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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌

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第4話 炎と雨

村での即興ライブを終え、村人からの願いで宴をやることになった。
そこでもバサラは思う存分歌った。
「いくぜ!過激にファイアー!HOLY LONELY LIGHT!
aaaaaaaaaho!!」
曲名を告げた後、前奏が弾かれ、少しした後にバサラのシャウトが響きわたる。
村人たちも酒に、宴の雰囲気に、そしてバサラの歌に、酔いしれている。
場は宴というよりもバサラのライブに成り果てている。
「よっしゃ!乗ってきたじゃねえか!まだまだいくぜ!」
『おお〜〜〜〜〜〜〜!!』
それは夜遅くまで続いた。
「へへっ、お前ら、いいノリだったぜ!」
宴から即興ライブになってしまったが、大盛況だったことに満足そうである。
歌をこよなく愛する彼らしい。
そんな彼だが、ひとしきり宴というよりライブを楽しんだ後は村人の好意で空き家で夜を過ごすことになることができた。
「へへ、いいライブだったぜ。ここの村のやつらのノリもよかったしな」
どうやら満足したようである。
そう言った後に眠りにつこうとしたが、
「すみません、まだ起きていますか、バサラ殿」
と言う声に遮られた。
「あん、誰だい?」
体を起こして扉の方を見ると、三人の少女が居た。
確か名前は、と思ったところで気づいた。
「お前ら名前なんて言ったっけ?」
そう言うとその中の1人が
「あー、そういやまだ自己紹介しとらんかったなあ。うちは李典、字は曼成や!よろしくな、兄さん。」
と名乗った。
他の2人もそれに続くように
「私は于禁、字は文則なの。よろしくなの、お兄さん!」
「私は楽進、字は文鎌です。よろしくお願いします、バサラ殿。」
とそれぞれ名乗った。
それぞれの少女の印象を書くと、
李典は元気で大らかな性格の発育が良い少女である。
ただ、露出が激しいが。
于禁は大人しそうだが、3人の中でも特におしゃれで服などにこだわりが見える少女である。
楽進は真面目で堅物そうだが、キリっとした目と体中にある傷が印象的な少女である。
そんな印象を3人の少女から感じたバサラだが、

「ああ、そうかい。」
とそっけなく返事を返しただけだった。
于禁と李典は苦笑をしただけだったが、楽進は少し表情を険しくした。
「で、あんたらこんな夜中になんの用だい?」
バサラのこの言葉に
「・・・先ほどのあなたの歌に対してのことについて話を伺いに参りました。」
「おれの歌について?」
楽進の言葉を聞いて首を傾げる。
「ええ、なぜならあなたの歌は」
「いやー、兄さんの歌今まで聞いたこともないような力の籠っとったもんやったからな〜、思い出したらなんや話がしたくなってな来てもうたんや。」
「そうなのー、あんな歌聞いたことなかったし、すごいかっこよかったのー。だからお兄さんとお話ししたかったのー。」
「・・・まだ話は終わってなかったんだが。」
「なに言っとるんや、兄さんの歌で1番盛り上がってたんは凪やろうが。部屋帰って来てから兄さんの歌のことばっか話とったし。凪に話させたら夜が明けてまう。」
「そうなのー。そもそも夜中にお兄さんのところに行こうって言い出したのも凪ちゃんだったし。」
「な、なにを言っている⁉︎言った後に明日にしようと言い直したではないか!」
「凪ちゃん、それじゃ自白してるようなもんなの。まあ、確かに悪ノリした真桜ちゃんと沙和が強引に行ったんだけど。」
「せやなー。まあ、なんだかんだで止めようとした凪も部屋に着く頃にはそわそわしとったけどなー。」
「そ、そわそわなんかしてない‼︎」
とまあ、目の前で2人に弄られる楽進を見ていたが、おもむろにに立ち上がり、壁に立て掛けていたギターを持ち、弦を鳴らした。
弦の音が部屋に響き、3人がバサラの方を向く。
「あんたらはおれの歌について知りたいみたいだけどな」
そう言ってまた弦を鳴らし、
「なら、おれの歌を聞けば分かるぜ。」
ギターを弾き始める。
「いくぜ、MY SOUL FOR YOU‼︎」
曲名を告げた後にギターの音が、バサラの歌声が響く。
だが、3人は驚いていた。
バサラが村の入口で歌っていた曲とは、歌の雰囲気が違っていた。
先程歌っていた歌は何曲かあるが、皆熱く、心を燃やすような歌であった。
例えるなら炎。これが当てはまるだろう。
だが、今歌っている歌は違う。
この歌は、その逆だ。
静かに、魂を落ちつけるような歌だ。
例えるなら雨。そんな歌だ。
先程あんな歌を歌っていた男が今こんな歌を歌うとは。
そんな思いとは別に、ただこの歌を、歌声を聴いていたい。そう思わせるバサラの歌に3人は聴き入っていた。
李典は
「ほわ〜、すごいわー」
と感心し、于禁は
「うわ〜、かっこいいの〜」
と褒め、そして楽進は
「・・・・・・すごい」
と瞳にバサラの姿をとらえながら呟いた。


3人が歌に聴き入り、感想を呟いた後、その少し後に歌もギターの演奏も終わる。
そして3人に満足そうな表情を向けて
「おれの歌、お前らのハートに響いたか?」
「「「ハート?」」」
「ハートはハートだよ。つまりは心に響いたかどうかだ!」
バサラの説明に頭を傾げつつも、言いたいことは分かった3人は
「ああ、兄さんの歌、ばんばん響いたで!」
「沙和の心にも響いたの〜。」
「私の心にも響きました。こんな歌と曲を聴いたのは初めてです。また聞かせてください。」
「へへ、そうかい。」
そっけなく言ったが、表情はどこか嬉しそうである。
そんなバサラに楽進が意を決したような表情で
「バサラ殿」
と呼びかけた。



 
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