FAIRY TAIL 魔道を歩む忍
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二人の救世主の章
第四十六話 ヒイラギでのキョウ
第四十六話 ヒイラギでのキョウ
マグノリアが襲撃される少し前、キョウは以前訪れたヒイラギの街にいた。九尾に破壊された建物も九割近くがすでに復旧しており、普段のヒイラギに戻りつつあった
「前に来た時は気づかなかったが。この街にも図書館があったんだな」
その図書館にキョウは足を運ぶ。しかしそこには魔導士関連の本しか置いておらず、キョウの目的の資料がなかった
「案外ここにもないものだな。仕方ない。あそこにいくか」
キョウが言うあそことはーーー
「いらっしゃーい。あら、あんさんは確か妖精の尻尾のーーー」
「うちはキョウだ」
そう。前にウェンディと来た店。そしてあの髪飾りをくれた女将だ
「そんなことよりたこ焼きをいかが?」
笑顔でたこ焼きを差し出してくる女将
「そんなことよりまず話がしたい」
「あんさんつれないなぁ〜。にしても"うちは一族"の子かいな。驚いたわ」
「オレもあんた達が"うずまき一族"だとは正直驚いた」
「私らがうずまき一族って言う証拠でもあるん?」
「大有りだ。あんたがウェンディにあげた髪飾り。あの髪飾りには特殊な術式が組み込まれていた。九尾と戦ったときにそれが発動するようにされていた。恐らくクシナか波風ミナトの仕業だろうがな」
女将は少し息を漏らすと話し始めた
「フゥ。そや。私たちはうずまき一族の末裔や。と言っても私はここへ嫁いできたからうずまき一族じゃないで。そんで?一体何しよう言うんや?もし悪いことしよう言うなら許さんで」
「いや、そんなことをするつもりは毛頭ない。ただ、忍びについての資料があれば見せて欲しいだけだ」
「あー、そんなら奥にばあちゃんいるさかい、聞いとき」
「すまない。邪魔をする」
とキョウは履物を脱ぎ、奥へと進んだ
そしてそこにはちゃぶ台に向かって畳に座り、せんべいをボリボリ食べている年老いた女性がいた
「ようきたのぉ〜。話しは全部聞いとった。ほれ」
案外地獄耳のばあさん。キョウにとある二冊の本を手渡した
「これはーーー?」
手渡されたのは小説と表紙が白紙の本。そしてその小説のタイトルはーーー
「ド根性忍伝?」
キョウはペラペラと本をめくり最後のページに記されていた作者を見て驚いた
「これは、"師匠"の書いた小説じゃないか!!!」
「あんさん、『自来也』の弟子だったんか」
「ああ、そうだ。オレ達に忍びとしての基礎や高等忍術の螺旋丸を教わった」
「そうかそうか。自来也の意思はまだ生きとったわけか」
「ド根性っていうのはオレの章に合わないが、それを受け継いでいるつもりだ。それと託されたからな」
「何を?」
「憎しみの連鎖を断ち切ることだ。忍びはいつも憎しみと戦っている。師匠はそう言っていた。無論、魔導士も同じだ。師匠は忍びと魔導士、お互いが理解し合い助け合って生きていくことを強く望んでいた」
「だったらお前さんはもうそれを成し遂げているのではないか?」
「いや、オレは特定の人物を除いてまだ自分が忍一族だということは明かしてない。本当に理解し合っているかはまだ分からんがな」
おばあさんはバリッとせんべいを食べ重い腰を上げてキョウについてくるよう促す。キョウはそれを疑問に思いながらおばあさんについていった。おばあさんは本棚の赤い本を傾ける。すると本棚が横へ移動し扉が出現した。その扉を開けしばらく進み先ほどの扉よりももっと大きい鉄の扉にたどり着いた
「これから見せるのは忍一族の全てと言っても過言ではない。お主も忍ならしかと見届けよ」
「ああ、わかっている」
キョウは深くうなづいた
その頃店先では
「今日も紅葉が綺麗やなぁ」
と紅葉した葉に見とれている女将。するとそこに一人の青年が慌てて店に転がり込んだ
「あらあら、どうしたん?そんな息を切らせて」
その青年はよほど慌てていたのか汗もダラダラ流し息を切らせていた
「た‥確か、ここにフェアリーテイルの人が来てましたよね!!!?」
「え‥ええ。そうやけど」
「大変なんです!!!フェアリーテイルのある街、マグノリアが何者かに襲撃にあっているんです!!!」
「なんやて!!?今すぐキョウ君呼んでくるわ!!!」
女将は慌ててキョウたちのいる場所へ向かった
(ここに忍一族の全てがあるのか…)
キョウは固唾を飲んだ。そしておばあさんが扉を開けようとした時ーー
「ばあちゃん待って!!!」
そこに現れたのは慌ただしい様子の女将
「どうしたんだい?そんなに慌てて」
「キョウ君。大変や。マグノリアが何者かに襲撃にあっとる!!」
「何だと!!?」
「今すぐ戻ったほうがええ!!」
「わかった!!!!」
キョウは急いで外に出てマサムネを口寄せした
「全速力でマグノリアへ向かえ!!!」
「御意!!」
機関車よりも遥かに速いスピードでマグノリアへ向かった
(クソ‥こんなことなら、オレを逆口寄せできる奴を置いておけばよかったかーー!!嫌な予感がする…この予感が当たらなければいいが…)
そんな思いを胸に全速力で向かっていった
第四十六話 完
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