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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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本編
  トリップの時間(2016/05/16 改訂)

 
前書き
トリップに関与した神をギリシャ神話系神から無所属系神に変更しました。 

 



【視点:???】



俺の名前は南樹。どこぞの漫画の主人公と同じ名前ということもあって、イッキという愛称で呼ばれているが名前と愛称に関してツッコミは入れないで貰いたい。

さて。それじゃあ自己紹介も終えた所で、俺の現状について説明したいと思う。俺の現状―――気が付いたら前後左右上下全方位が真っ白な謎の空間にいた。

………全方位真っ白空間って、ディラックの海かよ。けど、俺はこの空間に対象を引き摺り込む某十二使徒と戦った記憶も無ければ、某ヒト型決戦兵器のパイロットになった記憶も無い。


(……俺はどういった経緯で、この謎空間に引き摺り込まれたのだろう?)


そんなことを考えていると、俺の目の前に籤引き箱が1つと少し離れた場所に巨大なルーレットが1つ現れ、クラッカーの様な破裂音と共に俺の周囲を紙吹雪が舞い始めた。

紙吹雪の発生源は、俺から見て斜め前方頭上。見上げてみると、そこには割れた巨大な久寿玉があった。垂れ幕もついていて、そこには―――


(貴方は第32並行世界で地球人類初の転生テスターに選ばれました。おめでとうございます。………?転生って、輪廻転生の転生だよな?
しかも並行世界って、あの並行世界だよな?俺の生きてた地球って32番目なの?あと地球人類初って、地球外で転生してる人類がいるのか?
……まぁ、これが本当なんだとしたら、輪廻転生を信じて死んでいった現在に至るまでの仏教徒及びヒンドゥー教徒が報われないにも程がある。普通に考えたらあり得ない話――)
(それがあるんですよね。事実は小説より奇なり、という奴です)


性質の悪い悪戯と割り切ろうとした瞬間、俺の頭の中に男とも女とも取れる中性的な声が響いた。


「……どこの誰だ?現代技術で頭の中に直接声を響かせる手段は無かった筈だが?」
(どこの誰かと問われると、神様としか言い様がありませんね。私の声が貴方の頭の中に直接響いているのは、神の御業とでも思って下さい。
あっ、ちなみに私は第32及び第40並行世界・地球担当の神―――高位次元生命体なんですが、地球人類が信仰してる宗教の神とは一切関係ないので、仏教徒やヒンドゥー教徒のことを気にする必要性はありません)
「………えっと。取り敢えず、その高位次元生命体様が何で俺の様な人間を輪廻転生の対象に選んだんだ?」
(それは、貴方がこの世界でとてもつまらなそうに生きていたからです)
「……まぁ、否定はできないな。俺、周囲から天才とか言われて、実際大抵のことは人並み以上に熟せていたから、この世界で楽しみを見出せなかった」
(そうですよね。頭の出来がノゲノラの空白兄妹と灰色シリーズの風見一姫を足して割った様な規格外な上、まるで刀語の鑢七実みたいに視認するだけで他者の技術を盗めてしまうというバグの様なハイスペック。
貴方にとって、第32並行世界はさぞ詰まらない所だったでしょう。だからこそ私は、そんな貴方がどの様な世界に行けば楽しみを見出せるか、それを知りたくて貴方を転生させることにしたのです)
「どの様な世界?おい。普通、輪廻転生っていえば、現在より未来の世界に再誕することを言うんじゃないのか?」


自称:神の物言いに疑問を感じた俺が質問すると、神は律儀に答えてくれた。


(誰も輪廻転生とは言っていませんよ。垂れ幕にも転生テスターとしか書いていないでしょう?貴方には第32並行世界とは別の世界に転生――というか、トリップというべきですか?取り敢えず、そんな感じのをして頂きます)
「何とも曖昧な説明だな。で、俺の目の前にある籤引き箱とルーレットは何だ?籤引きはまだしもルーレットはダーツでも投げて、当たった所の景品でもくれるのか?」
(半分正解、といった所でしょうか?取り敢えず、籤を引いて下さい。話はそれからです)
(この神様、異世界に行けと言ったかと思えば、今度は籤を引けと言い出した。俺に一体何をさせたいんだ?)


そんなことを考えながら、俺は籤引き箱に手を突っ込み、籤を引いた。そして、籤を開くと――


「……もう4回籤を引いて下さい?」


籤の内容がそうなっていた。どうやら、俺はあと4回籤を引かないといけない様だ。俺は持っていた籤を捨てると、再度籤箱に手を突っ込み、適当に4枚の籤を引いた。そして4枚の籤を開くと、そこには以下の内容が書かれていた。

・るろうに剣心の悠久山安慈と瀬田宗次郎の身体能力(※1)と戦闘技術(※2)
・HUNTER×HUNTERのゾルディック家の身体能力(※3)、及び念を除く暗殺技術(※2)
・エア・ギアに登場する真・空の玉璽(レガリア)と王を含む暴風族全ての(トリック)、及びA・T製作技術(※2)
・殺し合いを含めた戦闘に物怖じしない精神力

※1)主に巌の様な硬さとゴムの様な柔軟さを兼ね備えた筋肉
※2)経験、知識含む
※3)毒耐性、菌耐性、拷問耐性、身体操術、歩法etcetc


(何だ、これ―――ッ!!)


籤の内容を理解できなかた俺が首を傾げようとした直後、頭の中にこれまで知りもしなかった知識が一気に叩き込まれ、その反動による頭痛が俺の頭を襲った。


(二重の極み、陸震、空雷、海鳴、縮地、瞬天殺―――暗歩、肢曲、蛇活―――A・Tによる(トリック)――A・T製作法――)
(おおっ!中々いい特典を引きましたね。それらのスキルがあれば、どの様な世界に行ってもそう簡単に死ぬことは無いでしょう。特に空の玉璽(レガリア)は使い方次第で兵器にもなりますし。それでは、次のルーレットに移りましょうか。と、その前に―――)


いきなり叩き込まれた知識に戸惑う俺を神は無視し、次のルーレットへと進もうとする。しかも、俺の目の前に鉢巻の様なものを落としてきた。


(これは鉢巻ではなく、目隠しです。貴方、動体視力が凄くいいですよね?目隠ししてダーツを投げた方が、どんな異世界に行くか運試しにもなって面白いと思うんです)
(あのルーレットは行き先の異世界を決めるルーレットだったのか……)
(さぁ、速く行き先を決めましょう!レッツ、ダーツ!!)
(何だ、その意味不明なテンション……)


俺はそんなことを思いながら目隠しをし、ルーレットのある方向に向かって右手親指と人差し指の間に現れたダーツを、適当に投げた。


(貴方の行き先は、私の妹が管理する第96並行世界・地球―――暗殺教室の世界ですね!中々、面白い世界に刺さりました!)
「暗殺教室……、殺伐とした未来しか想像できない名なんだが?」
(そんなことはありませんよ。ちゃんと中学生らしい青春も謳歌できる筈です)
「……は?ちょっと待て。今、中学生って言ったか?あんた、異世界に転生ではなくトリップするとか言っていたから、現時点での俺の年齢からスタートするんじゃないのか?」
(別に貴方の今の年齢からスタートするなんて、一言も言っていませんよ。それにこれが普通の転生だった場合、赤ん坊からスタートしていたんですから、中学生からでも大丈夫でしょう?)
「……確かに、赤ん坊より中学生からの方がマシだが―――」
(では、早速行ってみましょう!)


神がそう言うと足場全体が無くなり、何とも言えない浮遊感を体感しながら何処かへ向かって落下することになった。


「って、パラシュート無しでの自由落下とかあり得ねぇ!神!!てめぇ、いつかぶっ飛ばすから覚えてけよ!!」



【視点:神(第32及び第40並行世界・地球担当)】


(いつか私をブッ飛ばす。それは私と同じ高位次元生命体、もしくは超次元生命体にでもならないと不可能なことです。……おっと、そういえば彼を若返らせるのを忘れていました。
肉体年齢を15歳まで戻す―――だけじゃ面白くないですね。彼の名前は南樹。エア・ギアの南樹と同じ姿に変えておきましょう。彼も確か中学生でしたし。
真剣な顔をしている時の彼は基本的にカッコいいですから、さぞモテることでしょう。フフフ)


 
 

 
後書き
実は執筆当初、転生特典のエア・ギア項目が聖闘士星矢の聖闘士の能力だったりしました。(笑)

けど、その場合主人公の速度が光速に至って、チート過ぎることになるのでエア・ギアに変更しました。

今後、話が進むにつれてE組のメンバーにはA・Tが与えられる可能性があります。空の王を除く他の王に誰がなるのか。是非とも想像してみて下さい。(笑) 
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