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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌

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第2話 バサラ、3人組に出会う

 
前書き
第2話です。
どうぞ。 

 
「ん、ここがそうなのか?」
バサラが目を開けると、そこは見渡す限りの荒野だった。
だが、周りを見渡すと、貂蟬と名乗った男はどこにもいなかった。
「たく、貂蟬のやつどこに行ったんだ?まあ、いいか。」
そう言うと、ギターを持ち肩に担ぎながら、
(とりあえず、適当に歩いてみるか。そうだな、まずは西から行ってみるか。)
そう思いながら歩きだそうとしたところ、後ろから
「おい、兄ちゃん、変わったもん持ってるじゃねえか。金目の物を置いてって貰おうか」
という声がしたので、
「はあ?」
と言いながら振り向くと、変わった格好をした3人組がいた。
1人目は背が高く、かなりの肥満体型の男だ。
2人目は1人目とは正反対にかなりの小柄な男で、鼻がかなり高いのが特徴だ。
3人目は、1人目ほどではないが背が高く、バサラくらいの背だろうか。
なんともちくはぐな3人組だが、共通しているのは、頭に黄色い布を巻き、片手に剣を持っており、顔に下卑た笑みを浮かべてバサラのことを見ている。
3人組はバサラを見ながら
「おい、聞いてんのかこの野郎!金目のもん置いてけって言ってんだよ!」
「アニキー、めんどうなんで、もうこいつ殺しちまった方がいいっすよ。金目のもんなんて無さそうですし、変わった服着てますが、殺して奪う方が楽ですよ。」
「でも、肩に担いでるやつは見たことないやつなんだな。服も見たこともないものだし、殺さずに奪えば、服も汚さずに手に入るし、肩のやつも無傷で手に入るかもなんだな。」
「デクの言うとおりだ。最初はおれも殺した方がいいと思ってたんだが、あいつの持っているもんは殺さずに奪う方がいいかもしれねえと思ったからな。だから殺さねえで奪おうと思ってんのよ。分かったかチビ。」
「は、はあ」
肥満体型の男がデク、小柄な男がチビ、残ったアニキと呼ばれているのがリーダーのようだ。
「それにあいつあんな格好してるから、どこかの貴族じゃねえかと思ってな、場合によっちゃあ身代金でさらに儲けられるかもしれねえだろ。」
「な、なるほど!さすがアニキっすね!」
バサラの前でそんな話が進められている間、バサラは肩に担いでいたギターを構えていた。
「お前ら、おれから何か盗ろうとしてんのか?」
バサラがそう聞いた。
3人組はバサラの方に顔を向け、
「あん?まあ、そういうこった。だから、てめえは身ぐるみ全部置いてどこかに消えな。そうすりゃ命くれえは助けてやるからよ。」
アニキと呼ばれていた男はそう言いながら、剣を向けた。
他の2人もバサラに剣を向け、下卑た笑みを浮かべている。
バサラはそう言われながらも、ギターを構え笑っていた。
「?なんで笑ってんだ?お前?」
アニキがそう言うもバサラは笑ったまま腕を振りかぶり、ギターの弦を鳴らした。
ジャラーンという音が鳴り響き、
「へへ、お前ら、盗みなんてくだらねーぜ!とりあえずおれの歌を聴け!PLANET DANCE!」
あたり一面にギターの音が響き、バサラのが鳴り響く。

3人組はいきなり歌い出したバサラにしばし呆けていたが、気を取り直し、
「お、おい、なにいきなり歌ってんだてめえ!辞めねえか!」
そう言うもバサラは気にせず、歌い続けている。
「ち、ちくしょー、舐めやがって!もういい、てめーら、こいつをぶっ殺して、金目のもんを奪え!」
「「おう(なんだな)」」
アニキの号令で3人が斬りかかるも、バサラは歌いながらそれを軽く躱していく。
3人はなおも斬りかかるが、バサラに当たることはなく、次第に3人組の方が疲れ果て、地面に座り込んでいた。
「はあー、はあー、な、なんで当たんねーんだこの野郎!」
そうアニキが叫ぶもなおもバサラは歌い続けている。
その姿に3人組は、ふと思った。
こいつはなぜ逃げないんだ?
今ならおれたちは、疲れ果てていて、とても動ける状態じゃない。
いや、今の内におれたちを殺すことだってできる。
なぜやらないんだ。
おれたちはこいつを殺そうとしたのに、なぜ?
そう思ったころに、歌が終わり、
「なかなかのライブだったぜ!お前らも、そんなになるくらいライブにのってくれたのか!」
と言い出し、
こいつはなんなんだ?一体なんのために歌ってたんだ?
そう思うと自然に口が動いていた。
「なんで、なんでお前は歌ってたんだ?さっきおれらは、疲れ果てていて動けないから逃げられたはずだし、やろうと思えば殺せたはずだ。なのになんで歌い続けてたんだ?」
そうアニキが言うと、他の2人も同じことを思っていたみたいでバサラの方を見た。
バサラは、
「はあ?なに言ってんの 、お前?おれが歌いたいから歌う、そして、熱いハートを相手に伝える、それが歌だ!」
そう言って、なに言ってんだこいつという顔で見ていた。
3人組も同じような顔でバサラを見て、次第に笑顔になり、しまいには大声で笑い出した。
「ひゃーっひゃっひゃ!まじかよ⁉︎こんなやつ初めて見たぜ!自分のことよりも歌を歌うこと優先するなんてよー!
ひゃーっひゃっひゃ!」
アニキがそう言いながら笑い、他の2人もすごい笑顔で笑っていた。
バサラはそれをなんだこいつら?というような目で見ていた。

3人組がひとまず落ち着いたところで、アニキが口を開いた。
「へっ、こんな馬鹿見たことねーわ。おい!お前、なんて名前だよ!」
「おれの名前?熱気バサラ。」
「そうか、熱気バサラ、お前の馬鹿に免じて、見逃してやるよ。」
「はあ?どういうことだよ?・・・もしかして、おれの歌が響いたってことか!」
「ま、まあ、そういうことだ。お前の歌には負けたよ。だから、さっさと消えな。」
「そうか!そうか!分かるじゃねえかおっさん!」
「お、おっさん・・・、ま、まあいい、ここから、北に行けば陳留の街があるから、明日には着くだろうよ。」
「陳留?そういやここどこの星なんだ、おっさん?」
「星だあ?なに言ってんだ、お前、ここは漢の国だろうが。」
「漢の国?聞いたことねえなあ。まあ、いいか。ありがとな、おっさん!」
「へっ、分かったらさっさと行きやがれ。あと、他の奴らはおれらほど甘くねえから、気をつけて行った方がいいぜ」
「へっ、どんな奴だろうと、おれの歌を聞かせるだけだぜ!」
「そうかい、なら最後に、またいつか歌を聞かせてもらってもいいか?」
「いいに決まってるじゃねーか!」
そう言ってから、バサラは北に向かって歩きだした。



バサラが北に歩いてから、少しして、
「ははっ、あんな馬鹿初めて見た。あんなん見たら、こんな馬鹿なことやってられるかよ。」
「「そうっすね(なんだな)、アニキ」」
「お前らもか。よし、これからは、真面目に働くか。」
「「おれらも着いて行きますぜ(なんだな)」」
「そうか、よし、なら行くか!」
「「へい、周倉の兄貴!(なんだな)」」

アニキ改め、周倉、演義だけとはいえ、三国志の英雄との邂逅を果たしたが、この3人組との再会は以外に早く訪れるかもしれない。




 
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