| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜

作者:
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

お昼休みは危険だらけ

 
前書き
ということで昼休みになりました〜 

 
あの後、なんとか午前中の授業を終えた私達班はお互いに達成感を感じていた。そして、訓練機を片付け 制服に着替えて食堂に向かおうとした私を呼び止めたのは

「よっ!優里、一緒にご飯食おうぜ!」

と親友に呼び止められたなら、断るわけにはいかないだろう。一夏後に続いて歩いていくとそこには地獄とも天国とも言える光景が広がっていた。

☃☃☃

「あぁ……えっと……。私、本当にここに居ていいんでしょうか?」

「僕もいいのかな?」

ここは屋上にあるスペースにある円テーブルに並んでご飯を食べているのだが……。ジィー、ジィーと親の仇がなんかみたいに明らかな邪魔者を排除しようとする視線が痛い……だからかな……なんというか……居づらい……。
ちなみに並びは私から始めて右から一夏、箒、凰さん、オルコットさん、デュノアさんの並びである。

「なんでだ?優里、まだここに慣れてないだろ?オレが色々後で教えてやるよ、シャルルもな」

空気が読めてるのか読めてないのか……いや、読めてないな……。そういえば、一夏って昔からこんなだったな……と昔に思いを馳せていると

「そういえば、箒。そろそろ、俺の分の弁当をくれるとありがたいんだがーー」

「…………」

「なっ!なんだよ。優里っ」

黙って弁当を差し出す箒を哀れに思いながら、私は一夏を睨む。その一夏はというと私が突然睨むので慌てていた。
(一夏はもうちょっと……周りを見た方がいいじゃないんでしょうか……?)
はぁ……と人知れずため息を着く。

「おぉ。豪華ぁ〜〜」

目をキラキラさせている我が親友。
【子供かっ】と思わずつっこんでしまう私。買ってきたパンをちぎって口に含む。しっかり噛んで飲み込む。

「箒、すげぇなぁ〜‼︎どれも手が込んでそうだし、そして何より美味しそうだ」

モグモグ

「ついでのついでだ!あくまで私が食べるために時間をかけただけだからな……その、誤解するな……」

モグモグ

「だとしても嬉しいぜ。ありがとうな、箒」

モグモグ

「そっそうか……」

ゴックン。テレテレと顔をだらしなく、緩ませる箒。私はそれを見て、パンをちぎり口に含む。

「なぁ。箒、なんでそっちに唐揚げ無いんだ?」

モグモグ。モグモグ、ゴックン。

「!なっ、これは……」

「……ねぇ、一夏。そのこんにゃくとゴボウの唐辛子炒め、美味しそうじゃない?私、味が気になるな〜。食べて、味教えてよ」

横入りしないと前に進まないだろう……と思い、思わず助け舟を出す。しかし、我が親友はそんなことでは引かなかった。

「まぁ、あとでな。それより……」

まぁ……で断られてしまった。なら、私も食事を続けよう。この先はどうなろうと私は知らない。

「その……ダイエットだ!私は今、ダイエットしていてな。それで一品減らしているのだ」

モグモグ。モグモグ。

「そうなのか?でも、ダイエットするほどではないと思うが」

と一夏が箒を見る。そして、その失言を耳にした凰さんとオルコットさんが目の色を変える。凰さんは腕を組んでコンクールをコツコツと靴で蹴っているし、オルコットさんは呆れて声で出ない状態だし……。
(あぁ……知らないですよ……私は……)

「なんで男ってみんなそうなのかしらね。ダイエット=太っているって」

「本当、デリカシーに欠けますわね」

「イヤイヤ、そういう意味で言ったんじゃなくてなーー」

そう言って横を向いた一夏。だけど、向いた先がいけなかった。そこには顔を赤顔している箒、そしてボキッと音が出るんじゃないだろうか?と思う勢いで顔を手で押し返す。
(………)

「一夏っ!貴様!どこを見ている?どこを!!」

「どこって……身体だろ……?なんで、顔赤ーーぐわっ!?」

「あんたって奴はっ。なに堂々と女子の胸を見てるのよっ!!」

ガタンガタンと揺れる机。揺れるといってもほんの少しなんだが
(あっ、危ない。パンが落ちます)
私は横に座るデュノアさんの肩を叩く、すると一夏とその他三人のじゃれあいに困惑顔していた。私は後ろのテーブルを指差す。それで私がどうしたいのか分かったのだろう、しかしすぐには頷かず。四人を見て、小声で私に問いかける。

「いいのかな?助けなくて……」

「いいんですよ。そのうち、収まるでしょうし 一夏はもう少し女心というものを理解すべきだと思うので」

(そうじゃなくても天然の女たらしですからね)
二人ならんで大人しくパンを齧っていると

「一夏さんには紳士になるための素質が色々と欠けているようですわね」

とオルコットさんのマジ怒りの声が聞こえた。あぁ、顔笑っていて怒るって結構怖いんだな……。それに私の親友はくだらない事を考えているようだし……。

「「一夏っ!!」」

箒&凰さんに怒鳴られた一夏は助けを求めるべく、私を探す。その私はというと、デュノアさんに視線を固定して一夏を無視である。だって、おっかないもん。

「優里ぃ……」

「………」

無視です。無視、元はと言えば一夏が悪いんですから。

「優里ぃ〜」

「………」

「えっ……と。那珂さん?一夏が呼んでるよ?」

デュノアさんは私と一夏の顔を交互に見て、困ったように言った。
はぁ……、仕方ないですね……。相手しましょうか……。

「……なんですか?一夏?」

「いや、優里。なんでそんなに面倒くさそうなんだ?」

「私の事はいいんで……結論から言いますと一夏が悪いんですよ。皆さんに殴られるような事言ったり思ったり動いたりするから」

「なら、オレはどうすればいいだ?」

「知りません。自分で考えてください」

「即答っ!!」

ガックリと倒れる親友。その親友を見ながら、あっち側のテーブルのメンバーが何か呟いた。

「……なんなんだ、小さい頃から何かというと優里優里って」

「……何よ。アタシよりそういうタイプの方がいいっていうの」

「……わたくしだって、そういうタイプですのに」

最後のパンも口に含んで、よく噛んで食べる。

「ご馳走様でした〜」

あぁ、美味しかった。

☃☃☃

「美味しいな‼︎この唐揚げ‼︎」

さっきまで凹んでいたのにこの立ち直りって美味しいものって凄い……。私はそう思って、美味しそうに食べる一夏に良かったですね…と相槌を打つ。

「そっ、そうか?」

「隠し味は何を使っているんだ?」

「大根おろし適量だな」

箒が嬉しそうに言う。一夏もうんうんと聞いており、なんか……アレみたいですね。

「優里もいるか?美味しいぞ!」

突然、左を向いてそう言う一夏。
(……貴方はバカですか……)
と思うが正直、気になって食べてみたいと思っていたのは事実だ。なので、私は右手を差し出す。

「?」

?マークを浮かべる親友に私は言う。

「手に置いてください」

「いや。手汚くなるぞ……」

「気にしません」

「いや……」

「なら、要りません」

そう言って、手を引っ込める。私に一夏はあぁ、分かった!!と言うと手に唐揚げを置く。それをパクっと食べた私は目を丸くした。

「美味しいです‼︎箒って料理出来たんですね‼︎」

「どういう意味だ‼︎」

食ってかかる知人をまあまあと落ち着かせる私。はぁはぁと肩で息する知人。そんな知人にさらなる試練が降りかかる。

「本当に美味しいのにな……。箒 本当に食べないのか?」

「いらんと言っておるだろう。一夏が食べてくれ」

「でもな……」.

往生際が悪い親友は箒に向けて、あるものを掴んであーんと言う。それに固まる知人、私はそれを見てニヤニヤと笑う。

「その……一夏……」

「どうした?美味しいぞ?」

その様子を見て、一夏を睨む凰さんとオルコットさん。それにまたズレた考えを浮かれる我が親友。

「そうだな。私も食べて見たかったんだ」

そう言って、一夏から唐揚げをもらった箒は平然を装っていたが、顔はゆるゆるだった。そんな箒を見たデュノアさんが一言。

「箒と一夏って仲睦まじいね」

その後、あははとスマイル。それに即座に反応したのは凰さんとオルコットさんだった。なんか異様なオーラを感じるな……。

「誰が‼︎誰がこいつらが仲いいのよ!?」

(うわぁ、怖い怖い)

「そうっ、そうですわ!やり直しを要求しますわ!」

(何をやり直しのだろう……)

二人の攻めに変わらず笑顔でまあまあとするデュノアさん。この人只者じゃないですね……。
(これは話を変えた方が良さそうですね)

「えっと。皆さん、食べさせあいっこしませんか?それなら、文句ないでしょう?」

「突然どうしたんだ?優里?オレならいいけど」

「まぁ、一夏がいいなら……」

「わたくしも異論無しですわ」

「僕もいいよって。パンだけどね」

というわけで全員参加らしい。

「じゃあ、はい。優里、これ お前食べたがっていただろう?」

「………」

ピキーンと固まる場の空気。そして、私は横に座る不思議そうな顔した親友を恨むのだった。
(何故貴方は……)
はぁ……ため息をつき、こんにゃくとゴボウの唐辛子炒めを受け取った。
あぁ……視線が痛い……。
そんな事が食べ終わるまで続くのだった。


 
 

 
後書き
ということで、五話おしまいです。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧