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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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バトル・オブ・フェアリーテイル


「優勝は このエバーグリーンで決定ー!ハーイ、くだらないコンテストは終了でーす!!」


エバーグリーンの姿を見たマカロフやアルトたちは驚愕の表情を隠せずにいた



「エバーグリーン!!」


「帰ってたのか!?」


「(エバーグリーンって確か、ラクサスの・・・収穫祭に無関心だった奴が何故よりによって この時期に帰ってきたんだ・・・!?)」


一瞬、最悪のイメージがアルトの頭を過ぎった



「邪魔しないでよ!!あたし・・・生活がかかってんだからね!!」


「ルーシィ!!今すぐエバーグリーンから離れろ!!」


「え?」


アルトがルーシィに向かって叫ぶ


しかし、エバーグリーンはメガネを上にずらした後、瞬時にルーシィと目を合わせる


するとルーシィの身体が一瞬で石になってしまった



「な・・何だアレ!!?」


「石!!?」


「アピールか!?」


「マズイぞ!!町民の皆は早く逃げて!!!」


石になったルーシィを見て不安の表情を浮かべる観客たち


マックスが観客の安全を確保するため、会場の外へと誘導する



「何をするエバーグリーン!!祭りを台無しにする気か!?」


「お祭りには余興がつきものでしょ?」


そう言って舞台裏を隠していた幕を燃やし始めるエバーグリーン


すると現れたのは、ミス・フェアリーテイルに出場した女性魔導士たちが石化した姿だった



「なっ・・!?」


「控え室にいた奴等が全員 石に!?」


その光景に驚くフェアリーテイルの魔導士たち



「バカタレが!!!今すぐ元に戻さんかっ!!!」


マカロフがエバーグリーンへ怒鳴る


すると、ステージのど真ん中に激しい雷が落ちた



「よォ・・・フェアリーテイルのヤロウども・・・祭りはこれからだぜ」


落ちた雷の中からラクサスが姿を現す


その傍らには腰に刀をさげた長髪の男と仮面をつけた長身の男が立っていた



「ラクサス!!!」


「フリードにビックスローも!!?」


「雷神衆!!!ラクサス親衛隊だ!!!」



「遊ぼうぜ、ジジィ」


「バカな事はよさんか!!こっちはファンタジスタの準備も残っとるんじゃ、今すぐ皆を元に戻せ」


「ファンタジスタは夜だよな、さぁて何人が生き残れるかねぇ・・・」


そう言ったラクサスは、石化ルーシィの頭上めがけて雷を落とした



「よせぇ!!!!」


マカロフが叫んだ瞬間、衝撃波が雷を弾く



「アルト!!」


雷が逸れるのを見たマカロフが振り返り、衝撃波が飛んできた方向を見る


そこには真剣な表情でラクサスを見据えるアルトがいた



それを見たラクサスはわざとアルトに視線を向け、言う



「この女たちは人質に頂く、ルールを破れば一人ずつ砕いていくぞ、言ったろ余興だと」


「冗談ですむ遊びとそうはいかぬものがあるぞ、ラクサス」


「もちろんオレは本気だよ」


マカロフの言葉にもまったく動じないラクサス



「ここらでフェアリーテイルの最強は誰なのかをハッキリさせようじゃないか」


「―――つう遊びだヨ」


そう言ったのは雷神衆の二人、長髪の男フリードと仮面をつけた男ビックスロー



「ルールは簡単、最後に残った者が勝者、バトル・オブ・フェアリーテイル」


ラクサスが口角を上げ、そう宣言すると同時にギルド内にある机が一つ、弾け飛ぶ


ギルドにいる全員の視線が集まる、そしてそこに立っていたのは・・・



「いいんじゃねえの?わかりやすくて、燃えてきたぞ」


「ナツ!!!」


今まで食事をとっていたナツだった



「ナツ・・・オレはお前のそういうノリのいいとこは嫌いじゃねえ」


机を飛ばしたナツを見てラクサスが言った



「ナツ」


「祭りだろ?じっちゃん、行くぞ!!!」


腕を捲り、気合十分のナツはラクサスに向かって走り出す



「オメェ・・・昔、ラクサスにどれだけひどくやられたか覚えてねーのかよ!!!」


「ガキの頃の話だ!!」


「去年くれえの話だよ」


「去年はガキだったんだァ!!!」


周りの忠告を無視し、ナツは走る足を更に速める



「・・・だが・・・そういう芸のねえトコは好きじゃねえ、落ちつけよナツ」


殴りかかったナツはラクサスの雷を浴び、返り討ちにあった


黒こげになったナツはその場に倒れこみ、動かなくなる



「このコたちを元に戻したければ私たちを倒してごらんなさい」


「オレたちは4人、そっちは100人近くいる、うっわぁ!!こっちの方が不利だぜ、ぎゃはははっ」


「制限時間は三時間ね、それまでに私たちを倒さないとこのコたち・・・砂になっちゃうから」


「何!!?」


「本気かよ!!?」


エバーグリーンの言葉に体を震わせるフェアリーテイルの魔導士たち



「バトルフィールドはこの街全体、オレたちを見つけたらバトル開始だ」


笑みを浮かべながらそう言ったラクサス


すると、突如アルトがマカロフの前に立ち、ラクサスと向かい合う



「よォ、アルトレア・・楽しみだぜぇ、お前と戦うのは」


「皆を元に戻せ、ラクサス」


真剣な眼差しを向けるアルト



「だから言ったろ?これは祭りの余興だ、オレたちを見つけ出してからバトル―――」


ラクサスが喋る最中、アルトが衝撃波を使った加速でラクサスに接近し、殴りかかる



「いいから戻せ!!」


「慌てんなって・・・楽しもうぜ、アルトレア」


次の瞬間、激しい閃光がアルトたちを包む



「バトル・オブ・フェアリーテイル開始だ!!!!」


そう言い残し、ステージから姿を消したラクサスと雷神衆



「消えた!?」


「この街で鬼ごっこをやろうってのかラクサス!!!」


「あんのバカタレめぇっ!!」


ラクサスが辺りにいない事を知ったギルドメンバーは急いでラクサスたちを探しにマグノリアへと出る



「くそォオオッ!!!!姉ちゃんたちを助けねえと!!!!」


「あいつらぁぁーーーっ!!!」


「ラクサスを捕まえろォ!!」


「なめやがってぇっ、ぶっ潰してやるァ!!」


怒りを燃やし、次々とギルド内を出ていく魔導士たち



「ビスカ・・僕が必ず助けてあげるからね」


石化したビスカに向かって言うアルザック



「ワシが・・ワシが止めてやるわ!!!!クソガキがっ!!!!」


マスターであるマカロフもラクサスを探そうとする



「!!!」


しかし、見えない何かにぶつかって出ることが出来なかった



「何やってんだ、じーさん!!」


「何じゃコレは!!?進めん!!!見えない壁じゃ!!!」


「こんな時にどーしちまったんだよ、見えない壁なんかどこにもねーだろ」


グレイがマカロフに対して言う


しかし、マカロフがどんなに力を入れようとギルドの外に出ることが出来なかった



「どうなってんだ!!?」


「本当にマスターだけ見えない壁が!!?」


グレイがマカロフを引っ張るが、外に出る事は出来ない



すると突如、空中に文字が浮かび上がる



「これは・・・・フリードの術式か!?」


「術式!?」


「結界の一種じゃ、踏み込んだ者を罠にはめる設置魔法、おそらくこのギルドを囲むようにローグ文字の術式が書かれておる!!」


そして浮かび上がった文字を指さすマカロフ



「術式に踏み込んだ者はルールを与えられる、それを守らねば出る事はできん、見よ」



【ルール・80歳以上を超える者と石像の出入りを禁止する】



「何だよこの言ったモン勝ちみてーな魔法は!!?」


術式のルールを見たグレイが叫ぶ



「術式を書くには時間がかかる・・・ゆえにクイックな戦闘には向いておらんが、罠としては絶大な威力を発揮する」


「こんな魔法のせいでここからじーさんだけ出られねえってか!?壊せねえのかよ!?じーさんでも」


「術式のルールは絶対じゃ!!『年齢制限』と『物質制限』の二重の術式とは・・・フリードめ・・・いつの間にこんな強力な・・・」


「初めからじーさんは参加させる気はねえって事か、周到だな」


そう言ったグレイはマカロフに背を向け走り出す



「グレイ!!」


「あんたの孫だろうが容赦しねえ、ラクサスをやる!!!!」


走り去るグレイの背中をただ見ることしかできないマカロフは頭を悩ませる



「(ラクサス・・何を考えておる!!?あんなバカタレだが強さは本物じゃ・・・ラクサスに勝てる者などおるのか・・・?)」


そう思ったマカロフは辺りを見渡し考える



「(エルザならもしかしたら・・・しかし・・・今の状態では・・・)」


すると、マカロフは影に隠れていたリーダスの存在に気づく



「ご・・ごめ・・・オ・・オレ・・・ラクサス怖くて・・・」


「リーダスか」


太った絵描きの魔導士、リーダスはゆっくりと影から姿を現す



「よい、それより東の森のポーシュリカの場所は分かるな?」


「ウィ」


「石化を治す薬があるかもしれん、行ってこれるか?」


「ウィ!!!そーゆー仕事なら!!!」


マカロフの頼みを聞き、引き受けたリーダス



「ナツー!!!!とっとと起きろォオオオ!!!!」


「ごあーーーっ!!!」


何度起こしても起きないナツの体をアルトが揺らし、無理やり目覚めさせる



「あれ、アルト!?ラクサスはどこだ!!?」


「ラクサスどころか、ここには誰も居ないよ」


「本当だ!!じっちゃん、何だコレ!!?」


気絶していて事情を知らないナツはマカロフに尋ねる



「(本気のアルトとナツが組めば・・・もしかして・・・)」


そう閃いたマカロフがナツとアルトに向かって言う



「祭りは始まった!!!!ラクサスはこの街の中におる!!!!倒してこんかい!!!!」


「おっしゃああああっ!!!まってろォラクサスゥゥ!!!」


やる気に満ちた叫びを上げ、勢いよく走り出すナツ




しかし、見えない壁がナツの行く手を阻む




「なにコレ?」


「えええええっ!!!?」


ルールに引っかかっていないハズのナツも術式の外に出ることができなかった



「どーなってんだ!?俺は普通に出入りできるぞ!?」


見えない壁を挟み、行ったり来たりを繰り返すアルト



「何でだ畜生ォー!!!」


ナツが出れない事を知ったマカロフが、術式の外にいるアルトに話しかける



「こうなれば仕方ない・・・頼むアルト、ラクサスを止めてくれ!!」


「・・・いいのかよ、マスター?」


「ギルドを危険にさらす奴を野放しにしておけん・・・」


マカロフの姿を見たアルトが決意を固めた様子で言った



「分かった、行ってくる!!」


そう言い残し、ラクサスを探しにマグノリアへと駆けて言ったアルト



「(頼んだぞ・・・アルト)」


「ぐぐぐ・・・俺も戦いてぇーーー!!!」


ナツとマカロフはアルトの後ろ姿を見送る事しかできずにいた

 
 

 
後書き
B・O・F編はオリジナル要素強めです

 
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