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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第66話 レイザーと14人の悪魔

 
前書き
ドッジボール戦です 

 
 さて、「離脱(リーブ)」をエサに残りのメンバーであるところの4人も集め終わり、ちゃっちゃと「レイザーと14人の悪魔」のイベントに入る。
 最初の7戦のうち、バリー(ボクシング)、ロド(ボウリング)、ケスー(バスケットボールのフリースロー)のツェズゲラ組の3人が勝ち、離脱組の4人が勝負開始と同時に「まいった」宣言し負ける。


 8戦目にして、
 
「よし。次はオレがやろう」

 とレイザーさんが宣言するが、以前キルア君と一悶着のあったデブな人がごちゃごちゃ言ってキルア君に因縁をつけてくる。あげくに他の海賊達に反乱を持ちかけるが、オーラの塊をレイザーにぶつけられてあえなく死亡。

 その非情さに離脱組には恐怖が走る。

 まぁ、俺達のパーティーは日本異能協会に所属している関係で実戦経験は4人ともあるし、ツェズゲラ組はもちろん、ゴン組もその辺はシビアなので、全然狼狽えず、話しは進む。レイザーは7人組の念獣+審判を創りだし「8人対8人のドッジボール」を宣言する。

 で、そのまま試合開始かと思ったら、ゴン君が「なんで仲間を殺したんだ!」とレイザーにくってかかる。

 いや、普通に反乱をそそのかしたやん、とは思ったんだが、話しは転んでいき、このゲームが現実だと暴露される。

 うん、知ってた。

 「ジンもこの中にいるの!?グリードアイランドの中に!!」

 とゴン君はこのゲームが現実だとわかった瞬間、死んだ海賊のことはどうでもよくなったのか、レイザーに自分の疑問を問いかける。

 すると、レイザーは「お前が来たら手加減するな………と言われてるぜ。お前の親父にな」とオーラを練り上げてこちらを威圧してくる。

 それだとまるでゴン君がいなかったら手加減してくれるみたいな言い方だよなぁ、と思いつつ、8人対8人のドッジボールのルールが説明される。

 ルール自体はこの世界での一般的なルールのようでゴン君らからの質問は無いが、小学校でやったことのある俺やフェイトはともかく、リニスやアルフはぴんとこないみたいだ。

 で、まぁ、仕方ないので、わかりやすい外野の方にリニスとアルフには行ってもらう。
 この辺はちょっともめたんだが、内野の数が少ない方が不利なんだから許してもらった。



  ☆  ★  ☆  



 さて、ドッジボールの開始だ。

 開始を告げるジャンプボールでボールを譲られ、ツェズゲラさんが2人連続で念獣を倒す。

 外野というか観戦者から「オッケー2匹目!!」「何だチョロイぜ!!」と応援が入るが、レイザーさんは「よーし準備OK」とか超余裕だ。

 あげくに「お前達を倒す準備が整ったって言ったのさ」とかツェズゲラさんを煽る煽る。

 煽り耐性が無ければそんな挑発に簡単にのってしまううんだろうが、そこは1つ星ハンターのツェズゲラさん、挑発にはのらず、レイザーさんを避け確実に念獣を倒していく。

 「こりゃぁ、まいったな」とツェズゲラさんに3匹目4匹目の念獣を倒され、内野が自分と念獣2匹となったレイザーさんは頭をかきつつ、オーラを高め始める。

 「お前は最後だ」とあくまでレイザーさんを狙わず、念獣を的にするツェズゲラさん。

 5匹目を倒した、と思いきや念獣同士が合体し、ツェズゲラさんのボールを受け止めてしまう。芸が細かいことに6番7番と念獣に着いてた番号が13番へと変わってる。

 「今度はこちらの攻撃だ」

 と外野の念獣にボールをパスし、どんどんパス回しを行う。

 てか、速い!

 超高速のパスが回り出し、何往復したのか。

 パスを追いきれなかったツェズゲラさんが、後ろからのボールに当たってしまう。

 一応、ゴン君らが声をかけたおかげか、ギリギリでオーラを背中に集中できたようで、致命的なダメージは防げたらしい。

 とりあえず、ボールはキルア君が拾い、オーラをこめて13番の念獣に当てるがキャッチされてしまう。

 「さぁ、再び攻守交代だな」

と、念獣からレイザーさんがボールを受け取る。

 同時に俺のチームの内野の5人が「堅」で防御力を高める。

 「ほォ」

 とこちらの練度に驚きの声(よく見たら全員見た目は10代前半だ)をあげ、

「「堅」ができるか、ならば死ぬことはあるまい。当たり所が良ければな」

 といっそうオーラを練り上げ、

「行くぞ! ゴン!!」

 渾身の力でボールが投げ出され、一直線にゴン君に迫る。

 オーラを纏ったボールがぶち当たり、ゴン君は後ろの壁に激突してようやく止まった。瓦礫の中から這い出して来たゴン君は「全然ヘーキ!!」と額から血が出てるようだが、致命傷を負っていないようだ。
 上手くボールが当たった瞬間に「硬」で守ったようだ。

 ボールは天井にめり込んでしまっているようだが、天井や壁も床の延長と見なすようで、ゴン君はアウト、ボールは落下地点の予測からこちらのボールで試合再開のようだ。

 なんか、「「バック」はオレが宣言する」とか「こうなったらきかねーよ!」とか「わかったわさ。ただし、「バック」は私達内野の残り人数が2人になってから!いいわね?」とか話しがゴン君チームだけで進んでいるようだが、一応オレらに断り入れて欲しいわ。

 と、まぁそんなことを思いつつボールを受け取り、フェイトに渡す。

 その際オレがボールにオーラを纏わせておく。

 「試合再開」との合図と共にフェイトがオーラで身体能力を上げ、念獣に向かってボールを投げる。

 力のこもったボールは一直線に念獣に向かい、当たる寸前に直角に落ち念獣の足下に当たり、念獣がアウトになる。

 「ほぉ、やるね」

 アウトになった念獣が外野に行き、内野に転がるボールを拾い、最後の一人になったレイザーさんが笑う。

 いや、レイザーさん。その笑顔は恐いです。

 「まさかあのボールが落ちるとはね。あれかな、君がオーラを込めて威力を上げつつ、彼女はただボールを投げることに集中する。そして直球のはずのボールが落ちたということは君が込めたオーラでボールをコントロールしたというワケか」

 バレてーら。

 「だが、オレならあの程度の変化は対応できる。次は無いぞ」

 「ああ。そうかもね。フェイト!」

 そう声をかけてきたレイザーさんにおざなりに返事をし、「練」でオーラを練り上げ、「堅」で纏いつつ、オーラを「円」で広げ、万事対応できるように待つ。
 フェイトもオレを見て何をすれば良いかわかったようで、同様に「堅」をしつつ、「円」を広げる。

 俺達2人を見て、獰猛に笑いつつ内野の後ろの方から前へ走り、助走を付け勢いよく、当然オーラも込めて、下手投げで投げてくる。

 「次は誰かな!?」

 先程と勝るとも劣らない威力で投げられたボールは、キルア君に向かう。

 キルア君が右に避けると急激に左に曲がり、その横にいたビスケさんとオレに向かってくる。

 実力者であるビスケさんは曲がった後反応して跳んで避け、「円」で警戒していたオレも余裕で避ける。

 そのボールを受け取った外野からそのまま狙われるが、レイザーさんからのボールとは段違いに弱くなっているので、普通にキャッチする。

 もっとも「堅」をしてなかったら骨ぐらいは折れていたかも知れんが。

 オレがキャッチしたことでプレイの流れが止まった途端、「ビスケ選手アウト!! 外野へ移動です!!」と審判がコールする。

 どうやら上手く跳んで避けたと思ったら服に触っていたらしい。

 これでこちらの内野は残り3人だ。

 「次誰かが当たったらオレがバックするから!」

 ビスケさんが外野に行ったら外野の方でゴン君が騒いでる。

 ともあれ、試合再開だ。

 「なんか良い手段はあんのかよ」

 キルア君が心配なのかボールを持っているオレに声をかけてくる。

 「あぁ、多分なんとかなるかな?」

 そう言いつつ先程と同じようにボールにオーラを込めていく。ただし、その量は込めれるだけ込めるよう「練」も使い、増し増しにしていく。

 フェイトの方もオレ同様「練」を使い、オーラの総量を爆発的に上げていく。

 「さぁ、勝負だ」

 オーラの込めたボールをフェイトに渡し、身体全体を強化したフェイトが渾身の力でそのボールをレイザーさんに投げる。

 胴体めがけて唸りをあげて迫るボールをレイザーさんがキャッチする。

 パァァァン!!

 キャッチされたボールはレイザーさんの腕の中ではじけ飛ぶ。

 シーンと静まりかえる会場。

 「ボールがキャッチと同時に消失したため、捕球は無効となります。よってレイザー選手はアウトーー!!同時に「バック」の宣言も無いため、試合終了です!!」

 「ぃやったーーっ!!」

 観客から歓声が上がる。

 どうやら上手くいったようだ。

 「俺達の勝ちだーっ!!」  
 
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