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普通だった少年の憑依&転移転生物語

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ゼロ魔編
  057―Ex. ちょっとした閑話集

 
前書き

いつもより多少長くなりましたが、所謂外伝です。


知ってるかい? ……今日、作者の誕生日なんだぜ? 誕生日おめでとう、俺。

[さくしゃは いわってほしそう に そちらを みている](無言のチラ見)
 

 

<色々と勉強中>

SIDE 平賀 才人

「二次創作の世界ねぇ…」

ハルケギニアに転移してからちょっとした頃。【バレッタ薬剤店】の仕事にも馴れて漸く腰を落ち着ける事が出来る時間が作れたので、ミネルヴァさんが言っていた〝神様転生〟なるものについて調べていた。……大体の内容はミネルヴァさんが言っていた通りで、神の不注意等によって殺された人間が神から〝特典(チート)〟を貰ったり〝貰わなかったり〟して、神に転生させてもらうものらしい。

〝神様転生〟と云うワードを調べていっていると、聞き慣れない単語が幾つか出てくる。……例えば、先程呟いた〝二次創作〟と云うワードもその1つだった。

「……つまり〝二次創作〟ってのは、ある物語を──〝原作〟を元にして〝IF(もしも)〟の物語を書いた作品って事か。……じゃあこの世界は〝【ゼロの使い魔】の二次創作〟の世界って事になるのか? ……いや、〝二次創作〟って括りは変に感じるから〝平行世界〟って括りの方が収まりが良いかもな」

適当に自問自答しながら、今の自分の立ち位置を知るためにもさらに情報を収集していく。……次に気になったワードは〝踏み台〟だった。……〝踏み台〟──略さずに言うなら〝踏み台転生者〟。俺の所感だが、神様に転生させてもらって──〝特典(チート)〟を貰って、然も自分が〝原作主人公〟ではない──〝オリジナル主人公〟だと勘違いしていて、〝原作〟のヒロインをNTRしようとして純正の〝オリジナル主人公〟、ないしは〝原作主人公〟に討たれてヒロインへの〝魅せ場〟となる場合が多い…故に〝踏み台〟。……大体そんな感じだろうか?

……しかも〝踏み台〟はなまじっか容姿を眉目秀麗──最たる例が〝銀髪オッドアイ〟等にするらしく、難聴(都合の良い耳)や一種の現実解離症(末期)を患っている場合も多い。人気な〝特典(チート)〟は“王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)”や“無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)”が統計的に見て多い模様。……そしてその〝特典(チート)〟も、何らかの理由で消失してストーリーの途中から徐々にフェードアウトしていくのが〝お約束(テンプレ)〟らしい。

「〝踏み台〟ね…こいつら病気だとしか思えん。……なんだったけ、あれとあれを──そう、クレランボー症候群とシミュレーテッドリアリティを足して2で割らない様にした様な感じか」

〝クレランボー症候群〟…。〝エロトマニア〟とも呼ばれる精神病で、その概略は、〝自分と相手が熱烈に愛し合っている恋人同士である〟、〝相手が自分に好意・愛情を持っている〟等と、盲執的に思い込む…。……と云たっかんじのもので、分かり易く言い換えるならば、〝被愛妄想〟とも言い換えられるか。

……しかもクレランボー症候群は、先にも述べた〝相手が自分に好意・愛情を持っている〟…という強固な確信とも取れる盲執に支えられて起こり、いくら相手が〝あなたのことを好きではない〟〝もう私に付きまとわないでほしい〟…などと切に訴え掛けたとしても、それを本気で言っているという事が理解出来ないのが性質(タチ)が悪い。……それで起こりうるのが〝(ヒロイン名)はツンデレだなぁ〟…と云う一幕なのだろう。

もう一方の〝シミュレーテッドリアリティ〟については致し方無いのかもしれない。自分が神に殺されて、〝特典(チート)〟を貰って、転生させてもらえるとなったら──そんな絵空事の様な事が起きたら、〝多少〟の現実解離症が起きるのも仕方ない事なのかもしれない。

〝シミュレーテッドリアリティ〟を──〝シミュレーション仮説〟を簡単に説明するならば、映画の【マトリックス】や、【インセプション】。ゲームなら【ファイナルファンタジーⅩ】のザナルカンドの様に、〝この世界は仮想世界…ないしは、〝より高次元な世界〟が有る世界である〟と信じていること。……それが俺の纏めた〝シミュレーテッドリアリティ〟に関する概要だった。

……ただこれはどこぞの生徒会長が3兆年生きた人外に言っていた様に、治す事は可能で先に述べた話の通じない〝クレランボー症候群〟を治療するよりは、幾分かは容易だろう。……現実を〝現実〟だと認識させれば良いだけだからだ。……ちなみに俺の場合は〝死〟を目の当たりした事だったか。

閑話休題。

「……一旦休憩するか」

そんなこんなで、またとして1日が過ぎていく。

SIDE END

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

<今さらながらの、ちょっとした疑問>

SIDE 平賀 才人

「時にユーノさんよ、今更のちょっとした確認──てか疑問なんだけど」

「何々?」

……家格を考慮して、ルイズを第一夫人として最初に執り行い、後は各々に結婚式を執り行った。……で今はユーノとの新婚初夜──そのピロートークタイムで、かねてより気になっていた事を、ユーノの髪を手櫛で漉きながらユーノに訊ねる。

「ユーノは何でハーレムを推奨したんだ? 何ならユーノだけ──」

「おっと、そっから先はノーセンキューだよ」

言い切る前にユーノの右人差し指によって俺の科白(セリフ)が遮断される。

「ああ、ボクがハーレム推奨している理由ねぇ…。……ははは、改めて考えてみると本当に今更だね。……とは云ってもそんな大した理由は無いんだけど…敢えて言うなら、気兼ね無く一緒に居たかったからかな」

「……重婚が可能なハルケギニアだから許される事だよな」

「んーん、所謂ハーレムは女の子同士の譲歩と男の子側の多少の甲斐性が有れば設立するのは難しく無いよ。……後、周りの冷たい視線や嫉妬と殺気に染められた視線に耐えられるだけの精神力も必要だったね」

「……その〝多少〟が中々怖いな」

「サイトはどっかのワンサマとかみたいな朴念仁とは違うから大丈夫だよ。……それに、少なくともボクはサイトが生まれたのが、このハルケギニア──【ゼロの使い魔】な世界じゃなくてもハーレムは許容していたよ」

「……そんなもんかね?」

「そんなもんだよ。サイトにはハーレムでも良いから側に置いて欲しい…そう思わせる何かが有るんだよ。……まぁ、サイトが≪赤龍帝≫──というよりはドラゴンを宿しているというのも関係していると思うんだけどね」

ユーノはクエスチョンマークを頭上で踊らせている俺を察したのかそう宣って、後はどちらかともなく眠りに落ちて往くのだった。

SIDE END

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

<本名>

SIDE □□□□□□□□□□□

私には妹が居る。風に吹かれればフワリと浮くような髪質で、セミロングの金髪が似合う自慢の妹だ。……〝種〟違いの姉──汚ならしい貴族の血が流れている私を〝エリィお姉ちゃん〟と、無邪気に慕ってくれている。……両親からのよそよそしい態度と、その眩い程の妹からの視線に耐えきれなくなって──今になって思うが、私の勝手なコンプレックスで、実家を出たのは今では良い思い出か。

……【白銀の月夜亭】で私は二度も、人生を変える様な出会いを経験している。……一度目は〝バレッタ〟と名乗った〝老年〟の女性で、二度目は〝サイト・ヒラガ〟と名乗った、幾つか年下だろう男性だった。

「本当、バレッタさんには世話になったよ」

私は着の身着のまま──と、多少の持ち合わせでトリスタニアに来て、その持ち合わせも底に着こうかという時にバレッタさんと出会った。バレッタさんは【バレッタ薬剤店】を独りで切り盛りしていて、私こ身の上話を聞いたら下宿みたいな風体で雇ってくれた。

……【バレッタ薬剤店】は貴族を相手に開いている訳では無く──利潤を追い求めていると云う訳では無く…平民相手の商売であまり繁盛していなかったからか、給金は余り出なかったが、バレッタさんからは孫の様に可愛がって貰えたのでそれはそれで楽しかった。

閑話休題。

程無くして、やがてバレッタさん御老体故に逝去してしまい、バレッタさんから【バレッタ薬剤店】と〝名〟を継いだ私は独りになった。……1人になって考えているとその昔──バレッタさんと出会う前の事をポツポツと思い出してしまっていた。

「確かサイトに会ったのもちょうどそのだったね」

そしてルーチンワークな──灰色の日々を送っていると、年下であろう〝赤い〟少年に出会った。……別に〝赤い〟とは云っても、髪の毛が赤いという訳ではなく…寧ろハルケギニアでは余り見ない黒髪だった。〝赤い〟と云うのもあくまでもイメージの話。

……馴れ初め──と云うのも大仰な、腐敗した貴族が跋扈しているトリステインではわりとよくある話で、店の〝場所代〟を楯に迫って来た強姦魔(貴族)から助けて貰っただけだ。……だがあの時からその少年──サイト・ヒラガから迸る鮮烈な赤いオーラを目の当たりにした時から、その彼から目を逸らせなくなっていた。……今に思えば、あれが〝一目惚れ〟だったのだろう。

その後は行き場に困っていたサイトを【バレッタ薬剤店】に雇ったり、私の〝名〟を伝えたりした。……情を交わし合ったりもしたか。

(……4属性スクエア・クラスって…)

サイトは乾いた砂の如く私の──バレッタさん仕込みの知識を吸収していき、魔法の腕は直ぐ様私を抜いていった。

「そういえばアニーは元気かな。……〝エリィお姉ちゃん〟は元気にやってるよ」

風の噂で聞いた事だ妹──アニーは、実家の近くに住んでいた、アレックスと云う少年と婚約してもうすぐ挙式間近だったと聞いている。

〝その想い〟が、もう(とこしえ)に届く事が無くなったという事も知らずに私──エリザベス・ウェルキンは、同じ双月を見ているであろう愛しい妹へと、想いを馳せるのだった。。

SIDE END


<他の人達のあれそれ…>

SIDE OTHER

ケース01:名探偵イザベラ

ガリア国王──父親(ジョゼフ)達がやっていた〝対ロマリア大戦〟の終結──ならびに、その結果に喜悦の念を抱いていた。……イザベラが一方的に劣等感(コンプレックス)を持っていた従姉妹であるシャルロットの──否、オルレアン親子の訃報で気が沈んでいたので、〝ロマリア陥落〟の(ニュース)は沈んでいた気分には良いスパイスとなった。

「……でも、どうして〝今〟だったのかな…?」

……オルレアン邸は、オルレアン夫人の乱心によって火が放たれたと聞いている。……しかし、イザベラはあまりにも〝出来すぎて〟いる状態に納得がいかなかった。……イザベラ自らが検分した邸宅の跡地から察する炎の勢いを診るに、〝都合良く〟オルレアン夫人だと推定出来る遺体が発見されるのはおかしかった。

「……調べてみようか」

そうしてイザベラは小飼いの密偵を動かす事にした。

……それからイザベラは父親(ジョゼフ)を酒の席で酔っ払わせたりしながら──〝シャルロット・エレーヌ・オルレアン=アリス・ファウストラル〟に辿り着いたり、ジョゼフが孤児院より連れて来たシャルロットの生き写しの様な──自国(ガリア)では禁忌とされといた、シャルロットの双子の妹である少女──ジョゼットを猫可愛がりしたりするのだが…それはまた別のお話。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ケース02:ヴァリエール家が長女の焦燥

ヴァリエール家が長女──エレオノール・アルベティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールは憔悴していた。……それはひとえに──口さがなに≪ちびルイズ≫と揶揄していた末の妹に先を超されたからだった。主に恋愛的な意味で。

……次の〝始祖の降臨祭に、ヴァリエールへと帰郷する〟との先触れが有った。エレオノールはよく知らないが、ルイズのお相手は今やクルデンホルフ家を抑えての新興国として名高い──〝あの〟ヒラガ公国の国王らしい。……しかもその国王が中の妹──カトレアの病を治したともヴァリエール公爵から聞き及んでいた。

……ちなみにそのカトレアは、〝かつての思い(さいと)〟を振り切り──とある伯爵家の次男と、何やら良い雰囲気になっている模様。……それがまたエレオノールの憔悴具合に拍車を掛ける一端となっていた。

閑話休題。

「見てなさい、ルイズ…。私も絶対に良い男性(ヒト)に巡り逢ってみせるからっ」

エレオノールに春はまだ遠そうだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ケース03:ティファニア&マチルダの愉快な食堂

ティファニアは、アルビオンからヒラガ公国に生活の拠点を移していた。……少し前、才人がやらかして──もとい、〝他種族間との隔意や敵意〟を取っ払ってあるので、ティファニアは胸を張って街道を歩ける様になっていた。

ヒラガ公国ではサイトの懐刀となったマチルダや、アルビオンから一緒に移住してきた孤児達と共に定食屋を経営していて、ティファニアの容姿──と、〝とある一部〟が凄い事もあって、サイトの〝口利き〟もあり──ティファニアの店は連日賑わっている。

「レイ~、このお料理、3番テーブルに持って行って~」

「はーい!」

……今日も今日とて、ティファニアとマチルダの店からは笑顔が絶えない。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ケース04:〝騎士〟アリス・ファウストラル

「はぁっ!」

「………甘い」

ヒラガ公国が魔法衛士隊の育成校の鍛練場。シャルロット・エレーヌ・オルレアン──アリス・ファウストラルは後進の育成をしていた。アリスは〝タバサ〟であった時の経験を活かして──というよりは、その経験をその身で以て後進へと伝授していた。

「………今日はここまで」

「はい! ご指導ご鞭撻の程、ありがとうございました! ……騎士アリスに敬礼!」

「「「ご指導ご鞭撻の程、ありがとうございました!」」」

リーダー格の青年がアリスに敬礼すると、他の生徒達も敬礼する。……そして鍛練場か出ていってアリス1人──と使い(シルフィード)1匹だけが鍛練場に残される。

<お姉さま、元気出すのね>

「………私は彼の〝騎士〟」

シルフィードの言葉に応える様に──アリスは何かを言い聞かせる様に呟く。……アリスは仕えるべき──まるで〝英雄(イーヴァルディ)〟の様な〝彼〟に想いを寄せてしまっていた。……だが〝彼〟は、自分では無い誰かと…。雑念を振り払うかの様に(かぶり)を振る。

……そして〝彼〟への想いをアリスは、そっと封じ込める。〝自分は騎士だ〟と…。……アリスはこの時、鍛練場の床が砂地である事と、父親の魔法の才能──〝風〟の魔法の才能を受け継げた事を、いたく感謝した。

だが、もし──〝もし〟だ。……もしアリスが自分の気持ちに素直になれていたなら、〝彼〟に想いが届いていて、今とは違った現状になっていただろう。……だがそれも、所詮は〝IF(もしも)〟な話である。

SIDE END

<エターナル・ロード>

SIDE 平賀 才人

お日柄は良くなく──曇天だが、元々が雨天決行だったのでそのセレモニーを予定通りに敢行する運びとなった。今日は王位継承式…とは云っても〝俺〟のではなく──〝俺の息子〟の継承式であった。

「……サイト・ヒラガ・オブ・ペンドラゴンの名に於いて、クリストファー・ヒラガ・オブ・ペンドラゴンに王位の一切を委譲する事をここに宣言する」

「謹んで御承け致します。(わたくし)──クリストファー・ヒラガ・オブ・ペンドラゴンはこのヒラガ公国の隆盛を窮めんとする事をここに宣言致します」

もう大体の事は──引き継ぎ等は既に終わっているので、これが俺に出来る〝王〟としての最後の仕事である。クリストファー・ヒラガ・オブ・ペンドラゴン…。俺とルイズの間の長男で、〝ヴァリエール〟からの遺伝なのか、金髪がよく似合っている。……俺からの遺伝は瞳の色くらいか。

「お疲れ様」

「ありがとう、ルイズ」

クリストファー──クリスへの王位継承を終えて、舞台裏に引っ込み、空を見上げているとルイズが声を掛けてきた。ルイズが持ってきてくれたドリンクを貰う。

「……どうしたの」

「晴れたなぁ。……て、思ってな」

「あ、本当ね」

空を見上げていると、雲の切れ間から陽光が射し込んでいた。……その陽光が、なんだかこの国の展望を喝采している様な気がした。……その後、ユーノとバレッタや──それに両手では数え切れなくなった娘息子がやって来て、どうにも引き締まらない結果となるのは、最早ご愛敬である。

SIDE END 
 

 
後書き

後は【ゼロ魔】編終了時の主人公設定なので、次話は明日アップします。

皆さんの応援のお陰で、無事【ゼロ魔】編を終える事が出来ました。……やっぱり、感想を貰えると〝読んでくれている人が居る〟という事が判るので、モチベーションが上がりますね。 
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