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魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~

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StrikerS編
  92話:休暇とは一体何だったのか

 
前書き
 
 早くも九十二話更新です。
  

 
 





「一日休暇?」
『そや、なのはちゃんの提案でな。今日第二段階に入れるかのテストをして、合格やったら今日は丸一日休暇にする事にしたんや』
「へ~、あの鬼教官のなのはが、休みねぇ」


 意外そうにそう言う士、通信相手のはやてもその言葉には笑みを浮かべた。


『そやね、誰かさんの説教が効いたんとちゃう?』
「それはどうだか。そんな簡単に動く奴じゃないのは、重々承知してるつもりだけどな」


 なのはへの説教をした日から早くも二週間が経った今日、士はいつもの如く書類仕事をこなしているとはやてから通信が来た。要件は先程の通りだ。


「まぁあの四人は、出撃を挟んでるとは言っても、ほぼぶっ続けて訓練漬けだったからな~。ま、偶には休暇も必要か」
『そうやね、無茶し過ぎて体壊したら元も子もないもんな~』


 ま、教えてるのがその〝無茶し過ぎる奴〟なんだがな。とは思ったが、流石に言葉にはしなかった。
 ふとモニターの隅に表示されている時計を見ると、だいたい朝の訓練が終わる頃な事に気づいた。まぁこれだけみっちりやってて、合格しない訳はないだろう。


『なんや、ちょっと残念そうな顔して』
「ん? あぁ、時間あったら参加しようかと思ってたからな、ちょっとはな」
『あらら』


 まぁいいさ、体を動かす程度で考えていたから、一人でも問題ないしな。


「奴らが出かけたら、少し体動かすさ」
『今日はのんびり過ごせるとえぇんやけどな~』
「はやて、それフラグになりかねないから止めい」
『あはは! まぁそうだったとしても、うちには心強い味方がおるから平気や』
「結構自信あり、みたいだな。逆に期待される俺達の身にもなれってんだ」


 士がそう言ったその時、はやての使っているのとは別の回線から通信が入った。連絡者はどうやらティアナのようだ。


「悪い、はやて。ティアナから通信入った、一旦切るぞ」
『朝ごはん一緒にどう? 時間あったらでえぇんやけど』
「考えとく」


 士はそう言うと早々に通信を切り、ティアナの回線を開いた。


「おう、お前から通信とは珍しいな。どした?」
『えっと、なのはさん達から休暇をもらいまして…』
「あぁ、聞いてるよ。なんだ、何か問題があったか?」
『いえ、そうじゃなく…』


 何故か口ごもるティアナ。何事かと眉を寄せる士だったが、すぐにティアナから切り出した。


『―――士さんのバイク、貸してもらえないでしょうか』
「…俺のバイク? ディケイダーか?」
『は、はい…!』


 返事をするティアナの顔は、何時にも増して輝いていて、どこかスバルのそれに似ているような気がする。
 士はその表情に少し驚いたが、すぐに小さな笑みを浮かべた。


「なんだお前、結構乗る口だったか?」
『まぁそこそこ、と言ったところです。それで前々から興味あった…その、ディケイダーに乗ってみようかと』
「なるほどな~」


 休暇にバイクを走らせるのは、俺もよくやるな。だから気持ちはわからんでもない。と指を顎に当てて言う士。


「だがまぁ、あまりいい相談とは言えないな」
『え?』
「俺のバイクはスペックは高い方だが、基礎となる機能は地球のそれだ。ミッドのバイクみたいに、安全機能がわんさかくっついてはいないから、運転するならそれなりの覚悟しなきゃならんぞ」
『そ、そうなんですか?』
「だから借りるなら、確かヴァイスの奴が一台持ってた筈だからそれ借りてこい。あいつメンテの方もかなり凝ってるから、走りやすさや性能は保証できるぞ」


 なるほど、と士の言葉に頷くティアナ。
 しかし士の心境は今、とてつもなく喜びでいっぱいであった。

 それは何故か。理由は一つ、ティアナが自らのバイクに興味を持ってくれたからだ。そう、〝仮面ライダーの乗るバイク〟に。
 ライダーであり一ライダーファンである士は、自らが乗るバイクに誇りを持ってるし、わかる人には自慢だってしたいのだ。このバイクのどこが素晴らしく、どこがカッコいいのかを。半日ぐらいかけて。

 だがまぁ、だからと言って誰かを乗せる訳にはいかない。ただでさえ下手な事をすればとてつもない速度を叩きだすマシンで、さらに言えばミッドのバイクに比べ安全性が保障されていないのだ。
 士と一緒に乗るというのもあるのだが、士はいつも通り仕事であり休暇はない。よってディケイダーを貸し出す訳にはいかないのだ。


『わかりました、すいません急な話で…』
「いやいや、しかしまぁいつか乗せてやるよ。その時は一時間ぐらい講習の時間を取らせてもらうが」
『は、はぁ…わかりました、楽しみにしてます』
「おう、休暇楽しんで来いよ」


 少し嬉しそうに返事をしたティアナは、士との通信を切った。ティアナの顔が消えたモニターを見て、ふぅとため息をつきながら背もたれに体を預けた。
 久々に心躍った、そんなニヤケ顔が止まらない彼だが、自らの空腹に気づくとすぐに立ち上がり食堂へ向かった。

 そんな彼の姿を見た数人の局員は、驚いた表情で後にこう語った。


『あの士さんがスキップしてた』
『なんか見たこともないような笑みを浮かべていた』


 その後、この時の士の心境がどんなだったのか、という話がバックヤードスタッフの中で広まった。
























「ハンカチ持ったね。IDカード、忘れてない?」
「えっと、大丈夫です」
「あ、お小遣い足りてる? もし足りなかったら大変だから…」
「あのフェイトさん、その…僕もちゃんとお給料をいただいてますから」
「あ、そっか…」


 エリオに言われ、確かにと思い出すフェイト。その背後で、クスクスと笑い声をこぼす士。


「そういうの毎回見て思うが、お前相当な親バカだな」
「う、うるさい! 笑わないでよ!」
「エリオも男なんだから、あんまお節介焼いてると反発されるぞ?」
「え、エリオはそんな子じゃないよ!」


 確かにな、と笑みを消さずに士が言う。当のエリオはというと、あまり二人の会話の意味を理解しきれていないのか、首をかしげている。
 そんな様子のエリオに、士は近づいて頭を撫でた。


「ま、お前も男だしな。ちゃんとキャロの事、エスコートすること。いいな?」
「はい! 頑張ります!」
「ふふ…エスコートを頑張る、か…」
「士、エリオで遊ばないで」
「おっと、これは失敬…つい、な」


 ようやく笑みを隠すように口元を抑え、エリオから離れる士。フェイトは不機嫌そうに頬を膨らませ、それでもエリオの髪を整えた。
 そこへ駆け込んでくる一人の少女。今回エリオと共に休暇を過ごすことにした、キャロだ。


「ごめんなさい、お待たせしました!」
「あ、キャロいいね、かわいいよ。サイズは大丈夫だった?」
「はい、すっごくピッタリです! ありがとうございます!」


 ピンクと白を主とした服に身を包んだキャロは、その場でクルリと一回転。いかにも嬉しそうに、180°全てを見せた。
 嬉しそうにはしゃぐキャロ、それを見ていたエリオは頬を紅潮させて呆けていた。


「―――ほれほれ、何呆けてるんだよ。そんなにキャロが可愛いか?」
「なッ!? ち、違いますよ!」


 そんなエリオに間髪入れずに茶々を入れる士。紅潮している頬を肘で突っついた。
 士の言葉に更に顔を赤らめながら反論するエリオ、だがその反応も今の士にとってはいじるネタにしかならない。


「おいおい、そんなに強く否定しなくてもいいだろ? しかもそんなに顔を赤くして~」
「こ、これは別に…!」
「ん~? じゃあどうして顔真っ赤にしてんの? ちょっと教えてみなよ~」


 ほれほれ~、と頬をつつく士。エリオは『本当はキャロが可愛くて』なんて恥ずかしい事を言える筈もなく、しかしそれ以外のまともな理由を言える訳でもなく、ただ士から目を逸らしながら「え~っと…」などと言いながら耐えていた。

 そこへ、士の後ろから手が伸びてきた。そして士の襟首を掴むと、思いっきり引っ張った。


「うおっ!?」
「遊び過ぎだよ士」


 エリオを救ったのは、保護責任者に当たるフェイトだった。その表情は笑っていながらも、彼女が憤怒している事が一目でわかる程のもので、漫画などで見られる怒筋が現れているような錯覚すら覚える程だ。
 そんなフェイトの迫力に、さすがの士も嫌な汗が顔や背中に流れ始めた。


「そ、そんなに怒らなくともいいじゃないですか、フェイトさ~ん。ちょっとした戯れですよ、た・わ・む・れッ」
「………」
「…あ、あの~…フェイトさん?」
「……ここじゃダメだから、あっちで『オハナシ』しよ」


 士があれこれ言っているが、フェイトはそれすら無視して士を引きずったまま移動し始めた。


「なッ、フェイト止めぃ! 『オハナシ』はダメ、絶対ッ! お願いだから、なのはのマネだけはしないで!」


 引きずられる士はフェイトに止まるよう懇願するが、フェイトは聞かずにそのまま士を引きずって部屋から出て行ってしまった。

 その後エリオ達や近くにいた局員は、バリバリという放電されるような音と、男の『アァーーッ!』という声を聴いたそうだ。
























「じゃあ、転ばないようにね」
「大丈夫です。前の部隊にいた時は、ほとんど毎日乗ってましたから」
「ティア、運転上手いんです」
「そ?」


 ヴァイス陸曹から借りたバイクに跨るティアナと、その後ろで自分の事のようにティアナの自慢をするスバル。その後ろでなのはが見送ろうとしていた。
 その時、あることに気づいたスバルは、後ろに振り向いてなのはに話しかける。


「あ、お土産買ってきますね。クッキーとか」
「嬉しいけど…気にしなくていいから、二人で楽しく遊んできなね」
「はい」
「行ってきますッ」


 スバルの提案に笑って返すなのは。それで踏ん切りがついたのか、ティアナとスバルを乗せたバイクはミッド中央部へと向かって行った。
 その後すぐに、隊舎の中からエリオとキャロ、フェイトの三人が出てきた。


「あ、ライトニング隊も一緒にお出かけ?」
「「行ってきます!」」
「はい、気をつけて」
「あんまり遅くならない内に帰るんだよ、夜の街は危ないからね」
「「はい」」


 二人に注意する事を伝えた後、フェイトは二人を手を振って見送った。
 エリオとキャロの姿が見えなくなると、フェイトはなのはと顔を合わせた後、二人で隊舎に戻ろうとした。

 その時丁度、隊舎から外に出てくる人物が。先程フェイト達と一緒にいた士だ。
 出てきた彼の服装はいつもの茶色い制服なのだが、所々焦げ目が付いており、少し煙を上げる上着を彼は肩にかけていた。


「つ、士君…それどうしたの…?」


 しかしなのはがそう言って指差すのは、彼の服装ではない。なのはの指の直線上にあるのは、彼の髪の毛だ。
 彼の頭はアフロのようになっていて、所々ブスブスと音を立てて煙を上らせていた。


「あぁ? これはフェイトにやられたんだよ。ったく、服まで焦がすか普通…」
「あ、あれは士があまりにエリオにちょっかいを出すから…!」
「なんだよ、あれは男同士の仲なら普通ぐらいのちょっかいだぞ? そんな目くじら立てなくても」
「士君、ダメだよ」
「なのはまで言うか!?」


 あぁもう! と叫びながら煙を上げる髪を整えるように頭を撫でる。しかしすぐに面倒になったのか、デバイスを腰に巻き〝ドレスアップ〟のカードを使った。
 士の隣に魔法陣が現れ、士を通過。と同時に士の服装が動きやすい服装に変わり、髪も元通りになった。


「よしッ」


 服装が変わったことを確認すると、周りを見渡した。こちらを見ているなのはとフェイトの目は、何故か呆れた目をしていた。


「な、なんだよ…」
「士君、怠けるのはいけないと思うな」
「いくら魔法でできるからって、そういうのは如何なものかと…」


 うぐッ、と唸り声を上げる士。しかし言い返す言葉も見つからず、取りあえず話題を変える事に。


「そ、そうだ! なのは、訓練スペース借りてもいいか?」
「(話題変えてきた、しかも解りやすい…)今は誰も使う予定もないから、大丈夫だと思うよ」
「よし、じゃあ行ってくる!」


 そう言うが早いか、士はそそくさと訓練スペースの方へ向かって行った。その背中を見る二人は、ため息を一つついた。


「いつもあれぐらい分かり易ければいいのにね」
「確かに」


 二人はそう頷き合って隊舎の中に入っていった。
























 周囲には五機、少し離れた場所に三機のガジェット。
 円を描くように並ぶ五機の中央で、深呼吸をしながらゆっくりと構える。

 それと同時に五機の内三機がこちらから離れるように動き、残りの二機と他三機が遠距離のレーザーを発射する。
 それらを全て確認しながら確実に避け、近くのガジェットに斬りかかる。


「二機撃破、残り六機―――」


 そうやってその場に残った二機を斬ると、ガジェットは二機ずつに分かれて移動し始める。
 それを確認した俺は、ライドブッカーを銃に切り替え近くの二機に照準を合わせる。

 生成する弾は、以前ティアナがガジェットに向けて放った〝ヴァリアブルシュート〟だ。
 しかしやはり苦手な射撃魔法の分野、生成にも時間がかかってしまうが、ガジェットを見失う前に準備が済んだ。

 照準をしっかり合わせて、生成した弾丸を放った。二重の弾丸は逃げる二機に追いつき、見事に貫通した。
 破壊した余韻に浸りたいところだったが、背後からレーザーが放たれた。すぐさま前へ飛んで避け、銃口を構える。

 しかしレーザーを放ったガジェットはすぐに回避行動をとり、銃口の先から逃れる。
 チッと舌打ちをした後、離れて行ったガジェットを追いかけ、剣に切り替えた後一機に突き刺し破壊した。


「残りは三機!」


 そう言った振り向いた先には、その残り三機が迫ってきていた。
 俺を囲う様に並ぶと、一斉にレーザーを発射。再び舌打ちをして避けていく。

 しかし一発だけ、剣を持つ手元に躱しきれずに当たってしまう。その衝撃で剣は手から離れてしまい、地面に落ちかける。


「こなくそぉ!」


 だが俺は叫ぶと同時に剣が墜ちきる前に、それをガジェットに向けて蹴り上げた。
 回転しながらガジェットに向かうライドブッカーは、見事にガジェットに突き刺さった。

 すぐさま俺は別の二機に向かって走り出す。レーザーを発射しようとする一機を足場に、もう一機の方へ飛ぶ。そしてガジェットを両手で抱えるように掴むと、そのまま地面に転がる。
 転がった末、ガジェットに馬乗りになる。レーザーを発射しようとするが、このタイミングなら間に合う!


「はぁあああッ!」


 魔力を纏った拳を突き立て、装甲を粉砕。ガジェットの動きを止める。
 すぐ背後から最後のガジェットがレーザーを発射、俺はすぐさま飛び退いて避ける。ターゲットを外したレーザーはそのまま地面に転がるガジェットに命中し、受けたガジェットは爆発した。

 それとほぼ同時に、先程剣を突き立てたガジェットが爆発し、ライドブッカーは宙を舞った。
 残りのガジェットは一機。一旦そのガジェットを正面に見据えると、すぐにガジェットに向かって駆け出した。

 レーザーを準備するのもお構いなしに飛び上り、ガジェットを足場に更に上へと飛び上る。
 そして宙に舞うライドブッカーを鷲掴みにすると、体を捻りながら落下し始める。それに対してガジェットはレーザーを発射してきた。


「シールド!」
〈 Round Shield 〉


 剣を持たない手を広げ、シールドタイプの防御魔法を発動。レーザーを防ぎきる。
 その間にしっかりと柄に持ち替え、振り上げる。落下する速度も利用して、ガジェットを縦に斬り裂く。

 火花を上げるガジェット、すぐさま飛び退き爆発を回避する。


「―――全十五機、撃破!」


 ふぅ~、と息を吐き一旦気を抜く。そこら辺には、爆破でできたガジェットの破片が散らばっていた。


「トリス、タイムは?」
〈ガジェット十五機、7分27秒で撃破。記録更新です〉
「うしッ! いい感じ!」


 トリスの言葉に、小さくガッツポーズをする。いい感じに記録が伸びてきている。


「だけどまぁ、やっぱ更に伸ばすには…」
〈魔法の発動をもっと流動的にしないといけませんね〉
「特に射撃魔法は、改善の余地ありだな」


 AMFを意識して〝ヴァリアブルシュート〟を選んだ訳だが、俺の体質と、やはり慣れていないからか通常の物より時間がかかってしまった。
 防御魔法はだいぶ慣れてきたおかげか、スムーズに選択できるようになってきた。まぁ、トリスのおかげでもあるのだが…


〈マスター、そろそろ休憩なされては?〉
「あ? そんなにやってたか?」
〈前に休憩されてから、一時間程経っています〉
「もうそんなにか?」


 流石にやり過ぎた、少し休むか。
 そう思うとすぐにその場で胡坐をかき、モニターを出す。訓練スペースに来てから、既に二時間半近く経っている。

 そう言えば、フォワードの四人はどうしてるかな?
 

〈―――マスター、ライトニング4から全体通信が〉
「何? 全体通信?」


 そう思った瞬間、トリスが宝石部分を点滅させて知らせてきた。すぐさま今開いているモニターに通信を繋ぐ。


『こちらライトニング4、緊急事態につき現場状況を報告します! サードアベニューF-23の路地裏にて、レリックと思しきケースを発見、ケースを持っていたらしい小さな女の子が一人』
『女の子は意識不明です』
『指示をお願いします!』


 おいおい、マジかよ。はやてのフラグが回収されちまったぞ、おい。
 なんてふざける訳にもいかず、取りあえず訓練スペースから移動することにする。

 因みに、その際〝ドレスアップ〟で着替えるのも忘れていない。


『スバル、ティアナ。ゴメン、お休みは一旦中断』
『はいッ』
『大丈夫です』
『救急の手配はこっちでする。二人はそのまま、その子とケースを保護。応急手当をしてあげて』
『『はい!』』


 さてさて、慌ただしくなってきた…!


『全員待機態勢! 席を外してる子達は、配置に戻ってな!』
『はいッ』
『安全確実に保護するよ、レリックもその女の子もや』
『『了解』』

「取りあえずなのはとフェイト、シャマルさんにリインと俺の五人でヘリに乗って向かう。その後フォワード陣と合流、って感じでいいか部隊長」
『ん、了解や。詳しい判断はそっちに任せていいか?』
「当然ッ」


 はやての言葉に、ニヤリと口角を上げて答える。その後モニターを消して急いで隊舎に向かった。






 しかしこの後……俺と同じ境遇の、しかし異なる道を選んだ―――悲しい男と出会うことなろうことなど、この時の俺には知る由もなかった。





  
 

 
後書き
 
 タイトルは取りあえず同じにしましたが、もしかしたらパート分けにするかもしれないです。

 毎日騒がしくて忙しいですが、頑張っていきます。
 ご指摘ご感想、お待ちしております。
  
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