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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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もしも4人目がミユキさんだったら
新しい伝説が始まる
  第18話

 
前書き
 このエピソードも、タイトルが同一なので記載しません。
 本当の幸せの素はここにあります。院長先生の台詞に注目です。
 ラビリンスの有事発生により、プリキュアと千香ちゃんとのご対面が遅延してしまい、手術後にずれてしまいます。だか、このタイミングでのご対面こそが、思わぬ感動を呼び、涙、涙、涙のストーリーとなります。 

 

 ラビリンス総統官邸 謁見の間

 「ウェスターよ。なぜ、ここへ呼ばれたか理由は分かるか。」
 「プリキュアを倒し不幸のゲージを満タンにするためだ。」
 「バカモン。」
 「ヒィーーーッ。」
 「貴様、今まで何をやって来た。悉くの失敗、クローバーの民を喜ばせ不幸ゲージを急降下させた行為。挙句の果ては、2つの悪意が抜けてしまったではないか。」
 「そ、そんなあ。」
 ノーザが姿を現した。
 「ノーザ、見せてやれ。」
 「ハッ。ウェスター君、ご覧になるざーます。」
 「ピンッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・ヒーリングブレアー・フレーーーーッシュ。」
 「シューーーーーッ。」
 「ウッ。」
 「ハアーーーーッ。」
 「しまった。食らってしまった。チキショー覚えてろ。」
 「これは、3週間前に見た。」
 「もう1つ、映像があるざーます。」
 「何もかも貴様の行動を知らないとでも思っているのか。次。」
 「ピンッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワールシャワー・スウィーーーート。」
 「ピューーーーッ、ガチッ。」
 「ハアーーーーーッ。」
 「しまった。また食らってしまった。チキショー覚えてろ。」
 「ウェスターよ。もう1つ、悪意を飛ばされたらどうなるか分かるか。」
 「知らん。」
 「2度とこの姿では、いられなくなるぞ。よって、今の貴様は役立たずじゃ。幹部『少尉』の階級を更迭する。」
 「そ、そんなあ。」
 ウェスターは幹部ではなくなった。
 「更に、これまでの罪科を問う。」
 「ウェスター、このスイッチ分かるな。」
 「やめろ~ぉ、押すな~ぁ。」
 「時間です。」
 「ポチッ。」
 「ガクッ。」
 ウェスターは気絶した。
 「連れて行け。」
 「ハッ。」
 ウェスターは再び逮捕された上、収監された。その直後、ノーザの娘、ノーサーが姿を見せた。
 「メビウス様、ここ最近出番がありません。何卒、出動要請をお願いします。」
 「ノーザ財務相の娘、ノーサーか。相分かった。行くが良い。」
 「ハッ。」
 「気を付けて行くざーます。」
 「はい、ママ。」
 ノーサーは謁見の間から去った。そして、クローバー国にある占いの館へ向かった。

 都立徳丸高校和希がいる教室

 都立徳丸高校とは、美希の弟和希が通う高校である。
 和希のクラスの教室では、5時限目の授業の最中であった。
 「はい皆、松尾芭蕉作『奥の細道』を読み終えましたね。それでは、いくつか質問します。お答えください。」
 「まず、最初は奥の細道結びの地はどこでしょうか、都市名で一条君お答えください。」
 「一条君。」
 先生は和希君が寝ていると思っている。
 「一条君。」
 「先生、一条君の様子が違います。」
 「どうしたのかね。」
 「一条君、意識を失っています。」
 「何ですと。至急、保健室にいる先生に知らせなさい。」
 「はい。」
 「周りの君たち、一条君を保健室まで運びなさい。」
 「はい。」
 和希はまず、保健室まで担ぎ込まれた。
 「これは、ひどいね。救急車呼ぶわ。」
 こうして、和希は救急車で高島平警察署西隣にある救急指定病院へ運ばれた。

 放課後、鳥越高校

 「美希君。」
 「先生。」
 「先ほど、都立徳丸高校から弟君が倒れたとの連絡が入った。至急、自宅近くにある救急指定病院へ向かうように。」
 「はい。」

 都立四ツ葉高校

 「ラブさん。」
 「裕喜君、何かあったの。」
 「美希さんの弟、和希君が授業中倒れたそうです。」
 「エッ、カズちゃんが。」
 「ラブ、行ってあげなよ。」
 「美希さん来るんだろ。祈里さんも来るのかなあ。」
 「多分ね。あまりいっぱい来られると騒ぎになるから、ラブさんだけに来てもらうからね。」
 「分かった、ブッキーにはよろしく言っておいて。」
 「分かったぜ。」
 こうして、ラブと裕喜は四ツ葉高校を出た。
 「裕喜君、どこの病院なの。」
 「近所ですよ。警察署西隣の救急指定病院ですから。」
 「あら、ドーナツカフェから向かい側じゃない。」
 「和希君の通う高校に近辺では、大きな病院がないからね。」
 そして、到着した。
 「いた、和希君。」
 「徳丸高校の生徒他にも2人来てるよ。」
 「大丈夫。」
 「裕喜さん、ラブさん、心配かけてごめん。」
 「ダメだよ。お父さん帰って来ないことが多いから夕食を食べに来なきゃ。」
 「この子たちは。」
 「私たち、和希君のクラスメートよ。」
 「カズちゃん、お友達ができたようね。」
 「紹介するわ。私、徳丸高校一条和希君のクラスメートで白田亜美です。もう1人の男子高生は後藤博君です。」
 「後藤と申します。徳丸高校からの和希の友人です。」
 「私は都立四ツ葉高校に通う桃園ラブです。」
 「ラブさんね。覚えておくわ。」
 「ラブさん、可愛いですよ。」
 「まあっ。」
 「俺、沢裕喜て言うんだ。あるきっかけで、和希君と友達付き合いしている。」
 「あるきっかけって。」
 「俺、和希君のお姉さんに惚れこんじゃって。」
 「まあっ。和希君のお姉さんって、あの鳥越高校に通っている長身でスタイルの良いお姉さんだよね。」
 「そうです。」
 「鳥越高校って中野にあるから、到着までまだまだかかるね。」
 その間、ラブはカバンからシフォンを取り出した。
 「そうです。」
 「和希君、まだまだ待たないと行けないよ。お姉さんとキッチリ会って説明しないとね。」
 「うん、博君。」
 すると、患者の幼女と一緒に付き添う母親が近付いて来た。
 「あーーーーらーーー。」
 幼女は、高校生たちが座っているソファーへ近付いた。
 「エヘエヘエヘ。」
 「千香。」
 「熊ちゃん、可愛い。」
 「アーーーーーッ。」
 「プピ~ィーーー。」
 「あら、ラブさんのぬいぐるみがお気に入りにされちゃって。」
 「お嬢ちゃん、確か千香って言ったよね。」
 「うん、あたしは千香。」
 「どう、私と亜美ちゃんで一緒に病室を訪ねて良いかしら。」
 「いいよ。」
 「まあっ、千香ったら。」
 「男子高生の3人は、美希さんの到着までここで待ってて。」
 「千香ちゃん、病室はどこ。」
 「301号室。」
 「美希さんに聞かれたら、教えてあげてね。」
 「はい。」

 一方

 美希は池袋駅7番線にいる。
 「ブッキー。」
 「カズちゃん、何かあったの。」
 「倒れたらしいの。」
 「担ぎ込まれた病院は地元だから急いで行きましょう。」
 「うん。」
 「ピコピコピコピーーーン。」

 千香のいる病室

 「フーーーン。」
 「熊ちゃんはシフォンって言うんだ。」
 「あたしは千香、よろしくね。」
 「ごめんなさいね。千香ちゃん、お姉ちゃんに返すのよ。」
 「いやあーーん。お姉ちゃん、もうちょっとだけ。」
 「ウッ、エォーーーン。」
 「ところで、お姉ちゃんたちの名前聞いてなかったね。教えて。」
 「私は、都立徳丸高校1年生白田亜美です。」
 「私は、都立四ツ葉高校2年生桃園ラブです。」
 「あら、学年が1つ違うわね。」
 「私の幼なじみからの同級生の弟君をお見舞いに来たの。」
 「なるほどね。弟君だから学年がズレるわね。」
 「じゃあ、弟君のお姉さんがラブお姉さんの同級生なの。」
 「そう。美希って言うのよ。」
 「美希お姉さんって、どこの学校通っているの。」
 「鳥越高校よ。」
 「鳥越高校、あの芸能人が通っている学校。」
 「そ、そう。」
 「会いたいなあ。あの制服カッコイイから。」
 「まあっ、そんなことまで聞いて。鳥越高校なら、まだ到着まで時間がかかるね。」
 「はい。」

 一方

 美希と祈里が巣鴨駅に到着していた。
 「急ぐよ。」
 「うん。」
 美希と祈里は、地下鉄駅改札口を通過しようとしていた。
 「ピッ.....ピッ。」

 占いの館

 「ほう、ノーサー少将も日本国の雑誌に興味があるようだね。」
 「あら、情報収集のためよ。あまり来ていなかったからね。それより、この記事を見て。」
 「子供たちに大人気。プリキュアの姿を追え。ほう、プリキュアとの戦いに意欲があるようだね。」
 「いまいましい。」
 「いい気になりやがって、今度こそ始末してみせるわ。」
 「ちょっと、違うわね。」
 「フフフフフッ。でも、君にとって絶好の大チャンスだよ。これほど人気のあるプリキュアを子供たちの前で倒せば。」
 「なるほど、不幸のゲージが一気に溜まるってワケね。」
 「ならば、やるっきゃないざーます。」
 「ざーますって、ママの言葉遣いに似てきたね。」
 「あら、あたしとしたことが。」
 「申請手続きは済んだのか。」
 「もちろんよ。」
 「用は、いつどこで仕掛けるかだよ。」
 「成功を祈るわ、ノーサー。」
 「やって見せるわ。」
 「まずは、不幸の材料を探すことだね。」

 高島平駅

 美希と祈里が乗車している地下鉄がへ到着しようとしていた。
 「ピンポポポピンポポポポロローーン。」
 「間もなく4番線に西高島平行き電車が到着します。ホームドアから下がってお待ちください。」
 「フォーーン。」
 「ゴォーーーーーッ。キューーーーーッキューーーーッキューーーッキューーッキューーーーーウーーーーゥーーーーッ。プシュ、ガラガラガラ。」
 「高島平、高島平。4番線は西高島平行電車です。」
 「やっと着いたわ。急ごう。」
 「うん。」
 美希と祈里は急いで階段を降りた。そして、改札を通過した。
 「ピッ....ピッ。」
 「確か、警察署西隣にある病院ね。」
 「急ごう。」
 美希と祈里は高島平駅舎を出た。

 千香の入院している病院1階ロビー

 「和希君、インスタントラーメンやレトルトカレーばっかり食ってたんじゃ体持たないぞ。」
 「ごめん。」
 「君のお父さん、俳優さんと聞いているからね。帰ってこなかったり、遅くなって帰ってくることばかりだろ。だから、夕食食べに来なきゃあダメだぜ。」
 すると、美希と祈里が病院に入って来た。
 「和希。」
 「姉貴。」
 「美希さん。」
 「あのブルーのブレザーの子がお姉さん。」
 「そう。」
 「もう1人の子は。」
 「祈里さんって言います。」
 「確か、あの黄色いブレザーは白詰草女子学院。」
 博は裕喜に美希と祈里のことをいろいろ聞いていた。そして、美希と祈里は、和希たちの座るソファーに座った。
 「心配かけてごめん。軽い貧血だから、もう帰って良いって。」
 「本当に大丈夫。ちゃんと検査したの。念のため入院した方が良いのでは。」
 「姉貴大げさだよ。」
 「ミキタン心配症なんだから。」
 「ところで、ラブはどこへ行ったの。」
 「千香って幼い女の子とその母親の病室へ行ったぞ。うちのクラスメートの亜美と一緒にね。」
 「あら、和希、新しいガールフレンドなの。」
 「そんなんじゃないけど。」
 「病室の番号は。」
 「301号室。」
 「301号ね。ブッキー、一緒に行くわよ。」
 「うん。」
 美希と祈里は、千香の入院する病室へ向かった。」
 「亜美ちゃん戻って来たら帰るぞ。」
 「うん。」

 千香が入院する病院301号室

 「こんにちは。」
 「あら、女子高生のお2人さん。」
 「ミキタン、ブッキー。」
 「ここにいたのね、ラブ。」
 「この子が千香ちゃんなの。」
 「は~い、千香です。この2人のお姉ちゃんの制服メチャカッコイイ。」
 「まあっ。」
 「鳥越に白詰草だからね。」
 「では、私はこれで失礼します。」
 「亜美ちゃん、もう帰るの。」
 「そうよ。」
 「亜美ちゃんって、君が和希のクラスメートなの。」
 「そうです。弟さん、お会いになりました。」
 「お会いしたわよ。軽い貧血なんて言って、もう人騒がせなんだから。」
 「申し訳ございません。」
 「いいのよ。」
 「亜美ちゃん、1学年上の先輩たち、今度また紹介して。」
 「うん、いいよ。」
 亜美は病室から去った。
 「うわっ、3色のブレザーが見事に揃った。」
 「まあっ。」
 「だって、カッコイイも~ん。」
 「千香ったら。」
 「あれ、シフォンちゃん。」
 「ラブ、連れてきたの。」
 「エヘッ、着せ替えシフォン、皆に見せたかったの。」
 「千香ちゃん、もういい加減に返すのよ。」
 「いや~あ。お姉ちゃん、もうちょっとだけ。」
 「う、うん。」
 「(ここから小言)シフォン、じっとしてられるかな。」
 「側にいれば大丈夫よ。」
 「そうだね。カズちゃんも先に帰ったし。(ここまで小言)千香ちゃん、シフォンと遊んであげてね。」
 「わ~い、何して遊ぼうか。」
 「う~ん。」
 「そうだ、いいものあげるね。」
 千香は、ハートリンクメーカーを出してきた。そして、ハートリンクアクセサリーを作り始めた。
 「カチャ、カチャ、カチャ、カチャ。」
 「ウフフフフフフフ。」
 「何作ってるの。」
 「これはね、最後にここをつなげて。」
 「ワァーーーッ。」
 「ハイ、シフォンちゃん、似合う。」
 「うわあーー。」
 「可愛い。」
 「良いなあ、千香ちゃん。お姉ちゃんたちにもやらせてよ。」
 「うん。」

 一方、1階ロビーでは

 「亜美ちゃんも戻って来たし、帰るぞ。」
 「はい。」
 「和希君、夕食食べに来てよ。」
 「はい、裕喜さん。」
 「これからも、和希君をよろしくお願いします。」
 「ああ。」
 こうして、徳丸高校の3人と裕喜は病院から去った。

 再び、千香のいる病室では

 「カチャ、カチャ、カチャ、カチャ。」
 「できた。結構ハマるかも。」
 「あたし完璧。」
 「ウフフフフフフッ。」
 「う~ん、できたかな。」
 「ラブお姉さんのなんか変。」
 「うう~っ。」
 「千香の方が綺麗だよ。ねえ、シフォンちゃん。」
 「プピーーーッ。」
 「ププププププパーーーーッ、プリキューーーアーーーッ。」
 「エッ。」
 「なんちゃって。」
 「う~ん、違うよ、お姉ちゃん。」
 「エッ。」
 「プリキュアはもっとカッコいいの。」
 千香はアルバムを出してきた。
 「ほーーーら。」
 「うわぁ~あ、これ私。ウグググググググ。」
 美希と祈里はラブの口を塞いだ。正義の掟に反するからである。
 「エヘヘヘヘヘヘッ。」
 「そんなのあるんだ。」
 「よく撮れてる。」
 「すごいね、千香ちゃん。プリキュア大好きなんだ。」
 「うん。だから、プリキュアにお手紙書いたの。」
 「手紙、プリキュアに。」
 「ねえ、何て書いたの。」
 「千香に会いに来てって。」
 「あーーーっ。」
 「うーーん。」
 「千香ちゃん、検査のお時間ですよ。」
 「あーーっ、はい。」
 「プリーーッ。」
 千香は、シフォンの抱えたまま車椅子に乗せられ検査室へ向かった。

 病院内3階の廊下

 千香の母とラブたち3人は、病室を出て廊下のベンチに千香の母だけ座った。
 「エッ、千香ちゃん、明朝手術なんですか。」
 「何時頃ですか。」
 「8時です。」
 「8時。」
 「早いなあ。明日は確か土曜日。」
 「学校休みで良かった。」
 「エエ、とても手術を怖がっていて、それでも千香は『大好きなプリキュアに会いに来てほしい。』と、手紙に書いたんです。でも、一体どこへ送って良いのか分からなくて。」
 「プリキュアが来てくれれば、励ましてくれれば。」
 「ええっ。千香も手術、少しは怖くなくなると思うのです。」
 「手術が怖がる理由が分かるわ。成功しても、麻酔から覚めた時が一番痛いんだよね。」
 「その話は、別の患者さんから聞いてるわ。」
 「だから、怖がるのね。」
 「ええっ。」

 病院内検査室

 千香は検査を終え、シフォンを抱いたまま待機していた。
 「ねえシフォンちゃん、プリキュアはやっぱり来てくれないのかなあ。」
 千香は泣き始めた。
 「うーーーうーーーーっ。」
 「ポトン。」
 「プッ、プリーーーッ。」
 「ガチャッ。」
 「千香ちゃん、お迎えに来ましたよ。」
 「デヘーッ。.....。エッ。」
 「エッ。」
 「....。」
 「ねえ千香ちゃん、お姉ちゃんたちとお散歩しようか。」
 「エッ、ウッ。」
 「もうちょっと遊ぼうよ。ねっ。」

 院内中庭

 「ヘェーーーッ、そうだったの。」
 「そうそう。本当は内緒なんだけど、私たちプリキュアと友達なんだ。」
 「ラブちゃん。」
 「ラブ。」
 しかし、これは正義の掟に反しない。
 「エヘッ。」
 「お姉ちゃんたちが、本当に。」
 「本当だよね。」
 「ウフッ、良いのかしら。」
 「良いのかなあ。」
 「良いの良いの。ラブお姉ちゃんがプリキュア来て。手術の前に来てぇーーーって、頼んであげる。」
 「本当に本当。」
 「本当に本当。」
 「絶対に来てくれる。」
 「プリキュアなら、絶対に来てくれるよ。」
 「うん、分かった。千香、待ってる。」
 「アハッ。」
 千香とラブたち3人は病室へ戻り、ラブたち3人はシフォン返還後病院を出た。

 帰り道

 「で~ぇ、あんなこと言っちゃってどうする気。」
 「変身して今から会いに行くの。」
 「う~んう~ん。タダ会いに行くだけじゃつまんないよ。」
 「うんうん。」
 「せっかくだから、千香ちゃんをもっともーーーっと、励ましてあげようよ、エヘッ。」

 高島平駅北商店街

 ラブたち3人は、ゲームセンターアミューズメントよつばに立ち寄った。そして、プリクラコーナーへ向かい1つのプリクラの機械に入った。ラブたち3人は例の如くプリキュアに変身し始めた。

 「チェンジ。プリキュア・ヒーーーートアーーーッッップ。」
 ラブたち3人はプリキュアに変身した。そして、プリクラ撮影を始めた。
 「ポチッ。」
 「キャハハハハッ。」
 「カシャッ。」
 「ウフフフフフッ。」
 「カシャッ。」
 「ウフフフフフッ。」
 「カシャッ。」
 「アハハハハハッ、キャハハハハハッ。」
 「セーーーノ、フレーーーッシュ。」
 「カシャッ。」
 プリキュアの3人は変身を解き、プリキュアの写真を持って桃園家へ向かった。

 四ツ葉町桃園家ラブの部屋

 ラブたち3人は色紙を作成している。
 「よぉーーーーーし、完成。」
 「アハハハハッ。」
 「ウフフフフッ。」
 「パチパチパチパチ。」
 「あ~あ、う~ん。それってどう言うこと。」
 「これで一安心やな、シフォン。」
 「プリ~ッ、....プーーーウ。」

 深夜帯

 「フィリップ~ゥ。」
 シフォンは桃園家を出て、千香の入院する病院へ向かった。

 千香の入院する病院

 「ピュッピュッ。」
 「フィリップ~ゥ。」
 シフォンは、千香のいる病室301号室へ入室していた。そして、病室にある全てのぬいぐるみを浮き上がらせた。更に、うっすらと明かりを灯した。
 「うう~っ。エッ。キャッ。あーーあ。」
 「ウフフフフフッ。」
 「あはっ、シフォンちゃん。」
 「キュアーー。」
 「うわぁーーーっ。」
 「キューーーン。」
 「うわぁーー。」
 「キュアーー。」
 「エヘヘヘッ。」
 「ピュッピュッ。」
 「フィリップ~ゥ。」
 千香の体を浮き上がらせた。
 「うわぁうわぁーーーーぁ。」
 「キュアーーッ。」
 「アハハハハッ。すごい~すごいーーー。飛んでる~ぅ。アハハハハッ。」
 「千香、頑張って。」
 「ウフッ、ありがとう。」
 「プリーーーッ。」
 「アハハハハッ。」
 「エヘヘヘヘヘッ。」

 翌日 早朝

 「アハッ。」
 「シフォンちゃん、夢だったの。」
 「アッ、アハッ。」
 「やっぱり来てくれたんだ。」
 「そうだ、プリキュアにも作ってあげよう。」
 千香は、ハートリンクメーカーを取り出しアクセサリーを作り始めた。
 「だって今日は、プリキュアが来てくれるんだもん。エヘヘヘヘッ。」

 朝 7時40分 港区 東京タワー

 「今回は、あの巨大な塔を不幸の材料にするわ。スイッチ・オーバー。」
 「ドロン。」
 「我が名はノーサー、ラビリンス総統メビウス様が我が僕。オホホホッ、答えを考えたらここへ辿り着いたわ。ついに、最高の方法思い付いたわ。オサキマックーラ4号、我に仕えよ。」
 「ペタッ。」
 東京タワーが怪物と化した。
 「オン・エアーーーーッ。チデジジジジジッ。」
 東京タワーの発信電波がジャックされた。

 赤塚公園

 「おはよう、ミキタン。」
 「おはよう、よく寝坊しなかったね。」
 「ラブちゃん、ミキタン、おはよう。」
 「おはよう、ブッキー。」
 「揃ったわね。例の場所で着替えるよ。」
 「うん。」
 3人は例の場所へ向かった。そして、変身し始めた。
 「チェンジ。プリキュア・ヒーーーートアーーーッッップ。」
 3人は変身を終えた。
 「千香ちゃん、喜んでくれるかなぁ。」
 「手術に間に合うと良いけど。」
 「近くだし大丈夫よ。」
 「千香ちゃん、待ってるね~ぇ。」
 すると、3人のリンクルンへ緊急メールが届いた。
 「エッ。」
 「緊急メールが届いているわ。」
 「何々『港区芝公園一帯で有事が発生。直ちに急行せよ。』だって。」
 「更に、中継動画を見ろって。」
 プリキュアの3人は、リンクルンから中継動画のURLをクリックして見始めた。
 「プリキュア隊、出て来るざーます。あたしの姿を見たら直ぐに来るざーます。オホホホホッ、プリキュア隊、待ってるわ。」
 「この幹部は誰。」
 「この前、ボウリング場向かいのビルで出会った女。名前は確かノーサー。」
 「うわあーーーーぁ。」
 「キャーーーーッ。」
 「こんな時に現れなくても。」
 「千香ちゃんが待ってるのに。」
 「大丈夫、絶対に間に合うよ。タルト、シフォン、色紙預けて。」
 「ヘェ。」
 「キュアーッ。」
 「もしもし、ショコラさん。」
 「ああ、ショコラだ。」
 「ジェット噴射お願い。」
 「Okだ。頼んだぞ。」
 「はい。」
 通話を切った。プリキュアの3人は、リンクルンをキャリーケースに収納した。そして....
 「行くよ。」
 プリキュアの3人は、一斉に港区へ向かって飛び立った。しばらくして
 「ボーーーーン。」
 ジェット噴射が作動し超高速で港区へ向かった。

 一方、千香のいる病院では

 「千香ちゃん、そろそろ準備のお時間ですよ。」
 「ハアーーーァ、待って。プリキュアがまだ来ないの。」
 「じゃあ、ママが病院の外で待ってあげるから。ネッ。」
 「うん、うう~ん。」

 港区 芝公園一帯では

 「うわーーーーぁ。」
 「キャアーーーーッ。」
 「ドスンドスン。」
 「オホホホホホホッ、オホホホホホッ。」
 「やめなさい。」
 オサキマックーラ4号は向きを変えた。
 「やめないざーます。これからが、本当のオンエアースタートざーます。」
 「オン・エアーーーッ。チデジジジジジジジッ。」
 「アアッ。」
 各テレビの映像が切り替わった。
 「準備完了ざーます。始末しておやり。」
 「オン・エアーーーーッ。」
 プリキュアの3人は一斉にジャンプした。
 「ボカン。」
 「タアーーーーーーーァーーーーッ。」
 「エーーッ、あたし狙い。」
 「エイ。」
 「ヒョイ。」
 「タァー」
 「ヒョイ。」
 「トゥー。」
 「ヒョイ。」
 「怒ったざーます。」
 「アッ。」
 オサキマックーラ4号は、プリキュアにいる方向へ向けて転倒し始めた。
 「そんなのありーーーーっ。」
 「ショコラだ。落ち着いて展望室直下の鉄骨の隙間に入れ。」
 「キャーーーーッ。」
 「ドスーーーーン。」

 再び、千香の入院する病院では

 「千香ちゃん。」
 「プリキュアは。」
 「ごめんね、まだみたいなの。」
 「エッ。」
 「トコットコットコットコッ。」
 「あは....言うたのに、遠い。」
 「でも、頑張らなくちゃ。」
 「待って、もうすぐプリキュアが、プリキュアが来てくれるから。」

 再び、港区芝公園一帯では

 「ピューーーーン。」
 「キャアーーーッ。」
 「ドカーーーン、ドデッ。」
 「ウッ、ウウッ。」
 「オホホホホホホッ、もっとやりなさい。街中の子供たちを不幸にするざーます。」
 「どう言うこと。」
 「簡単なことざーます。この状況は街中のテレビに中継されているざーます。プリキュア隊が倒される姿を見れば、子供たちは悲しみ大いに不幸のゲージが溜まるざーます。オホホホホホッ。」
 「なーーんだ、そんなことだったの。」
 「何。」
 「じゃあ、なおさら負けるワケには行かないんじゃない。」
 「みんなきっと、私たちを応援してくれるはず。」
 「皆、行くよ。」
 「OK。」
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」
 「レッツ!プリキュア!」
 その直後、キュアパインはリンクルンを出した。
 「キィーーーッ。」
 パインは、リンクルンにキルンを差し込み横に開きキュアスティックのコマンドをクリックした。
 2秒以上押してください。
 「何をする気ざーます。」
 2秒以上押した。
 「エイッ。」
 ディスプレイからキュアスティックが出て来た。そして、受け取った。
 「癒せ、祈りのハーモニー、パインフルート。」
 「ファファファ、キィーーン。」
 「プリキュア・ワイドサンダー。」
 キュアパインは、パインフルートを天高くかざし雷雲を呼んだ。
 「怪しい雲行きざーます。ちょっと引っ込むざーます。」
 ノーサーは一旦ワープした。
 「ピカッ、バチッ、ドカーーーーン、ゴロゴロゴロゴロ。」
 「ウゴーーーーッ。」
 「やったあ。効いたわ。」
 「こうなったら、一気に畳み掛けるわよ。」
 「OK。」
 ノーサーは再び、特別展望室屋上に姿を現した。

 再び、千香のいる病院では

 「ママ、怖い。怖いよ、ママ。うわーーんうわーーん。」
 すると、1人のナースが現れ携帯電話を持って、装備しているワンセグテレビを千香に見せた。
 「千香ちゃん、これを見て。」
 「タアーーーーッ。」
 「ドカン、ボーン。」
 「アッ、プリキュア。」

 再び、港区芝公園一帯では

 「ピュウーーーッ。」
 「もっと攻撃を加えるざーます。黙らせるざーます。」
 「オン・エアーーーーッ。」
 「ドーーーン、ドンドンドン。」
 「トォーーーッ。」
 「タァーーーッ。」
 「ウーーーーッ。」

 再び、千香のいる病院では

 「千香ちゃん、プリキュアだよ。」
 「うん。」
 「プリキュアは、怪物や悪い人たちと戦って頑張っているのよ。だから、ご対面は手術の後になって良い。」
 「うん、ガンバレ。ガンバレ、プリキユア。」
 千香は、この戦いでお会いする時期が遅延することを理解してくれた。

 再び、港区芝公園一帯では

 「タアーーーッ。」
 「ドカッ、バキッ、ボコッ。」

 子供たちの多いとある民家

 「ガンバレ、ガンバレ。」

 家電量販店前

 「ワイワイ、ガヤガヤ。」
 「ガンバレ、ガンバレ。」

 学習塾内ある教室

 「ガンバレ、ガンバレ。」

 集合住宅の一室

 「ガンバレ、ガンバレ。」

 千香の入院している病院3階ロビー

 千香と千香の母もいる。
 「ガンバレ、ガンバレ。」

 再び、港区芝公園一帯では

 「トリプル・プリキュアキィーーーーック。」
 「バコバコバコ。」
 「ウゴーーーーーーーッ。」
 「ドスーーーーン。」
 オサキマックーラ4号は動けなくなった。
 「キャアーーーッ。」
 「ドデッ。」
 「痛いざーます。」
 「行くよ。」
 「OK。」
 キュアピーチとキュアベリーはリンクルンを出した。
 「キィーーーッ。」
 「キィーーーッ。」
 キュアピーチとキュアベリーは、ピックルンを差し込みキュアスティックのコマンドをクリックした。
 「2秒以上押してください。」
 「腰が痛いざーます。」
 2秒以上押した。
 「ハッ。」
 「トオー。」
 ディスプレイからキュアスティックが出て来た。そして、受け取った。
 「届け、愛のメロディー、ピーチロッド。」
 「響け、希望のリズム、ベリーソード。」
 キュアパインも一緒に
 「ドレミファソラシド、カチャッ、キーーーン。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。」
 「プリキュア・ヒーリングブレアーーーーッ。」
 「プリキュア・エスポワールシャワーーーーッ。」
 「プリキュア・ラブサンシャイーーーン。」
 「フレーーーーッシュ。」
 「ピュッビュッピュッ、ドーーーーン、ピューーーーッ。」
 「ウッウッウッ。」
 「ハアーーーーッ。」

 千香が入院している病院3階ロビー

 千香がおもちゃのピーチロッドでフィニッシュ技を真似ている。
 「ハアーーーーーッ。」

 再び、港区芝公園では

 「シュワ、シュワシュワワーーーッ。」
 「オサキマックーラ4号は東京タワーに戻った。」
 「くやしいざーます。覚えてらっしゃい。」

 再び、病院3階ロビーでは

 「千香ちゃん、プリキュア頑張ったたね。」
 「うん、千香も頑張る。」

 再び、港区芝公園で

 「急ぐよ。」
 「うん。」
 スウィーツ王国から着信が入った。
 「もしもし、国王。」
 「そうじゃ、ワッフルじゃよ。残念ですが、手術前に渡せなくなったぞ。」
 「エッ、間に合わないって。」
 「話はタルトから聞いておる。今、ティラミス長老が院長先生と電話で交渉しておる。慌てずあせらずゆっくり引き上げてくるのだ。」
 「ハイ。」
 通話を切った。
 「残念、間に合わないって。」
 「どうすれは。」
 「こっちも、同じことを言われたけど。」
 「そうか、連絡を待たないといけないね。とりあえず、赤塚公園へ向けて飛び立つわよ。タルトとシフォンに色紙を預けているからね。」
 プリキュアの3人は、板橋区赤塚公園へ向けて飛び立った。

 スウィーツ王国首都アラモード内ワッフル城

 「もしもし。ワシは、スウィーツ王国国家指導者ティラミスじゃが。」
 「これは、外国の国家指導者から直々のお電話とは驚きです。」
 「ワシはプリキュア隊の隊長でもある。」
 「プリキュア隊、さっき戦っていたあの部隊ですか。」
 「そうじゃ。先生のいる患者の中にプリキュアの大ファンがいませんでしたか。」
 「はい、おります。」
 「是非ともお会いしたいのですが。」
 「その方、現在手術中ですが。」
 「いや、手術後でも構わん。我がプリキュア隊とのご面会をお願いしたいのですが。」
 「よろしいですよ。該当する患者のお母様もお目通りをお願いしております。」
 「それでは、ご面会お認めいただけますか。」
 「よろしいですよ。裏口で当スタッフがお待ちしております。」
 「分かりました。早速向かわせますので、どうかよろしくお願いします。」
 通話を切った。

 千香が入院している病院

 準備が完了し千香はストレッチャーに乗せられ手術室へ向かい始めた。
 「プリキュアはまだ来ないのかなあ。」
 すると、大きな窓のある廊下にさしかかった。
 「ハアッ、シフォンちゃん。もう1匹、あのイタチは何者。」

 窓越しのタルトとシフォンは

 「あの娘でっか、シフォン。」
 「プリップ。」
 「何、手術後になりまっけど、お会いできまっせ。」
 タルトのリンクルンに着信が入った。
 「もしもし、長老。」
 「プリキュアが戻ってくるぞい。君たちも、待ち合わせの場所へ至急戻るのじゃ。」
 「ヘエ。」
 通話を切られた。

 赤塚公園

 プリキュアの3人が戻って来た。
 「あれ、タルトとシフォンがいない。」
 すると、ピーチのリンクルンに着信が入った。
 「もしもし、長老。」
 「病院との交渉に成功したぞい。直ちに向かうのじゃ。」
 「でも、タルトに色紙預かっていて。」
 「ピーチはん、ベリーはん、パインはん。」
 「来ましたわ。」
 「切るぞい。」
 通話を切られた。
 「タルト、シフォン、どこ行ってたの。」
 「いや、窓越しで千香はんの様子見てたんや。」
 「そう、やっぱり、間に合わなかったのね。ところで、色紙は。」
 「ここにありまっせ。」
 キュアピーチは色紙を持った。
 「行くよ。」
 「OK。」
 プリキュアの3人は、病院の裏口目指して飛び立った。そして、到着した。
 「プリキュア隊の方ですか。」
 「はい。」
 「院長先生がお待ちです。さあ、どうぞ。」
 プリキュアの3人は、病院スタッフに案内され院長室へ向かった。

 院長室

 「失礼します。」
 「プ、プリキュア。」
 「お待ちしておりました。隊長から聞いております。」
 「隊長って、長老。」
 「その通りです。ここに、プリキュア隊に来て欲しいとの要望を申し出ている方がいます。」
 「この方、」
 「プリキュアの皆様、お会いできて光栄です。私は千香の母です。」
 「千香のお母さん。」
 「はい。」
 「千香のお母さんは君たちに渡したいものがあるそうです。その前に千香と言う娘をこのタイミングで会わせたい理由を詳しくお話させていただくぞ。」
 「はい。」
 「千香ちゃんにとって、君たちにお会いすることこそが、最高の薬であるのが一番の理由だ。」
 「最高の薬。」
 「ああ、精神面では最高の薬だ。病を治そうと前向きになってくれるからだ。」
 「そうなの。」
 「ああ、これこそが、幸せの素だ。」
 「それが、幸せの素。では、くじ大当りを引くのは幸せの素ではないの。」
 「それは言わん。宝くじ大当りを引いて金持ちになっても、皆に知られたらどうなる。最悪、強盗団に襲われ、一気に不幸のどん底へ落とされ、命を失うことだってあるんだぞ。」
 「エエーーーッ。」
 「そうだったの。」
 「それに比べ、病で痛み苦しみながらも、それを治すことで、これまでできなかったこともできるようになる。この病苦しみから自分の強い意志で治そうとする気持ちこそ幸せの素ではないかな。」
 「先生、誤解していました。」
 「そうだろ、世界の子どもたちの中には、満足に医療を受けられず、痛み苦しみ泣きながら命を失う子も決して少なくないんだよ。」
 「はい。」
 「もちろん、痛み苦しむ子どもたちの中でも、医療を受けることができて助かった子も多い。」
 「先生。」
 「何だね、ピンクの隊員君。」
 「助かった子どもたちは皆、幸せゲットになったの。」
 「その通りだ。君が言う『幸せゲット』とは、私が言う『命が続くこと』に該当する。
 「そうなんですか。命が続くことが幸せなんですね。」
 「そうだ。だから、命を大切にする心得は必ず、自分も他人もそして、多くの人々も生物も幸せへと導く。」
 「本当。」
 「本当だよ。逆に、命を粗末に扱う者は必ず、バチが当たって不幸のどん底に落ちるだろう。」
 「そうなんですか。」
 「ああ、あんな連中に幸せなんて訪れるワケ無いぞ。」
 「では、手術が怖がる理由は何ですか。」
 「よく聞いてくれた。手術を受けて最も痛くてつらいのは、麻酔から覚めた時である。」
 「麻酔から覚めた時。」
 「私には分かるわ。手術の経験があるから。」
 「黄色い隊員、よくご存知だ。」
 「そこで、現在、手術を受けている千香ちゃんをICU(集中治療室)でご対面させることに決定した。よって、麻酔科の先生を呼ぼう。以後、この先生の案内に従ってくれ。」
 「ハイ。」
 院長先生は、内線電話で麻酔科担当医師を呼んだ。

 しばらくして

 「失礼します。」
 「先生、この人たちを手術室出入口まで案内してくれ。」
 「はい、院長。」
 「手術室出入口まで行くの。」
 「そうです。それでは皆様、私の後を付いて行ってください。」
 「はい。」

 プリキュアの3人と千香の母は、麻酔科医師の案内で地階にある手術室出入口へ向かった。しばらくして到着した。
 「まだ、手術が終わるまで時間があります。何かありましたら、内線電話で私を呼んでください。」
 「ハイ。」
 麻酔科医師は去った。
 「プリキュアの皆さん、お渡ししたいものがあります。」
 「これは。」
 「1つは千香の書いた手紙、もう1つは今朝、作ったハートリンクのアクササリーです。」
 「どれどれ、千香ちゃん本当に悩み苦しんでいたのね。」
 「この幼少時に手術を受けるなんて相当酷だよね。」
 「大人でさえ、痛くてつらいのだから。」
 「その袋詰めは。」
 「開けてみるわ。」
 「うわっ、綺麗。」
 「こちらも、渡したいものがあるわ。受け取って。」
 「うん。これは色紙。よくできているわ。ありがとう、千香も喜ぶわ。」

 数十分後、手術中のランプが消えた。

 「手術が終わりましたわよ。」
 「もうすぐ出てくるね。」
 扉が開いた。千香を乗せたストレッチャーが出て来た。そして、ICU(集中治療室)へ向かった。その後、例の如く執刀医が現れた。
 「先生、千香の容体は。」
 「手術は成功しました。」
 「やったあ。」
 「それでは皆様、ICUへご案内します。」
 千香の母とプリキュアの3人は、麻酔科医師と執刀医の案内でICUへ向かった。しばらくして、ICUに到着し入室した。

 数十分後、ICU

 千香に身に付けていたものが次から次外された。待つこと数十分。

 「ウ....ウッ。」
 「気が付いたわ。」
 「痛い。」
 「千香ちゃん。」
 「良かった。」
 「エッ、もしかして、プリキュア。」
 「そうよ。私はキュアピーチ。」
 「あたしはキュアベリー。」
 「私はキュアパイン。」
 「痛い。本当に夢ではないわ。」
 千香は思いっ切りキュアピーチに抱き付いた。キュアピーチも千香をゆっくり抱擁し始めた。
 「プリキュアが、プリキュアが、プリキュアが本当に来てくれた。うわーーん、わーーーん、わーーん、わーーーん。」
 「千香ちゃん、遅くなってごめんね。」
 キュアピーチにも涙が.....。
 「わーーーん、わーーーん、わーーん、わーーーん。」
 「何だかもらい泣きしてしまうわ。」
 「私の時と違って、千香ちゃんに最高の幸せを与えたような気がする。」
 「パイン、これが本当の本気の幸せゲットなの。」
 「そうよ、ピーチ。一生に一度もないかもしれない幸せゲットよ。」
 「そんなすごい幸せゲットなの。パイン、何だか自分も。」
 「わーーん、わーーん、わーーん、わーーん。」
 「エーーン、エーーン、エーーン、エーーン。」

 スウィーツ王国ナノ研究所

 「ダメじゃ。本当に泣けてくる。」
 「一生に一度も叶わない幸せとは、よく言ったよ。」

 ラビリンス総統官邸内謁見の間

 「何、不幸のゲージが2割急減しただと。」
 「メビウス様、幹部全員をお呼びになっていただき、映像をご覧になってはいかがでしょうか。」
 「相分かった。親衛隊、幹部たちを至急呼ぶのだ。」
 「ハッ。」

 再びICUでは

 「回復の経過が順調だって。」
 「そうですよ。千香ちゃん、もう十分泣いたでしょ。病室へ戻りましょう。」
 「うん。」
 こうして、ICUを出て元々いた病室へ戻って行った。

 3階301号室

 「千香ちゃん、色紙をテレビの上に置いておくわね。」
 「うん。」
 「もうお別れよ。」
 「帰るの。」
 「千香もプリキュアになりたい。」
 「まあっ。」
 「千香、プリキュアの皆様を困らせてはダメよ。」
 「千香ちゃん、病を治して幸せゲットだよ。」
 「うん。」
 「もうお別れよ。バイバイ。」
 「バイバイ。」
 プリキュアの3人は病院から去った。

 再び、ラビリンスでは

 「うーーーーっ。」
 「泣けてくる。」
 「クソッ、プリキュアめ。」
 「一生に一度も叶わない幸せか。これで不幸のゲージの満タンを遅らせてしまうとは。」
 「ウワーーン、ワーーーン。」
 「覚えてろよ、プリキュアめ。」

 翌日、日曜日

 ラブたち3人は私服で千香のお見舞いに来た。
 「シフォンちゃん、もう可愛いったら。」
 「千香ちゃん、手術はどうだった。」
 「麻酔から覚めた時、ものすごく痛かったの。」
 「そうなの。」
 「でも、このタイミングでプリキュアが来てくれて、うれし過ぎて痛みを忘れたわ。」
 「すごいね。」
 「手術が怖がる部分でプリキュアが来てくれるなんて。」
 「これぞ、プリキュアマジックね。」
 「手紙もアクセサリーも受け取ってくれて、色紙ももらえて最高にうれしかったわ。」
 「プリキュアの皆も千香ちゃんも幸せゲットだね。」
 「そうね。」
 「うん。」
 「シフォンちゃんにはこれ。もう忘れて行かないでね。」
 「デヘヘッ。」
 「退院したらまた遊ぼう。」
 「うん。」
 「またねバイバイ。」
 「バイバイ。エヘッ.....エヘッ。」
 「ピューーーン。」
 「ハッ。」
 「バイバイ。」
 「エヘヘヘッ、エヘッ。シフォンちゃん、また遊ぼうね。」
     完
 フレッシュチビキュア!もうすぐ登場 
 

 
後書き
 命を大切にする者に幸せは必ず訪れます。痛み苦しみから這い上がるこれこそが、幸せの素ではありませんか? 
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