模擬戦をする。

平日の夜も時々するが、今週はしなかった。学校でいろいろあったからな………

「じゃあ行くぞ」

部屋の一室に置いてある二つの転送装置、シャイデに頼んで作ってもらったやつだ。

行き先はミッドチルダと第28管理外世界トロメイヤ。
トロメイヤは危険な原生生物が少ない無人世界だ。

ミッドチルダは仕事で、トロメイヤは主に模擬戦で使用する。

そして今回も模擬戦なのでトロメイヤに向かう。






「とうちゃ〜く!」

ライの大きな声に導かれながら三人は明かりのある方に向かった。
転送装置はトロメイヤの洞窟の中にあり、この星の原生生物が誤って転送されないための措置だ。

「早く行こう!」

「そんなに急ぐなライ」

さっさと行くライを慌てて止める俺。

「全く、落ち着きがない………」

「嬉しいんですよ、ライは」

「戦うことをか?」

「というよりもスポーツ感覚なんでしょう。ライって体動かすのが好きですから」

「まあそうか、学校でもそうだしな」

ライは体育の時間など体を動かすことになると目の色が変わる。
休み時間など男子に混じってサッカーしたりするほどらしい。

「おい二人ともどうした?」

「いえ」

「なんでもない」

「そうか?だったら早く来いよ」

そう言われ、星と夜美は慌ててついて来た。






着いた場所はこの星にある平原地帯。一応結界も張ってある。

「それじゃあ、始めるか。ラグナル!!」

『やっと私の出番ですね。第4話でやっと初会話なんて………』

「何言ってんだお前………」

『マスターは私を敬うべきです!!』

「いきなり何言ってんだ?俺は結構お前を信頼しているんだぞ」

『ふ、ふん!今更そんなご機嫌取り要りません!!マスターは女の子を落としてハーレムでも作ってればいいじゃないですか!!』

「俺がいつハーレムなんか作るって言った!!」

「レイ、そんなこと言ってるのかお前は………」

「見損ないましたよレイ…………」

「最低だよ、レイ………」

いつの間にか三人娘が会話を聞いてました。

『しかもですね、この前マスター、アリサ様とすずか様に弁当作ってもらったんですよ』

「「「!!!」」」

「んなことしてもらってねぇ!!!適当なこと言ってんな!!!!」

「レイ…………」

「その時のこと…………」

「詳しく話してもらおうか…………?」

さらに鬼の表情になった三人娘。

「ちょっと………三人とも…………デバイスの戯言だって…………だからデバイス構えるのは止めろ!お願いします!!」

その場で土下座して頼む俺。

その後なんとか怒りを抑えていただきました。





『本当にこの三人はからかうと面白いですね』

「お前、覚えてろよ。シャイデに頼んで主人格変えてもらうからな」

『人間じゃ私の性格は直せませんよマスター』

「………無駄なところで高性能だよな、お前」

『無駄じゃないですよ!』

「レイまだですか?」

デバイスを構えたまま待っている三人。

「っとこれ以上待たせたら悪いか。ラグナル!!」

『イエス、マスター』

「ラグナル、セットアップ」

俺は光に包まれる。
出てきたのはえりが立っている白いコートを羽織った俺だった。

左手には刀を持っている。
これがラグナルの基本フォーム、TOGのアスベルの格好だ。

「さて今日は………」

「レイが一人です」

「うん、それがいい」

「我も賛成だ」

「いやいやいやいやいや…………」

何馬鹿なこと言ってんだ!?

俺はチートキャラじゃないんだぞ!?

「問答無用!!行け電刃衝!!!」

魔力弾が高速で迫ってくる。

「っていきなりかよ!烈壊桜!!」

桜色の斬撃を放ち、電刃衝を消し去る。

「次は私です。ブラストファイアー!!」

今度は星が砲撃魔法を放つ。

「だからちょっと待てって!烈震虎砲!!」

虎の姿をした衝撃波を放つ零治。だが、ブラストファイヤーを完璧に抑えることができず、後ろに吹っ飛ばされる。

「ちくしょう、なんでそんなにマジで………」

「それはお前が悪い」

砲撃魔法をチャージした状態でいた、夜美がそこに居た。

「あの少しは訳を話していただけませんかね……………?」

「おとなしくやられるのだな、喰らえアロンダイトフルチャージ!!」

巨大な砲撃が俺を包む。

「これはヤバイ!!ラグナル、ブラックサレナフォーム!!!」

『了〜解』

展開と同時に砲撃が零治を包む。

「やったね、夜美」

「ああ、直撃はしたと思うが………」

「二人とも油断しては駄目ですよ」

「………星の言うとおりだ。」

そこには全身黒い装甲に包まれ、顔をバイザーで隠した零治がそこに居た。
これが俺のデバイスの第2フォーム、ブラックサレナだ。

『黒い亡霊』もこの姿から来ている。

「………相変わらずバカみたいに硬い装甲だな」

「ラグナルフォームだとお前の砲撃には耐えられなかったからな。ったく少しは手加減しろよ。しかも3対1って…………」

「でも、それなら、問題ないよね?」

「いやいやブラックサレナでも複数は………」

「大丈夫ですよ、レイならやれます」

「そうだな、我の砲撃にも耐えたのだからな」

「…………少しはちゃんと俺の意見を聞いてください。」

「いいから行くよ。光翼斬!」

「私も、パイロシューター!」

二人はそれぞれ追尾性のある魔力弾を繰り出してきた。

「はぁ。……………だけどそう簡単に負けるわけにはいかないよな」

ハンドガンを展開して二人の攻撃に突っ込む。

「ディストーションフィールド展開」

前方にバリアを展開する。二人の攻撃はバリアの前に簡単にはじかれる。

「くっ、ルベライト!」

バインドをブラックサレナにかけるがいとも簡単にはじかれる。

「本当に、硬い…………」

「星、僕と一緒に、天破・雷神槌!」
「ルベライト!」

今度は二重でバインドをかける。今度のバインドはブラックサレナを捉え勢いを止める。

「今だよ、夜美!!」

「よくやった。我が闇に飲まれよ!行け、エクスカリバー!!」

アロンダイトよりも強力で巨大な砲撃を放つ。

それは一直線に零治に向かう。

零治はその砲撃に飲まれた。

「今度こそ…………」

「夜美、後ろ!!!」

ライの声に後ろを向く夜美、後ろにはビームソードを展開したブラックサレナがいた。

「おしかったな、バインドで拘束して一番威力のある砲撃で攻撃…………確かにあの威力ならディストーションフィールドを貫くことは可能だろうな」

「くそ、ボソンジャンプか………」

「そういうことだ。まずは夜美、お前は脱落だ…………」

「だりゃあああああ!!!」

ザンバーを展開し零治に斬りかかる。

それをビームソードで受け止めた。

「危ないな、いきなり斬りかかるなよ」

「くっ、だりゃあああ!!」

それでも力いっぱい斬りかかる。

「ライ、どいて!!」

言った瞬間、星はルシフェリオンブレイカーを容赦なく放つ。
すかさずライは離れ高速移動でその場から消えた。

(ソニックムーブか………だが!!)

またも零治はその場から飛んだ。



「ライ、星」

「分かってます夜美」

「僕たちに任せて!!」

「よし、エルシニアダガー………行けっ!!」

大量の魔力刃を周辺に飛ばす。

「んな!?なんだこれ!?」

転移し終わった零治に無差別に放ったエルシニアダガーが当たる。

対してダメージは大きくはないが、それでもフィールドを出来なかったため多少ダメージを負う。

「今だ!!」

「行くよ星!」

「はい、ライ!」

「ルシフェリオン………」
「きょっこーーざん………」

「「ブレイカーーーー!!!」」

二人の最大威力のある攻撃を息のピッタリあったコンビネーションで放つ。

「なっ!?あいつらいつのまにあんな攻撃…………」

『マスター、転移間に合いません!!』

「ちっ、ディストーションフィールド最大出力!!」

『イエス、マスター!』

最大フィールドでシールドを展開する。

二つの攻撃は激しい衝撃波を発生させながらブラックサレナに直撃した。




「どう………なった?」

「さすがのレイでもこれなら………」

視線の先には装甲がボロボロになりながらもそこに立っている零治がいた。

「………驚いた、合体魔法か………出力全開でもこのざまか。それに…………」

頭上ではさらにエクスカリバーを放つ準備をしている夜美がいた。

「念には念をだ」

「…………俺の負けだな。これ以上ダメージ食らっちゃ三人には勝てないわ………」

そう言って地上に降りてバリアジャケットを解除する零治。

それを見て…………

「「「やったー!!!」」」

大いに喜んでいた三人がいた。






「だけどさ三人とも大人げないと思うんだよな………」

「悪かった………」

「あはははは………」

「すみません………」

「コンビネーションよく攻撃してきたからこっちは攻撃できなかったし………」

草原に座り込みのの字を書き続けている。

『ボソンジャンプの事を詳しく知っている相手だと簡単に攻略されますからね………』

「なんだよ、もう少しデバイス強くならないのかよ。レベルアップみたいに………」

『私はデバイスですよ…………』

「あ〜あ、まだ魔王様の方が優しかったな…………」





「………それは聞き捨てなりませんね」

この場の空気が変わる。星のまとっていた雰囲気が一気に変わった。

その変化にライや夜美も顔をひきつる。
当然、いじけていた零治もぱっと正座に変わる。

「私があの女に劣っていると?」

「いえ………決してそのようなことは…………」

「………ライあなたはどう思う?」

「は、はい!!星の方が100倍優しいです!!」

「…………夜美は?」

「わ、我も当然星だな……」

無理やり言わされた感を感じるが、星は満足そう顔をした。

「それはそうでしょう。あの女より劣るはずはありません」

なんでそこまで高町を毛嫌いしてるんだ?
高町顔負けの怖さだぞ…………
「レイは分かってないみたいですね。少し“おはなし”しましょうか………」

「いや、ちょっと!?取り敢えず落ち着こう!!」

「私は冷静ですよ。さぁ、覚悟を決めてください………」

「ラ、ラグナル!!」

『ただいま留守にしております。ピーと音が鳴りましたらお名前とご要件をお話ください』

「何で留守電!?っていうかマスターを見捨てんのかよ!!ライ、夜美!!」

だがそこには二人の姿はなかった。

「あの二人逃げやがった!!」

「フフフフ…………」

ニコニコしているが、ものすごく怖いです。

俺は幻想殺しではないけど、

「不幸だぁーーー!!」

叫ばずにはいられなかった。




次に意識を取り戻したときには朝になっていました。

何されたんだ!?

 
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