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歌集「春雪花」

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 永遠の

  無きにし今を

   君と共に

 過ごせぬ我は

    侘びしたりける



 永遠のないこの世にあって、今という刹那を彼と共に過ごすことも叶わない…。
 愛も得られない…時も過ごせない…そんな私に意味なぞない。
 ただただ…侘しいばかりの毎日だ…。



 われ思う

  心もなきや

   沈丁花

 香りし君ぞ

    たれを想うや


 不意に沈丁花の香りが鼻を擽る。そんな春の香りに、君への想いが溢れだした。
 君は…誰かを想っているのだろうか?私のことは想ってはくれないのだろうか…?
 そんな風にさせた憎い沈丁花…お前には私を思う心はないのだろう。彼と同じように…。



 
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