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Angel Beats! the after story

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クロ遊佐のお願い

昨日のこともあってか起きるのが辛い。俺のパートナーは布団で決まりだな。

I LOVE HUTON!!

俺とHUTONとの熱愛が発覚したのだが、何やら台所から規則正しいドンドンという音が聞こえてきた。

泥棒か!?警戒しながらそっ~と戸を開けると、鼻歌をしながらふりふりと腰を振り、キャベツを切っている。いや切断しているの方が正しい。

「あっ!お兄ちゃんおはよ」

「おはよ。朝ごはん作ってたのか?」

「そうだよ。お兄ちゃんに私の手料理食べてほしかったから」

ちきしょ~!可愛い~!!あざとさの欠片もない初音はいつかきっと、国際問題を解決してくれるに違いない。

「お兄ちゃん。ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ、た、し?」

朝から仕掛けてくるなんて、成長したな初音。だが、この程度で乱す俺ではない。

「お風呂はいいや。ご飯食べて、デザートに初音を頂くよ。たくさんおかわりするぞ」

「ふえぇ!?今のは、その、冗談というか、ジョークというか……」

お兄ちゃんとは常に妹の上にいなければならない!!音無 結弦兄の威厳No.2

「じ、じゃあ食後に召し上がれ……」

紅潮してる顔はもう堪らない。

「貴様らいつまで茶番をしてるつもりだ。早く食べなければ冷めるぞ」

割烹着姿の椎名が居間の戸を開け出てきた。下ろしたままじゃ邪魔だと思ったのか髪を束ねている椎名。大和撫子はここにいる。

初音は返事をし切断していたキャベツを冷蔵庫に入れエプロンを脱ぎ捨て、居間のテーブルへ向かった。

一体キャベツを使って何をしたかったんだ?初音は?

「ボケっとするな」

「ああ悪い」

見た目クールで中身抜けてる椎名は、遊びに来たわいいが泊まりどころがなく、初音の提案で半ば強引に泊まらせたのである。

まぁ、そのおかげでキンキラキンな美味そうな朝ごはんにありつけるんだからな。さすが初音!可愛いわぁ!!って関係ないか。

「「「いただきます」」」

こういうのは会話を交えつつ食べる基本なのだろうが、美味すぎて黙々と箸が進んでしまう。


「もしや美味しくなかったのか?」

不安そうにオロオロとしてるのだが、今までじゃ見ることができなかった姿に少しドキドキしました。はい。

「そんなことないよ椎名さん!すごっく美味しくて感想を言う暇がなかったんだよ。ね!お兄ちゃん」

「その通りだ。美味すぎて食べるのがもったいないぐらいだからな」

「そうか。ならよかった」

胸を撫で下ろし安堵している。とまぁ、こんなやり取りがこの後に三回続いていった。




美味しい朝ごはんを堪能し、一息ついた後。初音の勉強を見ているとインターホンが鳴る。

日向たちかな?と思いつつドアを開けると遊佐こと遊佐衣がいた。

「おはようございます。音無くん」

「あ、ああ。おはよう」

なにも変哲もない挨拶なのだがどこか不気味な感じがする。言葉じゃ表現できないようなものがあるような。

「早速ですが……………………死んじゃえ」

「は?」

遊佐衣の右手に持っているハサミが俺の腹部めがけて突き刺さそうと伸ばされた右腕。咄嗟に体を左に反転し受け流す。

「新手の嫌がらせか!?下手したら死んでるぞ!?」

「ちゃんと事前に言ったじゃないですか~。それにこれが私の相殺だよん」

これが今の流行りの挨拶なんですか?チィーすとかういっすとかおっは~とか消えたのか!?
今の若者は毎朝こんな殺伐とした命懸けの挨拶をしてコミュニケーションをとってるのかよ。正気の沙汰じゃねぇよ~。

「んまぁ取り敢えず。合格」

えっ?どゆこと?俺の修行編の始まりってことでいいのかな。










そんなわけなく。家からさほど離れていたい場所にある公園へと着いた。当たり前なのだが、こんな時間から使用するような人は居なく、いるのは俺と遊佐衣だけだった。

「結局何がしたいわけ?告白?」

「自惚れるんじゃねぇよ雄」

ウッ、エグッ、そ、そこまでヒック言わなくてもウウッいいじゃないかよ。

「泣いてるんですか?弱いですね、か弱いですね、弱々しいですね」

「な、泣いてなんかねぇ~!目にゴミが入っただけだしぃ~!!」

あ~目のゴミが取れないなぁ~!!目薬あればなぁ~~!!

「まぁ泣いていようが、いまいが関係ないけどね」

ハサミを器用にクルクルと回しながらそんなことを言う。

「はじめまして。遊佐です!キラッ☆」

「いや。知ってるけど」

この状況についていけないんだけど。

「ああ!もう!察っしが悪いですねぇ!ワタシは男嫌いの遊佐ですキラッ☆」

男嫌い……あっ!日向から聞いたなそう言えば。昔の遊佐は残酷で冷酷で男を殺しまくってたって。だけど、結果としては俺の知ってる遊佐が心の奥に沈めたらしいんだが。

どこかの漫画みたいにすぐに思い出したのだが。

「おやおや、その顔は思い出した顔ですね。分かりますよ」

にしても俺が聞いた話と真逆のキャラなんだが………。

「急な展開に驚いてるでしょ?大丈夫ちゃんと教えてあげるから。
いいかい?音無くん。ワタシの人格は確かに私によって心の奥に沈んでたけど、実際ワタシみたいな人格を永久に沈めるなんて無理なんだよね」

今、遊佐?は人格と言ったか?なら、つまり遊佐には……。

「ん?気づいた?ワタシを沈ずめたことによって新たな人格が遊佐を形成したの。結果、遊佐は二重人格になってしまったんだなぁ~。それが、音無くんの知ってる遊佐って訳。
んで、記憶のなかった時のワタシたちの人格は半々って感じなんだ」

「まぁ続けるとね。死後の世界でもちょくちょくワタシの人格が出てたりしてたんだよ。んで、そんな状況のなか転生して昨日の晩、男性に襲われたことが鍵となってワタシが完璧に記憶と共に思い出したのでした!拍手!」

まばらに拍手を送っとく。気持ちのこもっていない拍手でも大満足の遊佐。

「つまり、今のお前は遊佐の根源ってことなのか?」

「そうそう!読み込み早いじゃん」

ダメだ、褒められても全く嬉しくない。

「例えば、今ここで俺の知ってる遊佐と人格を入れ替えたりできるのか?」

「もち!うん!はい!YES!」

今までで一番残念な娘なのかもしれない。いやそうに違いない。

「どうせ音無くんのことだから入れ替えてくれって言うんでしょ?ワタシは嫌だよ。折角こうして自由に好きに気ままにできるんだから。わざわざ、こんなに美味しいことを手放さないよ」

一応はこの遊佐も一人の少女であって、一般的な娯楽とかを味わいたいという気持ちはあるのか……。そこを無理矢理、奪う気にはなれないんだよな。

「それでもお前の男嫌いは治ってないんだろ?なら、いつ事件沙汰になるか分からないから放っておくのもあれなんだが」

「それはもっともだよねぇ。だけど、そこはあんまり心配しないで大丈夫。
言ったでしょ、ワタシの人格が死後の世界でもちょくちょく出てきたって、だから、自然と男性にもある程度は免疫がついてきたんだよ。ま、襲われたりしたら命の保証はないけど」

怖いよぉぉ~!!だって男性に襲われたから記憶と人格が戻ったってことは、襲ったその男性は今頃どうなってるの?殺しては……いないよ、な?

「ねぇねぇ音無くん。ねぇ~てば!無視してると刺し殺しちゃうよ」

「悪い悪い。で?どうした?クロ遊佐」

冷静に返事をしたが内心ガクブル状態の俺。無視するリスクが尋常ではないな。

「クロ遊佐?まぁいいよそれで。音無くん、ワタシね……。ワタシね……ずっと……」


んまぁ、ここだけ聞けば可愛い後輩からの告白だと思えるかもしれないが、俺の長年の勘からするに決してそんな幸せなことではない。

「ワタシを遊びに連れてって!」

ほらな、ってあれ?何これクロ遊佐√のイベント?
そうだとしても、遊びに連れてって……か。

「いきなりどうしたんだ?そんなの一人でも大丈夫だろ。俺が連れていく意味があるとは思えないが」

「だってぇ~ワタシ可愛いしぃ~。すぐにナンパされると危ないから……ナンパする方がね。でも、音無くんが嫌って言うなら残念だけど、ナンパされるしかないのかぁ~」

チラチラとわざとらしく困った顔をしながら唸っている。

「ハッハッハ!心配するなクロ遊佐。俺がお前を全力で守りながら遊びに連れてってやんよ!さぁどこ行きたい!映画か?ゲームセンターか?ライブ、海、山、温泉スポーツ観戦なんでもこい!カモン!」

全世界のJC好きの露璃魂は俺が守る!

「やったぁ~!!ワタシねワタシね!」

誘い方は卑怯だったが、こんなに喜んでると案外悪くないと思ってしまう。

「遊園地に行きたい!!」

よりにもよって遊園地ですか。最近の中学生は夢の国とか魔法学校とかに行きたいと思っていたけどな。ちなみに我が妹は『お兄ちゃんとならどこ行っても楽しいよ』と涙腺崩壊するほどの回答をする。

「なんで遊園地?」

「前から行ってみたかったんだ!ダメかな……?」

目をうるうると潤ませている。

「うぇ~ん、ゆうえん、グスン、ち、エグッ、行きたいよぉ~」

嘘泣きなのは分かっているのだが、クッ、逆らえないのが悔しい。

「わ、分かった。だから泣くのはやめろ、なっ?」

「じゃあやめるね」

何事もなかったかのように笑顔になる。
ムカつくぅ~!!グーパンしてやろうか?怖いからできないけどな!!

「で?いつ、どこで集合なんだ?」

「ん~そうだなぁ~。じゃあ、ここに午前中に集合」

「了解」

まさかの一日でしたか。午後だけという僅かな希望を望んでいたが、光の速さで崩れさった。

「喋るの疲れたからもう帰るね。バイバ~イ!」

「え、ちょ、……バイバイ」

自由奔放、自己中心すぎて胃がキリキリしてきたから俺も帰る!帰るったら帰るだからね!



その日の夜は胃薬を飲んで寝ました。
 
 

 
後書き
こんにちわ騎士見習いです。

最近は燃え尽き症候群なのでしょうか、やる気もアイディアも出ないです。ということで、色んな作品を読んで勉強してるわけです。よろしかったらオススメの二次SSやらラノベを教えてくれるとありがたいです。

今回は、邪悪な遊佐さんが登場!キャラが濃くなってると思いながらもルンルンしてます。
次回は遊園地回!と思いきやの初音回!を考えております。

では、あらためまして読んでくださってありがとうございます!これからドンドン暑くなりますが体に気をつけてくださいね!!では、さらば!

(意見、感想、評価お待ちしてます)




 
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