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詩集「棘」

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Gradation Sky



傾く陽射しに うつろう空の色
刻々と陽を追うように変化する
愛しい人が去るのを止めるかのように…

疲れた躯を引き摺るように
家路を急く人々の足音
波のように大きく寄せては
緩やかに…引き返してく…

Gradation Sky
僕の目先では忙しい日々が流れてる
会えない君を想って空を見上げれば
哀れみ零すオレンジ色の世界が
僕をどこかへと誘っていた…


真昼のアスファルトの照り返しは
どうしたいのかと僕を急き立ててる
途惑うように白い雲一つ流れてた

こんな小さな箱庭の中じゃ
君は生きれないと翔んでった
僕一人この空の下へと
残され…滅びを待ってる…

Gradation Sky
雨は上がって青空が見えているのに
どうして心に虹は架かってくれないの?
夕も過ぎ行く藍色の空を見れば
君のところへ行ける気がしたよ…

人と人とが本当に想い合えたなら
争いは何一つなくなることでしょう
世界を彩るこの Gradation Sky
見上げて愛しい人…想っていましょう…



 
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