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詩集「棘」

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いつか見た夕暮れに




なんとなく歩く いつもの散歩道
陽射しに落ちる影を見つめ
今、一人の虚しさに
チクリと胸が痛くなった

大好きだった音楽
どうしてかな…心に響かない
世界はこんなにも
淋しかったかな…?

いつか見た夕暮れに
隣を歩く者はいない
永久(トワ)に続く時の中
空だけが抱いている


それとなく眺めるこの景色
雪解けの清い流れを聞く
どうして一人なんだろう?
心で問って苦笑した

春の宵に 浮かぶ月
どうしてだろう…泣いてるように見える
毎日はこんなにも…
哀しいものだった…?

いつか見た夕暮れに
重なる影は見当たらない
想いは果てることはなく
空は優しく抱いている

いつか見た夕暮れに
隣を歩く者はいない
永久(トワ)に続く時の中
幻だけを…抱いている…



 
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