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歌集「春雪花」

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 叶わぬと

  涙し祈る

   時さえも

 人は嘲り

    笑いしものなれ



 叶わないと解っていながら、それでも叶えたいと涙を流しながら祈っても、他人から見れば馬鹿げたことと嘲笑されるだけだ…。

 私の様なものは特に…他人は馬鹿にするだろう…。いや…蔑むと言った方が良いかも知れない…。

 彼もきっと…私を蔑むのだろう…。



 夏の日の

  暑き陽射しに

   君見らば

 風鈴鳴りて

     消ゆる幻



 暑さが増しゆく夏の陽射しの中に、彼の姿を垣間見た気がしたが…風鈴の鳴った刹那に、淡雪の様に消えてしまった…。

 幻だとしても…もう少し見ていたかったと思い、無性に淋しくなってしまった…。



 
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