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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜

作者:
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私の居場所

 
前書き
こんにちわ〜 

 
あの後、優里は僕を抱きしめたまま気を失っていた。原因は出血多量とコアとのシンクロ時間の拡大によっての精神力の使い過ぎ。急いで、お義父さんの所に戻って手当てをしてもらうとなんとか一命を取り留めた。青白かった顔も赤みを帯びてきて、僕は優里が目が覚めるまでずっと手を繋いでいた。

☃☃☃

「いやぁ……、やだなぁ〜。千冬お姉ちゃん……、そんな怖い顔してぇ〜」

私はビクビク震えながら、目の前に立つ鬼の顔をチラチラと見る。千冬お姉ちゃんは はぁ〜と威勢のいい溜息を付くと私を抱きしめてくれた。耳元で囁かれるのは優しいあの頃の千冬お姉ちゃんの声で安心する。

「御苦労だったな、優里」

「はい……」

「いい顔つきになったものだ。これからも頑張れよ」

「はい」

千冬お姉ちゃんは身体を離すと笑みを消して、真面目な顔をする。

「那珂、貴様は【清風明月】を使わないで戦えるように鍛えないといけないな」

「え?」

「一週間後の放課後から実習するからな。私が直々に見てやるんだ。なぁ〜に、すぐ強くなる」

「はぁ……」

一週間後までに体力をもっとつけないといけないかもしれない。憂鬱になるが、なんとか気を持ち直す。千冬お姉ちゃんのおかげでここまで強くなったんだし、今回だって……。腕時計を見ると次の授業まであと2分となっていた。
(……もう、こんな時間ですね。教室戻らないと……)

☃☃☃

頬がくすぐったい感触に包まれる。それでゆっくりと目を開けると僕を見つめる二つの大きな蒼の瞳があった。まだ視界がぼやけているがその吸い込まれそうな二つの瞳がもう一回近づいてきた事で僕は飛び起きた。慌てて、身体を起こす僕を彼は不思議そうな顔で見る。その上目遣いがとても可愛い。

「おはようございます。シャル」

「あっ、うん。おはよう、優里」

目をパチパチする僕に近づいた優里はチュッと頬に軽くキスをする。その行動で更に顔を真っ赤にする僕、驚きのあまりロレツも回らない。

「ゆっ、ゆゆゆゆ優里のバカっ!!」

「バカっ!ってひどい言われようですね」

優里はまたベットに両膝を立ててその上に小さな顔を乗せると上目遣いで僕を見る。顔を真っ赤にして優里を指差す僕を面白そうに見つめて笑っている。その初めて見る笑顔に僕はこんな状況なのにドキッとしてしまうのだった。
(からかわれて…ドキッとしちゃうなんて。僕……Mなのかな?)
優里は不意に笑みを消すとベットに上がって、僕の手を握ると瞳を閉じる。顔と顔がぶつかるスレスレで止まったということはそういうことだろう。彼の思惑に乗るのは後が怖いが、こんな近くに好きな人の顔があるんだ。誰だって、私欲を抑えられないだろう。瞳を閉じて、今か今かと待っている彼の顔が可愛かったり、時々瞼がピクピクと動いたりと。
(……優里の……意地悪っ……)
そんな事されたら……僕……。彼には敵わないなと思う僕だった。

「ん……」

唇を外すと優里は僕に腕を回すとまたキスをする。優里のキスから解放されたのはその数十分後だった。

☃☃☃

「唇が痛いです……」

「それはそうだよ」

私は稲荷定食を食べながら、唇をさする。隣をチラッと見ると苦笑しているシャルが居た。ちなみにシャルの定食は同じでなんか優里の好みが知りたいとか何とか小声で言っていた。

「だって……」

そう言って横を勢い良く向くと小首を傾げるシャル。そんなシャルが以前にも増して可愛く思えたり、それが恥ずかしく顔を指定位置に戻す。もくもくと食べていると後ろから忍び足の音が微かに聞こえ、その何者かが飛びかかろうとした時に立ち上がり、身体をそらす。そして、ドンと勢い良く机に頭をぶつけるのがこの学園の生徒会長だったり。私はそのまま、腰を下ろすと食事を再開する。シャルは目をパチパチしているが。

「優里ちゃん、酷いわね〜。お姉さん、痛かったわよ。ほら、見て。お姉さんの美顔に傷が……って、きゃあっ」

「痛いの痛いのどっか飛んでけ〜。よしよし」

「優里……」

楯無さんの頭を昔よくしてもらったおまじないで頭を打った所をナデナデすると何故か後ろからドス黒いオーラを感じる。気にせずに楯無さんをナデナデしていると。またしても横からガチャンと騒がしい音。続けて、上擦った声で私を指差すのは長い黒髪をポニーテールにしている親友。顔を真っ赤にして私と楯無さんを見ると口をパクパクさせて言葉にならない声を発している。それにさっきから凄い力で背中を殴れている。
(痛っ……)
箒は床に落ちた定食には目もくれず私を指差すと突然怒鳴る。

「優里、貴様っ!!何をしているっ!こんな所でっ!!」

「何って……痛いの痛いの飛んでけ〜……?」

「なんでこんな所でしてるのか?を聞いているっ」

「楯無会長が私にダイブして、その際テーブルに頭をぶつけたから痛そうだな〜と思って」

「……そうか」

箒は納得したのか落とした定食を拾い、また定食を貰いに列に並んだ。その際にも背中の攻撃は続いている、振り返りたいがドス黒いオーラのせいで100%酷い目に会う気がして振り返れない。なので、ナデナデと楯無さんの頭を撫でる。もう、半ばヤケクソなので髪型がぐちゃぐちゃになっている。

「……何?このカオス空間」

「相変わらずのトラブルメーカーですわね、優里さん」

「嫁っ!帰って来てたのかっ!!」

「那珂さん……お姉ちゃん……」

「優里!?何してるんだ?それにシャルル」

私はニコっと作り笑顔を作りながら、五人の方へ向く。鈴さんは呆れ顔、セシリアも同じで。簪さんと一夏は戸惑っていた。ラウラは私に飛びついてきて、更に背中のパンチが強くなる。それがラウラが頬ずりを加えたことでドス黒いオーラも増してやイラっと頬をひきつる気配も感じ取り、私は顔を青ざめさせる。

「まだ、やっていたのか。貴様ら」

そう言って、溜息をつく箒に視線で助けてと送るが、箒は無理だと速攻で返してきた。

「………」

「そうだ!楯無さんから離れれば……」

そう言って、勢い良く後ろに下がったのがいけなかった。シャルを巻き込んで後ろに倒れこむ私はすぐに身体を起こすとシャルに手を伸ばす。しかし、シャルは座ったままで一向に手を握ろうとしない。不安になって、しゃがみ込み下から覗き込むように見上げると何故か顔が近づいてきた。ポカーンとする私と周りの知人達。

「優里がいけないんだからね」

そう言って、立ち上がったシャルはいつの間にか食べ終わっていた定食を持って、そそくさと部屋に戻っていた。残された私と周りの知人達はシャルの行動によって更なるカオス空間を作っていた。ポカーンとする私を取り囲む右回りで箒、一夏、鈴さん、セシリア、楯無さん、簪さん、ラウラの7人はそれぞれシャルのドス黒いオーラに負けないオーラを醸し出していた。それを驚きから戻った私はビクビク震えながら見上げる。

「学園で何をしてるんだっ!!こっこの不埒者がっ!!」

ギャアアアア!!
紅椿を展開して、つい最近まで怪我人だった私を斬りつける箒。
(このっ!!鬼っ!!)

「あら?まだ、くたばってないのね?」

ギャアアアア!!
甲龍を展開して、衝撃砲をバンバン撃つ鈴さんの笑顔に血の気が引く。
(修羅……がおる……)

「ほほほほっ!優里さん?自分だけ青春を満喫してるなんて……うらっ。ごほんごほん、許せないですわ」

「さっき、羨ましいって言お……って、ビームは本当に危ないですからっ!!」

「お黙りなさいっ!!優里さん、貴女に逃げ場なんて無いのですから」

顔スレスレを通り抜けて、床を焦がすビームに頬が引きつる。上を見るとまだブルー・ティアーズが私をどう撃とうか迷っているように宙を迂回している。こんなところ居たら死ぬっ!!と思った私は駆け出すが首元にナイフを突きつけられ、身動きが取れない。

「嫁よ。逃げられると思ったか?まだ、貴様には聞きたいことがあるからな」

「……っ」

「あっ!」

隙をついて逃げ出すと行く手を塞ぐ楯無さん。
(そもそも……)

「なんで、楯無さんも参加してるんですか!?」

「だって、楽しそうじゃない?それに優里ちゃんに顔が傷付いちゃったし〜」

「っ。それは……」

だって、誰だって。後ろから不穏な気配を感じたら避けるよね?
全力で走る私の前に突然、右足を出す楯無さん。そんなに引っかかる私ではーー

「簪ちゃん、あとはお願いね」

「う、ん。任せて、お姉ちゃん」

「しまっーー」

楯無さんの右足を避けるようにした私の左足に突然現れた簪さんの足に引っかかり、大胆にコケる私。そんな私の両手を後ろできつく結ぶのは一夏だろう。その後のことは誰でも安易に想像つくだろう。

 
 

 
後書き
勢いで書いて、こんなはずじゃなかったのにな〜と思う今日この頃。 
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