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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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破壊と雷撃

「っ!」
闇帝の放った通常攻撃を、ライトは二本の剣をクロスして受け止める。
「ほう……。中々のもんだな」
ニヤリとすると、ライトの腹部に衝撃が走り、吹き飛ばされる。
「ぐっ!」
『ライト!!』
ゼロが叫ぶと、剣を地面につきたててライトが叫ぶ。
「ん……だよあれ!ゲームの枠を越えてんだろ!」
『……ユニークスキル『影雷帝』。『専用の』ソードスキルの恩恵だ。元々、俺の能力を元に造り上げてるからな、今よりはまだ対処の方は出来ると思うぞ』
「ざけんな!二割持ってかれてんぞ!!」
ライトは自分HPを見て叫ぶ。
当時のデータでは、ゼロに言わせれば紙装甲と言わざるを得ない装備だが、此処は過去の世界、当然上層にしか現れない装備なので確実にダメージ加算は少ない筈なのだ。がーーーー
『……もう忘れたか?ダークの撃滅』
ゼロが呆れた様にそのスキル名を言う。
滅殺剣最強のスキル『撃滅』。
当たれば一撃で死に至るとても危険なソードスキルだ。それならば、防御力が高かろうがステータスが高かろうが、確実にダメージ加算は高い。現に、ライトも指摘されるまで忘れかけていた。
「ちっ……。最近馬鹿が使わねぇから忘れかけてたぜ……」
「何をゴチャゴチャと!!」
攻めてこないライトにイライラしたのか、ダークになった雷帝は太刀をふりかぶる。その刃にはソードスキル光が。
『ライト!!』
「チィッ!!<トリスアギオン>!!」
手からレーザーを放ち、地面を爆発させ、煙を撒き散らせる。
「煙幕か!!」
雷帝は叫び、ライトはその好きにハイドアタックを仕掛けようとする。だがーーーー
『避けろ!!』
ゼロが叫んだと同時に、ライトは避ける。そこに、赤き光が通りすぎる。
刀ソードスキル『旋車』。
「チィッ!!」
雷帝は大きく舌打ちすると、追撃を放つ。
刀ソードスキル『辻風』。
神速の居合いがライトの首を切り裂こうとするーーーー。
『ったく!!見てられるかドアホウ!!』
ゼロの言葉と共に、ライトのストレージが勝手に開き、灼熱の炎が雷帝の太刀を弾き飛ばす。
「ゼロ!?」
『昔の俺にチンタラしてんな阿呆めが!!とっとと狩れ!!』
その言葉と同時に、その剣は姿を現す。
ゴールデン・プロミネンス。嘗て、焔使いに渡された黄金なる焔の剣。
「何だ……!?」
雷帝はいぶかしげにそれを見たが、すぐに行動を起こす。
「闇よ!!」
影から生み出された槍が、ゴールデン・プロミネンスに殺到する。
「何でも在りか!!」
ゴールデン・プロミネンスを掴んだライトが叫びつつ振る。
途端、灼熱が影を襲い、焼き焦がす。
『ヒュ~。いい眺めだなおい』
「呑気に言うな、お前」
事前にデータハックしてストレージに細工を施したマッドサイエンティストに八割怒り、二割呆れた声を出すと、灼熱がかき消される。
「雷よ!!」
その声は紛れもなく雷帝の声。
同時、雷の槍が幾つも飛来する。
『相殺ッ!!』
「わかってるっつうの!!ディザスターヴォルト!!」
三連射で放った雷の槍は、雷の槍と相殺したが、幾つかは逸れてライトの近くに着弾する。
「くっ……!」
コートで爆風と煙を防ぐと、駆ける音が響きわたる。
「ウォオオオオオッ!!」
太刀の状態で、雷帝がソードスキルを放つ。
『避けろ!!』
ゼロが言う前に、ライトは既に行動を起こし、動く。
だが、スピードは少し雷帝が速かった。
細剣ソードスキル『フラッシング・ペネトレイター』。
「ガアッ!」
脇腹をかすり、ライトは転がる。即座に回復魔法で部位破損した脇腹を治し、立ち上がると、雷の槍がまたも殺到する。
「いい加減にしとけよ全く!!」
その槍を、二本の剣で全て弾くと、雷帝自らがライトに襲い掛かる。
「うおっ!」
上段からの斬撃に反応し、二本の剣でガードしたライト。しかし、脇ががら空きだった。
「ラァアアアアッ!!」
ソードスキル光無しの『物理』。
天城流体術『旋空牙』。
その物理加速衝撃は高く、ライトが反応しきれずにダイレクトにそれを食らう。
吹き飛ばされたライトは壁に激突し、地面に膝を付く。
「グフッ……。おいおい、洒落んなんねぇぞ畜生が……!」
単純な物理攻撃にも関わらず、HP残り二割を切っていた。
たった一撃で、物理攻撃で、六割を削られたのだ。
ゲームの常識を最初から越えている『サブゲームマスター』。当初からその能力は全盛期とも言える者だったのだ。故に、伝説となったのも頷けるとライトは思う。
だが、ライトはニヤリと笑う。
それは、彼がまだ『そのスキルしか会得してないから故の余裕』。
「フッフフフ……アハハハハッ」
突然の笑いに、雷帝とゼロはギョッとする。
『ら、ライト……?』
「ああ、悪い。少し可笑しくてな……」
ライトは言うと、黒いベルトの様な物を取り出し、腰に巻く。
それは、スロットが一つしかない『ロストドライバー』だった。
『……何もそこまでしなくても良くね?』
何をするか分かったゼロは、苦笑あるいは呆れ声を出して言う。
「ま、大出血サービスと言うことで手ぇ打ってくれ」
『……程々にねー』
一方的に通話を切ったゼロに苦笑して、ガイアメモリを手に取る。
TSガイアメモリ、正式名称『タイプソードアートガアイメモリ』。
ライトとリンが変身するW・仮面ライダーRに変身するためのアイテムだ。
補足だが、従来のT1ガイアメモリも使える。
『ソルブレイブ!』
スタートアップスイッチを押したライトが、いぶかしげにガイアメモリを見る。
「……あのやろう、二つのメモリを混合させたな……?」
溜め息を付くと、雷帝が叫ぶ。
「ふざけろォオオオオ!!」
太刀と剣を両手に持ち、突進してくるが、それよりも早く、ライトがガイアメモリをロストドライバーに挿し込んでいた。

「変身」

『ソルブレイブ!!』

灼熱が巻き起こり、雷帝の太刀と剣を弾き飛ばす。
そして、その灼熱が四散するとーーーーー

『ほう。単独でRになれんのか、これ』

深紅と黒のライダーが剣を持って立っていた。

『仮面ライダーR。さぁ、テメェの罪を数えろ♪ってな?』
ライトーーーーーRが言うと、その剣を逆手に持ち直し、突進を始めた。 
 

 
後書き
うは、汎用性高いライト。どの作品でも確実に通用すると思うのは俺だけだろうか。
と言うことでバトル二回目の投稿です。ライト君単独R化。ずいぶん前のデータで記載されていたライト&リンのライダー化です。ガイアメモリの名称は此方で決めさせて頂きました。本編でもT1、T2と名称が存在したので、それに乗っかる形で。
因みに、ゼロ&ダークの扱うWのガイアメモリは、T1Kガイアメモリ、正式名称『タイプワンカスタムガイアメモリ』と、TMガイアメモリ、正式名称『タイプモンスターガイアメモリ』と、TFガイアメモリ、正式名称『タイプフェイトガイアメモリ』です。後者の二つはまだ無使用ですけどね。かなりチート。
因みに、ダークが神なので地球の本棚の役割を果たします。何せエンサイクロペティアと言う完全模倣能力持ちですからね、検索も楽勝ですよ。
……まぁ、弱点はあるっちゃある。くそ面倒な弱点。
それは!

使いすぎると元に戻らなくなる。

と言うことで次回もお楽しみに~。 
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