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情緒不安定期間

作者:蛙男爵
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雨だろうとも







それは 僕らが大好きだった天気

僕らの住む この高い大地よりも
さらに 上空から降る雫は

少し ひんやりとしていて
足元で優しく弾ける



僕らは 冷えた体を寄せあい
その音に 2人 耳をすませていた







この 想い出あふれる天候が
僕らを引き離すとは 思わなかった


照れ屋なふたりを 自然と寄り添わせ
様々な色を映して 輝いていた雫



今は濁りて 獰猛にうねる



冷たい体を自らの手で抱き
暖かな 陽を待ち望んだ


届くはずのない願いは
まるで波に打ち砕かれる岩のように

重く沈む



遠くに見えるは 彼女だろうか

大きな三角 あれは傘


橋の前に座り込み
静かに こちらを見つめている



打たれよう

彼女の愛に

優しい雫に


打たれよう

会えぬ悲しさ

非情な雨に




雨が降ろうが 僕らは会える
川を挟んで この日の終まで


互いを慈しみ 愛にふけるのだ









 
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