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ガンダムビルドファイターズ ~try hope~

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準決勝、自由(フリーダム)と絶望(デスペレイション) 前編

 
前書き
さてさてさてさて。今作品で一番ネタ詰まりになった話をようやく纏まり(?)、更新が出来ました。そろそろこの駄作(涙)もそろそろ終わりに近づいてきましたし、ここで友人からリクエストがあった過去編を外伝に書いてきます。
前置きはここまでにし、ではどうぞ。 

 
「はあぁっ!! 」

「くぅ…っ! 」

三回戦の第四試合、聖鳳学園vs我梅学園の試合。ミヤモト ユウとミズノ サクラが対戦していて、他の二機は既に撃破したようだ。

ベアッガールと超小型ベアッガイメガ粒子砲がガンダムアルカナムに向かって放たれたが、ビームの雨の中悠々とかわして超小型ベアッガイとベアッガイの左腕を斬り払った。

「まだっ! 」

ベアッガールが右腕からビームリボンを振りかざしてガンダムアルカナムを捕らえようとするも、それよりも速く右腕が斬り落とされ、最後にベアッガールが縦に真っ二つにされた。

『BATTLE ENDED』





ーーー--





「全日本ガンプラバトル選手権中高部、三回戦第四試合勝利チーム。聖鳳学園、チームトライファイターズ」

アナウンスが鳴ると同時に、ユウが観客席……もとい、俺達の方へとピースサインを送ってきた。

「ユウ達も相変わらず順調だな。ミズノ サクラともバトルしたかったが、仕方ないな…」

「あっちも相変わらず順調みたいよ」

「あっち? 」

シノが指差した方を見ると、ガンプラ学園のイガラシ リュウと本牧学園のニシヤマ サトルが対戦をしており、ちょうどイガラシ リュウのフォーエバーガンダムがニシヤマ サトルの切り札、サイコガンダムの内部にいたエクストリームガンダムに止めをさした。

「俺の出番はこれだけかよーー!!!! 」

ニシヤマのその可哀想な叫びと共に、爆風に呑まれていった…。

「まあそれはさておき、これで残りは俺達と今の二チームと…」

「次の対戦相手の、あの化け物みたいなストライク使いの所ね」

「とりあえず、ムウさんが今ごろ対策でも考えているだろ。なっトウイ? 」

「………………」

聞こえてないのか、じっっっっと次の対戦相手の方を見続けており、その途中で悲しそうな眼をしていた様な気がした。

「おい大丈夫か?話聞こえてたのか? 」

「ん?あー、大丈夫大丈夫。ところで何の話をしてたの? 」

「やっぱり聞こえてなかったのかよ…」

「まあまあ気になさらんなよボウズ。人間そういうこともあるもんさ」

「誰がボウズだコラ?三回死んで二回生き返れよ」

「アハハハハ」

「おーいお前ら。今日の試合も終わったことだし、さっさと戻って対策立てるぞ」

「「「わかりましたー」」」

「なんだその気のない返事は…。まあいいか。じゃあ戻るぞ」





ーーー--





「相手は栃木県代表、郁里高校のチームブラックサレナだ。左腕に赤い布……おそらくABCマントで製作した物を巻き付けていて、なおかつここでは珍しい、スラッシュエッジを装備した黒いストライクガンダムがいる。まあ多少なりとも加工してブースター機能も追加してあるな」

「ブラックサレナ……クロユリの別名称の名前ね。確か花言葉は、『恋』『呪い』………そして『復讐』。不吉なチームだわ」

「復讐……」

「詳しいなシノ。お前そういうのに興味とかあったのか? 」

「昔だけど、よく花について調べてた時期があったのよ。それだけだわ。それよりも、話を戻しましょう」

お前が話を脱線させたんだけどな。っとは口にしたらお怒りになられるので、ここは言葉にしないでおこう…。

「じゃあ続けるぞ。他の二機も同じくストライクを用いた機体だが、キューブ状のストライカーを装備していて、そこからチューブを通してライフルに接続されている。おそらくエネルギーパックかなにかだろうし、ライフルからの高出力の攻撃に注意しろよ。まぁ黒いストライクだけで試合を終わらせていたから詳しくはわからんがな」

今までアイツだけで試合を勝ち抜いてきたってことか。確かにあの攻撃ならすぐにバトルは終わらせられるが、おそらくわざと外して痛め付けているんだろう。
あー。思い出しただけで腹立つわ。

「最後に、問題は黒いストライクの攻撃だ。あの左腕を解放した時のスラッシュエッジ《セイバーモード》の超高速剣撃。あれを防げないと勝機が見えない」

「確かにあれを何とかしないと、前と同じく二の舞になるわね…」

「いくら改良した機体とはいえ、バスターソード級のグラディウスでも良くて受け止められる程度だぞ?さすがにその後の攻撃は、ルミノックスにもバスターソード級の粒子を連続で纏わせることはトランザム状態でも不可能だから防げる自信はないが……」

F(フル)D(ドライブ)R(レゾナンス)システムなら何とかなるかも知れない………っことね」

そう。それならあの攻撃にも対応出来るが、しかしいくつもある欠点に気づかれずに出来るかどうか…。いや、それでもやるしかない。

「あ~ごめん。そのストライクの相手は僕がしていいかな? 」

やっと口を開いたと思ったら何言ってんのコイツ?

「おい。無謀と挑戦は違うって知ってるよな? 」

「それぐらい知ってるよ。いいからやらせてよ」

「いやいやいや。お前分かってんのか?どうやってあのストライクと戦うつもりだよ? 」

「勿論分かってるよ。それに、一応対策は考えているから大丈夫だよ。だからやらせて」

「と言ってもな…どうするシノ? 」

「対策があるんならいいんじゃないかしら?もしもの場合は私達が助ければいいだけだし」

トウイにしては珍しく、強引に自分の意見を貫き通し、トウイが黒いストライクを相手にし、その間に俺達が相手の二機を倒すという戦法になった。





ーーー--





「「あっ」」

準決勝当日、ヒロヤ君とシノさんにお手洗いに行ってくると言って用を済ませようと来ると、トイレの入り口でばったりとユウキ君と出くわした。

「「……………」」

終始無言でお互いが用を済ませ、手を洗っているとユウキ君が口を開いて言葉を発した。

「次の試合……あの時みたいに手を抜くんじゃないぞ。本気でかかってこい。そして、俺の力を見せつけてやるよ。あの時とは別の俺の力でだ」

「……分かってるよ。もうあんなことはしない。そして君の、あんな戦い方をする君を止めてみせる。絶対に……」

「分かってるならいい。それと、止められるものなら……止めてみろよ」

最後の言葉には殺気、もしくは怒気が籠っているかのように声のトーンを下げて言い、トイレから出てお互いが逆の方へと歩いて行った。





ーーー--





「ただいまより、全日本ガンプラバトル選手権中高部 準決勝 第一試合を開始します。宮城代表天之川学園、チームトライホープ対。栃木代表郁里学園、チームブラックサレナの試合を開始します」

「トウイ」

「ん?何? 」

「昨日はあんなこと言ったが、今日はお前の好きにしていい。詳しいことは聞かないが、あの真ん中の奴とは何かしらあるんだろ?だったらさっさと解決してこい」

「……ありがとう」

『GUNPLA BATTLE combat mode』

『Startup』

『Model Damage level Set to A』

『Please Set Your GPベース』

『Beginning plavsky particle 』

『Dispersal』

『Field 4 island』

フィールドは、ストライクとイージスの決着をつけたオーブ近海の孤島。

「ユウキ君との最後のバトルもここだったっけ………まさかこのタイミングで同じステージでやるとはね……」

『Please Set Your GUNPLA』

『BATTLE START』

「トオサカ シノ!V2ガンダムホロスコープ! 」

「ハルカゼ トウイ!ヴァルキリーフリーダム! 」

「サオトメ ヒロヤ!ケルサスガンダムエクシード! 」

「チームトライホープ!出ます! 」

「行きます! 」

「出る! 」

フィールドに機体が放り出された直後、目の前からサテライトキャノンの攻撃が向かってきていた。

「いきなり!? 」

「避けろ!! 」

紙一重で攻撃をかわし、攻撃された島の方を見ると今度はヴェスパーの攻撃が放たれていた。

「シールドガン・ファンネル! 」

機体とビームの間にシールドガン・ファンネルのビームシールドが入り込んで攻撃を防ぎ、反撃でビームカノンとロングシューティングライフルⅡで攻撃すると、他の二機のストライクがフリーダムのアンチビームシールドで防いできた。

「トウイ、他の二機は俺達が引き受ける。だからお前はアレを頼んだぞ」

「無茶しないようにね」

そう言ってケルサスガンダムエクシードとV2ガンダムホロスコープが左右別の場所に別れると、相手の二機も別れて二人を追いかけていき、島に降りてユウキ君と対峙する。

「さて………と。んじゃあまあ邪魔物はいなくなったとこだし、始めるか」

「うん……」

「イチノセ ユウキ…デスペレイションストライク……」

「ハルカゼ トウイ…ヴァルキリーフリーダム……」

「切り刻む!! 」

「行きます!! 」

デスペレイションストライクは右腕からビームトンファーを展開し、ヴァルキリーフリーダムは左サイドアーマーからビームサーベルを引き抜いて、お互いが接近し、間合いに入ってすぐに振りかざした。





ーーー--





「ちいぃっ! 」

ソードファンネルを両手に装備して、追ってきたストライクに攻撃しようとするもヒョロヒョロとかわした後、すぐに距離を離してどこかに向かって行く。

「どこに行くつもりか知らないが、さっさと倒させてもらうぞ!トランザム!! 」

トランザムを発動し、一直線にストライクの前まで接近してソードファンネルを降り下ろそうと構えた直後、ストライクがバックパックに接続されたライフルをこちらに向けていた。

やべっ!?このままじゃ避けられない…。直線に移動してきたから急に軌道を変えることも出来ないなら…

「変えられないなら………一か八か斬り払ってみせる!! 」

ソードファンネルをライフルの弾道の所に向けて降り下ろすも、ライフルの銃口から放たれたのはビームではなく、どちらかというと透明な白い液体が放たれた。
謎の液体をソードファンネルで斬り払うと、特に衝撃も何もなく、そのまま第二射が放たれたのでもう片方のソードファンネルで斬り払うも、やはり衝撃も何もなかった。

「ならこのままやらせてもらう! 」

右手のソードファンネルをストライクの左肩から右足にかけて降り下ろすと、何故かストライクは斬れることなく吹き飛ぶだけでおさまっていた。

「なっ!?これは…」

ストライクを吹き飛ばした後にソードファンネルをよく見ると、刀身が溶けて刃が無くなっていた。

「まさかあの液体…ガンプラのプラスチックを溶かすやつなのかよ。そんなの反則だろ…」

ストライクが体勢を立て直してバックパックからグリップを引き抜くと、そこには刀身の代わりに筆らしきものが付いており、そのまま降り下ろしてきた。

「ちっ! 」

ソードファンネル二刀で受け止めると、先程とは違い衝撃を感じられた。

「だけどこの程度なら…って、え? 」

右手のソードファンネルを動かそうとすると微動だにせず、二つのソードファンネルがくっついて離れなくなってしまった。

「チートだろそんなの!? 」

すぐにストライクがグリップを再度振りかざしてきたので、ソードファンネルを手放してかわすと、その途中でライフルの液体が放たれており、左腕に当たってしまった。

「にゃろう…」

左腕を動かそうとするも曲げられず、やはり固まってしまったようだ。

「こりゃあとんでもないガンプラだな。このチームの奴等………相手のガンプラを破壊することしか考えてないのかよ」

となると、シノの方は大丈夫なのか?アイツもアイツで無茶するしな。

そう考えている間も相手の攻撃が続いており、グラディウスを鞘から引き抜いて反撃のチャンスを伺いながらかわしていく。





ーーー--





「なにこれ!?溶けっ…きゃああああ!! 」

シールドガン・ファンネルとキャノンピットの包囲網で攻撃して追い詰めた後、ロングシューティングライフルⅡで狙い撃とうとしたところ、相手のライフルから透明な白い液体が放たれた。

咄嗟にメガビームシールドで防ぐと、溶け始めたところ、いつの間にか目の前に来てロングシューティングライフルⅡの銃口と左腕を筆がついたグリップで溶かして蹴りを入れられ吹き飛ばされた。

「なんなのよ一体……」

トウイがいる島とは別の岸辺へ落とされ、銃口をパージし三連装バルカンモードに変更しながらぼやいていると、既にシールドガン・ファンネルとキャノンピットが岸辺や海に使用不可の状態まで溶かされて墜ちていた。

「左腕とファンネルは使用不可……。メガランチャーはチャージに時間がかかるし使えない。どうしたものかしら…」

立ち上がり、三連装バルカンをストライクに向けて撃ちながら上昇し、ガトリングと同時に攻撃した。





ーーー--





「「はあああああああっ!!!! 」」

ビームサーベルで攻撃するとビームトンファーで受け止められ、ABCマント製の赤い布でぐるぐる巻きにした左腕で殴りかかってきたが、左腕のビームシールドで受け止めた。

「そんな甘い攻撃!するわけないだろぉが!! 」

「!? 」

受け止めた直後にヴェスパーの砲門がこちらに向けられており、急いで回避行動をとるも二つのビームが放たれて、両サイドアーマーが破壊された。

「ぐっ! 」

「まだだぁ!!! 」

爆風によって体勢を崩したところにアームドアーマーVNが迫っており、エイ型コンテナウェポンのMDEビーム砲を向けると、それを見計らってか急遽ビームトンファーを展開してコンテナウェポンを貫いてきた。

 
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