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ガンダムビルドファイターズボーイ

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第七話 発動!結界コントローラー!


二回戦前日、プラモ狂四郎のバトルフィールドにて、ガンダムボーイ対狂四郎&ユアのバトルが行われていた。

前回のチームプレイの未熟さから3人で戦うという事を身体で覚えるためだった。

因みに狂四郎の機体はRX-78ガンダムである。

『うおおおおおお!!』

『でああああああ!!』

狂四郎のビームサーベルと翼の菊一文字が交差すると両者は一旦距離を置き体勢を立て直おすと翼の方が突撃した。だが翼の剣はかすりもしない。

「くそ!初期型のガンダムなのになんて動きだ!」

「プラモは見てくれだけじゃないぜ!モデラーはどんなキットにも精通してて尚且つそのキットの特性を把握してるもんだ!そして・・・納得いくまで作り込むことだ!」

「い!?」

狂四郎のビームサーベルの突きが烈斗に直撃しノックアウトされてしまう。尚、香澄と新之助もユアにノックアウトされてしまうのだった。

ダメージ度はCに設定されていたので対して傷は追ってはいない。


第七話 発動!結界コントローラー!


『いてて・・・負けた』

自ら絆創膏貼って修理する烈斗・・・ガンプラに絆創膏が効くのだろうか・・・とにかく相手の強さに打ちひしがれている。

「はぁ・・・四郎さんやっぱし強いな」

「そう言うなって・・・ブランクは長いし・・・それにだいぶ良くなってきたぞ?」

四郎が香澄たちの方を見ると・・・

「良い二人とも!特に新之助君!香澄ちゃんは初心者なんだから細かい動きさせちゃダメだよ!それに香澄ちゃん!もう少し連携を意識しないと!スタンドプレイの癖がまだ残ってるよ!」

「「ふむふむ!」」

ユアに指摘されて思わず納得する香澄と新之助。するとプラモ狂四郎のドアが空き・・・

「こんちは~」

「どうも」

サエグサ模型店の従業員・ツバサとツバキが入ってきた。どうやらユアが呼んだらしい。

「頼まれたとおり!2回戦の相手の映像持って来たよ!」

「それに対する対策も持ってきましたよ?」

「おう!二人とも!ご苦労!」

そう言ってユアがツバサの持って来た映像をテレビにつなぐとガンダムW系を中心のチームが映し出された。

狂四郎を交え対策が説明されるとその横で烈斗達が自身達だけの会話になった。

『・・・あいつら良い奴だな』

『今時いないよ?ああいう子達』

『烈斗・天津・・・私達は出来る事をするまでだ・・・それにこの大会の邪魔はさせん』

『ああ・・・皆が一歩前へ踏み出そうとしてんだ!俺達は協力するだけだ!』

拳を握り締める烈斗をやれやれと言った様子で見る天津。そして武瑠も盾を見つめ直す。

それぞれの思いを見守る相棒たちは明日の試合に向け英気を養うのだった。


翌日

「ふぁ~・・・」

眠い目をこする翼。昨夜の特訓に次ぐ特訓に疲労が回復し切れなかったらしい。

すると会場で待っていた香澄と新之助。

「翼!よれている場合じゃないぞ!」

「早く!」

「ふぇいふぇい・・・」

香澄に背中を押されて選手控室へ向かう途中だった。

「「「!!」」」

何やら不気味な気配を感じ取り三人が足を止めると周囲が薄暗くなってきた。

「な!なに!?」

「空間が・・・歪んでる!?」

暗闇となっていく周囲・・・そして天井が歪み始めるとその中心から巨大な目玉が飛び出した。

「あ!あの目玉!」

そう・・・その目玉は数々の異変の時に現れていた目玉・・・誰かに憑依しようとせずそのまま実体化を始めた。

それは・・・

「武者・・・ザク?」

武者姿のザクだった・・・それはプラモではなく自分達と同じくらいの大きさであり生きているようだ。

「余興?か・・・」

「とりあえず・・・お友達になりに来たわけでもなさそう」

翼達はこの空間から脱出を図ろうとするが脱出ができない。

『とうとう着やがったか!奴ら』

「烈斗?」

翼の懐から出て来た烈斗。すると武者ザクは抜刀し翼に狙いを定め振り下ろした。

「!!」

突然の事で翼が身動きできないとそばにいた香澄が懐から玉を取り出し武者ザクに向かって投げつけた。

玉が武者ザクの顔面に当ると爆発し目を回した。

そのショックで我に返った翼は・・・

「お前!火薬なんて持ち歩いてるのか!!」

「ふ・・・私は忍者・・・こういうアイテム作るのはお手の物」

「・・・良いの?勝手にそんな物作って・・・」

助かったのだが香澄の行為に対して冷や汗を流す翼。

「ちょっと!お二人さん!」

新之助が慌てて指さすと・・・

『グオオオオオオオオオオオオオ!!』

香澄の火薬玉で目を回した武者ザクは怒り狂って翼たち刀を向けると香澄は再び懐に手をやると何かの玉を取り出し地面に投げつけた。

すると爆発と共に密度の濃い煙で周囲がつつまれる。

「げほげほ!煙玉まで持ち歩いてるのかよ!?」

「最近はこれくらい持ってないと!ほらこっち!」

煙に紛れながら香澄が翼と新之助の手を引いてその場からの離脱を図った。

「お!開いた!はい!二人は逃げる!」

「「ええ!」」

幸い非常階段が空いたのでそこから香澄は二人を逃がし背中から2本の棒を取り出すと連結させると槍に変形させた。

『ねぇ・・・香澄あんた何者よ』

「だから言ったでしょ・・・あたしは忍者」

天津にツッコミを入れられながらも香澄は仕込み槍を構える。

早い話がこの人は武者ザクに売られた喧嘩を買おうとしているらしい。

武者ザクが刀で薙ぎ払おうとすると香澄は蹴りで受け止める。あまりの事に驚く武者ザク、すると香澄は飄々と・・・

「靴の中に鉄板仕込んでるの・・・せいや!!」

そのまま刀を踏み台にすると仕込み槍で肩アーマーを付きダメージを与えるがさほどでも内容で再び追撃しようとすると手裏剣を投げつけながら距離を取る香澄。

武者ザクは手裏剣を叩き落とすが距離を開けられてしまったので構え直すしかなくなってしまった。

『ほぉ・・・ただの人間の分際で粘るな・・・』

「おろ?喋った・・・んじゃ」

特に気にした様子も無く槍を回転させながら武者ザクに向かって火薬玉や煙玉を駆使して翻弄する香澄。

一方で

「香澄!」

香澄に隠れさせられた翼が助けに入るべく戻ろうとすると新之助が止めた。

「待て!翼!」

「離せ新之助!香澄が!」

「香澄ならあと3分は保つ!だから脱出路を確保するんだ!」

新之助がいう事ももっともだった。だが香澄一人にそんな事させるわけにはいかない。

翼も今すぐ出て行って香澄を助けたい。

そう強く願ったその時だった。

「え?これは?」

突如翼の付けているブレスが輝き始めたのだ。今までなかったことに驚く翼。

すると烈斗が懐から飛び出した。

『翼!それを使って正義の結界を作り出せ!』

「正義の結界?」

輝く父のブレスを見つめながら混乱する翼。だが烈斗の次の言葉で我に返った。

『それを・・・結界コントローラーを使って・・・俺になれ!俺に武身しろ!!』

「・・・結界・・・コントローラー・・・」

翼は結界コントローラーを構え烈斗を握り天に掲げた!!

「武身!烈斗ぉぉぉぉぉ!!」

翼の結界コントローラーが輝くと周囲に正義の結界が作られ翼の身体が変わった!

「く!」

香澄が仕込み槍を武者ザクに弾かれてしまうと壁に詰め寄られた。もう手裏剣も煙玉も火薬玉も無く打つ手がない。

『死ねええええええ!!』

「は!」

武者ザクの刀が香澄に襲い掛かろうとしたその時だった。

『でああああああああああああ!!』

香澄は目を疑っている。武者ザクを体当たりで吹っ飛ばす巨大な烈斗頑駄無の姿が・・・

『香澄!大丈夫か!?』

「その声・・・翼!?」

目を丸くしている香澄に烈斗頑駄無・・・いや翼が己の身体を確認すると・・・

『なんじゃこりゃあああああああああ!!』

烈斗頑駄無になっている己に仰天するのだった。

(くそ・・・意志は俺じゃねえのか!)

『烈斗?』

翼の頭の中で響き渡る烈斗頑駄無の声が・・・

(翼!ボーっとするな!奴の方を見ろ!)

『え?』

翼が振り返ると立ち上がる武者ザクの姿が覚悟を決めた翼は腰から菊一文字を抜刀すると脳裏に何かが流れ込んでくる。烈斗頑駄無の闘い方だった。

『うおおおおおおおお!!』

『でやあああああああ!!』

武者ザクの一閃を受け止める翼はそのまま蹴りを入れて距離を置くと香澄を抱きかかえ隠れている新之助の元へブーストした。

『新之助』

「翼!・・・お前その姿!」

『話はあとだ!!』

翼が新之助も抱き上げた瞬間、壁をぶち破って現れる武者ザク。

「翼・・・ここで決着をつけるしかないぜ・・・」

『新之助・・・わかった』

状況判断をした新之助はここで決着をつけなければならない事を告げると翼も同意し二人を降ろすと必殺技の構えをとった。

『天地・・・翼あああ!!』

『烈火!鳳凰斬!!』

火の鳥と化し武者ザクをすれ違いざまに薙ぎ払うと燃え盛る武者ザクは・・・

『ふふ・・・親子・・二代で・新生闇軍団に・・戦・いを・挑むとはな・・・』

『新生・・・闇軍団・・・』

『魔殺駆様!!』

不気味に燃え尽きる武者ザクを見る翼は元に戻ると烈斗が肩に乗り香澄と新之助も駆け寄った。

「新生闇軍団・・・一体・・・」

「まぁ・・・正義の味方ってわけじゃなさそうね」

新之助と香澄は何かを感じ取り無我夢中だった翼も冷静になると2回戦を思い出しすぐに会場に向かうのだった。

「遅い!」

「まぁまぁまぁ」

怒るユアをなだめる狂四郎。翼たちはすぐにフィールドに向かうが・・・香澄が翼の耳元で小声で話しかけた。

「・・・で・・・どうするの?・・・翼・・・武身の事・・・新生闇軍団の事」

「どうするって・・・言えるわけないだろう・・・四郎さんやユアさんに迷惑はかけられない・・・巻き込むわけにもいかない」

「じゃあ・・・当面は俺達3人の秘密・・・って事か」

香澄・翼・新之助の3人は一通りの決着を見るまで結界コントローラーの事を秘密にすることに・・・

すると

「みんな!早く試合試合!」

「「「は!はい!!」」」

ユアに呼ばれて2回戦を始め、チームプレイの弱点が克服された試合展開を披露し勝利を納めるのだった。

そして・・・それを見つめる少年の姿が・・・

 
 

 
後書き



「第三試合!いよいよ調子づいてきた・・・次の相手は・・・騎士ガンダム!?」

烈斗
『あいつ・・・まさかあいつは!』

次回! あいつが俺のライバルだ!


「勝負だ!騎士ストライクガンダム!」
 
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