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詩集「棘」

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隠れんぼ



君がいなくなって…僕が鬼
捕まえることなどないけれど

夕陽は落ちて 山波焦がす
淋しさが追う時刻
此処に影は…一つ…

二つ・三つ・四つ・五つ…

隠れんぼ 君は逃げて
音もなく 潜んでる
何処へいるかは分からずに…
「もういいよ」が聞こえない…


フラリ君を探す…僕は鬼…
見付けることなど出来ようもなく…

一番星光って 夜が近づくよ
愛しい君の影を
求め歩く…一人…

六つ・七つ・八つ・九つ…

隠れんぼ 僕は追い掛け
在りもしない 夢を見る
そして探し出した君は
他の鬼に…捕まってる…?


遠くへ…鴉鳴く声
去った時を悲歎する…


隠れんぼ 君は逃げて
音もなく 潜んでる
何処へいるかはわからずに…
「もういいよ」が聞こえない…


十まで…かぞえたよ…



 
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