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インフィニット・ストラトス 乱れ撃つ者

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フランスの貴公子

「まあ、そんなことがあったんですよ」


「なるほど……でも、それは良いことだと思いますよ」


この日、俺はIS学園を出て、会社の方に戻っていた。
加賀さんにこの世界をちゃんとした現実として向き合うと言った内容の話をしにきたのだ


「一夏君とは仲良くなれそうですか?」


「はい。 ていうか、もうすでに仲良くなってますよ」


「中君に友達ができて、私も職員もみんな嬉しいですよ。 なんせ、前世には居なかったも同然だったようですかねぇ」


「あの、喜んでるのか貶してるのかどっちかにしてくれません?」


そう言うと、加賀さんは誤魔化すようにいつものイケメンスマイルを浮かべる。
そして、話はこの間の写真、クアンタについてだ


「まぁ、今中君が使っているサバーニャとは全く逆のタイプですからねぇ。 我々の趣味のようなものですよ。乗りたくなったら、いつでもいってくださいね。 もっとも、まだ完成してないので、無理なんですが」


そのあとは、職員のみなさん全員でカレーを食べた。
久しぶりにみんなで食べたカレーは旨かったことをここに記しておこう











「で、何で箒さんが怒ったのか分からないと 」

「あぁ。 何でなんだろうな」


場所は戻って教室。 1人でいたところ、一夏が席までやって来て、昨日の出来事を相談しにきた
なんでも、昨日の夜、山田先生が部屋に来て、部屋の調整がすんだため、同室の箒さんに部屋を出るようにいったらしい。
そして、それを快く送り出そうとした一夏


「いや、何でわかんねぇんだよ」


「え? 中は分かるのか?」


「それくらい自分で考えろよ」


さすが、キング・オブ・唐変木の一夏である


ちなみに、こいつが教室にやって来る前まではクラス中ある噂で持ちきりだったのだ
来月の学年別個人トーナメントで優勝すれば一夏と付き合えるとかなんとか
多分、のほほんさん辺りが広めて、変な尾ひれがくっついたのだろう



「席につけ。 ホームルームを始めるぞ」


おっと、織斑先生がおいでなすった。
一夏はそれじゃぁ、といって最前列の席に戻った。
そして、教壇に上がった山田先生から一言


「みなさん、今日は嬉しいお知らせがあります。 このクラスに新しいお友達が増えました! みんな、仲良くしてくださいね」


どうぞ、と山田先生が促し、ドアを開けて入ってきたのは金髪の人物。
男用の制服に身を包み、教壇に上がったそいつ


「フランスから来ました。 シャルル・デュノアです」


(来たか……てことは明日はボーデヴッヒが来るんだろうな)


「…男?」

「あ、はい。 こちらに、僕と同じ境遇の方々がいると聞いて…」


「「「キャーーーーー!!!」」」


俺が明日のことについて考えていると、クラス内で歓声が沸き起こる


「男よ! 3人目の!」


「しかもうちのクラス!」


「金髪! 守ってあげたくなる系の!」


「静かにしろ!バカども!」


騒がしくなった教室を織斑先生が一瞬で静めた。 さすがである


「織斑、御堂。 デュノアはお前ら2人が世話をしてくれ。 同じ男なら、安心できるだろう。 それと、次は実習だ。 遅れるんじゃないぞ?」


そういい残して織斑先生は教室を出ていく。 デュノアのやつが何か一夏と話してるっぽいが、一夏はそのままデュノアの手をつかみ、教室から出ていった


俺たち男は教室ではなく、アリーナの更衣室で着替えなければならないため、ああやって急ぐ必要があるのだ


「あの、御堂君?」


「ん?」


「その、早くしないと遅れるよ?」


……………………………………ってぇ!!あいつら、俺のことはほっていきやがった!!


「すまん、助かった! あのやろっ!」


多分今から教室を出ても女子の餌食になるであろう。
から、俺のとり得る選択肢は1つ
隣の窓を開けた俺を見て、何をするのか察したクラスの女子たちは皆苦笑い
どうやら、初日のあれが効いてるようで、そういう人だと思われているみたいだ


窓から飛び出した俺は急いでアリーナへ向かうと、すぐに更衣室に入った。
そして、アニメのデュノアにも負けない速度で着替えを終える。

アサシンの力、嘗めんじゃないよ!!



「ふぅ、なんとかまい……て、中。 お前、いつの間に来てたんだよ」


「うっせぇよ。 お前ら2人して俺を教室に置いてったくせに」


ちなみに、なんでこんなに早いんだという質問には、初日のアレと言うとすぐに納得してもらえた。
分からないデュノアは首をかしげているが


「とりあえず、早く着替えろよ。 織斑先生、時間には厳しいんだからよ」


「分かってるって。 えっと、デュノアだったよな。 俺は織斑一夏だ。 一夏って呼んでくれ。 それから、こいつが中だ」


「御堂中だ。 まぁ、よろしくな」


「うん。 よろしく、一夏、中。 僕のこともシャルルでいいよ」


そのあとは、2人の着替えを待ち、グランドへ向かった。
まぁ、俺はデュノアが女だってことは知っているため、対応に困るのだが、一夏は男だと思っているため、遠慮がない


「どうしたものかね…」


「?中、どうかしたの?」


「いや、何でもない」


独り言を後ろに立つデュノアに聞かれてしまった。
迂闊にこいつの秘密を喋らないように気を付けないとな



「今日はISでの実習を行う。 ……が、その前にISどうしの戦闘をみておいたほうが良いだろう。 凰、オルコット。 専用機持ちなら、すぐに始められるだろ」


「えぇ、面倒臭いんだけど……」


「私も、見世物みたいになるのは好ましく思えませんわ…」


織斑先生から指名された2人がしぶしぶ前に出る。
だが、織斑先生が2人に何かを吹き込んだとたん、手のひらを返したようにアピールを始めた
一夏に良いところを見せられるとかなんとか言ったのだろう。
扱いが上手い


「それで? 御相手は誰ですの? 私としましては、鈴さんでも構いませんが……」


「なに? 私とやるの?」


「それでもいいのだが、今回は違うぞ。 今回の相手は…」


『ど、どどどどいてくださぁぁいぃ!!』


突如、上空から聞こえた叫び声。 ふと、目線を上げると、ラファール・リヴァイヴに身を包んだ山田先生が制御不能状態でこちらに突っ込んできているのが見てとれた


間違いなく、俺の前にいる一夏に直撃するコースだ


俺は一夏の首根っこを右手で、デュノアの手を左手で掴むと、アサシンの力を使って後ろに飛び退いた


結果、山田先生は1人で地面に激突することになる


「た、助かったぜ中」


「気にするなって。 危なかったから助けただけなんだしよ」

本来なら一夏に激突するのだが、マジで辺りどころが悪ければ最悪重傷ではすまないかもしれないしな。



「い、今凄い飛ばなかった?」


「気にすんなって」


「いや、でも……」


「気にしたら負けだと思え」


「……うん」


で、このあとなのだが、凰とオルコットは簡単に山田先生に負け、専用機持ちが指南役となってグループを作り、ISの操縦をおしえることになった



一夏、デュノア同様、アピールされてよろしくお願いしますってのにはかなり困ったがな








 
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