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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百四十九話 堕天使と堕ちた希望

 
前書き
セラフィモンVSレーベモン 

 
ホーリーエンジェモンがセラフィモンに進化し、タケルは歓喜の表情を浮かべながら言う。

タケル「行け!!セラフィモン!!あいつらを倒すんだ!!」

セラフィモン[…………]

無言のまま、レーベモンに迫るセラフィモン。
セラフィモンのエクスキャリバーがレーベモンに振り下ろされるが、槍で受け止める。
レーベモンがセラフィモンを見ると目が虚ろである。
タケルはそれに全く気づいてはいない。

大輔『馬鹿が…』

大輔がセラフィモンを見つめながら忌々しそうに呟いた。

タケル「そのまま押し切るんだ!!そいつら全員を倒すんだ!!」

レーベモン[成る程、確かにパワーは飛躍的に上がっている。だが、そのパワーも俺に命中しなければ意味がないぞ]

槍をクルンと動かし、柄をセラフィモンに喰らわせる。

レーベモン[エーヴィッヒ・シュラーフ!!]

強烈な槍の一撃をセラフィモンに喰らわせる。
まともに受けたセラフィモンは吹き飛ばされる。

タケル「セラフィモン!!」

大輔『馬鹿が、確かにセラフィモンは光属性の究極体でレーベモンは闇属性の成熟期。確かに世代はセラフィモンが上だし、闇は光に劣勢の位置にある。けどな、戦いってのは世代と相性だけで決まるほど単純な物じゃない。口で言っても分からないだろうからお前の腐った目に刻みつけてやるよ』

タケル「偉そうに!!成熟期か究極体に勝てる訳ない!!光に闇なんかが勝てるわけないんだ!!」

セラフィモンがレーベモンにエクスキャリバーで切りかかる。
レーベモンはダスクモンにスライドエボリューションし、瞬間移動で回避。
ブルートエボルツィオンを振るい、セラフィモンの背中にX文字の傷を付けた。

ダスクモン[エアーオーベルング!!]

ブルートエボルツィオンで切りつけた傷からセラフィモンのエネルギーがダスクモンに流れ込む。
更に力を付けたダスクモンは超進化もワープ進化も必要ないと判断し、成熟期形態でセラフィモンを叩きのめしていく。

ダスクモン[ブルートストライク!!]

ブルートエボルツィオンによる乱舞を叩き込み、零距離からのエアーオーベルングストーム。
セラフィモンは竜巻に呑まれ、更にエネルギーを奪われた。

タケル「セラフィモン!!」

大輔『まだ分かっていないようだからはっきりと言ってやろうか?無駄なんだよ。お前が俺達に勝とうなんて。努力もしないお前達が俺達に勝とうなんてよ』

歴然とした力の差に、弱い者苛めをしているような感じになってきたために、いい加減にして欲しそうに言う。

タケル「うるさい…」

大輔『大体、光も闇もデジタルワールドからすれば自然の一部でしかないんだ。3年前は闇のデジモンがそうだっただけ…』

タケル「うるさいうるさい!!お前なんかに何が分かるんだ!!何も知らないくせに偉そうに言うな!!」

大輔『何も知らないな。お前が悲劇の主人公ぶって何も言わないからお前のことはさっぱり。まあ、知りたくもねえし』

しれっと切り捨てる大輔。

ルカ「…大体、1人だけパートナーを進化させることが出来なかったのが不思議ですね。僕達は最終的には奴との最終決戦前に進化出来ましたし」

アリシア「どうせ、パートナーのことも信じないで、自分のことばかり考えてたからじゃない?」

アリサ「じゃあ、パタモンが死んだのあんたの自業自得じゃない」

容赦のない言葉を叩きつける。
実際にアリシアとスバル、ギンガティアナ、ルカは当時のタケルより年下だったのに戦い抜いた経歴があるためにそう思うのかもしれない。
辛辣な言葉を叩きつけられたタケルは我慢出来なくなり、叫んだ。

タケル「うるさいうるさいうるさいうるさい!!僕は闇を許さない!!闇は敵だ!!全て敵だ!!闇なんかいなくなればいいんだ!!」

タケルのデジヴァイスからどす黒いエネルギーが溢れ出し、セラフィモンを包み込んだ。

セラフィモン[ウ…オオオオオオオオオオオオ!!]

どす黒いエネルギーが消えた場所には蒼い甲冑を纏った金翼の天使はいなかった。

なのは「あれは!!?」

予想外の出来事に流石のなのはも目を見開いた。
緑と白を基調とした甲冑を身に纏い、漆黒の悪魔の翼を生やしたデジモン…。

ブイモン[ブラックセラフィモンか?いや、違う…]

クロアグモン[奴の闇への憎悪によって暗黒進化したか。]

ストラビモン[皮肉だな。闇を憎んでいた奴が、闇への憎悪で闇の化身へと進化させることになるとは]

冷めた表情で呆然となりながらブラックセラフィモンを見つめているタケルを見遣るストラビモン。

ブイモン[仕方ない…ダスクモン、チェンジだ]

チビモン[お兄ちゃん?]

突然前に出たブイモンに首を傾げるチビモン。

ブイモン[ああなったらもう手遅れだ。完全に消滅する前に倒してデジタマにするしか救う方法がない。大輔、頼む]

大輔「ああ」

大輔がブイモンにデジヴァイスを向ける。

ブイモン[ブイモンワープ進化!マグナモン!!]

マグナモンにワープ進化するとブラックセラフィモンと対峙する。
暗黒進化の負荷により、ブラックセラフィモンのデータが崩壊しようとしている。
このままでは転生プログラムさえ崩壊し、デジタマに転生出来なくなる。
それを止めるためにマグナモンはブラックセラフィモンに戦いを挑むのだった。































楽屋裏

大輔「とうとうパタモンを暗黒進化させたか」

賢「いつかいつかはと思っていたけどね」

フェイト「自分の思想を押し付ける人ほど暗黒進化しやすいだろうね」

はやて「まあ今回は完全にあれの自業自得やな。」

ブイモン[哀れな奴だなパタモンは]

ワームモン[そうだね。せめてもう少しまともなら幸せになれたのに]

チビモン[うん]

ギルモン[何とか助けてやりてえけど手遅れなんだろ?]

大輔「ああ、あれは既に限界だったからな。暗黒進化の負荷で肉体としては既に死んでいる。今は高石の闇への憎悪で動く人形、ゾンビみてえなもん」

フェイト「人形…もしかしたら彼はパタモンを…」

大輔「そういうことだな」 
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