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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第10話『ファースト・アラート 2』

 sideカリム・グラシエ









シャッハ「騎士カリム、騎士はやてがいらっしゃいました」


 書斎で仕事をしていた私にシャッハからの通信が入った。


カリム「早かったのね、私の部屋に来てもらってちょうだい」

シャッハ「はい」

カリム「それと、紅茶を二つ。ファーストリーフのいいところをミルクと砂糖付きでね」

シャッハ「かしこまりました」


 一礼してからシャッハは通信を切った。
私は、執筆している書物を書き終えペンを置く。それと同じ頃部屋の扉がノックされる。


カリム「どうぞ」


 扉が開きはやてがフードを脱ぎながら入ってきた。


はやて「カリム、久しぶりや」

カリム「はやて、いらっしゃい」









 side八神はやて









はやて「ごめんな。すっかりご無沙汰してもうて」

カリム「気にしないで、部隊の方は順調みたいね」

はやて「カリムのお陰や」


 そう言いながら私は一口紅茶を啜る。
うん、いつもながらおいしいお茶やな。


カリム「そう言って貰うと、お願い事がしやすいかな……」

はやて「なんや?今日の合って話すのはお願い方面か?」


 私が少し冗談めいてカリムに言うと彼女は持っていたクッキーをおいて深刻な顔をする。
そして、少し間をおいてからパネルを操作して部屋のカーテンをすべて閉めた。いったいどないしたんやろか……。


カリム「これを見てもらえる?」


 するといくつかのモニターが現れそこにはよく見知ったものが映し出されていた。


はやて「これは…ガジェット……いやでも……見たことの無いのまである、新型か?」

カリム「そう、今までの1型以外に新型が2種類……戦闘性能はまだ不明だけど……これ」


 カリムはその中の一つを拡大する、人と比較すると結構な大きさやね。


カリム「3型は割と大型ね。本局にはまだ正式報告はしてないわ、監査役のクロノ提督にはさわりだけお伝えしたんだけど…」

はやて「……これは!」


 複数のモニターの中で一際目を引いたのはアタッシュケースの様な物。
おそらくカリムの話の本題はこれやろうな。


カリム「それが今日の本題。一昨日付けでミッドチルダに運び込まれた不信貨物―――」

はやて「レリック……やね」

カリム「その可能性が高いわ。2型と3型が発見されたのも昨日からだし」

はやて「ガジェット達がレリックを見つけるまでの予想時間は?」

カリム「調査では早ければ、今日明日」

はやて「…せやけど、おかしいな。レリックが出てくるのがちょい早いような……」

カリム「だから合って話したかったの。これをどう判断すべきか、どう動くべきか…。レリック事件もその後起こるかもしれない事件も対処を失敗するわけには……いかないもの」


 いつになく真剣な顔をするカリム……そんなに肩肘はっとたらいけんよ。
とりあえずカーテンを開けて部屋を明るくする。


カリム「はやて…?」

はやて「まあ、なにがあってもきっと大丈夫。カリムが力を貸してくれたお陰で部隊はもういつでも動かせる即戦力の隊長達はもちろん新人フォワード達も実践可能、予想外の緊急事態にもちゃんと対応できる下地はできてる、せやから大丈夫!」









 魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
 第10話『ファースト・アラート 2』









 sideカズマ・キサラギ









スバル「うわぁ…これが――」

ティア「あたし達の、新デバイス……ですか?」


 スバルとティアは自分たちの目の前に浮いているデバイスを見ているエリオとキャロも同じだ。てか……俺のデバイスは何処だろう……。


シャーリー「設計主任は私、協力、なのはさん、フェイトさん、レイジングハートさんにリイン曹長」

ティア「はぁ……」

エリオ「ストラーダとキュルケイオンは変化はなし……かな?」

キャロ「うん……そうなのかな?」

リイン「ちがいま~す」

エリオ「あ」

リイン「変化がないのは見た目だけですよ」

キャロ「リインさん」

リイン「はいです~」


 リインさんがエリオの頭の上に立つ。
しかし、すぐに2人の前に移動した。


リイン「二人はちゃんとしたデバイスの使用経験が無かったですから感触に慣れてもらうために基礎フレームと最低限の機能だけで渡していたです」

エリオ「あ、あれで最低限!?」

キャロ「ホントに……?」

リイン「みんなが扱う事になる4機は六課の前線メンバーとメカニックスタッフが技術と経験のすいを集めて完成させた最新型」


 再び中を舞い4人の中心に移動する。
 あれ?……今4機って言わなかったか?


リイン「部隊の目的に合わせて、そしてエリオやキャロ、スバルにティア個性に合わせて造られた文句なしのに最高の機体です」


 そう言ってリインさんが両手を広げると4機のデバイスが周りに集まりそして、4人それぞれに渡される。
なんか、俺の存在忘れられてないか?


リイン「この子達はみんなまだ、生まれたばかりですがいろんな人の思いや願いが込められていていっぱい時間をかけてやっと完成したです。ただの道具や武器と思わないで大切に、だけど性能の限界まで思いっきり全開で使ってあげて欲しいです」

シャーリー「うん。この子達もきっとそれを望んでると思うの」

カズマ「あの~………お取り込み中申し訳ないんですが」


 さすがにもう存在が空気なのは絶えられない。これ以上されると泣いちゃうよ、俺。


カズマ「俺のは……どこにあるのでしょうか?」

シャーリー「ああ、大丈夫。もう少ししたら来るから」


 ああ、よかった。俺だけ仲間外れにならなくて。


なのは「ごめんごめん、お待たせ」

リイン「なのはさん」


 アタッシュケースを持った、なのはさんが入ってきた。
そして、アタッシュケースを机に置いた。


スバル「あの、これには何が入っているんですか?」

キャロ「随分、頑丈に作ってありますねこのアタッシュケース」

シャーリー「カズマくんのお待ちかねの品よ。開けてみて」

カズマ「え…あ、はい」


 言われた通りアタッシュケースを開ける。
中にはレイジングハートさんより濃い紅色のした丸い宝石がついたペンダントが入っていた。


カズマ「これって……」

シャーリー「そう、これが君の愛機(パートナー)、名前は『ブレイブハート』」

カズマ「ブレイブ……ハート…」


 ん?……なんか、名前がレイジングハートさんに似ているような気がするのだが…。


ティア「名前がレイジングハートさんに似ていますが、そこは何かあるんですか?」

なのは「それはね、そのデバイスのAIとスペックがレイジングハートをほとんど、元になっているからそれならもう名前も似せちゃおうってことになったの」

カズマ「それじゃあこれはレイジングハートさんの姉妹機って事…なんですね」

なのは「うん。まあ、そんなところ……かな」


 なんか歯切れが悪いような気が……気のせいかな?


シャーリー「さて、それじゃあそろそろ機能説明を始めようか」

なのは「うん。お願いね、シャーリー」

シャーリー「はい、なのはさん。それじゃあまずは、その子達みんな何段階にわたって出力リミッターをかけているのね。一番最初の段階だとそんなにビックリするほどのパワーが出る訳じゃないから、まずはそれで扱いを覚えていって」

なのは「……で、各自が今の出力を扱えられるようになったら私やフェイト隊長、リインやシャーリーの判断で解除していくから」

リイン「ちょうど、一緒にレベルアップしていく様な感じですね」


 一緒にレベルアップ……か。よし、大事に扱ってやろう……うん。


ティア「出力リミッターと言えば、なのはさんにもかかっていますよね?」


 俺が心の中で色々決意している間にティアが訪ねる。


なのは「ああ、私たちはデバイスだけじゃなくて本人にもだけどね」

スバル「え!?」

エリオ「リミッターがですか!?」

なのは「能力限定って言ってね、うちの隊長と副隊長はみんなだよ。私とフェイト隊長、シグナム副隊長とヴィータ副隊長」

リイン「はやてちゃんもですね」

なのは「うん」

カズマ「それって、部隊ごとに保有出来る魔導師ランクの総計規模が決まっているから…ですか?」

リイン「その通りです♪」


 俺の回答にリインさんはよく出来ましたみたいな笑顔で俺の方を見た。


リイン「一つの部隊で沢山の優秀な魔導師を保有したい場合はそこに上手く収まる様に魔力に出力リミッターをかけるですよ」

シャーリー「まあ、裏技ちゃあ裏技なんだけどね」


 ……なるほど、だからこの部隊にあれだけの人たちを集めることが出来た訳か。


なのは「ちなみに、うちの場合だとはやて部隊長は4ランクダウンで隊長達は大体2ランクダウンかな」

ティア「4つ!?八神部隊長ってSS(ダブルエス)ランクのはずだから……」

エリオ「A(エー)ランクまで落としているんですか?」

リイン「はやてちゃんも色々苦労しているんですぅ……」

スバル「あの……なのはさんは…」

なのは「私は元々S+(エスプラス)だから2.5ランクダウンでAA(ダブルエー)だからもうすぐ1人でみんなの相手をするのは辛くなってくるかな」

リイン「隊長さん達は、はやてちゃんの、はやてちゃんは直接の上司のカリムさんか部隊の監査役、クロノ提督の許可が無いとリミッター解除は出来ないですし……許可は滅多な事では出せないそうです……」


 そうだったのか、はやてさんはかなり無理をしたんだな……。


なのは「まあ、隊長達の話は心の片隅くらいでいいよ。今はみんなのデバイスの事」

全員「はい」

シャーリー「新型もみんなの訓練データを基準に調整してあるから、いきなり使っても違和感は無いと思うんだけどね」

なのは「午後の訓練にでもテストして微調整しようか」

シャーリー「遠隔調整も出来ますから、そんなに手間はかからないと思いますよ?」

なのは「便利になったよね、最近は」

リイン「便利です♪」

シャーリー「あ、スバルの方はリボルバーナックルとのシンクロ機能も上手く設定出来てるからね」

スバル「え!?本当ですか!?」

シャーリー「持ち運びが楽なように収納と瞬間装着の機能もつけておいた」

スバル「あ、ありがとうございます!」


 まあ、あれは重いし嵩張るからな。


シャーリー「あと、カズマくん?」

カズマ「は、はい!」

シャーリー「君の新型は特に珍しいものだから慣れるまで時間がかかるかもしれないわ」

カズマ「珍しいって?」

シャーリー「まあ、今のうちに説明しといた方がいいかな。これを見てくれる?」


 モニターに映し出されたのは一本の剣と一丁の銃、もしかしてこれが……。


ティア「これが、カズマの……デバイス?」

なのは「そう、今局で制作途中の最新型二つで一対の特殊な構造で近接攻撃~遠距離攻撃つまり、一人でフロントアタッカーからセンターガードまでこなすことが出来る様になるというコンセプトでつくられたの」

カズマ「俺がフロントアタッカーを……ですけd―――」


 その時突然警報音と共に赤いランプ点滅しだしモニターには『ALERT』の文字が映っていた。

カズマ「!?……このアラートは―――」

エリオ「一級警戒態勢!?」

なのは「グリフィス君!」


 なのはさんの呼び声にモニターの一つにグリフィスさんが映る。


グリフィス『はい!教会本部から緊急要請です!』

はやて『なのは隊長、フェイト隊長、グリフィス君!こちらはやて!』

フェイト『状況は?』


 別の二つのモニターにはやてさんとフェイトさんが映った。


はやて『教会騎士団の追ってた、レリックらしき物が見つかった。場所はエイリの山岳丘陵地区。対象は山岳リニアレールで移動中』

フェイト『移動中って……』

なのは「まさか!?」

はやて『そのまさかや、内部に進入したガジェットのせいで車両の制御が奪われてる。リニア車内のガジェットは少なくても30体、大型や飛行型の未確認タイプも出とるかもしれへん』


 未確認タイプっていったいどんな奴なんだろう。
また、面倒くさい事になりそうだな……それになんか嫌な予感がするんだよな……まあ、それでも行くけどね。


はやて『いきなりハードな初出動やなのはちゃん、フェイトちゃんいけるか?』

フェイト『私はいつでも!』

なのは「私も!」

はやて『スバル、ティア、エリオ、キャロ、カズマくん。みんなもOKか?』

F全員「はい!」

はやて『よし、いいお返事や。シフトはA-3、グリフィス君は隊舎で指揮、リインは現場官製』

グリフィス&リイン『はい!』

はやて『なのはちゃんとフェイトちゃんは戦闘指揮』

なのは「うん!」

はやて『ほんなら…機動六課フォワード隊出動!』

全員「はい!」

フェイト『了解!。なのはみんなを先行して私もすぐにいくから』

なのは「うん!……それじゃあみんな行くよ!」

F全員「了解!」


 さて、長い一日が始まりそうだな……。 
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