| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オラリオは今日も平和です

作者:かずもん
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

僕の日記2

 
 □月☆日 本当に大雨


 今日はこれといった事件も起きず、平和な一日だった。
 まあ例の如く、残業させられましたけど。

 それにしても、エイナちゃんの担当冒険者――――ベル君は随分と無茶をしていたようだ。僅か半月で5階層までソロプレイをし、【ロキ・ファミリア】が取りこぼしたミノタウロスに殺されかけたらしい。まったく、どんな夢や目標があるか知らないが、もっと経験を積むべきだろうに。

 そもそも冒険者というのは、基本的に『冒険するものではない』と思う。たしかに冒険をしたくなるのもわかるが、自分の命がいちばんなのである。冒険は『英雄』がするものだ。

 そう言えばミイシャちゃんが「早くしないと、エイナの担当冒険者にエイナを取られちゃうよ~?」と言ってきたが、どう言う意味なのだろう?




 □月△日 大きな雨


 今日は給料日だった。
 人よりも多く働いているせいか、給料は多かった。なんか一年間働かなくてもいいくらいの量だった。まあ働くけど。
 こんどエイナちゃんや同僚の人。あと先輩達も誘ってミアさんのところに行こう。

 ウラノス様は…………別にいいよね




 □月?日 トンネルを抜けずとも、そこは大雨だった


 今日はアイズちゃんたちがギルドに来た。
 実を言うと、3年前から僕はアイズちゃんとティオネちゃんの担当になったため、ちょくちょく相談されたりするのだ。同僚は血の涙を流していたが。

 何でも、遠征でティオナちゃんは武器を壊し、アイズちゃんの”デスペレート”も大きな手入れが必要らしい。君たち………【ゴブニュ・ファミリア】に愚痴を聞かされる僕の身にもなってくれよ。

 て言うか、アイズちゃんの武器は”不壊(デュランダル)属性”じゃなかった?どうしてそうなったの?

 え、酸を出すモンスター?新種?……………また仕事が増えた。

 それでも帰ってくるあたり、やっぱりLv.5ってすごいなぁ、と痛感した。
 
 


 □月△日 ガネーシャの上は大雨

 
 今日ほどこの世の理不尽を感じ、神を怨んだ日はない。
 まさか当たるとは思ってなかったが、僕の最悪の予想は当たってしまい、今日の”怪物祭”は大荒れした。

 闘技場に捕らえていたモンスターたちが脱走し、オラリオの街を破壊して回ったのだ。僕達ギルド職員は大急ぎで近くにいる冒険者達に呼びかけ、協力を要請した。

 エイナちゃんが途中でアイズちゃんに会ったらしく、討伐を協力してもらえたおかげで、()()()モンスターはすぐに討伐された。しかし、残りの三体がまずかった。
 大きさ10Mはありそうな巨体を誇る新種。蛇のような図体で、顔の部分には花が咲いていた。

 一体は闘技場からすぐ近くのところに。残りの二体は、ダイダロス通りの方面にある、ドワーフ専用のカフェテラスの近くに、だ。
 
 比喩でもなんでもなく、死に掛けてしまった。あの【ロキ・ファミリア】の精鋭たちが、武器なしとは言え、かなりの苦戦を強いられた相手が二体現れたのだ。運悪く僕はその近くで避難誘導をしていたため、当然巻き込まれた。
 一般客を逃がし終え、僕もいざ逃げようとしたところで、僕を挟むように前と後ろに新種が現れた。以前日記でウラノス様を馬鹿にした報いかもしれない。

 挟まれた僕は、【神の恩恵】などもらってないため、攻撃から惨めに逃げ続け、たまたまカフェにいた【ロキ・ファミリア】のLv.6であるガレスさんに助けてもらった…………らしい。
 逃げるのに疲れて、倒れてしまったようだ。喉も凄く渇いてしまった。

 それにしても新種を二体とも討伐した上に、僕をギルドまで運んでくださるなんて………

 一生ついていきます、ガレスさん!




 &月□日 なんとなく大雨

 
 今日は昨日の疲れもあるから、有給を取って仕事を休んだ。
 30分後、エイナちゃんにギルドに連れて行かれた。

 ねえどういうこと?僕有給とったんだよ?なんでギルドに連行されてるの? 

 そのまま流れるようにギルドに連れて行かれ、ロイマンギルド長の部屋に入ってみると、そこには昨日僕を助けてくれたガレスさんや、アイズちゃんが所属している【ロキ・ファミリア】の精鋭たちとその主神ロキがいた。何このメンバー。

 なんでも、昨日僕を襲った新種の話らしいが、僕関係ないですよね?いや、あるにはあるけど、逃げ回っていただけですよ?
 え、僕が新種二体を討伐まじかまで追い込んだ?何を言ってるんですか、そんなことできるはずがないでしょう?僕はギルドの職員だから【神の恩恵】なんてもらってないんですよ?ガレスさんがいなければとっくに死んでましたよ?と言うと、「行き過ぎた謙遜は嫌味になる」とリヴェリアさんに言われた。いや、全て事実なんですけど………

 しかも『絶対中立』の立場であるギルドが僕のような強い人を所属させているのはいろいろと不味い?だから僕は強くないって言ってるじゃないですか。
 ほらガレスさんも言ってやってください、という意味で視線を向けるが、ガレスさんまでもが「アレはおぬしの手柄だ」とか言い出した。なんで皆して僕を苛めるの!?僕なにもしてないじゃん!!

 内心では泣き叫んでいるが、周りから見てみれば僕の顔はニコニコ。それに痺れを切らしたらしい『凶狼』君が、僕の胸倉を掴んできて「その顔ムカつくんだよ!」と殺気を浴びせてきた。
 息が詰まり、呼吸も碌に出来ず、必死に耐えながら「ムカついてるのは僕もなんですよ」と自分の顔に対する文句を言ったところ、何故か手をバッと離して、部屋の隅まで飛び退いていた。

 理由はわからないが、助かったのだろうか?と他の人を見てみるが、皆顔を青くしながら目を見開いて、ありえないものを見るかのような目で見られた。レフィーヤちゃんに関してはカタカタ震えてたし。え、自分の顔を乏すのってそんなにおかしいんですか?

 いや、クーラーがやたらと効いていたいた気もするし、きっと寒かったんだろう。明日か明後日辺りにギルドのクーラーの点検をしておこう。

 その後もいろいろと聞かれたが、殺気を浴びせられたせいで、疲れがさらに溜まり、おかしなことを言った気がする。今度エイナちゃんに何を言ったか確認しておこう。


 オラリオは今日も平和ですが、僕の心は大雨です。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧