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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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監督は誰だ!

 
前書き
あの人とは一体? 

 
「あの人って?」

「前に鬼瓦さんって言う刑事さんに聞いたんだ」

「えっ!?刑事が監督!?」

「いやその刑事さんが言っていた人が監督候補なんだ」

「どんな人なんだ?」

「それが40年前のイナズマイレブンのゴールキーパーなんだよ!」

「な、何だって!?」

「それは本当か、円堂」

「ああ!驚くだろ!しかもその人は俺たちの知っている人なんだ!」

円堂の言葉 知っている人 と言う人を
その場にいた、俺と豪炎寺は考えたが思い付かなかった。

「駄目だ、わかんねぇ……」

「……俺も思い当たらないな、一体誰なんだ?」

「それが、なんとなんと!雷雷軒のおじさんなんだ!」

「ま、本気で!?」

「…!なるほど。だからあの時、円堂のおじいさんの事を知っていたのか…」

「な!驚いただろ!あの人が監督になってくれれば、じいちゃんのサッカーをもっと知れるんだ!ワクワクするなぁ!」

「確かに元イナズマイレブンが監督になったら頼りになるな!」

「一度シュートを受けて貰いたいものだな」

「よし、そうとなれば行こうぜ!」

「何処に?」

「何言ってんだよ雷藤。雷雷軒に決まってるだろ!おじさんに監督になって貰うために話に行くんだよ!」

「今から…?」

「当たり前だろ!ほら行こうぜ!」

そう言って円堂は走り出した。

「諦めろ雷藤。ああなった円堂は誰にも止められない」

豪炎寺は少し笑いながら俺に話した。

「ああ、幼馴染だから痛い程、承知してるよ……」

俺も少し笑みを浮かべて豪炎寺に言葉を返すと

「お前も大変だな」

と豪炎寺が俺に笑みを見せた後、俺と豪炎寺は円堂の後を追いかけた。



「よし着いた!」

円堂が元気良く叫んだ後、ガラガラと戸を開けた。

「おじさん居る〜!?」

「おぉ、大介さんの孫じゃないか」

「おじさんちょっといい?」

「なんだ?」

「おじさんって元イナズマイレブンのゴールキーパーだったんだろ!それでさ頼みがあるんだ、俺たち雷門中サッカー部の監督になってくれない?」

「……!おいお前、元イナズマイレブンの事を誰から聞いた?」

「えっと、鬼瓦って言う刑事さんから」

「鬼瓦め、余計な事を……」

「おじさん…?監督になってくれない?」

「断る」

「………えっ?」

「イナズマイレブンなど過去の栄光だ、そんなものに縋ってどうする。それに俺はサッカーは辞めた」

「でも俺たちには、おじさんのチカラが必要なんだよ!」

「……話はそれだけか」

「ああ!それだけだ!」

「ここは店だ。何も食わない奴は客でもなんでもない邪魔だ、帰れ!」

俺たちはそうおじさんに怒られ外に放り出された。

「駄目だったな、円堂」

「いや!まだ諦めねぇ!明日リベンジだ!」

「しゃーない、俺も明日付き合うよ」

「すまない、俺は明日は…」

「わかってるよ。夕香ちゃんに宜しくな」

俺が豪炎寺にそう話すと

「ああ。ありがとう、俺は今日はもう帰るな」

と話し、来た道を帰って行った。

「俺たちもそろそろ帰るか、円堂」

「そうだな」

俺たちも少し話をした後、家に帰宅した。



ガラガラと戸が開く音が響いた。

「ふぅ、今日も疲れたぜ」

「さっき大介さんの孫が監督になってくれと言いに来た。鬼瓦お前、大介さんの孫に話したな」

「ああ、話したぞ」

「何故話したんだ」

「響木、お前は大介さんの孫から聞いていないのか?」

「何を……?」

「彼奴らが当たる決勝戦の相手……。あの帝国だぜ」

「な、何だと!」

「しかも帝国の監督はあの影山零治だ」

「なっ……!?」

「お前ならあの子達を守れる。そう思って話したんだがな」

「まさか影山、俺たちだけでなくあの子達まで!?」

「可能性は考えられる、大介さんをそうしたようにな」

「何処まで腐った奴なんだ!影山零治!」



翌日

「今日こそリベンジだ!」

そう言って円堂は俺の前をフンガ フンガ と歩いて行く。
今日は俺と円堂だけで雷雷軒のおじさんと話に向かっている。

「着いた、今日こそ監督にならせてやる!」

「監督にならせるっておかしいだろ……」

俺はそう呟きながら雷雷軒に入った。

「また来たか……」

「おう!また来たぜ!今日こそ監督になって貰うぜおじさん!」

「良いだろう」

「くっそぉぉぉ!だから何で駄目なんだよ!………って、えっ?」

「今、良いって言ったぞ、円堂!」

「おっしゃ!これで決勝戦に出れる!」

「誰がタダでと言った?」

「えっ?」

「俺とサッカーで勝負しろ」

「な、元イナズマイレブンと勝負!?」

「俺が蹴ったシュートを円堂、お前が三球とも止めたら監督になろう」

円堂は下を向いたまま、ふるふると震えている。

「どうした怖気付いたか?」

「うおぉ!元イナズマイレブンと勝負なんてワクワクするなぁ!」

円堂は怖気付いた訳ではなく、純粋にワクワクしているだけみたいだ。

俺とおじさんは思った事が同じみたいで、口が揃った。

「サッカーバカめ」 「サッカーバカだな」

円堂は「へへっ!」と笑うと
おじさんが指定した場所、河川敷に俺たちは向かった。



「おじさん!手は抜かなくて良いからね!」

「言いやがる……」

今、まさに勝負が始まろうとしていた。

「行くぞ……!」

「来い!」

おじさんは助走もせずにボールを思いっきり蹴った。
ゴール右側ギリギリの絶妙なシュートだ。

「おおぉぉぉぉ!!」

バシッ! 円堂が見事にボールを弾いてクリアする。

「おし!おじさん一本止めたぜ!」

「たった一本で調子に乗りやがって」

「どんどん来い!」

「次はそう上手くは行かないぞ!」

そうおじさんが呟くと少し助走を取りシュートを放った。

「決めさせるかぁ!」

円堂はグッと拳を強く握り締めた。

「熱血パンチ!!」

ググッ バシーン! とボールを弾き返し2本目もクリアした。

「よし!良いぞ円堂!後、一本だ!」

「なかなかやるな、小僧」

「あと一本だぜ、おじさん!絶対監督になって貰うぜ!」

「最後は本気で打つからな、覚悟しろ」

そう言うとおじさんは大きく助走を取ってシュートを打った。
グウォォォォォ!!と凄い音を立てながらゴールに向かう。

「これで単なるノーマルシュートかよ…イナズマイレブン、すげぇや!」

俺が呟くと同時に円堂が構えを起こした。

「止める!」

円堂が巨大な手を出現させボールを止めに掛かる。

「あれは!幻のゴッドハンド!」

キュイーン バシュン と円堂の手にボールは収まった。

「「よっしゃぁ!勝ったぁ!」」

俺と円堂が口を揃えて叫んだ。

「ふっふっふっ、あはっはっはっ!流石は大介さんの孫だ!」

「おじさん!約束通り……!」

「ああ、監督になろう。俺の事は響木監督と呼べ」

俺と円堂は決勝戦に出られる嬉しさを噛み締めながら叫んだ。

「「はい!響木監督!!」」 
 

 
後書き
豪炎寺「よくあのおじさんを説得できたな」
雷藤「それが説得じゃなくて勝負だったんだよ」
円堂「流石に元イナズマイレブンだけあってすげぇシュートだったぜ!」 
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