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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百七十一話 全てに決着を…

 
前書き
インペリアルドラモン・パラディンモードVSキメラモンカオス・ルインモードの超究極体同士の激闘。 

 
純白の身体、純白のオーラを纏う神々しい古代聖騎士、インペリアルドラモン・パラディンモード。
漆黒の身体、漆黒のオーラを纏う禍々しい破壊神、キメラモンカオス・ルインモード。
今、超究極体同士による史上空前最強のバトルが始まろうとしていた。

キメラモンカオス・RM[貴様…何者だ?]

インペリアルドラモン・PM[俺か?ロイヤルナイツの始祖だのなんだと言われているが…俺は、お前を倒す。何度蘇り、何度強くなってもな…]

キメラモンカオス・RM[フッ、雑魚共のパワーを吸収し、更なるパワーに昇華させたとしても俺を超えることは出来ん]

インペリアルドラモン・PM[どうかな?やってみなければ分からない]

キメラモンカオス・RM[分かるさ…]

インペリアルドラモン・PM[……]

残像を残して消えるキメラモンカオス・ルインモードに対抗するように、インペリアルドラモン・パラディンモードも残像を残して消えた。

「き、消えた!!?」

はやて「ちゃうちゃう。高速で動いているだけや」

次の瞬間、凄まじい轟音と衝撃波が発生、響き渡る。

インペリアルドラモン・PM[はああああああ!!!!]

キメラモンカオス・RM[オオオオオオオオオッ!!!!]

ズドン!!ズドン!!ズドン!!ズドン!!ズドンッ!!

アリサ「す、凄いわ。何て戦いをしてんのよあいつら…!!」

すずか「究極体同士の戦いが可愛く見えるレベルだよ…!!」

インペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードは凄まじいスピードで動きながら、激突を繰り返す。

ルカ「マグナモンXとディアボロモンの戦いも凄まじかったですが、これはそれ以上ですね…」

フェイト「大輔…ブイモン…」

はやて「賢兄…ワームモン…」

凄まじい激闘を繰り広げるインペリアルドラモン・パラディンモードを見つめるフェイトとはやて。

なのは「大丈夫だよ、フェイトちゃん、はやてちゃん。」

フェイト「なのは…」

はやて「…なのはちゃん」

なのは「あのインペリアルドラモン・パラディンモードには皆の力が集まっているんだよ?いくらキメラモンカオス・ルインモードの力が強大でも負けるはずがないよ」

絆の紋章の所有者として、仲間の誰よりも絆を大事にする彼女だからこそ言える言葉。

インペリアルドラモン・PM[だあああああ!!]

インペリアルドラモン・パラディンモードの蹴りがキメラモンカオス・ルインモードに炸裂。

キメラモンカオス・RM[ガッ!!?]

マグナモンXとベルゼブモンXの攻撃でもビクともしなかったキメラモンカオス・ルインモードに通じたインペリアルドラモン・パラディンモードの蹴り。

キメラモンカオス・RM[グオオオオ!!]

4本の腕で攻撃を仕掛けるハイブリッドアームズ。
インペリアルドラモン・パラディンモードはそれを難なく捌いていくが、キメラモンカオス・ルインモードはそれが分かっていたのかニヤリと笑った。

キメラモンカオス・RM[オーヴァフレイム!!]

零距離からのオーヴァフレイム。

インペリアルドラモン・PM[ぐっ…!!]

流石のインペリアルドラモン・パラディンモードも零距離からの攻撃は効いたのか仰け反る。

インペリアルドラモン・PM[スーパーポジトロンレーザー!!]

お返しとばかりにポジトロンレーザー砲から放った砲撃。
直撃を受けるキメラモンカオス・ルインモードだが、耐えきってみせた。

インペリアルドラモン・PM[本当にとんでもない奴だな…俺も結構本気でぶっ放したのによ……]

キメラモンカオス・RM[ふふふ…まだまだ戦いはこれからだ…!!]

インペリアルドラモン・PM[ふん…そうだな、戦いはまだ始まったばかりだ…ん?]

背後を見遣るとキメラモンカオス・ルインモードの邪気に引き寄せられたのか、ベリアルヴァンデモンやデスモンなどの暗黒デジモンが群れをなしていた。

フェイト「くっ、こんな時に…チビモン、行けるかな?」

チビモン[勿論だよ!!]

インペリアルドラモン・PM[待て!!オメガブレードよ…チビモン達に力を!!]

オメガブレードから神々しい光が放たれ、チビモン達に降り注ぎ、力を与える。

フレイモン[これは…]

Bテイルモン[力が漲ってくるわ…!!]

ルカ「これは!!?」

ティアナ「私とルカのデジヴァイスが共鳴している…?」

プロットモン[これは…?]

アリシア「リインちゃん…?」

感じる熱き力の奔流と互いの鼓動。

リイン『アリシアちゃん。ブラックテイルモンをお願いするです』

一時的にブラックテイルモンのパートナー権をアリシアに譲る。

アリシア「…プロットモン、ブラックテイルモン。行くよ?」

プロットモン[勿論よ!!]

Bテイルモン[私の足を引っ張るんじゃないわよ!!]

プロットモンとブラックテイルモンの身体が光に包まれ、完全体に進化する。

ルカ「ティア、行きますよ」

ティアナ「ええ!!」

フレイモンをカイゼルグレイモンに、ストラビモンをマグナガルルモンに進化させ、意識を集中する。

【ジョグレス進化!!】

エンジェウーモンとレディーデビモンがジョグレスし、カイゼルグレイモンとマグナガルルモンがジョグレスする。

[マスティモン!!]

[スサノオモン!!]

スバル「あれは…マスティモン、ワクチン種、究極体。デジタルワールドに未曾有の危機が到来した時、本来相容れないエンジェウーモンとレディーデビモンが手を取り合いジョグレス進化した姿。背中に10枚の翼を持っており、体の右側が天使族、左側が堕天使族となった女性の姿をしている。時空を繋げるゲートを開く力を持っており、別のデジタルワールドから呼び寄せた天使族・堕天使族の勢力を統治し窮地に立ち向かう。“異世界の軍師”の異名を持ち、普段は敵対する両種族を纏めるだけの資質を持つ。相反する2体のジョグレス進化でありながら一本気な心の持ち主。必殺技は光と闇の力でゲートを開いて異空間に葬る“カオスディグレイド”」

ギンガ「スサノオモン、ワクチン種、究極体。デジタルワールドの破壊と再生を司る東方の究極武神と呼ばれており、ロイヤルナイツとは別格、またはその上の存在だと噂される。ネットワークシステムの異常時に降臨し、既存のシステムを無のものとし、新たなシステムを創造すると伝えられている。必殺技は“ZERO-ARMS:オロチ”から超巨大な光の剣を放ち、天下に存在するあらゆるものを斬り裂き、消し去る“天羽々斬”。神器“ZERO-ARMS:オロチ”の光の剣を天上に向けて放ち、八つの破壊の雷を地上に降り注がせる“八雷神”。」

変化が起きたのはスサノオモンとマスティモンだけではなかった。
ヴィータのデジヴァイスのディスプレイにΩの文字が浮かんだ。

ヴィータ「シャウトモン!!」

シャウトモン[おうよ!!]

ヴィータ「シャウトモン超進化!!」

シャウトモン[超進化!オメガシャウトモン!!]

シグナム「超進化だと…?」

すずか「オメガシャウトモン…世代不明、属性不明。オメガシャウトモンは湧き上がる熱いソウルを解き放ったシャウトモンにオメガモンが伝説の“進化”を与え手に入れた姿だ。激しい情熱に加え、オメガモンから授かった力、オメガインフォースを全身に纏ったことで黄金に輝き、キレのあるシャープな体付きとなっている。その身体の煌めきと鋭さから敵はオメガシャウトモンの姿を追えず光の残像として目撃することとなる。胸から溢れ出る友情の情熱を火力に変えた弾丸を猛射する“ヘヴィメタルバルカン”は攻撃だけではなく、敵を寄せ付けない鉄壁の弾幕となって仲間を護る。頭のV字から正義への情熱が迸り太陽よりも輝かせ突撃し敵を一掃する“ビクトライズ・バンキング”。勇気の情熱が炎となって拳にほとばしる“ハードロックダマシー”は近距離時で敵を殴り、遠距離時は炎を飛ばし状況に応じた攻撃が出来る。足に闘志の情熱を込めることで刃となり“ビートスラッシュ”で敵を蹴り裂く。全身にオメガインフォースの力を引き出したオーラで包み凝縮して敵に撃ち放つ“オメガ・ザ・フュージョン”は、その輝かしさの前に見た者の士気すら消し飛ばしてしまう。」

なのは「でも、オメガモンって…」

ユーノ「多分、インペリアルドラモン・パラディンモードの力がオメガモンと同質なんだ。だからこそシャウトモンはオメガシャウトモンに超進化したんだ」

アリサ「もうあいつら何でもありね」

呆れたようにインペリアルドラモン・パラディンモードを見遣るアリサ。

キャロ「だけどこれで見えてきたよ。希望の光が!!」

フェイト「行くよみんな!!」

戦いの邪魔をしようとする輩共を排除するべくフェイト達は突撃する。

インペリアルドラモン・PM[これで俺達の戦いに専念出来る……]

キメラモンカオス・RM[……………]

インペリアルドラモン・PM[キメラモンカオス……俺は…俺達はお前との最初の戦いを終えてから色んな奴らと戦ってきた。けど、お前を超える奴はいなかった。やっぱりお前は最強だよ。けど、お前はここで終わりだ。俺達が終わらせてやる。]

キメラモンカオス・RM[ふん、俺がここで終わるか…終わるのは貴様だと言っておこう…行くぞ]

インペリアルドラモン・PM[ああ]

インペリアルドラモン・パラディンモードとキメラモンカオス・ルインモードが同時に動き出した。

インペリアルドラモン・PM[はあああああ!!]

キメラモンカオス・RM[オオオオオ!!]

互いの拳が激突する。
移動しながらの拳と蹴りの激突の繰り返し、しかし互いの実力が桁外れ過ぎるために高次元の物に見えるのだ。

キメラモンカオス・RM[流石にやるな…だが、俺にはまだ及ばん!!]

インペリアルドラモン・PM[悪いな…まだこの進化のパワーに慣れてないんだ…だが、それでも俺はお前に勝つ!!スプレッドポジトロンレーザー!!]

キメラモンカオス・RM[ヒートバイパー!!]

同時に放たれる光線と熱線。
インペリアルドラモン・パラディンモードもキメラモンカオス・ルインモードも連射する。

インペリアルドラモン・PM[だあああああ!!]

キメラモンカオス・RM[ウオオオオ!!]

光線と熱線がぶつかり合い、相殺する。

インペリアルドラモン・PM[ぐっ!!]

キメラモンカオス・RM[ガッ!!?]

しかし相殺仕切れなかった互いの攻撃が直撃し、吹き飛ぶ。

インペリアルドラモン・PM[はあ…はあ…流石だなキメラモンカオス…]

キメラモンカオス・RM[貴様こそ大したものだ…更なるパワーを得たこの俺と渡り合うとは…]

インペリアルドラモン・PM[………]

そして戦いを見ていた太一達。

太一「一体、どっちが有利なんだ?」

光子郎「分かりません。レベルが違いすぎて何が何だか…」

ガブモン[今のところ殆ど互角だ]

ピヨモン[でも、インペリアルドラモンはまだあの姿に慣れていない分不利かも…]

ヒカリ「そんなことない!!大輔君達とインペリアルドラモンは絶対に負けない!!」

京「負けんじゃないわよ大輔!!」

声援を送るヒカリ達。
自分達では加勢したところで一瞬の時間稼ぎも出来ない。
それでも応援することは出来る。

インペリアルドラモン・PM[あいつら…]

聞こえてくる声に笑みを浮かべる。
キメラモンカオス・ルインモードの攻撃を受け流しながらも笑みを浮かべ続けた。
キメラモンカオス・ルインモードはそれを余裕と見たのか、少し表情が険しくなる。

インペリアルドラモン・PM[はあああああ…]

ポジトロンレーザー砲にエネルギーをチャージする。
キメラモンカオス・ルインモードも対抗するように4本の腕にエネルギーを纏わせる。

インペリアルドラモン・PM[スーパーポジトロンレーザー!!]

キメラモンカオス・RM[テラヒートバイパー!!]

互いの超火力が炸裂。
押し合いになる。

インペリアルドラモン・PM[負ける…かあ!!]

キメラモンカオス・RM[ウオオオオ!!]

スーパーポジトロンレーザーのテラヒートバイパーの押し合いが続くが、とうとうエネルギーが弾け、大爆発が発生した。
超究極体同士の激闘は続く。































番外編

全てを失ったあの忌まわしい日、“光が丘テロ”から7年の年月が過ぎた。
グレイモンとパロットモンとの戦いで両親を失った一輝は、施設での暮らしを余儀無くされた。
施設での暮らしで一輝は年長だったために誰かにする方で、家事も仕方なく身に付けた。
そして2年前に選ばれし子供としてデジタルワールドに召喚されたが、デジモンに家族を殺された過去を持っていた自分が何故デジタルワールドのためにと最初はパートナーも拒絶したが、現実世界に帰るまでは仕方ないと行動しているうちに、何だかんだで自分のよき理解者となってくれた自分のパートナー。
こいつとの日々があったからほんの少しだけデジタルワールドを好きになれた。
そして……。

大輔「一輝兄ちゃん」

光が丘テロから会っていなかった弟分。
自分達を導くリーダーとして休む時間も少なくて1番辛いだろうにそれを表情には一切出さない。

一輝「どうした?」

大輔「兄ちゃんに会わせたいのがいるんだ」

一輝「俺にか?」

大輔「ああ、兄ちゃんと因縁のある…あの2人さ」

一輝「あいつらか…」

大輔「太一さんとヒカリちゃんは客室で待たせているけど、兄ちゃんの準備が出来たら…」

一輝「いやいい。今すぐ行くぞ大輔。」

大輔「分かった。」

心の準備が必要だと思い、太一とヒカリに少し待っていて貰おうと思ったが、不要らしく一輝は大輔と共に客室に向かう。





































そして客室に入ると、太一とヒカリがいた。

太一「………」

ヒカリ「大輔君、その人が?」

緊張した声で一輝を見遣るヒカリ。

大輔「ああ、そうだ。この人が伊藤一輝さん。7年前の光が丘テロで、家族を失ったんだ」

一輝「お前らが光が丘テロの犯人…か、ようやく面が間近で拝めたぜ」

瞳から僅かに怒りが滲んでいた。

太一「あの…俺達…そんなつもりは」

一輝「…分かってる。お前らを責めても仕方ないんだってことはな。グレイモンに進化させたこともわざとじゃないし、光が丘を滅茶苦茶にしたのも結果的にそうなっちまっただけだ」

ヒカリ「………」

一輝「でもな、それでも結果的にとは言えお前達がグレイモンに進化させたことでパロットモンとの戦いの巻き添えになった奴がいる…そのことを知らないで今までのうのうと暮らしていたお前達が許せないんだよ。」

頭では理解は出来ても、心が納得出来ない。
一輝はそう言いたいのだろう。
太一もヒカリも光が丘テロで被害に遭った人達のことを考えてはいなかった。
太一は当時のことは忘れていたし、ヒカリも被害者がいることを知ったのはつい最近だからだ。
2人は当時7歳と3歳の子供だったから一方的に責めていいわけではないだろう。
しかし、心が抑えられないのだ。
自分は家族を失ったのに対して、犯人であるこの2人は家族が健在なのだから。

一輝「…今更お前達を恨むつもりはねえ。」

大輔「兄ちゃん」

一輝「でもな、お前達の友達とやらのせいで俺の家族や死んだことを、そして被害者がいることを忘れるな…!!」

太一「…ああ、忘れない…!!絶対に…!!」

一輝「ならいい…」

コキ…ッと拳を鳴らしながら太一とヒカリに歩み寄る。

一輝「1発だ。1発殴らせろ。それで終わりだ」

太一「分かった…」

そして客室から鈍い音が2回響き渡った。





































フェイト「…随分と派手にやったね」

客室から出て来た太一とヒカリの頬は見事に腫れ上がっていた。
一輝は日々身体を鍛えているから、パンチの威力は凄まじい物がある。
流石にこのままにしていては太一はともかくヒカリがやばいだろう。
親に見られたりでもしたら大騒ぎだからだ。
すぐさま2人に治療を施すと、フェイトは太一とヒカリを見遣る。

フェイト「2人共、大丈夫?」

自分達の罪を見せられて少しばかりきついのではないかと思ったが、太一もヒカリも微笑んでみせた。

太一「大丈夫、俺達は逃げたりなんかしない」

ヒカリ「どんなに辛くても罪から逃げたりなんかしないから…大丈夫」

フェイト「そう…」

大輔「…それでこそだ。過去を消すことは出来ないけど、償って未来に進むことは出来る」

ヒカリ「…うん」

力強い表情で頷くヒカリに太一も頷く。
これなら大丈夫だろうと大輔達は思うのだった。 
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