| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

エターナルトラベラー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十話

side ???

アントキバの街の小さな宿舎。

その一室で寝息をBGMに密会をしている物達がいた。

『それでは、第三回どうやったら念法を習得できるのか会議を始めます。わーぱちぱち』

『『『………』』』

『もう、ノリが悪いですよ。ソル、レイジングハート、バルディッシュ』

部屋の隅で電気も付けずに密会していたのは何を隠そう彼女達デバイス達だ。

『ルナ、ふざけちゃだめ。レイジングハート達は真剣なんだよ』

『分ってます。分ってますよぅ。ただ、ほんの少し雰囲気を和ませようとしただけじゃないですか』

三体の冷ややかな視線?(眼は多分無いけど)が突き刺さりルナはそう言葉を濁した。

さて三回目になるこの会談だが、どういった経緯で設けられたかと言えば、それはやはりこの世界が魔力素が薄くバリアジャケットの使用を控えていて(とは言えそれほど消費は激しくないので一日もすれば消費分は賄えるが)、これでは役立たずだと真剣に思い悩んでしまったレイジングハートとバルディッシュ。

さらに悪い事にモンスターハンターの攻略でなのはとフェイトは防具を作らざるを得なかった事が彼女達のアイデンティティを大きく揺さぶった。

確かに地球は魔力素が適性値で存在しており、地球にいる限りバリアジャケットの展開が出来なくなると言う事態は殆ど無 いと言って良い。

しかし今回のようなケースが又起こらないとは限らないし、その時に主人の力となることが出来ないのは凄く辛いとソルとルナに懇願する形で泣きついたのが切欠だ。

『それで、レイジングハートにバルディッシュ。貴方たちは主人のオーラを感じる事が出来たのだから、後はどういった能力にするかと言う事だけね』

ルナが点滅しながらそう言った。

初めはオーラの科学的アプローチの仕方をソル達に尋ねたレイジングハート達だったが、まずそこから間違っているという話から始まったのが第一回目だった。

生命から溢れる不可視の神秘のエネルギー。

だからルナがレイジングハート達に言った言葉は『感じろっ!』と言う言葉だけ。

非科学的な!とか、自分たちは機械だ!とか反論されたが、正直まずは自分の主人のオーラを感じ取れなければ話にならない。

非科学的だが、魂の宿らない私達に出来る事なのかとレイジングハートに問われた。

強い思い入れのある道具に念が宿る事はそう珍しくない。特に念能力者の愛用物ならば尚更だと、少し(大分か?)誇張して言い切ったルナ。

ルナ自身も何もただの出任せで言ったわけではない。

ルナは感じていた。

レイジングハートとバルディッシュ。その二機にそれぞれなのはとフェイトのオーラがその手を離れてもまとわり付いている事に。

まあ、ダメでもともとと、深く考えずに言った言葉でもあったが、二回目の会合時には本当にオーラを感じ取っていたから驚きだ。

『どう言った能力と言われれば、ルナ達のような甲冑展開能力が欲しいです。魔力素の少ない所でもマスターの身を守れるような堅固な鎧が』

『私もそう思います』

レイジングハートの答え、さらにそれに同意するバルディッシュ。

『それで、どのようにしてそのような能力を身に着けたのかの話が聞きたいのです』

『そうですね、あの時は確か…』

そう言って切り出したルナの話を聞きながら、夜は更けていく。

side out


朝、窓辺から見える気に小さな小鳥が止まり、朝が来たとさえずる声が聞こえて俺は目を覚ました。

ベッドから降りて伸びをする。

外は快晴で気持ちのいい目覚めだ。

辺りを見渡すとどうやら俺が最後のようだ。

「あ、お兄ちゃん、おはよう」
「アオ、やっと起きたんだ」
「おはよう、アオ」

「おはよう、皆」

俺も挨拶を返す。

「…で?何やってるの?」

見ればなのはとフェイトがすでに防具を装備している。

そう言えば造った防具、このゲームではまだ必要だろうとそのまま持ってきていたっけ。

しかし、今日一日は休養日にしようと昨日話したからわざわざ防具を着込むのは少しおかしい。

何かあったのかと思い、尋ねてみた。

「あ、そうそう。レイジングハートったら凄いんだよ」

うん?何が凄いんだ?

「見てて」

そう言ったなのはの服装は行き成り防具から普段着へと変わった。

「うん?」

瞬間収納?いや、そうは見えなかった。

「いくよ、レイジングハート」

『スタンバイレディ・セットアップ』

なのはの体が一瞬光に包まれたかと思うと、いつものリオハート装備に着替えられていた。

これはバリアジャケットか?いや、そうじゃない。

これは…

「レイジングハートが頑張ってくれたの。わたしのオーラで編んであるんだよ」

なんだってー!

どうやら昨日の夜、ソル達と一緒に画策したらしい。

ソル達の実体験と、努力と根性でモンスターハンターで作った防具を取り込んで、念能力をモノにしたんだって。

…レイジングハートとバルディッシュって普通のインテリジェントデバイスだよね?

ソルとルナみたいにバグが造ったわけじゃないよね!?

努力は分るけど、根性って何!?

いやもうその辺はスルーしよう…

なんだかんだで不可思議な事を体験してきたからね。

今更理不尽な事の一つや二つどうって事ないよ…

まあ、そんな訳でレイジングハートとバルディッシュに新しい能力が備わったのだった。


朝食を食べ終えると、今日一日は休暇だ。

数週間の間、睡眠と食事以外の全ての時間を狩りに費やしてきたのだが、流石に限界だ。

この辺りで少々英気を養わないとね。

そう考えてのんびりとアントキバの街を皆で散策する。

お金は困ってないから今日はお金に糸目をつけず食べ歩きだ。

しかし何で女の子って甘いものが好きかね…

ケーキ、ショコラ、そして今はジェラードを食べているソラ達を横目に付き合わされた俺はすでに甘死(とうし)寸前だ…

甘いものは好きな方だがどうしてもクリームの甘さの大量摂取が苦手な俺は最初のケーキバイキングですでに瀕死だ。

餡子の甘さにはまだ耐性があるんだけどね…

「あ、それも美味しそう」

「食べてみる?なのは」

「ありがとう。わあ、美味しい。わたしのもあげるね」

「うん、あ、美味しい…」

「でしょう?」

「ソラちゃんのは?」

「…食べたいの?」

「「うん」」

なんて会話が聞こえてきているが、俺はぐったりとテラス席で疲れたように座り込み、上がった血糖値と格闘中だ。

隣を見ると今度はまた別のスイーツの屋台へと行く算段を立てているのが見える。

…もうゴールしてもいいよね…

ゴール。

取り合えずソラになのは達に付いていてもらって俺一人別行動中だ。

うぃ~

まだ胸やけがする…

「そこの君」

食後の運動にと街中をトボトボと散歩中に突然声を掛けられて俺は振り向いた。

「何ですか?」

振り向いた先にはツナギを着た人が二人、もう一人は…何と言うか…ゴリラ?顔の人が居た。

「少々話があるのだが」

ツナギにバンダナ、ポッチャリ系、身長は他の二人に比べると低めの男性、そんな彼が俺に話しかけたようだ。

「現実世界に帰りたくないか?」

は?

なんだ?藪から棒に。

俺は真意をつかめずにいたためか、少々呆然としていたらしい。

それをどう受け取ったのか、男は言葉を続ける。

「少々俺たちに協力してくれたら『離脱(リーブ)』のカードをやるよ」

俺の疲れたような現状と、周りに誰もいないので、現実に帰れないソリストとでも思ったのだろうか。

それとも呆然としていた俺の表情を驚愕の表情と取ったのか。

まあ、今の言葉で分るのは離脱(えさ)でそこらの雑魚を釣り上げたいと言う感じのニュアンスだけだ。

「……何をすれば良いんですか?」

一蹴して断っても良いんだけど、接触を持ってきた相手の動向は尻尾を踏まないように気をつけながらも情報は得たい。

「なに、少し人数あわせでいてくれるだけでいい。勿論身の安全は保障する」

人数あわせ…ね。

人数制限制のクエストは殆ど無い。
おそらくレイザーさん所のクエストだろう。

しかし、あのクエストには人数合わせでまかなえるクエストでは無いはずだ。

人数制限15人の大型クエスト。

念ありでのスポーツで、15試合中8勝が条件だが、優勢で7試合が終わると最後はレイザーさん直々の8対8のドッジボール。

勝った方が8勝入るからそれまでいくら勝っていてもひっくり返されてしまう。

そこを分っているのか?

しかし、彼らが『一坪の海岸線』を取ってしまい『複製(クローン)』等で限度化枚数まで増やされると俺達の入手が困難になる。

このクエストはかなり意地が悪いクエストだ。

参加人数は15名に対して入手できるカードは一枚であり、スペルカードで増やしても最大で3枚だ。

この場合個人での入手は困難であり、できれば1グループで取るのが望ましい。まあ妥協しても3グループか。

俺への勧誘が数合わせなのはすでに攻略のための人数はそろえたからか。

3グループでの共同戦線での数合わせだとしたら交渉の余地も無いか…

まあそれでも一応この話に乗ってみるべきか?

もしかしたら交渉の余地が有るかもしれないしね。

「本当に危険は無いんですね?」

「ああ、約束するよ」

俺はソラ達に念話で事情を説明して、3人の男達に付いて行った。

途中何人か俺と同じように勧誘を行い、恐らく主戦力と思われる人たちと合流する事には既に夜になっていた。

俺たちを連れてきた人以外にツナギ服の人が二人、子供が三人と…ピエロ?っぽい人が一人。

俺たち数合わせを抜けば9人か。

目の前の集団で一番関わりたくないのはあのピエロだ。

あれとは関わらない方が良いと、すでに磨耗した過去の記憶が警鐘している。

見ただけでは相手の正確な強さは測れはしないが…そうだな、う~ん、上の上。母さんと同じくらいか?

それと一番小さな女の子。

…この子は見た目通りではなさそうだ。

歩く身のこなしが武道の達人の雰囲気を無理に濁しているような感じが感じられる。

まあ、気のせいかもしれないけどね。

そして銀髪と黒髪の男の子二人。

この子達はまあ、中の下くらい?

ただ、伸びしろはかなり大きそうだから将来化けるタイプだろう。

何だろう…黒髪の男の子と関わると理不尽な事に巻き込まれそうな気がするのは。

後、銀髪の男の子。あからさまに此方に「まあ、使えなくてもしょうがないし、こんなもんだろ」的な侮蔑しているような感じの視線を送ってくるのは止めてくれないか。

他のメンバーはまあ、中の上位かな。

この集団のリーダー格はツナギを着た髭の中年男だろうか。

簡単にこれからの説明を俺たちにする。

指定カードを取るために協力して欲しい。

戦力としては数えていない。

しかし、取り方についての情報のリークは止めて欲しい。

クエストが終われば離脱(リーブ)のスペルカードを与える。

簡単に纏めるとそんな感じ。

説明が終わると髭の男、ツェズゲラがバインダーから一つカードを抜き取った。

同行(アカンパニー)を使用する。集まってくれ」

その言葉で彼から半径二十メートルに集まる。

「アカンパニー・オン。ソウフラビ」

何かに引っ張られるように宙を舞い、俺たちはソウフラビへと到着した。

連れられて来たのは海岸にある灯台。

灯台と言うよりは要塞と言ったほうがしっくりくるような建物。

その中には体育館ほどの大きさの部屋があり、中はバスケットゴール、バレーボールコート、跳び箱等があり、やはり体育館然としている。

中にはヘンテコな帽子をかぶった自称海賊が遊戯に励んでいた。

「おや、中々早かったね」

ヘンテコな帽子の中で一際威圧感のある大柄の男が此方に気づいて声をかけてきた。

うわぁ、なんか昔と違って角が取れているような印象だけど、あれはレイザーさんだねぇ。

この10年でさらに力を増した感じだ。

「ルールについての説明は必要かな?」

「いや、いい」

断りやがった…

前もって誰かから聞いていたのだろう。

俺たちみたいな数合わせ組みに詳しい事情なんて必要ないかも知れないけれど…

「そうか、それじゃあ始めよう」

その合図で館内に居たほかの海賊達の中から一人進み出た。

「一番手は俺だ。勝負形式はボクシングだ」

勝負が始まる。

ボクシング、ボウリング、フリースローと此方が3勝した所で海賊の一人が内輪もめを始める。

何か行き違いが発生したらしい。

銀髪の少年との因縁があるようで、スポーツでは無く、殺し合いがしたいらしい。

…が、レイザーさんがそれを許さなかった。

仲間を扇動し、反乱を持ちかけた所でレイザーさんが一発の念弾で鎮圧した。

相手は脳天を貫かれて即死、場にいたたまれない雰囲気が流れる。

「よし、次はオレがやろう」

海賊の死体は他の海賊が引きずっていた。

「さて、オレのテーマは8人ずつで戦う…ドッジボールだ」

レイザーさんからオーラが放たれるとレイザーさんの周りに7人の人型が現れる。

その後レイザーさんは参加人数を8人選んでくれと言った。

8人…今残っている攻略メンバーは6人。

俺たち数合わせの中からも出さなければゲームが成り立たないね。

しかしこれは…

「ちょっと待てよ、勝敗はどう決めるんだ?」

ゴリラ顔の男がレイザーさんに質問する。

さらにツナギ服の男性が追随するように質問を被せた。

一人一勝なんだろう?と。

それに勝ったほうが8勝入ると答えるレイザーさん。

人数あわせの集団に動揺が走る。

最低二人、その数合わせの中から出さなければならないのだから当然か。

数合わせの人に戦力ははなから期待していなかったであろう攻略チーム。

つまり纏がかろうじて出来ている程度の雑魚に声を掛けたと言うわけだ。

オレの場合は…あの時は甘死(とうし)しそうでふらふらしてたからね。雑魚に見えたのだろう。

「オレは嫌だぜ!」

「オレもだ」

数合わせで連れてこられたやつが口々にわめいた。

まあ、自分と相手の力量をはっきりと目の前で感じさせられて恐怖でパニックを起こしかけているね。

今まで黙っていた黒髪の子が声を張り上げ、俺たちだけで(攻略組みの残りのメンバー)やろうと黒髪の男の子が静かに内面から怒りを滲み出しつつそう言った。

その言葉にレイザーさんは否と答える。

それにさらに激怒する少年。

少年の怒声を表情を変えることも無く受け止めるレイザーさん。

さらに怒気を強め、どうして仲間を殺したんだと問い詰める。

その問いに元々死刑囚だったと答えたレイザー。

その返答に驚いて混乱している黒髪の少年は終にこのゲームの真実を知る。

このゲームは現実世界で行われていると。

その答えから何を導き出したのか少年はまさかジンがこのゲームの中に居るの?と口走った。

このゲームの中に!?と、少年は言った。

え?ちょ!?まさか!?

「げぇっ!?ジンの息子ぉ!?」

っは!しまった。余りの事実に叫んでしまった。

「そうか、お前がゴンか」

レイザーさんの雰囲気がガラっと変わる。

そう言えば確か息子に会ったら手加減するなってレイザーさんは言われていたなぁ。

少年の言葉を受けてレイザーさんのオーラが膨れ上がり、びりびりと空気を伝わる殺気。

「やってられねーーよ!オレは死にたくない!」

そう数合わせの一人が言うとそれを追って数人が離脱する。

「あ、おいっ!」

必死にツナギにバンダナの男性が呼び止めようとしたが聞かずに俺一人置いて走り去ってしまった。

「いいよ、行かせろよ」

ゴリラっぽい男性がそう言って止めた。

「けどそれじゃ試合が…」

「オレが3人分になる…」

そう言ったゴリラっぽい男性の側にそれこそゴリラの念獣が現れる。

そっちもやってる事だから問題ないだろう?と。

その問いかけにレイザーさんが答える。

「ああ、問題無い…が、1人余るな」

ああ、オレの事ね。

つか、やべぇよ。

基本的に主人公と言われる人たちとは関わらないスタンスなんだけど?

…今まで(複数回の転生で)そう言って、何だかんだで関わってしまっているな。

どうするか。

「そうだね、彼はどうやら人数合わせみたいだし、此方に来てもらおうか」

は?

何?

ちょっ!?なんでそうなる?

「ダメだよ、その人は戦わないって言う約束で着いて来てもらったんだ」

黒髪の少年、ゴンが正直に言った。

「いいじゃねぇか、ゴン。あっちに雑魚が増えた方がこっちには有利だし」

「でもキルア」

「それにあの男はすでにその気のようだぜ?」

キルアと呼ばれた銀髪の少年が言ったその気と言う言葉。

つまりオレはレイザーさんの念獣に担がれて、今まさにコートの中へと引きずられている最中だ。

「え?ええっ!?」

がっちりホールドされてオレはコートに縫い付けられるようにく拘束されている。

「いいのかなぁ?」と言うゴン少年に、「良いんだよ」と、丸め込みに掛かるキルア少年。

俺が動けずにいた間にドッジボールのルールがレイザーさんから説明される。

レイザーさんのチームは俺が入ったことで念獣が一人減り、レイザーさんプラス俺プラス念獣が6体。

試合が始まる頃になってようやく俺は念獣から解放された。

相手コートには既にゴン達のスタンバイが完了されている。

「ちょっと!?俺に何の旨みも無いんだけど!?なんでオレはゲームに参加させられてんの!?」

流されそうになっていた俺の魂の叫びだ。

「ああ、もし最後まで生き残っていたらゲームマスターであるオレから特別なカードをやろう」

特別なカード?何だろう?

「それに君はこっち側だろう?アイオリア」

ビクッ

そんな会話をしていると、審判がボールをスローイン。ゲームが始まる。

「先手はくれてやるよ」

そう言ったレイザーさんの言葉どおり、スローインを取り合わずに直ぐに念獣をコートに引っ込めるレイザー。

ボールを手にしたのは相手側のゴリラっぽい男、ゴレイヌだ。

「余裕こきやがって…挨拶代わりにかましてやるっ!」

ボールをもって振りかぶり、力強くスロー。

「どりゃ!」

放たれたボールは勢い良く此方へと向かってくる。

「って俺!?」

コートの隅の方にいた俺は迫り来る凶弾を紙一重で避ける。

「わっわわ!」

「こらっ!避けんなっ!当たっとけ!」

避けんなじゃねぇボケっ!

念で強化された球を纏すらまともに纏っていない状態で受けたら大怪我するだろうが!

避けた球はそのまま外野を転がっているが、相手ボールだ。

外野にいるゴレイヌの念獣がボールを取り、内野へと投げ戻した。

「もう一回っ!」

そう言って投げられた球はまたもや俺を狙ってやがる!

だから当たったら骨が逝くだろうがっ!

数合わせ軍団の纏なんて本当にかろうじて出来ていると言った程度だったぞ!?

俺は今度も捕る選択は排除して回避する。

外野へと飛んでいったボールはもう一度ゴレイヌに返される。

「意外に素早いやつめ」

悪態をついたゴレイヌは今度はオレを狙うのを止めて、レイザーの念獣へと放たれた。

放たれたそれはいとも容易くレイザーさんの念獣の一体を撃ち抜く。

ボールはそのまま相手の外野へと転がっていく。

そのボールをゴレイヌの念獣が拾い、もう一度ゴレイヌの投擲。

2匹目の念獣がアウトになり、外野へと移動した。

「よーし、準備OK」

なるほど、簡単にやられすぎだと思ったが、外野を肥やしていたのね。

その後レイザーさんがゴレイヌを挑発。

挑発に乗ったゴレイヌはレイザーさん目掛けてボールを放つ。

それを片手で易々と受け止める。

「さぁ…てと…反撃開始だ」

オーバースローでレイザーさんがゴレイヌ目掛けてボールを投げる。

鍛え抜かれた筋力、膂力、さらに念で強化されたそれはまさしく弾丸のごとくゴレイヌに迫る。

うわぁ…あんなの食らったら死なない?

オレなら避ける…が、しかし、ゴレイヌにそこまでの思考速度と決断力は無かったのか、それとも捕ることにしたのかゴレイヌは動かない。

スパァンと小気味いい音が響く。

ボールが当たる直前、ゴレイヌの姿がブレたかと思うと一瞬でその姿が外野にいたはずの白いゴリラの念獣に変わった。

瞬間移動?

ゴレイヌはどうやら外野にいるし、ゴレイヌのいた場所には念獣(イメージを保てなくなったのかすでに存在しない)がいた。

念獣と自分を入れ替える能力。

それも行使から入れ替わるまでの時間はコンマ一秒も無い。

…入れ替わる性質上、何処でも移動できるわけではないのだろうが、凄い能力だな。

ボールは念獣に当たると、当たり所が良かったのか、此方のコートへと返ってきた。

その後ゴレイヌは外野からは戻れないとの裁定で、相手の白いゴリラがアウトとなり、試合再開となる。

「さあ次行くぞ!」

再び放たれる凶弾。

しかし、今度は外野へのパスだったようだ。

それを目にも留まらぬ勢いで外野3人とレイザーさんで回し、少しずつ相手の取れる選択肢を減らして行く。

うわぁ…流石に外野が肥えてからがこのゲームの真価が発揮されるねぇ。

メキメキっ

終に反応できなくなったツェズゲラにヒットする。

当たる直前仲間の掛け声でどうにか背後から忍び寄る凶弾に備え『流』でガードしたお陰で生命に関わる怪我は負わずに済んだようだ。

とは言え大怪我は負っているので戦力外だろうが。

さて、今度は攻守逆転だ。

キルアが拾ったボールをピエロの青年、ヒソカに手渡した。

ヒソカの投げた球はレイザーさんの念獣に当たると、何かに引き寄せられるかのようにヒソカの手元へと戻った。

…ボールにオーラが引っ付いているのが見えるからそれで引っ張ったようだ。

見た感じオーラの接着と伸縮と言ったような能力か。

さらにヒソカは振りかぶると一直線にオレに向かって振り下ろしす。

っ!?またオレかよっ!

前の二回は偶然を装い避けたけれど、この速度は流石に数合わせの雑魚では避けれない。

と言うか、当たり所が悪ければ死にかねない威力だ。

あのピエロ野郎っ!

俺は瞬間的に『練』でオーラをひねり出し、両手と両足に攻防力を移動させると正面からヒソカのボールを受け止める。

受け止めたボールをヒソカの念能力で引っ張られているが、両足で踏ん張って耐える。

しばらく引っ張ってみて俺が放さないのをさとったのか念能力を解除した。

「やっぱり実力を隠してたね◆」

ぞぞぞっ

なんか全身に寒気が走る。

「どういう事?ヒソカ」

ゴンがヒソカに聞き返した。

しかし、それに答えたのはキルアだった。

「数合わせの雑魚なら今のヒソカの球なんて絶対取れなかったよ。…ちっ、アイツ、実力を隠してやがったんだ」

「そういう事◆」

隠していたんじゃなくて、聞かれなかっただけだもん。

さて、どうしたものかね。

「本気でやりなよ」

レイザーさーん…

躊躇していた所に釘をさしに来たレイザーさん。

その体からほんのちょっぴり怒気がもれてますからっ!

…仕方ない、頑張ろう。

しかし、本気…ねぇ。

「レイザーさんに釘を刺されたので、恨むならレイザーさんを恨んでね」

練で増幅したオーラで四肢を強化する。

「凄いオーラだ」

ちりちりと空気が振動する。

「今までとは別人のようだわさ」

わさ?

お嬢ちゃん、なんかおばさん臭いよ。

とっとと。気を取り直して、俺は右手にドッジボールを掴み振りかぶる。

「ドッジボール分身の術」

どりゃっ!

狙うはピエロ服の男、ヒソカ。

俺の手から離れたドッジボールは5つに割れたように分裂する。

「!?」

行き成り目標が増えたため、一瞬動揺するヒソカ。

「増えた!?」

俺のボールを横目で確認して驚愕するゴンとキルア。

既にそのボールは全てを回避できるようなタイミングではないし、その全てを捕球するのは不可能。

凝を使えば見極められるだろうけれど、射出から着弾まで1秒ほどの中で全ての球を確認して確かめるのは至難の業だ。

ヒソカは一番早く当たりそうなボール一つに狙いを定めると自身の念能力をその両手に纏わせて捕球の姿勢に入る。

が、しかし、それはフェイク。ただの虚像だ。

それがヒソカの右手を通過するとその他のドッジボールが次々にヒソカの体を透過する。

そして本命の四つ目。三つ目の球の影に隠れるようにして潜んでいた球が鈍い音を立ててヒソカの体にあたり、跳ね返って空中を舞う。

そのボールは大きく後ろの方、俺達の外野の方へと飛んでいく。

このまま地面に落ちればアウトだったのだのだが、空中でやはり、先ほども見た伸縮するオーラの糸につかまり、ヒソカの腕へと落ちてくる。

セーフ。

うーむ、流石にそう簡単にはいかないか。

「大丈夫?ヒソカ」

ゴンが少々心配そうにヒソカに問いかけた。

「大丈夫だよ◆ちゃんとオーラでガードしたからね◆ただ、罅が何本か入っちゃったかもしれないけど◆」

「それにしても、アイツの能力。多分幻影とかその辺を作り出す能力みたいだ」

キルアが一回見ただけで先ほどの技の本質を見抜いたようだ。

「そうだね◆5個中4個はフェイクだったからね◆」

しかし残念ながら先ほどのは汎用技だ。

一人につき少数しか固定能力を持っていないとの念能力の常識に囚われていて、幻影作成が俺の固有念能力だと勘違いしている。

その後の相手の攻撃はレイザーさんが捕球。

此方の攻撃だ。

その後、もう一度レイザーさんの念獣をアウトにしようとして、今度はこちらが捕球してレイザーさんの攻撃。

ゾゾゾッ

うわぁ…凄いオーラだ。

レイザーさんの割と本気の一撃を受け止めようと、相手は『堅』を使用した。

その行動にレイザーさんからのプレッシャーが増す。

『堅』が使えるならば死ぬ事は無いだろう…と。

オーラの密度がボールに集約していく。

「行くぞ、ゴン!!」

ゴンを狙うことに決めたらしい。

「来い!!!」

うわぁ、ゴンは凄いね。

俺なら逃げる所を真っ向から受け止める事を選んだようだ。

渾身の力で撃ちだされてボールは一直線にゴンに迫る。

その威力はミサイル並だ。

あれは流でも無理かも…

ボールにぶち当てられてゴンは吹っ飛んで行き、後ろの壁に激突してようやく止まった。

…咄嗟に『硬』で局部を守ったように見えたから死んで無いだろうが。

瓦礫の中から這い出して来たゴンは外傷は見えるが、致命傷を負っているようには見えない。

少し休めば復帰可能だ。

外野から1ゲーム中に一人だけ内野に戻る事ができる。

その権利は自分が使うとごねるゴン。

流石にジンの息子。

ジンはいい意味で人の言う事を聞かない人だったけれど、ゴンは悪い所だけ似たか?

ゴンは外野、ボールは相手ボールで試合再開。

しばらく時間稼ぎに内野、外野でパスを回していた敵チームだが、突然ゴレイヌが本気で自分の念獣に向かって投擲したかと思うとレイザーの体が一瞬で黒いゴリラの念獣と入れ替わっていた。

な!?他者との入れ替えだと!?

念能力の距離や条件は分らないが、この能力はやばくね?

油断していたとは言え、レイザーさんすら察知できずに入れ替えられた。

初見で使われると避けるのが容易では無いだろうし、念獣の背後で攻撃準備して、インパクトの瞬間に入れ替えられたらよほどの事が無ければヤられること必死!

ボールはレイザーさんの顔面を殴打して大きく跳ね返り敵チームの外野へ。

しかし、曲芸師もどきのアクロバティックなレイザーさんの念獣が空中キャッチ。

そのまま空中で投げ返してきたのでレイザーさんはアウトにならず、流石にムカついたのか外野にいるゴレイヌに向かって投擲。

まさか自分にむかって飛んでくるとは思わなかったゴレイヌはモロに顔面に直撃を食らってノックアウト。

気を失ったためか、内野にいたゴレイヌの念獣は消失した。

どうやらオートではなくリモートだったらしい。

さらに次の投擲で相手コートの一人をアウトにして残りはキルア、ヒソカの二人になる。

その時、終にゴンがバックを宣言。

相手ボールで試合再開。

何かを話し合った後、キルアが両手で上下に挟むようにボールを固定。その後ろにゴンが構えた。

全身から迸るオーラを全て右手に集めるのが見て取れる。

『硬』だ。

そしてゴンはそのままその拳をボールにたたきつけた。

レイザーさんの投擲もかくやといった威力で打ち出された球は、レイザーさんの念獣は瞬間的に合体してその力強さを増したが受け止める事は出来ず、外野へとはじき出されてしまった。

そして二発目。

先ほどよりもさらに多くのオーラを込めて打ち出された球は一直線にレイザーさんへと迫る。

しかし、流石はレイザーさん。

レシーブの要領で勢いを殺して球の威力を殺して上方へと打ち上げた。

しかし、打ち上げたのがまずかった。

ヒソカが念能力で吸着、伸縮させて手元へと渡ってしまっためレイザーさんはアウト。

「やるね…」

そう言いながらレイザーさんはバックを使わずに外野へと行ってしまった為内野は俺一人。

バックは使用していないが、どうしようかね…

ゴンの攻撃ははっきり言えば大砲のそれだ。

威力、速度共に申し分ない威力だけれど、動き回る敵に対して果たして当てられるだろうか?

さらに言えば、神速を行使できる俺は打ち出されてからかわせる自信がある。

避けてしまえば面倒が無くていい。

ゴンの攻撃をそのまま外野が受け取る事は難しいし、オーラの消費も激しい故に何回も連続での使用は不可能だろう。

見たところ、ボールを持っているキルアも手のダメージが絶大だ。保って後2回ほどが限界か。

つまりあと2回避ければ相手の最大攻撃力は失われると言うわけだ。

相手コートでキルアがボールを構え、ゴンがオーラを込め始める。

俺、直球勝負ってあんまり好きじゃないんだよ。

だけど、もう古い約束だけど、俺もレイザーさんと同様にジンからもしもジンの息子と敵対したら全力で相手をしてやれと言われていたっけ。

「じゃん、けん…グーっ!!!!」

じゃんけんに見立てて打ち出された右拳はボールの真芯をとらえ、物凄い威力で此方に向かってくる。

「すげぇ」
「アレは取れないだろう」
「下手すればアイツ死ぬんじゃないか?」

等、ツナギ服の男たちが口々に言っている。

迫り来るボールをオーラで攻防力の増した両腕でキャッチし、オーラで強化した下半身はその威力に後ろへと引きずられながらも体勢を崩す事は無い。

しかし、押しやられた俺の踵はすでに後ろの白線の直ぐ側まできている。

外野での捕球はルール上アウトだ。

このままでは確実に白線割れだ。

俺は迫る白線の前に自分でコートを蹴りジャンプした。

支えるものが無くなって体ごとくるくると回転しながら後ろの壁目掛けて飛んでいく。

「やった!」
「勝ったぞ」

ツナギ服の集団が早くも勝利宣言。

しかし、残念だったな!

『フライ』

空中で体勢を整えるとグッドタイミングでソルが飛行魔法を行使してくれた。

ふよふよ飛びながら外野に着地する事も無く内野へと着地する。

「飛んだぁ!?」
「そんなっ!」
「そんなの有りかよ」

瞬間移動が有りならば飛ぶくらい有りに決まってんだろうがツナギども#

さて、正面の敵を見据える。

ゴンは何故かきらきらした目でこちらを見てる。

キルアは少しの驚愕とほんの少しの絶望。…まあ、空を飛べる相手にどうやってライン越えを狙えと言うのか、等と考えているのだろう。

ヒソカは…見なかったことにしよう。なんかいやらしい笑みで此方を見ているような気がする。

「ちっ、どうにか奴からボールを取らないと。…認めたくねぇけど…強いよ、アイツ」

キルアがそう悪態をついた。

「うん。今のは確実に行けたと思ったんだけどね」

ゴンがそう相槌を入れる。

「でも、次は行ける!」

「その前にアイツの幻影攻撃を何とかしないとだろう!」

「そうだった。どうしよう?」

「ったく、あんまこんな賭けみたいな事やりたくないんだけど…」

そう言いながらひそひそと作戦会議。

待っていてやる義務は無いんだけど?

とは言え直ぐに結論が出たみたいだから数秒も掛かってないのだろうけど。

見ればどうやら全てを捕る方向で決まったらしい。

ヒソカを真ん中にヒソカの念能力であろう変化したオーラを風呂敷のように広げ、俺が投げた球を全て包み込む作戦のようだ。

…まぁ、確かに賭けだねぇ。

俺が直球でゴン達目掛けて投げなければ全く意味を成さない。

と言うか、レイザーさんは外野にいるんだからパスしたら終わるんじゃないか?

いや、まあそこまでは考えているか。

レイザーさん自身の直球さえ食らわなければ念獣の攻撃は個人でも捕球できると踏んだのだろう。

つまり俺がパスを出した瞬間にバラけるのだろう。

さらに俺の投球は威力が低いと思われている、と。

「来い!」

ゴンが気合を入れて叫ぶ。

なんかちょっと腹立つなぁ…

確かに俺は特質系だし、確かにレイザーさんのような剛球は投げられないけれど。そこを技術でカバーするのが俺だ。

ボールを俺が放出したオーラが包み込む。

ボールが俺の手のひらで少し浮いた。

そのオーラをボールの表面で乱回転。

「ゴン!ヒソカ!パターン2だっ!」

キルアの声でゴンとヒソカがすばやく動いた。

ゴンが捕球体勢、それを支えるようにキルアが背中合わせで立ち、それをヒソカが一番後ろで包み込むように構える。

対レイザーさん用に考えたのだろう。三人で直球を取る構えだ。

それにしても、一瞬で俺のコレがやばいと理解した上で、瞬時に実行させたキルアはスゴイ。

だけど、体勢が整ったからと言ってこれが取れると思ったら大間違いだ。

「オラァっ!」

振り上げた俺の手から離れて投げ出されたボールは、周りの空気を切り裂いてゴン達へと迫る。

「くっ!?」

バシッ

ドゴンッ

パラパラっ







「ゴン選手、アウトっ!」

審判が声高らかに言う。

俺が投げたボールはゴンの『硬』によるグーパンチでその軌道をそらされ、後ろの壁を貫通してどこかへ飛んでいってしまった。

捕球できないと感じるや否や直ぐに行動できたゴンはさすがだ。

なんていうか野生動物なみの勘のよさと瞬発力だった。

「ゴンっ…」

キルアが心配そうに声を掛けた。

「つうっ…大丈夫。『硬』でぶん殴ったから。でも軌道を変えるのが精一杯だったね」

「ああ、そうだな…」

「それにしてもさっきのどうやったんだろう?」

「あ、ああ。…おそらく放出したオーラを乱回転させて纏わせたんじゃないかな。…あのまま取ろうとしても多分回転に負けて取りこぼすか、又はゴンの両腕がつぶれていたかもしれない…弾いて正解だったよ」

だから初見で見破らんでください…

頭の良いやつはキライです。

「レイザーチームの外野から新しいボールでスタートです」

ああ、外壁も床扱いだし、どこに行ったか分からないけれど内のチームの外野の外壁に穴が開いているね。

さて、後二人だ。

「それっ、ボールだ」

ちょっ!

レイザーさん、なにこっちに普通に投げてるかね?

自分で投げればよかろうに…まあ、キルアの手はボロボロだし、ヒソカの右手も何本か逝っている。

まあ、ここらで終わりだろう。

例え俺がアウトになろうともその刹那にレイザーさんがバックを宣言するだろうし、あの二人にレイザーさんの球を捕球できるとは思えない。

ボールがこちらに投げられて空中を舞っている間に少しズルいけれど印を組んでっと。

『影真似の術』

俺の影から伸びた影は俺へのパスのために振り返るよりも速く二人の影を捉える。

パシッ

そしてレイザーさんからのパスを右手を上げて捕球。

「なっ!?体が勝手に…」
「これは?」

二人は俺と同じように右手を上げた状態で止まっている。

「まさか奴は操作系能力者!?」

残念、俺は特質系だよ。

そしてこれは忍術だから、単純に技術だ。

さて、まずは面倒なヒソカからだ。

俺から見たら背中で隙だらけ。

「それ」

今までの球と比べると割とゆっくりと放物線を描いてボールはヒソカの背中に当たり、バウンドして此方のコートへと戻ってきた。

「ヒソカ選手、アウト!」

審判のジャッジの声。

さらに続けてボールを投げる。

「キルア選手アウト! よってこの試合レイザーチームの勝利です」

審判の試合終了の宣言。

うわぁ…ツナギの集団からの視線が痛い。

何だよ!勝っちゃ悪かったのかよ!

外野から俺にレイザーさんが近づいてきた。

「まさか、あんな技を習得しているとはな」

「まあ、俺にも色々あったんですよ…」

「さて、これが約束のカードだ」

渡されたカードを確かめる。

ランクはSS

カード化限度枚数は1枚。

完全再生(パーフェクトリサイクル)?」

「効果はどんなランクのカードでも再びカード化できる。ただし特別スペルカードだから擬態(トランスフォーム)は使えない」

なるほど。

しかし、使い道あるのか?このカード。

まあ、もらえるものは貰っておくけど。

「懐かしい話は今度ソラフィアを連れてきたときにでもしよう」

敗者は去るのがルールだ。

俺は勝者だが、チームとしては負けているので去らねばならない。

「…又来ます」

レイザーさんに見送られて灯台を出る。

外に出ると攻略組の面々が俺が出てくるのを待っていた。

「ったく、あんたの所為で負けちまったじゃねーか」

「キルア、でもそれはオレ達が弱かったからだよ」

そうかもしれねーけど、と、悪態をついている。

それを嗜めてゴンがオレに声を掛けた。

「それよりもオレ達このイベントの攻略を続けようと思ってるんだ。それで、アイオリアさんにも手伝ってもらえたらなって思って待ってたんだ」

今度は本気の勧誘か、相変わらず直球な奴だね。

まあ最後に見せた影真似の術はドッジボールには有効な能力だからねぇ。

動きを止めてしまえば先ほどのように一方的にたこ殴りだ。

「手伝うのは良いけれど、俺にも『一坪の海岸線』を得る権利はるの?」

既に取り分け配分の話は終わってるんじゃないのか?

その問いに答えたのはツェズゲラ

「10億ジェニーでどうだろうか?」

ジェニーって…いらねぇ…元の世界に帰る算段が付いているのにこの世界のお金なんてただの紙切れだ。

「お金なんて要りません。欲しいのはあくまでもカードです」

「君はオレ達を騙していたのか?」

なにを騙していたものか。勝手に俺の事を現実に帰れずにフラフラしている雑魚と勘違いして勧誘したのだろうに。

「言い訳のように聞こえるかもしれませんが。勧誘があった時に、大人数参加型のイベントだろうとは考え付きました。それに貴方たちがカードを取ったとして、力ずくで強奪しようなんて考えてませんでしたよ。ただ、どのような人たちに渡ったのか、交渉はできそうかと言った偵察を兼ねていたのは否定しませんが」

「君もバッテラ氏の懸賞金が目当てなのだろう?」

「懸賞金?そんなものは要りません。俺が欲しいのはクリア報酬です」

「…なるほど、クリアするとゲーム内のカードを島外に持ち出せると言うが…そちらが狙いか?」

「はい」

俺の答えを聞いてなにやら相談し始めるツェズゲラ。

話がまとまったようでツェズゲラさんが改めて此方に向きなおる。

「オリジナルはやれないが、協力してくれるならコピーでよければ一枚君に渡そう。それで手を打ってくれないか?」

ふむ。オリジナルじゃないのは色々と面倒だが、まあ、いいんじゃないかな? 
 

 
後書き
ドッジボール編終了。
オリ主が敵でも良いじゃない!
ドッジボール…正直影真似一つで終了しますよね?…最初に書いたのはゴンへの螺旋丸?もどきの攻撃は無かった!けれど…やらないとなんかしょぼいし…
あ、期待されてるかもしれませんがVSヒソカはありません。きっと団長ラブな時期なんです… 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧