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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜

作者:
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第一章
  頼まれたのは人助け

「う……うーん?」

「あっ。気がついた?優里」

「え……と?シャルですか?」

「うん。良かった……」

目をうっすら開けて、見た光景はシャルが私の手を握っている所だった。しかも少し涙目で
(峰打ちなのに、そんなに心配しなくても)

「良かった……、本当。良かった…」

シャルの手に自分の手を重ねる。

「峰打ちで気絶しただけです。そんなに心配しなくていいんですよ?」

「で。でも、優里。一日経っても目を覚まさないから……っ」

「あぁ泣かないで下さい。ほら、こんなにピンピンしてますから」

ベッドに座って、力こぶを作って見せる。

「……っ」

「もう……」

その後、シャルは泣き続け ひたすらあやし続けた私だった。

(そういえば、こうなったのって……。元はというと、千冬お姉ちゃんとシャル達のせいですよね?)

「すぅ……すぅ……」

「まぁ、いいですか」

♦︎

「デュノア君って細いわよね?意外と脱ぐと筋肉むきむきだったりして」

「いや。僕はそれ程でも」

「まぁ〜、謙遜しなくてもいいのよ?おねーさんが全部受け止めてあげる」

「えっ?受け止めるって……」

「まぁ、デュノア君って胸板硬いのね。意外と男らしい」

「ひゃあっ!!なっ何するんですか!?」

「まぁ、可愛い声出しちゃって。そそるわね」

「っ。ゆっ、優里っ。たっ助けて……っ」

二日間保険室で過ごした私はやっと戻った寮の部屋でシャルをからかって遊んでいる生徒会長の姿だった。時にボディタッチをしてシャルが怯える。

ポカ。

「いて」

「何をしてるんですか……。更識会長」

「何って。デュノア君と親睦を深めているのよ」

シャルは更識会長から逃れると私の後ろに隠れる。後ろを見ると少し涙目でガタガタ震えている。

「親睦を深めようとして、相手を怯えさせるとは貴女という人は」

「まぁまぁ。改めて、ちゃお〜。優里ちゃん。それとも優ちゃんの方がいいかしら?」

「前者で……。後者は嫌な人を思い出すので……」

「分かったわ。じゃあ、よろしくね?優里ちゃん」

「はい。よろしくお願いします」

シャルに大丈夫ですよと声を掛けると私から離れる。そのシャルに更識会長は声をかける。

「デュノア君。優里ちゃんと二人きりでお話がしたいの?いい?」

「は、はい……」

♦︎

シャルが部屋を出ると更識会長が話出した。

「優里ちゃん。今月の最後の週に専用機持ちだけのトーナメントがある事知っている?」

「えぇ。うっすらと」

「そのトーナメント戦に簪ちゃんと出て欲しいの」

「………」

突然の事で驚いたわけじゃない。ただ知らない人と組めという話があまりにも理不尽だなと思っただけ。

「ねぇ?いいでしょう?」

「いいも何も、私 その簪ちゃんって人会ったことないんですが」

「会ったこと無いなら、今日会いにいけばいいわよ」

「………」

(えーーーー。そんな理不尽な)

黙ったままの私を肯定と思ったのか、更識会長は立ち上がるとひらひらと手を振って自分の部屋へ帰って行った。

(あ〜ぁ。困ったことになったなぁ……)

人知れずため息をつく私だった。
 
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