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1.東方神無異伝

作者:クシャル
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最悪ノ再会

翌日••••••。

朝、幻想郷が騒がしい。

そして、懐かしい気配を感じ取った白夜。

まさかと思い白夜は、その気配が集まっている博麗神社へと転移して向かった。




白夜が博麗神社内に着くと、霊夢や紫、レミリアなど白夜の知人がすでに集まっていた。

霊「ねぇ白夜、外に神様たちが集まってるのだけれど。

どういう状況?」

白「霊夢姉さん、それじゃあ分からねぇっす。」

口ではそんなことを言っているが、白夜の顔は明らかに蒼白だ。

霊「そうね、まず••••私が起きて境内を掃除していたらいきなり降りてきたの。

で、「禍 白夜が居るはずだ、連れてこい。」って上から目線で言われたわ。」

レ「白夜一人を連れ戻すのにあんなに出てこなくてもいいのではないかしら。

まるで化物を狩りに来た人間みたい。」

ビクンッと白夜の肩が揺れる。

紫「何があったのか教えてくれないかしら?」

白夜はコクリと頷き、俯いたまま静かに話し始めた。

白「たぶん、だけど、俺の元仲間。

俺を裏切って、俺を消しに来たやつらだと思う。

俺、化物だって、存在したらいけないって、禁忌だって••••。

どうしてだって聞いてみたけど、化物に質問する権利はないって、答えてくれなかった。」

レ「何よそれ••••••。」

白「でも!

でも、あいつら卑怯だから、俺を消して、あまつさえ幻想郷だって消し飛ばすかもしれない。

俺には俺の、護りたいもん、たくさんできたからー」

立ち上がり、神社内の部屋を出る。

白「だから、俺の世界は絶対に譲らない。

たとえ化物と言われようと、あいつらは俺が責任を持っているべき処へ還す。」

レミリアと霊夢も続こうとするが、紫は2人を止める。

霊「紫、何のつもり?

神々の味方でもする気?」

紫「まさか、あの子を虐めた神々に加担するくらいなら死んだ方がマシ。」

霊「ならッーーー」

紫「でも、私たちが行っても足手まといよ。

神々ですら化物と恐れて消しに来るほどなのよ?

貴女たちなら分かるでしょう?」

紫の言葉に霊夢とレミリアは拳を握りしめることしかできなかった。




「やっと来たか、化物め。」

白「••••••、何千年ぶりだ?

裏切り者ども、今更何の用だ。」

「何の用だと?

はっ、そんなの貴様が一番わかっているだろう?」

白「••••全くだ、“近同隔絶"。」

どこからか切れてずり落ちたような音がなる。

「••••何をした。」

白「この世界に影響がないように空間を歪めた。

思う存分暴れてもさっきの幻想郷自体に影響はない。

そして、お前ら全員、俺を殺すか俺より実力が上でなければここからは出られない。」

「くっ••••••、卑怯な••••!」

白「何が?

お前らの呼ぶ援軍どもも強制的にここに来るんだ、いいことじゃないか。

それとも何だ、その援軍に幻想郷を破壊させる気だったか?」

「そんな訳ないだろう!

でたらめを言うな!」

白「••••お前、つまんない嘘吐くんだ。

神とあろうものが嘘を吐くなんて••••、人間と同じだなぁ?」

見下したような笑みを浮かべる白夜。

「我々を人間のような愚かで弱い種族を一緒にするな‼︎」

白「くははッ、とうとう言いやがった、やっぱりお前ら、人間と同じだな。」

反論しようとする神の元に通信役の神がやってきて、こそこそと話す。

その内容を聞いた神はニヤリと下衆い笑みを浮かべた。

そして、後ろからモーゼの奇跡の如く道が開けられると、誰かがやってきた。

その姿を見た白夜は、目を見開く。

?「白夜くん!」

手を振って近づいてきた、白夜と瓜二つの少女。

違うといえば、黒髪なことと紅金のオッドアイだということだ。

白「シャル••••••、なんで••••。」

そう、白夜に向かって走っているのが、原初の神と呼ばれていたクシャル・ラー・オルシオンなのである。

ク「良かった••••••、ごめん、僕が非力なせいで、君を傷つけてしまったね••••。」

白「違う!

シャルは••••、シャルは俺を助けてくれた!

俺に少しの生きる知識を与えてくれた!

そりゃ、獣や植物たちからもっと多くのことを学んだけど、それでもシャルは悪い奴じゃない!

シャルは、非力なんかじゃーーー」

ドスッ••••

白「ッ!」

ク「••••ごぼッ••••••‼︎」

クシャルの身体に槍が突き刺さる。

あと数ミリずれていたら、白夜も怪我を負っただろう。

刺さった槍は、次第に輝きを失いクシャルの身体に吸い込まれていった。

槍が完全になくなったすぐ後、クシャルはドサリと倒れた。

白「ッシャル‼︎

目を覚まして、シャルッ‼︎

何でシャルを刺したッ、親父(ゼウス)ッ‼︎」

金髪ストレートヘアで、イケメン優男を睨みつける白夜。

しかし、何も答えない。

白夜は少しの間、睨みつけていたが様子がおかしいことに気がつく。

ゼウスの眼は虚ろで光はない、だが、泣いていた。

白「おい、親父、どうしたんだよ。」

ク「びゃ、くやく••••ん••••••、ゼウスくん、は、操られて••••る。

精神が、崩壊して••••人形と化••••••しているんだ••••。」

白「シャル!

どこにいくんだよ!

俺をおいて、いかないで••••!」

ク「ごめん••••、でも、永遠に会えなく、なる訳じゃない••••、だから••••••僕を探して••••。

君が、助けてくれるって••••••、僕は••••いつまでも、待ってるよ••••。」

白「シャル‼︎

シャル••••!

ッ••••絶対、絶対に••••助けるからな••••。

こいつら始末して、すぐ助けに行くから••••。」

光の粒子となって消えたクシャル、残ったのはクシャルの身につけていた黒い大きな真珠のネックレスだった。

そのネックレスを握りしめ、白夜は身につけた。 
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