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光明の魔導師〜眩き妖精の物語〜

作者:南魚座
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六魔将軍編〜ニルヴァーナを死守せよ!〜
  破壊の将、その名は『ゼロ』




塔の中心で叫んでいる色黒の男。





あいつ、やっぱり六魔将軍か!!



「俺が止めてやるアアァァァアア!!!!」



咆哮で床を破壊するナツ。



「コブラ!ヤツをここで暴れさせるな!!」



「おう!!!」



コブラ、と呼ばれた男はナツの方へ向かう。だが敵がナツだけだとは思わねえ事だ!!




「光皇輝閃!!!」




ビシュウウウウウ!!!!



レーザーを敵めがけて放った。



「くっ!誰だぁ!!」



だが敵もさる者。頭狙いをギリギリで避けて頰に擦り傷を作っただけだった。



「うぬは……!!??」



敵が俺に名前を尋ねてくる。



ならば、応えよう。



「俺の名はフーガ・フォーマルハウトォ!!今からてめえをぶっとばす!!!」



「自惚れるな!雑魚が!ダークカプリチオ!!!」



黒いレーザーが飛んでくるが、問題はない。



「光皇護壁!!!」



バリアを張り、防ぐ。



「貫通性の魔法を止めた…?」



近づいて一気にトドメをさしてやる!



「ダークロンド!!!」



ズドオオオ!!!



すると今度は黒い衝撃波を放ってきやがった!くそ、近づけねえ!




「ならこっちだってなあ!」



腕を二振り。俺の周りと敵の周りに魔法陣が展開される。




「天照・二十八式魔法陣!!!!」




ドゴオオオオ!!!!




破壊の衝撃波が敵を襲う。



「ダークカプリチオ!!」



だが、その中から攻撃が出てきた。



「光皇護壁!!」



危ねえ、くたばってなかったのか!!



「この魔法は禁忌魔法の筈……うぬは一体……!」



オオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!!!




突如、耳をつんざくような咆哮が聞こえてくる。



「うるせぇーー!!!!」



「なんだ!?この声は!?」



俺も敵も思わず耳を塞ぐ。音のした方を見ると、ナツが敵を倒してた。



「ちんたらしてられねえな!!」




「なにっ!?」



「フル・バーニアモード!!!」




全身に界法の魔力を纏い、常人の目には止まらないような速さで動き、一瞬でブレインの背後へ回った。



「光皇閃拳!!」



ドギャッ!!



「ぐおあ!!!」




「光皇閃脚!!!」




蹴り上げでブレインを空中に打ち上げ、



「貴様!!」



一瞬でブレインのさらに上へと移動、



「もういっちょおお!!!」




ドガッ!!


「ぬおお!!」




拳で真下へ打ち下ろし、



ブレインの真下へ即座に移動、光皇創腕で4本の腕を顕現させ六本のビームを真上に竜巻のように撃つ!!



「光皇輝閃・六門!!」




ドガガガガガ!!!



「ぐおおおおお!!!」



ドサ、とボロボロになったブレインが落ちてきた。



「ぐっ………ガハッ…」





「ガキだと侮ってちゃ、痛い目みるぜ。」



とくに妖精の尻尾の奴らはな。



と、そこで通信用魔水晶に連絡が入る。


「おー、シャルルか。どうした?」



「フーガ!今どこにいるのよ!?」



向こうからは焦ったシャルルの声が。



「落ち着け、ど真ん中の建物で六魔将軍の1人を討ったとこだ。ナツもなんとか無事だ。あいつも1人倒した。」


「フーガ、よく聞いて!このニルヴァーナがこのまま進むと……私たちのギルド、化猫の宿があるの!!!」


なんだって!!!!???



「おいシャルル!一体どういうことだ!おい!」



「分からないわ!とりあえず私たちもそっちへ向かう。詳しい話はそこで!」



通信が切れた。クソ、どういうことだ!?



「フーガ!無事か!?……うぷっ」



「ナツ!今そっちに行く!」



ひとっ飛びでナツの所へ移動した。ナツもハッピーもボロボロだ。つーか乗り物に弱いらしいがこれ乗り物か?



「お前らも無事だったか。」


よかった、と言おうとしたところで、



「ナツ殿!フーガ殿!」



「お前らー!大丈夫か!!」



「おーい!二人ともー!」



向こうの方からジュラとグレイ、そしてルーシィが来る。



「なんとかな。ナツは揺れにやられてるらしいが。」



「ネコ殿も無事であったか。」



「ネコ殿!?」


ジュラ、さすがにそれは無理が…ってそうじゃねえ!



「みんな、よく聞いてくれ。目的はわからないし偶然かもしれない。だがこのニルヴァーナが進む方向には間違いなく俺たちのギルドがある!」


「「「何!?」」」


「みなさーん!!」


向こうの方からウェンディとシャルルが来た。いいタイミングだな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「じゃあその王の間ってのに行けばいいんだな?」




ジュラが言うにはそうらしい。


「そうだ。だがブレインは…?」



「ブレイン?」



はて?誰であろうか。


「顔に変な刺青入れてたおっさんだよ。」


と、グレイ。ああ、それなら



「そいつならさっきぶっ飛ばしたぞ。今頃あの建物の屋上で伸びてるんじゃねえ?」



と、中央の建物を指さす。



「あそこだ!あそこの中に王の間がある!」



ジュラが言う。なるほどな、だからブレインとやらはあそこにいたのか。


「おし!行くぞ!」



先ほどウェンディにトロイアをかけられ元気になったナツがダッシュをし、ハッピーもそれについていった。



「我らも行くとしよう。」


「待ちやがれ!ナツ!」


…………行くか。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「なあ、本当にここ、王の間か?」



俺の声が虚しく響く。なーんもありゃしねえ。



「まさか、ニルヴァーナは自動操縦か!?」


「ならどうやって止めんだよ。」



「壊しゃあいいんじゃね?」



「ナツ……やめてね?私たちまで巻き添えじゃない。」



口々に意見を交わす。壊すにゃ無理あんだろ、これ。



「もしかして、ジェラールなら何か知ってるかも!!」



「あ、ちょっとウェンディ!!」


ウェンディとシャルルが走って行ってしまう。



「おい!ウェンディ!!」



声をかけたが止まらない。



「悪い、俺もちょっとウェンディんとこ行ってくる!」


シャルルと2人だけじゃ危ない。



俺も王の間を飛び出し、ウェンディ達に追いつく。



「おい、お前らだけで飛び出すなよ!」



危ねえだろ、と言いかけたが言葉をその先発することができなかった。


偶然なんかじゃねえ。



ニルヴァーナは、



「あと少しで俺たちのギルドに着いちまう!」



「え!?」


「みんなに知らせてくる!悪い!!」



魔力ブーストを使い化猫の宿の方向へ飛ぶ。何だ、何が狙いなんだ…!





・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「みんな!!大変だぁ!!!!」



化猫の宿に焦った声が響く。



「何事じゃ?」



「敵が…ニルヴァーナがこっちへ向かってきてる!もうすぐそこだ!!」



「なにっ!?それは誠か!?」



「飲み干してからしゃべってくれ!!」



ドバーッと口から大量の酒が流れる。



「ニルヴァーナがここに…これは運命か…偶然なのか……」



「ウェンディ達は大丈夫か!?」



「いざって時は俺らじゃ何もできないし…」



「安心せい、光の魔力は生きている。なぶらおおきく輝いておる。」



ローバウルの声に、みんなが活気づく。



「「「おおー!!」」」



「でもこれって偶然じゃないよな。」



「俺たちの正体を知ってるものが…」




するとまたローバウルはさけをあおった。



「なぶら。」



「長い付き合いだが未だになぶらの意味がわからん……」



すると、一人の男が慌ててこういう。



「マスター!避難しようぜ!」



すると周りもざわつきだし、口々に避難しようと言う。



「このままだとやばいぞ!」





「ニルヴァーナは結界じゃ防ぎきれない!」




だが、ここでローバウルの喝が入る。



「馬鹿たれがぁ!!」



ギルドは一斉に静まった。



「あれを止めようとなぶら戦っているものがいる。勝利を信じるものは動く必要などない。」



ギルドのみんなは言葉を発することができずにいた。



「なんてな…………時が来たのかもしれん。わしらの罪を、清算する時がな…」



ローバウルは悲しそうな口調で、そう言った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





一方その頃、ナツ達はクロドアと呼ばれる"杖"と戦っていた。



「こいつ……」




「杖のくせに……」




「いやらしいやつ……」



最後のはルーシィ。




「クックック……ん!?」




すると、いきなりクロドアが焦った表情を見せる。



「ミッドナイトがやられた……あの方が…くる!!」




そしてその表情は心底怯えた表情になる。



「なんだぁ?」



「あの方?」




「ブレインにはもう一つの人格があるが…あまりにも凶暴ゆえ6つの鍵で封印した。それが六魔将軍"オラシオンセイス"。その6つの鍵が効力を失うと……」




すると突如、奥の方から禍々しい魔力が発生した。



「お、おかえなさい!!マスターゼロ!!!」




地面に頭を擦り付け礼をするクロドア。間も無く奥の方からは静かな狂気を孕んだ声が聞こえてくる。それを聞くだけでナツ達は戦慄し、恐れおののいた。彼我の力の差に、その狂気に。




「ずいぶんハデにやられてるみてえだなぁ…クロドア。」



奥から足音が聞こえ、徐々に姿をあらわす。



「この体…この魔力……全てが懐かしい……」




奥から出てきたのは、同一人物とは思えない程に変貌したブレイン改め"ゼロ"。隠す気などさらさら無い濃密な殺気。やけに重く、暗い魔力。その視線はナツ達を敵としてみているのではなく、目の前のオモチャをどう壊すか…そんな狂気を孕んでいた。



「うちのギルドをずいぶん食い散らかしてくれたみてえだなぁ、ガキども!」



だがそこで、あたりを見回し少し残念そうな声を出した。



「あれ、あの金髪赤目の小僧がいねえなぁ……この体をズタボロにしてくれた礼をキッチリしなきゃいけねえんだが、まあいいか…」




そしてナツ達の方へ向き直り、




「まずはてめえらだ!!」



そう言って先ほど倒れてしまったジュラに攻撃をしかける。




「動けねえ相手に攻撃するのか!」



ゼロは当たり前、という風にこう返した。




「動けるかどうかは問題じゃねえ!形あるものを壊すのがおもしれーんだろうが!!」



「やめろ!」




ジュラを狙ったゼロの攻撃に、真っ先にグレイが反応する。




「アイスメイク・シールド!!!!」





ドギャッ!!!!




だが氷の盾はあっさりと砕かれてしまった。



「俺の盾が…!!こんな簡単に!?ぐあああっ!!!」



はじき飛ばされてしまうグレイ。



「てめぇ!!」




ナツがゼロに攻撃をしかける。完璧に隙をついた。そのはずなのに、




「遅えんだよ!!」



ドゴォッ!!!!



ナツよりも早く動いたゼロがカウンターで吹き飛ばしてしまった。



「……ひっ!」



ゼロと目があった瞬間、ルーシィは腰が抜けてしまう。それを見たゼロは面白くない、といった風に魔力をハッピーとルーシィへ殺到させた。



「うわああぁぁ!!」




「きゃああああ!」




10分も経っていない。ナツ達は完全にダウンしてしまった。




「さ、さすがマスターゼロ!あのガキどもをこうもあっさり……」




媚びへつらうようにクロドアが言うが、ゼロは再び手を挙げ大きく笑った。



「まだだよなぁ……まだ死んでねえよなぁ!!!!ガキどもお!!」




倒れて動けないナツ達に容赦なく攻撃をしかけた。




「マ、マスターゼロ!それ以上は!」




やりすぎだ、とクロドアが止めようとするもゼロは全く止まらない。徹底的に破壊してやる、そんな嗜虐的な笑みを浮かべていた。




「ぎゃははははは!!!」










 
 

 
後書き
お久しぶりです!少し間があいてしまいましたが、読んでくださった方々、本当にありがとうございます!更新ペースが落ちてしまい本当に申し訳ありません……!

六魔将軍編がとても短い……かといって長くしようとするとダラダラ感が出てしまうので絶賛苦悩中です…

ご意見、ご感想、どんな事でも構いません!一言だけでもいいので感想に書き込んでいただけると本当に嬉しいです!よろしくお願いします!ではまた次回お会いしましょう! 
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