ソードアート・オンライン～神話と勇者と聖剣と～

　完全にギャグ（？）目的で書いています。キャラ崩壊とかありますんで。 

　それは雪が降っている日のことでした。

　道路の隅で、ここがどこなのかも、自分が何者なのかも分からず、孤独と寒さで凍え死にそうになっていた私。白い髪とオレンジ色の瞳という、順当な人間にはほとんどあり得ない姿の私に、たった一人だけ声をかけてくれた人。

「どうしたんだい？　そんなところで丸くなって……」

　外巻のくせ毛の、小柄な少年。私よりも三、四歳ほど年上に見えるその少年は。

「……おいで。丁度、妹が欲しかったんだ」

　誰とも知らない、この私の手を取って下さいました。

「そうだな……キミの名前は……」

　私が――――グリーア・イクス・アギオンス・オブザーバゼロが。
　
　【G-001:グリーヴィネスシャドウ】の偽りの名を与えられた私が。

「――――天宮(あまみや)刹那(せつな)」

　という名前を、

「……なんてどうだろう」

　と、

「僕の名前は……」

　私の、大切な、大切な――――

「……天宮(あまみや)陰斗(かがと)って言うからね」

　お兄様から、いただいた日のことでした。



　＊＊＊



「……ここは何処でしょう」

　開口一番、私が思ったことはそれでした。全体的に暗いイメージのある色で統一された、どこかの城下町の広場の様です。うーん、どこかで見たことがあるような気がするんですが……

　あ、黒いお城が見えます。あれ、《黒鉄宮》ですよ。ギルドMTDが本拠地にしてる所ですね。ユリエールさんとは何度かお話しました。

　ああ、分かりました。ここ、アインクラッドです。アインクラッド第一層主街区、《はじまりの街》中央広場。アインクラッドで一番最初に来る場所です。

　しかし何故私はここに居るのでしょう。私は存在の性質上アミュスフィア無しでもALOにログインできますが……うーん、イグドラシルシティのお兄様の家にいたはずなんですが。気付かないうちにアインクラッドまで飛んできてしまったのでしょうか。

　あれ？　よく見たらプレイヤーの皆さんの格好がALOのそれとは違いますね。何と言うか……ものすごい『初期装備』って感じがします。背中に穴も開いてませんし、あれじゃぁ空飛べませんよ。

　というかよく見たら私の装備も初期装備です。みなさん青とか黄色とかピンクとかそんな色のシャツですが、私のは白ですね。個人的に服はペールヴァイオレットとかそんなあたりが好きなんですが……まぁいいでしょう。
　
　初期装備故に、私の首の周りにマフラーがないです。ものすごい違和感があります。ALOでもデータ改ざんで出現させていたくらいの重要アイテムなのに……どこへ行ってしまったのでしょう。ストレージでしょうか……あれ？　ウィンドウが開きません……あ、右手で振ったら出ました。ALOでは左手で出現させるのに……バグでしょうか？

「よいしょ」

　取りあえず黒いマフラーを巻きます。ふぅ、やっと落ち着きました。

　というか今見えたステータス、なんか変でしたね。Lvなんて欄があります。ALOはスキル制MMOなのでレベルとかないと思ってたんですが。不具合でしょうか？　一応150って書いてありましたけど……うーん、スキルの方も変ですね。なんか少し内容がいつもと違う気がします。魔法系スキルないですし。

　あ、プレイヤーの皆さんが転移してきました。皆さん唖然とした表情を取っています。中には「今はじめて転移というものを知りました」みたいな顔をしている方まで……いえ、ALOでは転移はレアですからね。分かりますけど……でもアインクラッドでは転移しますよね？

　と、そんなことを考えていると、プレイヤーの皆さんの会話の内容が耳に入ってきました。

「おい、どういうことなんだよ」
「これで帰れるの？」
「全く……ちゃんとしてくれよなGMー」
「ホントだよマジで。ロ(・)グ(・)ア(・)ウ(・)ト(・)ボ(・)タ(・)ン(・)が(・)な(・)く(・)な(・)る(・)な(・)ん(・)て(・)」

　――――はい？

　今、あの方……なんとおっしゃいましたか？

　――――ログアウトボタンが、無い……？

　取り合えず再びウィンドウを開きます。メニューバーをスクロールしていくと……本当です。【ログアウト】のボタンがありません。一体どういうことでしょう。

　というか。

　この状況、どこかで聞いたことがあります。そう、これではまるで―――――

　と、その時でした。

　りんごーん、りんごーん、という重々しい鐘の音が鳴り響いたのと、

「あ、上を見ろ！！」

　ほぼ同時に誰かが、上空を指さしたのは。

　周りの人々につられてアインクラッドの偽りの空を見上げてみれば、なんとびっくり、真っ赤なプレートが空を覆って行くではありませんか。何か書いてありますね……えっと、【ワーニング】【システム・アナウンス】でしょうか……？

　あ、何か血みたいなものがこぼれてきました。それが上空でわだかまって、巨大な真紅のローブを創り上げます。がらんどうですね。中に何にも入ってません。

　ああ、もうここまで来たら多分きっと恐らく確定です。一体どうしてこんなことになっているのかさっぱりわかりませんが――――

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。私の名は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

　ここ、SAOです。This is Sword-Art-Onlineです。



　＊＊＊



　というワケで、いったいどういうことなのかSAOにログインしてしまいました。脱出不能のデスゲームです。HPゼロになったらナーヴギアで脳を電子レンジです。私には効果ありませんけどね。

　というかこの時点で213人の方が亡くなっていたんですね……可哀そうに。これから未来のある若者たちだったでしょうに……ってこれじゃぁ私が年寄みたいじゃないですか。これでも私実年齢は十二歳です。四歳分の外見詐欺です。

　し、仕方ないじゃないですか！　デザインされたときすでに四歳の外見だったんですから！　お兄様に出逢った時五歳ですよ！？　仕方ないじゃないですか！！

　全く……誰に向かって弁明したのか自分でもよく分からなくなってきてちょっとがっくり来ます。

　さて、現在の状況を整理しましょう。

　このデスゲームから脱出する方法はたった一つ、アインクラッド最上階、第百層にいる最終ボスモンスター…茅場晶彦本人ですね…を倒すことです。
　
　私はSAO事件についてはあまり詳しくないので、その辺りお兄様に聞きたいところです。もっとも、今はログアウトできないっぽいのでお兄様に会えませんが。というか私のリアルって今どうなってるんです？

　私のプレイヤーネームは【セツナ】、Lvは150。スキルは《両手斧》《片手斧》《曲刀》《両手槍》《鎌》などですね。というか《鎌》スキルって両手斧の派生だったんですね。ALOでは単体で置いてあるので知りませんでした。びっくりです。

　取りあえず《索敵》は自力でできる事が分かったので、《隠蔽》と《料理》だけとってあとは武器スキルで埋めます。《魔法》系スキルが無いので、スキルスロットが有効活用できますね。

　あ、そう言えば《熟練加速》スキルもちゃんと入ってました。お兄様ブランドです。残念ながら武器は《ラティカペイン》シリーズでしたけど……《ラスタードライブ》が欲しいです。いえ、ですが文句は言いません。《ラティカペイン》もお兄様が改良してくださったデータですから。

　装備品は《ヴァイオレットドレス》ですね。でも【ドレス】系の超越装備じゃないですね……まぁいいんですけどね。

　さて、とりあえず確認ができたところで、どうにかしてお兄様の指示を仰ぎたいです。この世界にもきっとこの時代のお兄様がいらっしゃるのでしょう。あ、セモンさんやハザードさんが一緒にいる時期でしょうか。

　というワケで《黒鉄宮》の《生命の碑》（でしたっけ？）にやって来ました。スペルの確認のためです。同じ『シャノン』という名前のプレイヤーがいないとは限りませんからね。『カインズ』さんという方は二人いらっしゃったそうですし。

　お兄様は英語が苦手なので、独特なアルファベットの使い方をなされます。すぐに分かるでしょう……って、あれ？

「お兄様の名前が……無い……？」
　
　ありません。上から読んでも下から読んでも、お兄様のプレイヤーネーム……《Shyanonn》の文字が見つかりません。

　そんな馬鹿な。もう一回――――と読み返してみましたが、やっぱりないです。

　というかそれどころか、セモンさんやハザードさん、コハクさんの名前すらないです。代わりにスサノ、クシナ、シウにマキナートと、聞いたこともない名前が見受けられます……あ、北海いくらさんの名前見つけました。

　と、いくらさんの件は置いておいて。これは一体どういうことでしょうか。

　順当に考えて思いつくのは、このSAOはお兄様が存在していない世界のモノである、という事でしょうか。しかしそれではとある事象と矛盾が生じます。

　お兄様は《複数存在》という特殊な体質の御方です。あらゆる世界にその身を置いていらっしゃいます。

　しかしこの世界にはいない……もしかして、SAOにログインしていないのでしょうか？　……いえ、お兄様の性格ならば、絶対にいらっしゃる筈です。《複数存在》では性格の根本まで分化することはありません。ゲイザーさんも『ミオン』さんと『カノン』さんという複数存在でしたが、表面上は違っても中身は同じでした。

　というかゲイザーさんの名前もありませんね。どうしたんでしょう……あ、在りました。『カノン』の名前でログインしてるみたいです。この世界のゲイザーさんは女性ですか……見つけておいた方がよろしいのでしょうか？

　とにかく、お兄様かそれに連なるお方に会わなければなりません。どこかで出会えると良いのですが……取り合えず、それまではSAOの攻略でもしてましょう。楽しいこと好きのはずなので、絶対最前線に出張ってくるはずです。



　＊＊＊



　というワケでそんな風に過ごしてたら一か月ちょっとが経過しました。死者の数は1600人です。お兄様に聞いた数より少し少ないですね。一週間ばかり速くボス部屋に到達したからでしょうか。

　私のレベルはさっぱり上がっていません。経験値が少なすぎて駄目ですね……うーん、お兄様ブランドのスキルで経験値増やすのがあったと思ったんですが、ALOでは搭載してなかったので引き継がれなかったみたいです。残念。

　まぁそれは置いておいて、ここはアインクラッド第一層迷宮区最寄りの街、第一層で二番目に大きい街である《トールバーナ》です。その広場に、四十人ばかりのプレイヤーが集まっています。

　あ、キリトさんがいます。ちょっと不安そうな顔ですね。あっちのフードの方はたぶんアスナさんでしょう。初期の頃はフードだったと本人から聞きました。

　あれ？　見たことない方が何人かいらっしゃいますね。茶髪のちょっとセモンさんに似た方。金髪で、不思議な形状の鎧を付けた方、黒髪で、顔に幾何学模様のペイントを描いている方……。

　うーん、SAOでは初対面の方のプレイヤーネームが分からないので、なんというお名前なのか分かりませんね。

　セモンさんに似ている方は楽しそうな笑み、金髪の方はしかめっ面、幾何学模様の方は無表情です。　
「はーい、じゃぁ、そろそろ始めさせてもらいまーす！」

　広場の中央に立っていた男性プレイヤーが声を上げます。青い髪の毛です。あの色の髪染めアイテムは第一層では売ってないらしいので、モンスタードロップ何でしょうね。

　ディアベルさんと言うらしいです。なんだか若手政治家というか、生徒会長みたいな演説でプレイヤー達の心をつかんでいるようです。私ですか？　よく分かりませんね。お兄様がいないので最近ちょっと不機嫌気味なのです。

　パーティを組まなければいけないそうなので、とりあえずキリトさんたちに声をかけてみましょう。そう思って立ち上がり、彼らのところに近づいた直後。

「おーい、あんたら、俺と組まないか？」

　セモンさんに似てる方が、声をかけてきました。

「……俺達？」
「そそ。そっちの黒い少年も、そっちのフードのお姉さんも、黒いマフラーのそっちの子も」

　自分を指さして呆然とするキリトさんに、セモンさん似の青年は笑顔で語りかけます。

「俺と、あんたらと、あっちの二人で合計六人、フルレイドだ！　向こうの奴らとはもうパーティ組んであるんだけど……どう？」
「あ、ああ……じゃぁ、お願いするよ。俺はキリト」
「よろしくな、キリト！　俺はスサノ。そっちの二人は？」

　と、こっちを見てきたので一応自己紹介しておきます。

「セツナです。以後お見知りおきを」
「……アスナ」

　アスナさんが無愛想です。このころは素直じゃなかったんだよーという話をほわんほわん言いながらしてきたのを思い出しました。ツンデレさんなわけですね。

　というかこの方がスサノさんですか。聞くところによれば、金髪さんがシウさん、幾何学模様さんがマキナートさんというらしいです。

　うーん、二ヶ月前は知らない名前だなぁ、と思ったんですが、よく考えればどこかで聞いたことがあるような気もしますね……あ、分かりました。《白亜宮》です。

　という事は、このスサノさんが《神話剣》、シウさんが《武神六腕》、マキナートさんが《SO-TENN-KENN》のホルダーですか。キリトさんが《二刀流》なので、なんというか未来のユニークスキルホルダーが勢ぞろいして壮観ですね。ここにお兄様がいらっしゃれば、《太陽剣》と《帝王剣》も加わってもっと豪華でしたでしょうに……。

　とにかく、その後の関西弁の青年のいざこざまで語ると長くて面倒なので…今どこかで「なんでや！」という叫びが聞こえた気がしますね…それはスキップしまして。

　翌日。ボス部屋の前です。

「ワクワクするなー。ベータ版と違う所とかあるんだろうか。あってほしいな！」

　スサノさんは片手剣を構えて、曲刀を腰に差してワクワクしています。本当に楽しそうな笑顔です。

「俺は……むしろ、変更が無い方がいいがな……」

　シウさんは相変わらず不機嫌そうです。合理主義と言うか、効率厨というか。そんな感じの方ですね。

「アイテムチェック：問題なし/コンディションチェック：問題なし/システムオールグリーン/ターゲット：《ルインコボルド・センチネル》/殲滅開始：是」

　マキナートさんは機械的な口調で喋っています。もうなんだかよくわかりませんね、この人。最初からこんな感じだったんですが……まるで昔の私です。

　ああ、お兄様。どこにいらっしゃるのですか？　私を機械の運命から救ってくださったあなたは何処に。

「――――勝とうぜ！」

　ディアベルさんが何か言っていたようですね。知りません。

　ボス部屋の扉があきます。雪崩を打って飛び込んだプレイヤーを、巨大な犬面人(コボルド)が迎え撃ちます。第一層フロアボス、《イルファング・ザ・コボルドロード》です。

　今回の私たちは取り巻きの《ルインコボルド・センチネル》を討伐しなくてはなりません。私の力ならボスも一撃なんですが……信じてもらえなくてですね。

　まぁ、仕方がありません。とりあえず飛びかかってきた《センチネル》をラティカペインで叩き斬ります。

「グェッ！」

　踏みつぶされた蛙の様な声を上げて爆散するセンチネル。雑魚ですね。ですが侮ってはいけません。

　向こうの方では皆さんが戦っています。キリトさんとアスナさんはコンビプレイ、スサノさんは無双、シウさんは巨大な斧を振り回してますし、マキナートさんは……やはり機械の様な動きです。彼、もしかしてBOTとかなんでしょうか……いえ、SAOにはシステム上はいれませんね。

　システム上、と言えば、私のレベルは圧倒的に不自然に高いのですが……カーディナルから下方修正とかはかかりませんね。お兄様の加護なのでしょうか。ああ、お兄様。

「グギャァッッ！」

　二周目に入りました。センチネルが飛びかかってきます。

「ふっ！」

　ラティカペインを一振り。両断です。

　とまぁ、そんなループを繰り返して、はや二十分ばかり。

　ついにボスのHPバーが最後の一段に。沸き立つ《攻略組》。

「どけ！　俺がやる！」

　ディアベルさんが突っ込みます。あれ？　悪手じゃないでしょうか、あれ。

　というかボスの握ってる武器、あれ《湾刀(タルワール)》じゃなくて刀ですよね。あ、あのソードスキル《檜扇(ヒオウギ)》です。セモンさんがよく使ってるのみました。

　って……それどころじゃないじゃないですか！！

「ダメだ……全力で後ろに飛べぇぇぇぇ―――――――――――――ッ！！！」

　叫ぶキリトさん。しかしディアベルさんは間に合いません。ソードスキルを受けて吹っ飛んでしまいます。続くボスの攻撃、《浮舟(ウキフネ)》ここから別の刀ソードスキルにつなげるコンボはかなり強かったように記憶しています。

　これ、大分不味いですよね。

　仕方ありません……助けに行きますか。

「シ……ッ！」

　地面を蹴って高速移動。ステータスの問題があるので、一瞬で到達です。第一層のボス部屋はさすがに狭いですね。

　上空を吹っ飛ぶディアベルさんをつかんで、地面に放り投げます。向かってくるボスを、《ラティカペイン》で一撫で。

　……ってあれ？　もうHPがなくなってしまいました。うーん、やっぱり第一層のボスは弱いんですかね。

「……」
「……」
「……」

　皆さんが絶句していらっしゃいます。それはそうでしょう。今私も凄まじいやってしまった感を味わっています。

　あ、何かドロップしましたね。えーっと、《コート・オブ・ミッドナイト》ですか。黒いロングコートですね。私は使わないので、後でキリトさんにでも上げましょう。

「……コングラッチュレーション。どうやったのか知らんが、この勝利はあんたのモノだ」

　ネイティブな発音が聞こえたので振り返ったら、エギルさんがいました。あ、この人初期は攻略組だったんですよね。イグシティと東京でお店やってるイメージしかありません。

　エギルさんのその言葉を皮切りに、プレイヤーの皆さんが勝利に湧きます。

　ですが、そこに響く声ひとつ。

「なんでや！！」

　サボテン頭の関西弁男……キバオウさんです。

「なんで……なんでディアベルはんを見殺しにしかけおったんや」
「見殺しですか？」
「せやろが！！　ジブンはボスを一撃で倒す力を持っとったやないか！　あれを最初から使っとけば、ワイらはボス戦なんてせんでもよかったんや！」

　そうだよな、どうやってやったんだ、あれ、といった声が聞こえだします。

「きっとコイツ……βテスターだ！　βテスターだから、いろんな裏技とか、ボスを一撃で殺す方法とか、全部知ってるんだ！　知ってて隠してるんだ！」
　
　ダガー使いのお兄さんが喚きます。知りません。私はβテスターじゃないですよ。お兄様からいろいろ聞いてましたけど、お兄様は第一層攻略には不運なことに参加できなかったらしいので、多くは初見です。アルゴさんの攻略本、大変役に立ちました。

「それどころじゃねぇよ、あんなのもうチートだろ！」
「そうだ、ベータのチーターだ！　だからビーターだ！！」

　む、その言葉は聞き捨てなりませんね。

「私はチーターなどではありません」

　鎌を下ろして、一歩彼らに近づきます。

「私のこの力は、お兄様にいただいたもの。順当な、私の力」

　そう。

　我が身は、お兄様にいただいたものなのです。

「何やそれ……ジブンは……ジブンは何者や！！」

　キバオウさんが叫びます。

　そんな答え、ずっと昔から用意されてるに決まってるじゃないですか。

「私は――――《太陽の帝王》シャノンの妹、《白影の死神》セツナ」

　私は、お兄様の、妹です。 

　というワケでエイプリルフール企画、『刹那・in・アインクラッド』でしたー。
刹「何ですかこれは……」
　遊びだよ遊び。一回やって見たかったんだ。

　まぁ、その、なんだ……続きませんｗ
刹「ちょっ！？」

　次回はコラボ編です。それではお楽しみにー！



　……何十話ぶりだろう、俺がこのセリフ言ったの。