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『ひとつ』

作者:零那
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『朧月』


輪郭の無い儚い姿
手を伸ばせば消える
刹那の幻に涙する
共に眺め語った
いつかの朧月の如く

尖ってはいたけれど
心は真っ直ぐだった
巧く伝えれないだけ
そんな僕達は
いつでも厄介払い

嘆いても変わらない
ほら、
正直者は馬鹿を見る
そう、
だからもう伝えない
コッチが
大人を諦めたんだよ

夢の欠片達
涙の欠片達
笑顔の欠片達
怒りの欠片達
すべて
真実の欠片達だった

あの朧月が哀しそうで
僕達は何故か皆で
手を伸ばして朧月を
包むように手を握った

何かを分け合った
あの瞬間
何かが繋がり合った
朧月の元で

無邪気に笑って
無防備に泣いて
境界線なくしてた
そんな皆で
いつまでも...

ボロボロでも
痛くても怖くても
それでもって
立ち上がり
躓いて転けても
突き進んだ

あの頃の僕達は
巧く生きれなくて
汚い筈なのに
妙に眩しくって
真っ直ぐ見れない

いつかまた
朧月を眺めて
想うだろう
あの頃の僕達を...

永遠に心に在る
あの頃の僕達
永遠に色褪せない
あの頃の僕達

朧月を見る度
あの時のことを
ありのまま
再現できるほど

いつまでも
いつまでも...
色褪せない
僕達と朧月...

 
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