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剣の世界の銃使い

作者:疾輝
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ログハウス購入!

昨日やっとのことで購入したログハウスで初めての朝飯を作っていると、シリカが俺のところに一枚の新聞を持って駆け込んできた。
ちなみに、俺とシリカが苦労して買ったログハウスは9層にある一軒家だ。初めてログハウスが出てきたのがこの辺りの層なのだが、初めに見たときは誰もが買えないと思うほど高かったので、まだこの辺りにも買われていないログハウスは少なからずあった。その中で俺とシリカが満足できる程度の設備を備えた家を選んだ。そこまで中心街にあるわけでもないが、転移門や中央通りには近く、なかなかの立地条件を備えてもいる。その分値段は結構張ったのだが、そこは妥協せずに頑張った。昨日取ってきたマップデータを情報屋に売って、なんとか達成できたのだ。余談だが、この層に有名な料理ギルドの本拠地があった事も理由の一つだ。

「レイトさん!これ見てください!!」

「んー?どうかしたのか」

今やっていた作業をメニュー操作に任せ、シリカから新聞を受け取る。何か新しいエリアでも出来たのだろうかと思い見てみたのだが、予想は大きく外れていた。

「へぇ・・・」

「あれ、意外と驚かないんですね?」

「いや、結構驚いてるよ。なるほどねー、クロノがユニーク持ちだったのかー」

表紙一面に大きく映し出されているのはキリトだった。二人目のユニークスキル使い持ち現る!という見出しがつけられていて、下に詳しい詳細などが載っていた。
そしてある一点で目が留まる。

「馬鹿野郎が・・・・・」

「え、何か言いました?」

「あ、いや何でもない。それより料理ももうそろそろ出来るし、ちょっと待っててくれるか?」

分かりましたー、と言いながらシリカがキッチンから出て行く。その背を見送りながら、俺は昨日のこと思い出していた。

「死んだら、何も残らねぇっていうのに・・・・」

先ほど目に留まった記事、それは軍のメンバーの3人の死亡だった。多分あの後、あいつらだけでボスに挑み、ボスとの実力の差を知った。そして、何かの理由で戻れない状況になってしまったのだろう。直接の原因が俺にないとしても、後味が悪すぎる。

「レイトさーん?まだですかー」

亡くなった3人に静かに黙祷を捧げると、すぐに表情を切り替え料理の仕上げを終わらせる。完成した料理を持ちながら、リビングへと向かうとシリカが先に座って待っていた。

「遅いですよー」

「はいはい、悪かったよ」

料理を並べ、いただきますをしてから二人で食べ始める。俺もシリカも食事中に話すことをあまりしないので食事中は静かだ。黙々と食べ進め、全部完食したところで俺が話題を振る。

「それで、今日はどうする?」

今まで、このログハウスを買うためにコルを貯めていたので、その目的が達成された今、やることがまだ決まっていないのだ。この家に置く家具を買いに行ってもいいのだが、ここまで貯めるのにかなりの時間がかかったため、今日くらいはゆっくりしようと思っているのだが。

「さっきの新聞を読んで、ちょっと疑問に思ったことがあるんですよ」

「どうかしたの?」

「いえ、レイトさんとキリトさんってどっちが強いんですか?」

おおう、彼女からこんな質問が来るとは・・・・。俺の方が強い、と見栄を張ってでも断言したいところだがなぁ。クロノととなると、微妙なところなんだよなぁ。

「ユニーク無しでやったら少し分が悪いと思う。俺は間接攻撃メインで戦うからな、離れている間に仕留めきるか、仕留めきる前に近づかれてこっちが終わるか。銃が有りなら近接でもそれなりに打ち合えるけど・・・」

多分、離れている間に仕留めきるのは難しいだろう。こちらからの攻撃は数十発ぶつければならんのに、あちらのはクリーンヒットを一発もらうだけでも危ない。

「キリトさんってそんなに強いんですか?」

「今の最前線でソロで攻略できてるだけはあるよ。んー、話してもあんま伝わんないだろうし、実際に確かめに行くか」

という訳で、場所は変わって、再びエギルの店の前。そういえば、俺、この店の名前未だに知らないんだが・・・。

「ここってエギルさんのところですよね?キリトさんに会いに来たんじゃないんですか」

「いや、多分ここだと思う。名前まで出たんだから、ホームにしていた宿はもう割れてるはずだ」

店の中に入ってみるが、中にはエギルしかいなかった。読み違えたかと思い、そのまま外に出ようとすると、エギルに止められた。

「おい、レイト。お前は何しに来たんだよ!?」

「クロノがここにいるかなーと思って来たんだが、邪魔したな」

「今2階にいる。そろそろ降りてくるだろうから行くのは少し待っといてくれ。それと店に来たのなら、なんか買ってけ」

やっぱり当たってたか。エギルも自分の利益のために人の情報を売るとは、さすが商人の鏡だな。

「んじゃ、いつもので。なんで今は行けな・・・なるほどね、了解」

「そういうこった。はいよ、二千コルだ」

理解できていないシリカを抜いて、若干足りなくなってきていたPOT類を買い込む。シリカに説明しようとすると、ちょうど2階から二人分の足音が聞こえてきた。

「昨日ぶりだな、クロノ」

「おわっ、レイト!?お前、良くここだと分かったな」

「あら、シリカちゃんも一緒だったの」

「おはようございます、アスナさん」

降りてきたのは予想通りキリトとアスナだった。二人とも俺がいたことが意外だったようだが、そう難しいものでもないぞ?女子二人が話し始めてしまったので、こっちはこっちで話し始める。

「交友関係が広くないお前の身を隠せる場所なんて、そこまで多くないだろ。それにフレンド登録してあるんだし」

「そう言われてみればそうだったな。それで、今日は何の用なんだ?」

「お前、これからちょっと時間ある?」

それを聞くと、キリトは若干悩むようなしぐさを見せた。

「これからヒースクリフの所に直接談判しに行こうと思ってたんだけど・・」

「なんだ、あいつの所か。なら問題ないな」

「聖騎士をあいつ呼ばわりって、お前なぁ」

その言葉を聞き流しつつ、簡単にヒースクリフにメッセージを送る。《少し二刀流を借りる。先に実力を見させてもらうぞー》と。これであいつには伝わったはずだ。

「これでよしと。その問題なら解決した」

「レイト君って、うちの団長と仲いいのよね」

いつの間にかこちらの会話に混ざってきたアスナさんが、口を挟んできた。確かに俺はヒースクリフとよく会っている。だけど、仲がいいのとは微妙に違うと思う。ま、これはどうでもいいか。

「どちらかと言ったら、気が合うって感じですけどね」

「ギルドでも時々、レイト君には手伝ってもらう時あるしね」

それとこれともまた違う理由もあるんだけど。KOBの手伝いをしているのは、攻略組の中で一番付き合いやすい性格をしているからだ。同じトップギルドの《聖竜連合》等に比べて、人付き合いもいい人が多い。
かなり話がずれたが俺はクロノに会いに来た目的を言った。

「さてと、今日来た目的でもそろそろ言うか。クロノ、お前にデュエルを申し込む」
 
 

 
後書き
実際、タイトルは関係なかったですね
次回の決闘はにじファンの時と変えようかなぁ・・・
感想とか待ってます! 
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