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歌集「春雪花」

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 幾千の

  溜め息洩らし

   想いしも

 君の返りし

    こともなかりき



 どれだけ溜め息を洩らし、どれだけ彼を想っていたとしても…彼はもう居ない…。
 たとえ数日帰省したとしても…私になぞ会いたいとは思うまい…。

 以前と同じようには…もうならないのだ。

 そう…時は返らないのだから…。



 いつの日か

  届く想いも

   ありしかと

 いと侘しくも

    筆を取るなり



 想いはいつか…届くかも知れない…。それは私が望んだような結果になるわけではないだろうが…。

 そう考えると…全く侘しくなってしまうが…それでも、一縷の希望に縋り付き…こうして筆を取っている…。

 他人から見れば…ああ、なんと浅ましい者だと思われるかも知れない…。


 だが…それが恋と言うものなのではないか…?

 それが…愛と云うものではないか…?



 
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