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EVANGELION ANIMA~もう1つの可能性~

作者:
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四話 見知らぬ記憶

 
前書き
お久しぶりです。最近リアルが忙しくて投稿できませんでした。
作者が早く話を進めたいために内容がグチャグチャになっているかも…

 

 
NERV VS 戦自の戦いから1ヵ月が経ち、何とか組織として回復したNERV本部。
司令兼作戦部長のミサトを先頭に、副司令兼作戦副部長のマコト、技術部長兼エヴァ開発責任者のマヤ、情報局長兼諜報部管理長のシゲルが中心となっていた。
だが、オペレーター3人の仲は今だにギクシャクしており過去にマヤがリツコに言った
「自分の仕事はしますが……」といった感じだ。
目を決して合わせようようとしないマコトとシゲル。
仕事に戻ったものの魂が抜けたような状態のマヤ。
そんな部下達の様子に頭を悩ますミサト。

しかし、時間は待ってくれない。一刻も早く最終決戦への準備を進める必要があった。ZLLELには、9体のエヴァシリーズ…いや、もしかすると数を増やしてくるかもしれない。それに対しこちらにはエヴァが3体、しかも起動できるのは、初号機と弍号機の2体だけ。
ミサトは各支部に協力を求めたが既に本部以外の支部はZLLELの支配下にあった。
機体はあるがパイロットがいない。ダミーブラグ(アヤナミシリーズ)もリツコが破壊してしまった。

元第壱中学校の2ーAのクラスには30人近くのパイロット候補が集まっていたが1%程しかシンクロできない者ばかりでその中で最も高いシンクロ率を望めたのが鈴原トウジだった。
その彼も参号機が使徒にのっとられたことがそれが原因で左足を失うという重傷を負った。
NERVのクローン技術にかかれば足の一本や二本を治すことは可能だが、怪我をした妹を出汁に無理矢理パイロットに任命したのだ。協力してくれる見込みは低い。
トウジの次にシンクロ(高)できる可能性あるのは、相田ケンスケと洞木ヒカリ。しかしその2人はパイロットのシンジやアスカ、トウジ(仮)と仲がよくエヴァや使徒の危険性も熟知しているであろう。ミリオタのケンスケはともかく、ヒカリは、トウジやアスカの件もありNERVを憎んでさえいるはずだ



「参ったわね…」司令室で報告書に目を通すミサト。その顔は、真剣そのものだ。
手に持っている報告書には、NERV支部の行動や経済情報がギッシリと書かれている。
ZLLELは本部に回していた金を殆ど支部に振り分けていた。本部に与えられたのは戦自や国連に怪しまれないように渡されている使徒戦時の10分1程度。これでは本部の敗北は確定だろう。いつの時代も金があるのが勝利するのだ。こればかりは努力ではどうにもできない。

[ガチャ]受話器を手に取る。
「…私よ。至急日向二佐と青葉二佐、伊吹博士をここに呼んで」3人揃ってに呼び出すのは久々だ。特にマコトとシゲルの間の空気は最悪で付き添った部下が退室許可をくれと言ってきたほどだ。
「遊んでばかりいられないのよ…」


第2発令所
[ー至急司令室までお願いします]
「司令室に…?ハァ…アイツもか」発令所の司令塔で現場監督をしていたマコトの耳にアナウンスが入る。
シゲルやマヤには極力顔を合わせたくないが司令の命令なら仕方がない。
マコトは仕事を後にし、重い足取りで司令室に向かった。

情報・諜報部長業務室
[ー至急司令室までお願いします]
「ハァ、わざわざ3人同時に呼び出さなくても…司令が俺達の仲悪いの一番知ってんだろうに」
特徴的な長発をかきあげるシゲル。彼は自分達の仲をどうにかして戻そうと考えてはいるが、どうしてもマコトと揉め事になる。マヤなんてリツコの死体が見つかってからまともに会話すらしていなかった。

第7ケージ
[ー至急司令室までお願いします]
「……」NERVの制服の上から白衣を羽織ったやや童顔の女性、マヤ。
アナウンスが入ってもさほど気にすることなく現場の指揮を取る。その顔は無表情、まるでレイのようだ。
アナウンスを聞いていた部下にしつこく言われて司令室に向かったのだった。




「「「失礼します」」」
二人はややイラだった声で、もう一人は無機質な声。
司令室には、現NERVのトップが集まっていた。
「…皆も分かっているとは思うけれど今のNERV本部には時間もお金も無いわ」
「「「…」」」
「そこで私はエヴァに継ぐ新たな兵器の製作を提案します」
キッパリと言い切るミサト。
「エヴァに継ぐ?」
技術部主任のマヤが代表で訪ねる。
「ええ、でもこれを実現させるにはあなた達の協力が必要になるわ」
「協力…ですか」
横目で睨み合う二人。そんな二人をみてため息をつくマヤ。
ついには、マコトとシゲルが小声で嫌味の言い合いを始めた。

[ダンッ!]ミサトは力一杯デスクを叩く。
「あんた達!いつまでそうしてる気!?大切な人を失ったのはあなた達だけじゃないのよ?私達大人がしっかりしないでどうするの!」
「「「……」」」
ミサトの言う通り本部の職員の中には恋人や家族を亡くした人がたくさんいる。いや失わなかった者の方が少ないかもしれない。そしてミサトもその内の一人だ。
「日向君に青葉君!どうしてわざと反発しあうの?以前のあなた達はもっと大人だったわ。マヤもそう、もっと周りに合わせなさい。私やリツコ、日向君や青葉君以上に協調性があったのは貴女だったのに」

戦自が攻めてくる前の3人は、所属が違うにも関わらず仲が良かった。特に同性で年が近いマコトとシゲルは、勤務時間外になると飲み行ったりしていた。
マヤは、技術部の職員と仲が良くまたリツコとの仲も良かった為にリツコとリツコに近寄りがたい(オーラ的なものを感じる)職員の間を繋ぐパイプの役目をしていた。

「あなた達は今NERVの要なのよ?しっかりなさい」
語り掛けるように話すミサト。
うつむいている3人、今の自分に思う所があるのだろう。
「今日の話し合いはここまでよ。さっ、仕事に戻りなさい」
ミサトの声に怒った感じはない。
「時間…ないんじゃなかったんですか?」
小さな声で訪ねるマヤ。
「時間がもったいたいと思うなら行動で表しなさい」
互いの顔を見合う。
「「「はい…」」」
返事に元気がないが反省はしていたようなので大丈夫だろう。
3人が退室したのを確認したミサトは口元で指を組む(ゲンドウポーズ)
「これで3人の仲が戻ってくれれば……後は、あの2人か…」

初号機パイロット碇シンジと弍号機パイロットの式波・アスカ・ラングレー。
2人は現在本部の社宅を借りてミサトも合わせて3人で暮らしている。学校は本部からかなり離れた第2新東京市にあるが、ミサトが司令の権限を利用しVTOL機を使って通学させていた。また、エヴァパイロットとばれないように学校では、偽名をつかい偽戸籍も置いている。わざわざ元第壱中学の友達がいない学校を選んだのはシンジとアスカが自分達で申し込んできたからだ。
今は友達も新しくできたようで楽しい学園生活を送っていた。
シンクロテストもあの日から一度もしていない。
もうエヴァは必要ないと2人も思っているからだ。ミサトはエヴァシリーズとZLELLのこと、またエヴァに乗って戦わないといけないということを話していなかった。

「今度はちゃんと伝えないと」
参号機の起動実験の日、ミサトはシンジに参号機に乗る予定だったパイロットが誰なのか最後まで話せなかった。参号機にトウジが乗っていたのを知ったのは、プラグから救出されている所を初号機のモニターで見たときだった。
ミサトがシンジにもっと早く伝えておけば、どうにかなった可能性もある。
「後悔と自己満足の繰り返し…成長してないのは私ね」
悲しそうに笑うミサト。
「いまさら後悔したって遅いのにね…
まずはコレを片付けなきゃ…」
マコト達がくるので足元に隠した大量の始末書。自室にはこの倍の量が溢れている。
「日向君達にはさっきあんなこと言ったばかりだし…」
カッコつけたあとにすぐ頼るなんていくらミサトでも恥ずかしいことだった。
「トホホ…(涙)」
周りに頼るという選択を諦めたミサトは、始末書という敵と格闘を始めた。


ー数日後
「あなた達に集まってもらったのは前に言っていた『エヴァに継ぐ新たな兵器』についてよ」
司令室には前回同様NERVのトップが集まっていた。
「しかし、葛城さん。NERVの予算はエヴァ2体の修理と現在維持だけで精一杯なんですよ?」
マヤの言う通り四号機戦で傷ついたと初号機の弍号機の修理に今月の予算の半分以上を使った。また、エヴァはいつでも発進できる状態を維持するためには大量の電力を使用する。とても新しく兵器をつくるお金は余っていない。
「ターミナルドグマにあるエヴァを分解すれば部品は何とかなるでしょ。それにターミナルドグマに割り当てている電力を必要最低限に抑えればなんとかなる…そうよねマヤ?」
「!…はい」
マヤはドグマにあるリリス、レイのクローン、そして10年前に破棄されたエヴァの試作品の存在を知っていた。
レイのクローンが浮いている部屋にはダミーシステム開発の際に何度も出入りしていたしリツコに連れられ頭だけの零号機(?)も見たことがある。
しかし、驚いたのはミサトがマヤも実験に関わっていたことを知っていたことだ。
「「?」」
2人の話しに付いていけないマコトとシゲルはちんぷんかんぷんだった。
「あのー葛城さん、どいうことです?」
マコトがミサトに訪ねる。
「二人にも見せないとね。ついてきて」
途中のし席を立ち上がり有無を言う前にスタスタと歩いて行く
「あっちょっと!」
慌てて後を追うマコトとシゲル。
4人の目指す場所はターミナルドグマ。


[ピッ]
ガシャンッ
ゆっくりと開いていくヘヴンズドア。
始めに見えるのは紫の仮面をした白い巨人リリス。
「実際に見るとスゴイな…」
シゲルは前に一度来たことがあるがマコトは発令所のモニターで見ただけで実物は初めてだった。モニターで見るより迫力がある。

[プシュッ]
ドグマの先にあったのは何年も放置されていたような病室。
古びた機器にビーカーや何かしらの薬剤。
病室にしては衛生的に問題がある。
「漫画に出てくる人体実験の現場みたいだ…」
シゲルの呟きもあながち間違ってはいない。この部屋は、2人目のレイが幼年期に実験も兼ねて暮らしていた。
「葛城さん、ここは一体…」
マコトが訪ねる。こんな部屋をみて不審がらない人はいないだろう。
「リツコが言うには、レイが幼い頃に過ごしていた所よ。ま、私ここにに来たのは二回目だしマヤの方が詳しいんじゃない?」
ミサトはマヤの方を向く。マヤは暫く黙っていたがゆっくりと口を開く。
「ここは、レイが10歳になるまで使っていたんです。私が始めて来たときレイは既にここを出ていましたから、先輩に聞いたことなんですけど、当時レイは知識も殆どないに等しく一人で生活するのが難しかったので検査も兼ねてここで暮らしていたそうです」
マヤの言葉に二人は驚いた。
この部屋がとても4年前まで使用されていたと思えないからだ。少なくとも10年以上は放置されている風に見える。
とても人の住むような所ではない。
「見せたいのはこの先にあるわ」

ミサトを先頭に薄暗い通路を歩く。
床は埃が被っており人が通った形跡もない。
[ガシャン]
通路の突き当たりの扉が開く
奥は暗くて何も見えない。
「あーマヤ、照明つけて」
「はい…」
[カチッ パッ]
マヤが壁際にあるスイッチを押すと急に室内が明るくなる。

「…!?」
そこには、吊るされた状態のエヴァの頭。それも10や20ではない。
「か、葛城さん…これは」
「エヴァンゲリオン零号機の試作品よ。10年前に破棄されたらしいけど。」
「約12年ほど前に碇ユイ博士が開発していたエヴァプロトタイプの簡単に言えば『失敗作』です。
大きいので一つ一つ処理するのも大変ですし、ここに固めて置いておいたら数が増えて処理できなくなったのでドグマの空いた此処に放置されていました」
付け足すようにマヤが説明する。
「確かに…これだけあれば、まだ使える部品がいくらか残ってそうですもんね」
エヴァの製作に使用されるボルトやバネなどの細かい部品は世界最先端技術の結晶。ここのエヴァにも勿論使用されている。1万2千枚の特殊装甲だけはどうにもならないが。

「……」
「どうしたの?マヤ」
マヤはずっとうつむいている。いや、エヴァから目を逸らしている。
ここにある失敗作のエヴァ達は全てコアの移植に失敗した『脱け殻』
【失敗した数=人の魂】 なのだ。
つまり何十人の魂がここで消えたのだ。そして、その魂が第壱中2ーAの生徒の母親だったりする。
そのことを既に知っているマヤは、エヴァを正面から見ることができなかった。

ちなみに、移植できずに残ったコアは別の場所で保管されている。
ミサトが知るのはもう少し後になるのだが…

ー再び司令室
「しかし葛城さん、なにも新しく造らなくたってエヴァを強化すれば済む話じゃないんですか?」
「そうっすよ。下にあるのもエヴァ専用の部品なんですし」
マコトとシゲルの言うことも間違っていない。
お金も時間もないのならゼロから造るのではなく、今あるものを強化したほうが良いに決まっている。
しかし、ミサトはエヴァの強化という意見に賛成しなかった。なぜなら、
「私は…あの子達にしっかりと『人』の道を歩んでほしいの…」
エヴァに乗って戦うことが当たり前になってしまったチルドレン。そのせいで、エヴァの中にしか自分の居場所を見いだせなかったアスカは一時期精神病に掛かった。
客観的にみるとカッコイイ英雄のように聞こえなくもないが、たった14歳の子供が人類を守る為戦場に出るなんてどうかしている。
NERVの職員の多くも子供を戦場に送り出すことに罪悪感を感じた筈だ。ミサト、マコト、マヤ、シゲルも例外じゃない。
「あの子達はエヴァに乗ることが自分の使命と考えている所かあるの。でもそれじゃいけないわ。その為にも子供を乗せなくてもいいようにしたいの」
今のミサトは、保護者ではなく『親』として2人の未来を考えている。
「「「…」」」
3人は過去を振り返った。
父親に呼び出されて半ば無理矢理エヴァに乗せられ、使徒の戦いで大切な人達をなくしたシンジ。
周りの人達に自分を見てもらいたいが故にエヴァに乗って戦うことが生きがいになってしまったアスカ。
シンジのお陰で新たな『好き』という感情を持つことができたのにその直後に全て失ってしまったレイ。
子供達の心を壊した使徒…そして自分を含めた大人。
これ以上子供に頼ることはできない。

「葛城さん、僕は葛城さんの意見に賛成します」
「俺もです。今まで子供達に頼りすぎてたんですから」
「私もです。これ以上大人の喧嘩に子供達を巻き込みたくありません」
仲違いしていた三人の気持ちが一つになった。
「あなた達…よしっ今日の会議はここまでよ。後日正式な会議を本部全体で行うわ。色々と忙しくなりそうだからね」
部下の意見も聞き方入れておく方が良いだろう。
「それじゃあ解散…っとマヤは残って」
「?はい」
「「失礼しました」」
敬礼し退室する二人。
[ガチャン…]

「マヤこれを見て」
ミサトは卓上の端末を立ち上げる。
[カチカチカチ…]
映し出されたのは戦艦のようなものの設計図。
「なんですか?コレ」
「私が考えてる兵器の完成図よ」
しかも結構詳しく。
「…」
だが、マヤは不審に思った。技術専門でないミサトが独自でここまでの設計図を描けるわけがない。
「S2機関を利用すれば使徒でもゼーレでもかかってこい…まさに『神(リリスとかアダム)殺し』ヨ♪」
子供のように語るミサト。  
「何を言っているんです?葛城艦長…」
呆れたというような感じのマヤ。   
「あら?伊吹整備長私は本気よ」
ニヤニヤしながら言われてもなぁ…
「……でもメインエンジンは初号機じゃなくて四号機なんですね」
「初号機には劣るだろうけど仕方ないわよ…」
「ヴンダーモドキか…」

……………………ー沈黙



「「はぁ!?」」
 
 

 
後書き
作者:長くなったので中途半端で終わらせました。
ミサト:ったく、中途半端にも程があるわよ。
マヤ:これじゃうまくまとめられないから無理矢理に切ったみたいですよ…。
作者:(ギクッ)んな訳ないでしょ~。
ミサト:怪しいわね。…ところでもう少し投稿早められないの?
マヤ:前回1週間に2.3回っていってましたよね?
作者:うわーん。ドラ○も~ん(タッタッタッ)

ミサト:逃げたわね。図星か。
マヤ:ま、期待せずに待つしかないですね。
ミサト:そうね…
それじゃぁ次回もサービスサービスゥゥゥゥ!


*アスカの名字が『式波』の理由
何故アスカの名字が新劇の方なのかというと…DSでは、『そう』が出てこないからです。
音、訓読みどちらを変換しても出てきませんでした。申し訳ございません。
性格は、新世紀×新劇÷2ぐらいに設定します。 
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