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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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ピピルマピピルマプリリンパ?…いえ、テクマクマヤコンです。

多数のレアアイテムの魅力を振り払い、私達は変化の杖を持って船へと戻った。
ちょっとだけ杖で遊んで見たかったけど、お父さんが手放さずお兄ちゃんをからかう事が出来ません。

しかしその日の夜…
夕食も済ませ食堂でダベってると、アルルさんがお父さんに近付き話しかけてきた。
「リュカさん…お願いがあります」
「……何?…ティミーじゃ物足りないから、僕に今晩の相手を頼むとか?」

(ビュン!)
私じゃ真っ二つになる様なスピードで、お父さんの頭の上に剣を振り下ろす勇者様。
何であんな言い方しか出来ないんだろう?
とは言え、いとも容易くアルルさんの剣を摘むのは流石だ。

「違うに決まってるでしょ!」
「分かってて言ってるんだから、こう言う危ない事はしないでよ!」
確かに…もうそろそろ、その男の性格を理解して欲しい。

「その…変化の杖を使わせて下さい…」
「………何に使うの?」
「知りたい事があるんです…今ここで、リュカさんの前で使用しますから…」
知りたい事…何かしら?

「……………まぁ、アルルなら変な事には使わないだろうし…」
「ありがとう!」
え、良いの!?お願いすれば使わせてくれるの!?
アルルさんはお父さんから杖を受け取り、そのまま私の側にやって来る。
な、何かしら…?

「ねぇマリーちゃん…この杖を使ってリュリュさんに変化して見せてよ」
「え!?な、何を急に!?」
はぁ?何なの?

「だって知りたいじゃない!自分の彼氏の初恋の相手が、どんな容姿なのかを…それにきっとティミーはまだ惚れてるし…」
はい。100パー未練タラタラ!
「ア、アルル!僕は「いいの!アナタの所為ではないの…私が覚悟を決めたいだけなんだから!」
言い訳をしようとするお兄ちゃんを手で制し、真っ直ぐ私を見つめ杖を差し出すアルルさん。

「本当にいいの?きっと後悔するわよ…リュリュお姉ちゃんは、凄く美人なのよ!」
「私は…戦う相手を知っておきたいの!スライムなのか…ベホマスライムなのか…分からないとこっちのスタンスも決まらないでしょ!」
笑ってられるのも今の内…一部分がキングスライム級よ!

「じゃ、使うわよ…アルルさん、諦めないでね!少なくとも、リュリュお姉ちゃんは兄ちゃんに恋愛感情は0だから!」
真剣な眼差しで頷くアルルさん…うん、可愛いわ。

私は杖を掲げ、リュリュお姉ちゃんを想像し意識を杖に集中する。
一瞬だけ淡い光に包まれ、視界が少しだけ高くなった。
それと同時に食堂内で響きが広がる。
皆が私を見て驚き唸ってる。


「す、すげぇ…美人…」
第一声は私の彼氏からだった………イラッとくる!
「どう?…勝てる?…言っておくけど、魔王より手強いわよリュリュお姉ちゃんは!」
この女に惚れないのは、父親ぐらいなもんね!
でもウルフの台詞にイラッとくる!

「か、勝てないかもしれない…」
いいえ…“かもしれない”じゃなく、絶対勝てない!
ガチで後悔するアルルさんに追い打ち攻撃。
ウルフにイラッときた八つ当たりじゃないわよ。

「アルル!勝ち負けなんて関係ない!…確かに僕はリュリュが好きだ。でも、アルルの方がもっと大好きなんだ!それにリュリュは妹なんだ…どんなに好きになっても、これ以上はどうにもならない…だから…アルルが気にする必要は無いんだよ」
うん。フォローになってないフォローにイラッとくる。

「つまりお兄ちゃんは、ヤれない女よりも、ヤれる可能性のある女に鞍替えしたって事かしら?」
「何でそう言う下品な言い方するんだ!」
別にウルフの第一声にイラッときた八つ当たりじゃないからね!
「だって、お兄ちゃんの父親の娘よ!こうなっちゃうでしょう…」
「はぁ…父親にだけは似てほしく無かったのに…」
でも見た目が父親に似てるコノねーちゃんにベタ惚れだろが!
………違う、八つ当たりじゃないんだってば!

「でかい………」
お兄ちゃんと口喧嘩をしていると、不意に乳を揉んでくるアルルさん。
この乳、確かにすげ~…

「そうよぉ~!ちょっと歩くだけで、ブルンブルン揺れるのよ!男はみんな、これに釘付け!」
私もこうなりたいなぁ…
「アルル…そんなに気にする事はないよ。ティミーはアルルにベタ惚れだから!」
お父さんが見かねてフォローに入った。

「で、でも…コレですよ!コレに惚れてたのに、簡単に私に鞍替え出来るんですか!?」
うん。今は私の乳なんだから、無造作に引っ張ったりしないでほしい。
「一応は僕の娘なんだからさ…コレって言わないでよ………アルル、良く聞いて。この船の船長…モニカの彼氏はカンダタだ。モニカはあの不男に惚れている!僕達大勢の前でプロポーズしたんだから、相当なモノだと思う。でもモニカは、カンダタの見た目に惚れたんじゃ無いと思うよ…もしそうだとしたら、かなり趣味の悪さだね!」
うん。その通りだと思うけど、酷い良い様ね。

「で、でも…」
だがやはり納得出来ないのが女心ってヤツ…
「アルルちゃん…ウルフ君を見てご覧なさい」
遂にお母さん登場…でも何でウルフを?

「ウ、ウルフが何ですか?」
「ウルフ君は間違いなくロリコンじゃ無いわ!何故なら私の胸元やスカートの中を意識している事がよくあるから…私の思い違いじゃ無いわよ。私は昔からそう言う目で見られてきたのだから間違いないわ!」
そうよ、ウルフがロリコンだったら、もっと楽にチェリーを奪えたんだからね!
今は少しでも早く、ウルフ好みの女に成長しないとならないんだからね!!

「そんなウルフ君が、まだ8歳の少女に恋をした!どう考えても見た目に惚れたワケでは無いでしょう。彼はマリーの内面に惚れ込んだのよ!」
ゔ…内面がドス黒かったので、面と向かって言われるとキツイ…
「内面に…」
「そうよ…勿論リュリュの内面も素晴らしい娘だけど、ティミーの心を掴んだのは貴女の内面なのよ…自信を持って!」

「はい…」
“はい”と言ったが、あんま納得してないアルルさん。
何…今日で破局なの?

「それにアルルちゃん!あまり私の息子を侮辱しないでもらいたいわね!」
「侮辱!?わ、私は別に…」
「貴女は私の息子が、見た目重視で女の子に惚れると思ってるでしょ!…現に、リュリュの姿を見て『勝てない』って言い切ったわ!」
いや事実だし…

「そ、そんなつもりで言ったのでは…」
「分かってるわよ…アルルちゃんが…いえ、皆さんがティミーの事をどう思っているのかは!」
「「「え!?」」」
何だ?お母さんのご立腹がこっちにまで飛び火したか?

「皆さん、こう思ってるのでしょう…極度のシスコンで巨乳フェチ!それが私の息子、ティミーだと!」
だってそうじゃん…シスコンじゃ無いけど、巨乳フェチじゃん!
ポピーお姉ちゃんに乳押し付けられると、嬉し恥ずかしでお顔真っ赤っかだぞ。

「マリー…」
「は~い」
いきなり呼ばれて正直ビビッた。
でも直ぐに理解出来たので、再度杖を翳して集中する。

さっき程肩こりに悩まされなくはなったけど、それでもまだ重力を多分に感じるオッパイ・ボーン!
そう…今度はポピーお姉ちゃんに変身するマリーちゃん。

「こ、これがポピーさん…!?」
説明せずとも誰だか判る美女…お兄ちゃんとそっくりな双子の美少女ポピーお姉ちゃんです!
マイダーリンが溜息がちに呟く…

「ポピーもリュリュと同い年の、ティミーの妹よ!でもティミーが大嫌いな女…」
「こ、こんな美女に囲まれて生きてきたのか!?ずりーなぁ…」
くっそ~ぅ…ぜってーもっと美女になってやる!ウルフの視線が他の女に行かないくらい!!

「全部妹だよ!」
「そ!この娘も妹………シスコン男が放っとくわけないわ!でもティミーはポピーに惚れてない!むしろ………」
うん、むしろ嫌ってる。性格の不一致ね…

「つまり…私が思っていたティミー像は間違っていた…と?」
「そうよ!ティミーがシスコンに見えたのは、初恋がリュリュだから…でも、初恋時には妹だとは知らなかった。それと…優しい子だから、マリーに対して甘く接した所為ね!マリーをリュカ色に染めないようにと努力してたから…」
「手遅れでしたけど…」
ちょ、冗談言わないでよ!
流石にあそこまでは………ねぇ?

「ふふふ……アルルちゃん、ティミーはね…全くと言って良いほど父親に似てないわ。でもね、たった1つだけそっくりな所があるの…何だと思う?」
「………性別……とか言わないですよね…?」
「それ、面白いわね!面白いけどハズレよ…リュカとそっくりな所は、見た目で人を判断しないとこよ!」
「つまり私の不安は杞憂って事ですね!?」
杞憂と言うか…こんな事を思い悩むくらいなら、さっさとヤっちゃえばいいのよ!

まだ不安が残るアルルさんに近付き、
「そうだよアルル…僕はアルルが大好きなんだから!」
と言って徐にキスするお兄ちゃん!
驚きです!こんなテクニックを持ってるなんて…

皆さんもビックリな様で、変化の杖の在処を目で探してます。
私は高らかと杖を掲げ、皆さんに大胆な行動をしたのが本物のお兄ちゃんである事を教えます。
「ど、どうやらティミーね…リュカが化けてたワケじゃ無いみたいね…」
一生懸命お兄ちゃんのフォローをしたお母さんにまで、そんな事を言わせてしまう朴念仁なお兄ちゃんが凄いと思います。



 
 

 
後書き
息子さんの『リュカ遺伝子』が開花し始めたのはここら辺からかな? 
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